いろとりどりの親子 劇場公開日:2018年11月17日
解説 親や周りとは「違う」性質を持った子どもを持つ300以上の親子たちのインタビューをまとめ、ニューヨークタイムズ紙ベストブックなど、アメリカ国内外で50以上の賞を受賞し、世界24カ国で翻訳されたベストセラーノンフィクションを原作にしたドキュメンタリー。作家アンドリュー・ソロモンが10年の歳月をかけてまとめあげた原作「Far From The Tree: Parents, Children and the Search for Identity」に基づき、自閉症、ダウン症、低身長症、LGBTといった「違い」を抱えた子どもを持つ6組の親子が直面する困難、戸惑い、その経験から得られる喜び、そして親から子への愛情が描かれる。監督はエミー賞を受賞したレイチェル・ドレッツィン。
2018年製作/93分/アメリカ 原題:Far from the Tree 配給:ロングライド
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2019年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
同性愛やダウン症、小人症など6組の家族を取り上げているが、本作が出色なのは、その中に殺人を犯した子どものいる家庭を取り上げたことだと思う。 他の5組の家族は、閉症、ダウン症、低身長症、同性愛など生まれつきのマイノリティだが、殺人者は違う。だが「違う」と安易に除外してしまうことこそ、差別の温床である。ここに取り上げられる全ての家族は普通と違う。だが、世界中の家族は1つとして同じではない。ならば、殺人者の家族を違うと退けてしまう事自体、間違っていると本作は言う。 ただ、よくあるマイノリティ一家を取り上げて幸せはそれぞれだよ、と描いているなら大したことのない作品だったとろうが、息子が殺人を犯したことで苦悩する親にもカメラを向けたことで本作は非凡なドキュメンタリーとなった。監督はあの一家の出演交渉を一年あけたらしい。原作本にはたくさんの家族が紹介されているから、殺人者一家がなくても映画は成立するのに、あえてそこにこだわった点に監督の見識の深さが見える。
良い映画だなと思って観ていたのだけど、 8歳の子を殺した16歳の家族のところで、この家族無理と思ってそこから先は観られなかった。 東野圭吾の小説「手紙」を読んだときも思ったが、 犯罪者の家族に直接の責任はない 彼らもある意味被害者で、彼らは彼らの人生がある。 と頭ではわかっても、受け入れがたい。 微笑み?浮かべて話す加害者父や妹、 なぜこうなったか色々悔やんだと話す被害者モードの母、 それまで暮らしてた場所にはいられなくなったかもしれないが、 ずいぶん大きい家に住んで、レストランで外食もし、変わらない日常を送ってる(ように見えて)、 被害者がこれ見たらたまらないだろうなと思ってしまった。 刑務所の加害者が母親と電話で話し、最後にI love you と言い合うところ、 たとえ一番罪の重い終身刑であろうと、自分より幼い子の喉を切り裂いて、自分は家族と関わり続けられるってこの人(と家族)は、自分がやったこと(犯した罪)どう思ってんの?と思ってしまった。 これも含めて、いろとりどりの親子???? 私には無理でした。
2019年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
最も印象的かつ制作陣の熱意が感じられたのは、幼い子供を殺めてしまった息子を持つ両親と家族がこの映画に出演する場面ではないか。余程の関係性を構築しないと、この場面は映画に出来ないだろう。 様々な人、家族を綺麗ごとだけではないところまで描ききったドキュメンタリーの秀作である。 <2019年1月12日 劇場にて鑑賞>
ドキュメンタリー。 障害と向き合う家族と当人の考え方や思いを聞くと感動せずにはいられない傑作でした。 特に私は子どもなんて嫌いだし、生むつもりはないけれど 誕生の瞬間は何故か涙があふれてきた。 人が生まれる意味、 なんかそんなことも考えてしまう作品でした。 障害を排除しようとする世の中と、 障害があったって誰の権限でそれを非と言うのか、 非常に考えさせられる作品。 いつか障害をアイデンティティーと呼べる世の中になったら良いな。 心からそう思える作品でした。 ぜひ観てほしいです。