楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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楽園は自分の心に…
社会に出て、出会う人やあるいは
仕事で、何て理不尽なんだっ!と
憤慨しながら、やり切れなさに
友と弱いお酒を飲みながら、
くだを巻いていた頃を
何となく思い出しました。
わたしが間違っているんだろうか、
わたしがおかしいんだろうかと…
フェアに生きようとすると叩かれ
息苦しく、いつの間にグレーに
染まっていった若かりし頃の
切ない思いが蘇りました。
でもそれが世の中で、理不尽な
中を生きて行かなければならない。
でも幸せも同じくらいあることに
なかなか気づけない。
つい、後ろばかりを振り向き、
奈落のスパイラルに迷い込む。
優しい人が生きにくい世の中って
間違っていると思うけれど、
そんな時に救ってくれるのは
音楽であったり、本であったり、
絵画を観に行くであったり、
素晴らしい映画や友に出会うことで
あったりする。
生きていくのに必要不可欠で
ないものが、人生を変えては
くれなくても、そっと寄り添ってくれる。
一歩踏み出す勇気をくれる。
誰1人幸せな人が出てこなかった
作品だけれど、その中に
楽園を探すヒントが隠れていたように
思いました。
理不尽への1番の戦力は、
心を豊かに保つ事。
それが楽園への
近道ではないかと、そして
楽園は自分の心に創るものだと。
やり切れない切ない作品だった
けれど、こういった素晴らしい映画との
出会いがわたしの明日への活力になります。
今まで実生活の対人関係やニュースや他の映画で観て、知ったり学んだり...
今まで実生活の対人関係やニュースや他の映画で観て、知ったり学んだり経験したりしてきたことが濃厚に詰まっていた感覚です。まとめ方がさすがです。もう一度観たくなる。
観賞後に原作も読んだが結局よくわからん
善次郎さんに共感
犬好きがたまらん
未亡人との絡みがよく分からん上に混浴で逃げたの何で?
ハラキリ?
ハラキリした後、救急車で運ばれるシーンで未亡人が泣いてたのも謎
前の奥さんの登場がいきなり過ぎてこの女誰に向かって話してんだ?となった
前の奥さんとの思い出に執着してたみたいだけどそこまでの感情移入が全然出来てないから何?って感じ
集落の長の機嫌損ねて村八分にされて犬監禁させられて前の奥さんの遺骨を埋めた植木もグチャグチャにされて土食っちゃうくらいストレス抱えたのは分かるけど人殺しまくるまでに豹変したのが唐突
女の子がストーカーっぽい男の子に恋した理由が謎
タイヤパンクさせるとか無理矢理キスしようとするとか東京まで追ってくるとか怖すぎて好きになる要素あった?むしろコイツが犯人だろと思ってた。
同郷意識?
みんなの楽園をお前が作れ…????
全部背負ってわたしは生きる!…????
綾野の役はどうした?たけし
親に捨てられた悲しみであいかちゃんを何かしちゃったぽいけど、やむにやまれず殺してしまったのかと思いきや事情聴取後にニヤっとしたのは何だったん?ミスリード誘うっていうなら下手過ぎ
母親はあれでこの子はヤッたなと感づいてたし
焼身自殺したけどあれは間違いって事で後味悪いのかと思いきややっぱお前かよって言う…わたしはそう捉えた
誰に感情移入すればいいの?
相関図どうなってるの?
誰が主人公?
今のセリフ要る?
そのシーン要る?
結局何が言いたいの?
みんな人のせいにせず、自分で背負って、誰も拒まない、憎しみ合わない、そんな楽園をつくろう
いやいや、教祖にでもなるしか無くね?
つむぐと村人の対比
青果市場で色んな場所から野菜が集まってくるのが楽しいと言った彼女が村人と対になる存在として描かれているらしい
たけしのせいにせず背負うと決めたつむぐが作ることができるのが楽園なのか?
他者を排除せず、人のせいにせず、憎しみのない楽園を作るのがつむぐで白血病から生還した彼はその楽園のはじめの住人になる?
