ディリリとパリの時間旅行
劇場公開日:2019年8月24日
解説
「キリクと魔女」「アズールとアスマール」などで知られるフランスアニメーション界の巨匠ミッシェル・オスロ監督が、19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック期の美しいパリの街を舞台に描いた長編アニメーション。ニューカレドニアからやって来たディリリは、パリで出会った最初の友人オレルとともに、少女たちの誘拐事件の謎に挑む。キュリー夫人やパスツール、ピカソ、モネら時代を彩った天才たちに協力してもらいながら、エッフェル塔やオペラ座、バンドーム広場などパリの街中を駆け巡って事件解決を目指す2人だったが……。第44回セザール賞で最優秀アニメ作品賞を受賞。
2018年製作/94分/G/フランス・ドイツ・ベルギー合作
原題:Dilili a Paris
配給:チャイルド・フィルム
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2019年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
本作の舞台はベル・エポックの時代のパリだ。ベル・エポックは良き時代という意味だが、その名の通り産業革命が進み、消費文化が栄え、多くの芸術が花開き、パリが最も華やかな時代と言われる。ミシェル・オスロ監督はそんな時代の光と影を描き出した。背景はオスロ監督の撮った写真をコラージュして作られているそうだが、その美しく華やかなパリの姿に魅了される一方、パリの中心街では見世物小屋で混血の少女が働かされている。そして、「男性支配団」による少女誘拐事件が勃発、彼らは地下に少女を幽閉し、教育と称して洗脳しようとしている。華やかな時代も一皮むけば醜いものが潜んでいるという痛烈な皮肉だ。
しかし、主人公の少女の天真爛漫さと勇気に救われる。遠い異国からやってきた彼女が、様々な有名人の助けを借りて誘拐された少女たちを救い出す過程を痛快に描いている。パリの美しさと醜さも含めて、オスロ監督の街への愛が伝わる素晴らしい作品だ。
2021年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
予告編を観て、奥行きのある美しい映像にくぎづけになった。
『この映画は、観なければ!』と。
プレゼンテーションで作るスライドのバックグラウンドのような、ビビッドな色彩に包まれていて、絵が綺麗だった。エキゾチックでモダンでお洒落。
むかし、学校でみた影絵みたい。
『映画は一コマ一コマ、どのコマを観ても全て美しい美術作品になるように作られるべきだ。それが映画なんだ』という話を聞いたことがあるが、そんな感じ。
そして、一枚一枚の描画,細かい仕事,人々の服装や表情、街並みなどすみずみまで観てみたい。もちろん、そこここに登場してくる歴史上の豪華キャスト達も。
日本でも、やじさんきたさんなどで、幕末などで作ればいいのに。
ラスト近くの夜のシーンが美しかった。
上品でセンスよく,エキゾチックでネオレトロで,でもどこか懐かしく,色が,特に青がきれいな不思議なアニメーションだった.
2021年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ミシェルオスロ監督の作品はどれも大好きで、
この作品も彼独特の空気感とテンポを纏っている。
今作はCGを駆使したモーショングラフィックが非常に美しく
キャラクターたち、ひいてはラストのスタッフロールで見られるダンスシーンまでも
細かく表現されている。
特に豪華な馬車から降りてくるサラ・ベルナールの姿は秀逸。
サラが当時のパリにおいて特別な女神(ミューズ)であったことを
わずかな時間で表現しきっている。
ストーリーは時にゾッとするようなおぞましさを感じるシーンもあるが
天真爛漫なディリリと、勇気ある味方たちの行動が心強いので安心して鑑賞できる。
「アズールとアスマール」の素晴らしさに比べると少し派手さに欠けたかな。と思うので星4。
それでも非常に美しい映画です。
パリの街並みの写真を背景に切り絵が動いているようなアニメーション
昼間の色とりどりの街並みと対照的な夜の描写
ラスト近く夜のエッフェル塔と気球船のなんと美しいことか
ニューカレドニアとフランスのハーフのディリリ
礼儀正しくて、好奇心旺盛で行動的。強い魅力的な女の子。肌の色が違うことも受け入れている。正義感が強い。
そんな彼女の成長の物語でもあった。
悪を制したり色んな人物と出会ったり ぎゅっと抱きしめられること 抱きしめることを覚えたり。
彼女がロートレックの横で書いた ムーランルージュの踊り子の絵が素晴らしかった!
あんなに単純な線だけでロートレックっぽさが出せるなんて凄い。
次々と登場する画家 科学者音楽家作家。。。
自分が知っている人物は興味津々でのめり込んだりニヤリとしたり。でも知らない人物で見逃してるシーンもたくさんあるのだろうなあ。。
ディリリと パリの時間旅行をしてるのは私なのね。
人種差別や女性差別
また 警察も悪だったり 現代に通じる社会の問題もしっかりと描かれていてさらに作品を深いものにしている。女性を四つ足で歩かせるって自立は許さないってこと?ひどいわあ。
できればフランス語を聞きながら観たかったな
吹き替えだと 声優さんのイメージがちらついて感動5割ダウン! 時間が合わなかったから仕方ないけど(涙)
もう一度色んなこと確認しながら字幕版で観たい大好きな作品。