紅き大魚の伝説
2016年製作/105分/中国
原題または英題:大魚海棠 Big Fish & Begonia
2016年製作/105分/中国
原題または英題:大魚海棠 Big Fish & Begonia
日本アニメの影響を強く感じさせる中国のファンタジーアニメだが、一周回って帰ってきた来たと言うべきだろうか。『白蛇伝』などの初期東映アニメーションは、むしろ中国伝統の物語の影響も強いし、50~60年代は中国はアジアのアニメーション大国でもあった。監督たちは宮崎駿の影響を公言しているが、宮崎駿の原点が『白蛇伝』であることを考えると、そのセンスが先祖帰りしたと言える。 物語のモチーフは荘子「逍遥遊(しょうようゆう)」の引用から始まる。無為自然の思想で、人為的な振る舞いを良しとしないこの思想が根底にある物語だが、人ならざるものにも等しく生命を吹き込むアニメーションという技術にふさわしい題材だ。 物語のスケールも大きく、美術も美しい。少女がイルカに変身するシーンの作画も抜群に良い。音楽を担当しているのは吉田潔。壮大な世界観にふさわしい荘厳なスコアを作っている。
同時期に見た海獣の子供と言う映画より余程海獣の子供でした。 神話をアニメーション化したような作品で、映像も派手過ぎず、でも綺麗で楽しめました。 神話だと気づいてから客観的に見れたので、キャラクターに感情移入しすぎなかったのが良かったかもしれません。 ジブリっぽい作品ですが、今の難解なジブリではなくトトロとかあの辺の懐かしいジブリ感がありますね。 なので私はポニョより面白かったです。
『客家』の伝説なのだろうか?
それとも、オリジナルなのだろうか?
ベースになっているのは、『西遊記』と『人魚姫』だと思う。オカルト的な所は『かみっチュ』かなぁ?
ジブリの作品にだいぶリスペクトしているのは分かる。しかし、この作品を日本の『亜流アニメーション』とは思えない。アニメーションの技術は兎も角、ストーリーは荒削りだが、素晴らしい所がある。だから、ジブリをリスペクトしなくても、『話のベース』は中国四千年の歴史があるのだから、ネタはいくらでもあるし、『千と千尋の神隠し』や『ブレードランナー』は元々中国文化の京劇をリスペクトしている。ジブリのファンタジーや西洋映画のスチームパンクな世界観の元祖が中国の芸術と言っても過言でない。
あの『すずめの○締まり』もこのアニメーションをリスペクトしていると断言できる。