感想というか内容の整理
わからんすぎて色んな人のレビューをまとめた感じになってしまった
「呪われた村」の呪いとは何か
打ちのめされた。
ファーストカット、田んぼと町と山の遠景カットを見て思ったのは「あ、うちの実家だ」だった。
Y字路、田んぼ道、ホームセンター、祭り…全部見覚えがある。
美しい木々、田園、川、青く広い空。
ここを鶴瓶が訪れれば、さぞや「のんびりしたあったかい村」に見えるだろう。
でもそこにあるのは、外からじゃ決して見えないどんづまりの人間関係。
事件が起こり、表沙汰になれば「呪われた村」みたいなキャッチコピーがつく。
でもその「呪い」を丁寧に見れば、誰かが誰かを攻撃し、その人が別の誰かを攻撃し、みんなが小さな加害者であり被害者である、という構図が見えてくる。
そしてみんな、自分を加害者だとは夢にも思っていない。
(それを一番分かりやすく体現していたのが柄本明だろう)
まあうちの田舎はさすがにここまでやばくはないな…とも思うけど、でも田舎に帰ると東京では考えられないようなやばいことが平然と起こってしまいそうなダークな空気はいつも感じる。
綾野剛が蕎麦屋で起こしたあの事件とか、今度帰省した時に地元のおばさんの世間話として聞かされてもおかしくない。
佐藤浩市はもちろん、綾野剛、杉咲花、柄本明、黒沢あすか、他みんな素晴らしい熱演だった。もうちょっと話題になってもいい映画だと思う。
しかし佐藤浩市が若者として扱われる限界集落のしんどさよ…あんまりだ…あといぬ…いぬ…!
Y字路が一生の別れ道に
『楽園』の要素、一切無し。未だに村八分がまかり通る地区がある事に驚き。出演者は全員、辛く、忘れ去る事の出来ない過去を持ち、引きずって生きている。そして誰も救われない、見ていて苦しい作品だった。こんな作品、最近、続くな~
いや、伝えたい事はわかるけどさ
俺がバカだから?
正直すげーつまらなかったんだけど。
便乗情報で日本版ジョーカー!!
とか謳ってたけど、アホかと言う感じだったww
おばはんのセクシー入浴シーンとかいらんしw
綾野剛か佐藤浩市の話どっちかの話でよくない?
何かつながりあるかと思って期待してたけど。
何が話の主役なの?これ。
楽園作れ
何そのセリフww
病院でぶっ倒れながら突然
俺産まれた瞬間の記憶あるんだとか
そんな場面でそんな話するか?ふつうww
なんで綾野剛と杉咲花
わざわざ車交差点に止めて降りて話して
また車乗るの?
車ん中で話せやww
単純に日本のくっさい演出が俺には合わないわ。
しかもこんなシリアスな映画なのに、
所々の立ち振る舞いとかリアリティがなくて集中できない。
柄本の怒りの表現とかただ目見開いて、
頭ごなしに怒鳴るだけで迫力もないし、
怒りも伝わってこない。
これから怒りますよーってナビゲーションしてるだけ。
ジョーカーを同時期にみたけど、
予算的に大差あるのかな?
作りが全然違う。
役者のレベルが段違い。
もやもやしました
めっちゃもやもやする終わり方でした。
もやもやするのは好みでないので(笑)犯人はこの人でした、って事で完結してほしかった。
出てくる人がみんな暗い。
そして限界集落の村八分の話が怖いです。
わんこ連れて村出ればよかったのにと思いました。
「楽園」とは誰にとっての場所なのか。
そんな場所あるのか。
それとも死んだら行けるとこなのか。
よく分からない話だったけど、わんこはかわいかった。
作り自体は悪くない。 ただ、人間の醜さを詰め込んだような作品で、非...
