劇場公開日 2019年10月18日

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「不遇の死の真相がモヤモヤと」楽園(2019) ロンロンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0不遇の死の真相がモヤモヤと

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

本作は事件となる死には、あってはならない事が重なった結果に死に至るという、言わば不遇の死を関連づけて見せる手法だが題名である楽園の地が悲惨な地に変貌する有り様が苦々しく重く描かれている事に、見ていて気分が悪くなった。好きな俳優が凄絶な死を遂げるシーンでの村人の憎悪の姿がとても辛くて吐き気がした。子供の死の真相も、はっきりしないため、観賞後もなんだかモヤモヤした不快感しか残らなかった。これは俳優陣の演技がとても素晴らしいものだったからこその不快感だと思う事にした。楽園とは自己とそれを取り巻く環境が良縁でこそ成立するのだと深く感じましたし、その縁を繋ぐ上での選択次第で良くも悪くもなるのは、どこの誰にでも共通する命題だと投げかけられているようでもある。この作品のように救いようのない立場に追いやられた時に人は、とんでもない選択をするという救いようのなさが、とても怖い映画でした。

ロンロン