エセルとアーネスト ふたりの物語

劇場公開日:

エセルとアーネスト ふたりの物語

解説

「スノーマン」「風が吹くとき」などで知られるイギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズが自身の両親をモデルに描いたグラフィックノベル「エセルとアーネスト」をアニメ映画化。「風が吹くとき」にアニメーターとして参加したロジャー・メインウッドが監督を務め、9年の歳月をかけて手描きで制作。激動の20世紀を生きた庶民の歴史を、温かい眼差しで描き出す。1928年、ロンドン。牛乳配達人のアーネストとメイドだったエセルは恋に落ちて結婚し、ウィンブルドンに小さな家を構える。最愛の息子レイモンドの誕生と成長、そして第2次世界大戦の苦難の中にあっても、2人は寄り添い笑い合うことを忘れない。そんな2人にも、やがて静かに老いが忍び寄ってくる。「秘密と嘘」のブレンダ・ブレシンと「アイリス」のジム・ブロードベントがエセルとアーネストの声を演じる。ポール・マッカートニーがエンディング曲を担当。

2016年製作/94分/G/イギリス・ルクセンブルク合作
原題または英題:Ethel & Ernest
配給:チャイルド・フィルム、ムヴィオラ
劇場公開日:2019年9月28日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13

(C)Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A.,The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016

映画レビュー

5.0平凡な人生をおくれることの素晴らしさ

2019年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

平凡な人生を送ることがこんなにも素晴らしく、美しいことだと描いた作品は滅多にお目にかかれない。平凡に結婚し、平凡な家を買い、平凡な仕事をして、平凡に子どもを授かり、平凡に年を取り、天寿を全うする。それこそ人生で最も大切なことだとやさしい語り口で教えてくれる作品だ。貧しい暮らしの厳しさも、老いていくことの残酷さもレイモンド・ブリッグズは隠さない。全ては人生の一部であり、そんな残酷さを隠さずとも人生は素晴らしい。レイモンド・ブリッグズが自分の両親をモデルにしたこの作品、庶民の視点から現代イギリスの歩みを振り返るものであり、それは『この世界の片隅に』にも通じる部分がある。世界は残酷、そんな世界で平凡に天寿を全うできるだけでも、確かに我々の人生は儲けものではないか。あまりにも美しい映画なので、涙が止まらなかった。ブレンダ・ブレッシンの声を久しぶりに聞けたのも嬉しかった。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
杉本穂高

4.0誰の心にも両親への思いが蘇って来るはず。

2019年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「スノーマン」「風が吹いたら」で知られるイギリスの絵本作家、レイモンド・ブリッグズが、愛して止まない両親に捧げた人生のスケッチは、別段、特別な出来事が起きるわけではない。戦前、戦中、戦後を、互いに慈しみ合い、笑い合いながら生きた夫婦の日常の積み重ねで構成されている。ブリッグズ独特の手描きタッチを、そのままアニメーションに生かした製作者たちのリスペクト。そこから浮かび上がる庶民の生活の尊さ。足早に過ぎ去る人生の時間。そして、突然の別れ。人の世の至福と残酷さが、これほどまで胸に迫るのは、エモーションを抑制した原作者の手法が、本作にも受け継がれているからだろう。見終わると、きっと、誰の心にも両親への思いが改めて蘇って来るはずだ。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
清藤秀人

3.0終盤に

2024年9月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

寂しくなってはゆくけれども

これって普通に幸せな方なのではないかな‥と

コメントする (0件)
共感した! 0件)
寝落ちマン(次男)

3.0二度とは戻らない人生

2024年9月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

冒頭の実写パートは、視聴後もう一度観たくなりました。
アニメにチェンジしてからは、映像が個性的で見入ってしまいました。
クルマや戦闘機、建物やドア等は歪みのないCGを使用していますが、絵のタッチが統一されていてアイデンティティを感じます。

序盤にほんの少しだけ他の夫婦の性欲事情の描写がありました。
合計3パターンの夫婦が登場しますが、あくまでもエセルとアーネストの二人以外は脇役というスタンスを貫き、焦点はブレません。

絵は独特ですが、これといってキャラ立ちしているわけでもなく、不思議なことや特別なこともなく、喜怒哀楽を大袈裟に表現することもせず、ただひたすらテンポ良く年月が過ぎ、時代の変化とともに老化していく夫婦の様子を淡々と描いています。

主人公を自分と重ねたり、親や祖父母に見えたり、全く別世界だと感じる瞬間もありました。

エンドロールに登場する数々の写真が、本編を振り返るようなシチュエーションなので、アニメを観たのに実写映画を観たような感覚になりました。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Don-chan