作り自体は悪くない。
ただ、人間の醜さを詰め込んだような作品で、非常に嫌悪感を抱いてしまう。(多少は地域性も含む。)
観ている最中も、観終わった後も、胸が圧迫された感。
気分の良いものではない。
生贄
思考を巡らさねばならぬ作品。
つまりは、観ただけではよく分からない。「楽園」という題名が意味するトコすら分からない。物語はとある限界集落を舞台に始まる。
で、まぁ、美しい自然はあるものの、醜い人間模様が展開される。
澱んだ泥沼の底のようで、作者には何かとてつもない嫌な想い出でもあるかのようだ。
少女が誘拐された事を起点に物語は始まってはいくのだが…そこはぶっちゃけ杉咲パートであって、佐藤パートは全く関係がない。
佐藤パートが八つ墓村よろしく村人を斬殺するに至るまでも、少女が誘拐されたかからどうだとか、されなかったからどうだの話にはならない。
超絶狭い限界集落で、全員顔見知りのような村で全く重なり合わない2つの話が繰り広げられていく…いやいや、え?それでいいの?
最後は少女が行方不明になったであろう時間帯に主要キャストが前後して登場する。
何をさせたいのだろう?
運命の存在でも示したかったのだろうか?
それとも「台風が来たら桶屋が儲かる」的ななぞかけなのだろうか?
事の発端は誰かが捨てた犬って事になる。
たけしが留まったのも犬だし、善二郎が決定的に疎外されたのも犬だ。
なのだが、別にそこは物語的に面白いっと思う部分ではないと思われる…。
杉咲、佐藤になんとか共通項をと思って見出したのが表題である。
「生贄にされた人々」かなぁと。
多数の人が平穏に暮らす為の生贄。
そのような事は台詞の端々から薄っすらとは感じはするが、これと楽園って題名を結びつけると、なんつうかダークな内容しか考えつかなかったりする。
佐藤さんが目指したのは「楽園」なんだと思う。人の居ない世界的な。
杉咲さんからは犠牲のような側面しか見えてこない。誰かの楽園の為の人柱。彼女の人生は理不尽な事続きだったのだろうと思う。
なんちゅうか、人への嫌悪感というか、集団になった人への嫌悪感に埋め尽くされた作品だった。
楽園ねぇ…。
なんとも捻くれた題名だよなぁ。
つくづく人間ってのは不可解だ。
上映期間
短い……?
なんだかあっという間に終わってしまってて
慌ててレイトショーに滑り込みました。
感想としては怒り、と同じで
殺人までの心の過程を描いてるのかな?
という印象。今回は杉咲花ちゃんの演技を
観たくて見たんですが、怒りと同様
演技バトルがバチバチで高まりました。
綾野剛さんの演技は引き込まれる、
上白石さんの主題歌も良かった。
ただ田舎特有の嫌な感じがもう少し濃くても
良かったんじゃないかな?
ド田舎出身なので物足りなさというか
まだ優しいところだなと言う印象を
うけてしまい、そこが、リアリティが
ちょっと物足りなかったかな。
2つの事件、その真相を知っているのは1つのY字路
1つの村を舞台に異なる事件が交差しすれ違う。
真実は1つだが、記憶が真実を語るわけではない。人の記憶と思いの何とあやふやなことか。
ラストで少女が見たものは印象的で心象的でどちらにも取れるカット。不確かさを象徴的に美しく描いていて圧巻でした。
2つの事件。ただ心の安寧のために追い込む人の性、集団の暴力と、閉鎖的な社会で追い詰められて、壊れて狂っていきながらもどこか純粋に昇華されていく人間。
キャッチの『ひとすじの光を見た』に通じて、楽園というタイトルがとてもしっくりきました。
善人を歪ませる悪意からの解脱
『悪人』『怒り』の吉田修一の原作を、
『64 -ロクヨン-』前後編などの瀬々敬久の
脚本・監督で映画化したサスペンスドラマ。
田舎町で起こったある少女失踪事件。
事件の犯人と疑われる青年、失踪人と友人
だった少女、事件に巻き込まれる移住者の男。
三者の姿を描くうちに浮き彫りになる
排他的社会の醜さとそこからの解脱を描く。
最初に書いてしまうと、語られるテーマは
好みだったが、語り口がやや極端に感じる
部分もあって個人的にはあまり心に迫らず。
...
とはいえ主演陣3人が演じる登場人物は
好きだったので、今回はそこから書く。
綾野剛演じる豪士。
外国人であるというだけで母子揃って
蔑まれながら生きてきた彼は、言葉が不得意
なのか、元々の性分か、自身の苦しい胸の内
を言葉にして外に吐き出すことができない。
その苦しさが胸の内をぐるぐる巡り続けて中毒に
陥り、あの最後に至ってしまったように見えた。
佐藤浩市演じる善次郎。
なんでも器用にこなし人当たりも良い彼だが、
些細な行き違いだけがもとで村八分に遭い、
12年前の事件の犯人という噂を流布されたり、
挙げ句は亡き妻の形見のように大切にしていた
山林まで崩され、狂気に走ってしまう。
2人とも、元は善良な人間だったはずなのに。
僕は豪士の紡への気遣いが罪滅ぼしの為だけ
だったとは思わないし、村八分に遭う前の
善次郎は誰にでも親切にできる真っ直ぐな
人間だったと思う。なのに、
勝手な思い込みや偏見を抱く人々が彼らを悪人
と決めつけ、よってたかって蔑み罵り続ける。
(これは別に限界集落に限った話ではないし、
SNSの情報を闇雲に信じて不特定多数で
個人を袋叩きにする構図等とよく似ている)
心がズタズタになるまで傷付いた2人は――
かたや失踪事件の犯人の汚名を被ったまま死に、
かたや村人を多数殺害した残虐な男として死んだ。
虐げられ続ける子犬のような綾野剛と
緩やかに狂いゆく佐藤浩市の演技は
さすがの安定感だが、杉咲花も良い!
僕はドラマを全然観ない人間で、彼女の
演技は映画で2、3作を観た程度なのだが、
正直に書くと、それら過去作ではそこまで
良い印象を持っていなかった。
1シーン1シーンでの演技は力強くて好きだが、
作品全体を俯瞰すると極端に感じたんである
(これは演出する側の手法にも依ると思うが)。
だが今回は、抑えた悲しみや苛立ちが、徐々に
怒りと決意に変化するグラデーションが自然。
悪人のレッテルを貼られた善人が、レッテル
そのままの悪人になるまでに心を歪まされる――
こんな理不尽があって良いのかという怒り。
そんな醜い大人になる事を断固拒絶する覚悟。
望まない真実も、背負うには重すぎる後悔も、
どちらも「私は抱えて生きる」と言う覚悟。
そんな紡の覚悟が、重苦しい物語の
最後を、微かに明るく照らしてくれる。
紡が最後に辿り着く“真相”が、彼女の想像なのか
彼女が忘れていたあの日の記憶かは分からない。
犯人すら明らかにはなっていない。それでも
誰かを悪人に仕立てることで心の安寧を得よう
とする社会の醜さを描くことや、紡が「そんな
醜い大人たちのようにはならない」と誓うまで
の物語としては完結していると感じた。
...
ただ個人的には、同じ吉田修一原作の映画
『悪人』『怒り』と比較して、登場人物らの
生き苦しさがイマイチ伝わってこなかった。
まず、『悪意に歪まされる人の心』については
自然に描かれていると思うものの、その発端たる
『悪意』そのものがカリカチュアライズ(戯画化
・単純化)され過ぎているように感じる。これは
実は上記の2映画でも感じたことではある
のだが、本作ではそこを特に強く感じる。
(なお、僕はいずれの原作も未読)
豪士が犯人と疑われる流れ。その場面まで
村人の大多数が外国人に差別感情を抱いている
という印象は薄かったし、そもそも集落に豪士
の母親以外の外国人が住んでいる描写がない。
なのにあの場面でいきなり「12年前の捜索を
思い出した」→「外国人が怪しい」→「あの女
の息子が怪しい」という流れになり、その場の
全員が捜索まで放っぽり出してまで豪士を追い
掛ける。これ、ちょっと極端過ぎないだろうか。
善次郎が村八分にされる発端が“助成金の件を
区長に相談しなかったから”という所もやや極端
な気はするが、小さな発端としてはまだアリか。
だがそこからの村人の態度の急変ぶりには違和感。
徐々に態度が硬化し辛辣になるなら納得だけど、
本編の描写のみではあまりに急激に感じる。
豪士と善次郎の受ける差別はどちらも“異質な
者を排除する”という点では同じだが、どこか
噛み合わせが悪くも感じる。かたや村の老人
が主体、かたや主体の見えない群衆心理と、
悪意の根源に統一性が無いと言うか……。
エンドロールで初めて本作が2つの原作を
連結させたものだと知り、納得してしまった。
また、「楽園を作れ」という象徴的なセリフや
柄本明の最後の独白など、ここぞという場面で
印象付けたいのだろうセリフが、他の現実味
あるセリフと比べてブツ切りでどうも浮いて
いるように感じ、今ひとつ心を動かされず。
全体的に感情的で勢いのあるセリフになると
聞き取りづらい所も少なくなかったし……。
紡の幼馴染みが病魔に負けず生きるという物語の
最後に語られる“希望”も、「真実も後悔も抱えて
生きる」というメッセージとは直接結び付いて
おらず、取って付けたような“希望”に聞こえる
のが気に入らなかった。ううむ、紡を前に
進ませる何かが欲しかったのだろうか。
紡の友人がもしかしたら……と思わせる
ラストも、それはこの映画が語る
希望に果たして繋がっているかしら?
...
不満点を色々書いちゃったけど、以上です。
群衆心理の恐ろしさや大切な人を失うことで
壊れていく心を描いた重みのあるドラマでした。
ただ、前述通りテーマを語る上で極端さや
噛み合わせの悪さを感じる箇所が多々あり、
個人的にはそこまで。まあまあの3.0判定で。
<2019.10.19鑑賞>
日本の国と同じムラ社会
ムラ社会に追い詰められる二人の主人公を描いた、ある意味では社会派とも言える作品である。杉咲花が演じるつむぎが所謂狂言回しの役割で、物語を前に進めると同時に、ムラ社会の息苦しさと断ち切り難い絆を伝えている。
つむぎの幼馴染みである、村上虹郎演じた広呂の言葉がこの作品の世界観を端的に言い表している。「誰もが表の顔と裏の顔を持っている」
村人たちは誰も自分のことしか考えていないが、村の利益を優先させる態度で本音を覆い隠す。村は長老たちを頂点とするヒエラルキー社会であり、村の利益とは即ち長老たちの利益である。ある種の利権のようなもので、政治家のサンバンよろしく世襲がらみに受け継がれていく。他所者は決してこの利権構造に食い込むことはできない。
村はひとつの運命共同体であり、出て行った者を許さない。入ってきた他所者に対しては、村に利益を齎すかどうかと、利権に対する脅威とを天秤にかけながら、表面を取り繕って対応する。他所者がヒエラルキーを疎かにしようものなら、徹底的に叩き潰そうとする。ムラ社会にとって外敵は長老たちの求心力を強化させる絶好のチャンスでもあるのだ。
アベ政権と殆どそっくりだと思った方もいるだろう。ロッキード事件やリクルート事件に匹敵するモリカケ問題でも辞任せず、韓国叩きに汲々とする安倍一味とその支持率をみると、日本は国全体がこの映画と同じムラ社会なのだと認識を新たにしてしまう。
綾野剛のたけしと佐藤浩市のぜんじろうは、互いの接点は殆どないが、他所者である点は共通している。ムラ社会の都合によって翻弄され、追い詰められ、脅かされる。
二人とも無口で自分が他所者であることを自覚していて、少しでも村人のために役に立とうとするが、ムラ社会は彼らを少しも評価しない。他所者はどこまでも他所者に過ぎないのだ。
最期はそれぞれに衝撃的な展開だが、ある意味では必然とも言える。他にどうしようもなかったと、納得できるところがある。綾野剛も佐藤浩市も、よくこんな難役を演じ切ったと讃えたい。心にずっしりとくる重厚な作品である。
行き辛いなあと思ってる人は、見て泣いて、それでも生きていきましょう。
「楽園」。吉田修一の「犯罪小説集」から二編が原作、つまり綾野剛の物語と佐藤浩市の物語、二編が編集されて一本になってる、繋ぐのが杉咲花。
これ、「この事件のホントの犯人は誰なんだ?」っていうミステリーとして見ても十分に面白い
でも、たぶん、話のキモはそこじゃあない。たぶん。
主人公三人の境遇が、まあーなんていうか悲惨。でもって、それ以外の出てくる人物が、揃いもそろって微妙にイヤーな奴でさ、いや、なんつうかデフォルトで差別的で男性原理的で、閉鎖された村のなかでこういう環境で暮らしていたら、おかしくなるよなあ、って切実に思う。嫌ーな世界が見事に描かれる。
で、物語は「とんでもないこと」になる。「嫌面白い」とはこのことだ。
吉田修一だから、つまり「悪人」と同じモノだね、これは。なるほど、そういう映画か。ならば分かる。
みんな、苦しいんだ。苦しくても生きてるんだ。
不遇の死の真相がモヤモヤと
本作は事件となる死には、あってはならない事が重なった結果に死に至るという、言わば不遇の死を関連づけて見せる手法だが題名である楽園の地が悲惨な地に変貌する有り様が苦々しく重く描かれている事に、見ていて気分が悪くなった。好きな俳優が凄絶な死を遂げるシーンでの村人の憎悪の姿がとても辛くて吐き気がした。子供の死の真相も、はっきりしないため、観賞後もなんだかモヤモヤした不快感しか残らなかった。これは俳優陣の演技がとても素晴らしいものだったからこその不快感だと思う事にした。楽園とは自己とそれを取り巻く環境が良縁でこそ成立するのだと深く感じましたし、その縁を繋ぐ上での選択次第で良くも悪くもなるのは、どこの誰にでも共通する命題だと投げかけられているようでもある。この作品のように救いようのない立場に追いやられた時に人は、とんでもない選択をするという救いようのなさが、とても怖い映画でした。
重くて、夫と行かなくて正解
夫は苦手なジャンル。
田舎育ちです。
基本よそ者には警戒心が強い。
仲良くなってからも、壁がある。
身内(同郷)には仲間意識が強い分、その輪を乱す事を嫌う。
その土地から逃げたいけど、離れてもどこか縛られてる感じです。
観ていて心が苦しくなる場面が多く、連れ去り、村八分、海外からの移住者の話
なんですが、今まであった事件や聞いた話を思い出させる様な内容でした。
終わりが確かにもやっとして、そのまま本屋さんに原作本を買いに走り、
内容を確認したら、ああ…話が絡んでいるんだね…でした。
吉田修一さんのお話しは好きです。
やっぱり観に行って良かったです。
何度も見返したくなります
結末がハッキリしてないので
見た分だけ答えが色々と出てきそう
最近の映画で皆が口を揃えて言う「伏線回収」·····
この作品には伏線が沢山あり過ぎて
繋ぎ合わせる時に色々なパターンが出来るから
観た人の心の寄せ方で犯人が変わってきちゃう
最終的には(愛華ちゃんに限っては)死んでないかもと
思えるシーンもあって、観終わって数時間経っても
頭の中で色んなエピソードの反芻が止まりません
小銭入れを見て何であんなに泣いたんだろ?
なぜ直ぐにかえさなかったの?
「楽園」なんて自分が思ってても
周りの人や環境でもろく直ぐに壊れてしまうもの
いつ死に直面する病気になるかもしれない
野上の病気は癌かな?
抗がん剤治療は生きた心地しなかったけど
終わった時の落差で、もっと頑張れるって思えた
普通に(健康で)生活出来るだけでも~楽園~ですよね
上映期間がもうすぐ終わってしまうので
原作読んでみようかな·····
✧余談✧
夕方からの回でしたが、人集りを横目に劇場入り
上から覗いたらシュワちゃんが来ててビックリ!
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