マイ・サンシャインのレビュー・感想・評価
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監督の力量と現場の混沌が伺える生々しい一作
ハリウッド流の映画の呼吸から大きく外れたところにある映画だと、始まってすぐに感じた。通常の監督だとドキュメンタリータッチで描きそうな冒頭の悲劇も、まるでその少女が主人公であるかのように真正面から表情が写し取られる。ここをどう評価するかは受け取り方次第だろうが、しかしこの出来事をきっかけに街がパンドラの箱を開けたかのようなカオスへ陥っていく流れは見事だった。つまりこの監督は、流れや空気を捉えるのは巧いのだが、一方、縦軸のストーリーを淀みなく積み上げていく分には力量が足らない。むしろ思いが強すぎるのか編集でも合間にちょっと意味不明のカットが挟み込まれ、こちらが「?」と思う間にまた別のシーンへと移り変わっていく。かといって凡作などと切り捨てられない点描の魅力があるのも確か。クレイグとベリーのやり取りなど、どこかホッとさせられるところも。本来はもっと重要な役柄だったであろうことは言わずもがなだが。
「裸足の季節」の監督だけに期待大だったが…
トルコ出身フランス在住の女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンは2015年の「裸足の季節」で、封建的価値観の残るトルコの小さな町で暮らす5人姉妹の受難と希望を瑞々しく描き、鮮烈なデビューを飾った。10年以上前から温めてきた企画がこの第2作だと聞いて、前作以上に監督の持ち味が出た作品になっているだろうと楽しみだったが、期待値を上げすぎた。
社会派の作り手なのは確かだが、92年ロサンゼルス暴動というテーマは、監督の繊細な感性を活かすにはワイルドすぎたか。暴動の背景と経過を語る部分と、困難児たちを預かる黒人女性、白人の隣人との交流、そうした要素がうまく噛み合わない。大物女優に演出で遠慮したのだろうか、ハル・ベリーの演技が過剰で鼻につく。
街で起きた暴動に巻き込まれる過程は、キャスリン・ビグロー監督の「デトロイト」にも似て緊迫感があった。ユーモアのセンスも悪くない。次作での挽回を待とう。
描きたいものがよくわからんチグハグ作品
例えば盗むことについて、多くの日本人の感覚では、細かい違いなどはあるだろうが、要は「悪いこと」だからしない。
一方アメリカなんかだと、もちろん一部の人だと信じたいが、「盗めないから盗まない」のだ。逆に言えば盗めるなら盗むというわけだ。
そんな者たちと、「孤狼の血」よろしく「警察じゃけん何をしてもええんじゃ」の対決。それがロサンゼルス暴動。
そんな中を、貧しいながらも保護者のいない子どもを引き取って大家族を形成するハル・ベリー演じるミリーがささやかに奮闘する。
加えて隣家の白人男性(ダニエル・クレイグ)との軽ーいロマンス。
更に、本作の主人公ポジションであろう長男ジェシーの青春と、暴動に飲み込まれていく姿を描く。
普通に面白く観たのだが、多くの事がありすぎて、しかもまとまっている感じもないので、結局のところ何が伝えたいものだったのかさっぱりわからない。
極端な言い方をすれば、主人公一家の出来事とロサンゼルス暴動があんまり関係なくて、家族の話を描きたいのか暴動を描きたいのかわからないし、暴動前のロドニー・キング事件や暴動自体によって主人公たちの何かが変わったということもない。
本作は合作だけど一応フランス映画になるのかな?監督はトルコ出身でフランスに移住した女性。
ヨーロッパから見たロサンゼルス暴動って感じで、特に伝えたい事があるわけではないのかもな。
それか、まあ単純に、気を付けないとこんな風になるぞとフランス人に警告的な?
暴動以外のほとんどの事が起承転結の起で終わってしまったり、結がなかったり、結がないのはその前がちゃんと作られていれば構わないのだけれど、今回はとにかく描写不足で、自力で結を導き出せるほどの情報はなかった。
三時間の大作を半分にしました。みたいなチグハグさで良くできてるとは言い難い。
その風景は、Lose Angelesか…
事実にフィクションを加えて、分かりやすくストーリー展開されています。
けしてハッピーエンドではないけれど、未来に希望を託す感じでしょうか。
子供達が成人する頃には、犯罪、暴力、差別、逆差別がなくなって欲しい。
バーガーキングの店員さんが、子供達の放火を止めようと、お店の食べ物や飲み物を配るシーンが、私には印象的てした。
評論子には心に沁みた一本
市街地で起きている暴動に巻き込まれて、直接に、何か物的な被害を受けたという訳ではなくても…。
それでも、その暴動が、静かに静かに、しかし確実に、家族の中に忍び込んで来る様は、観ていて、戦慄すら感じます。
映画を作り始めて発表した作品数の少ない監督さんと承知していますが、前作『裸足の季節』同様の鋭い眼(観察力・洞察力)は、本作でも特筆ものではないかと思います。評論子は。
このところ新作を発表していないようですが、評論子は『悲しみが乾くまで』のスサンネ・ビア監督を思い起こしました。本作を観終わって。
戦争は遠く遠く、はるか彼方の地での出来事のはずなのに、その戦争が、確実に家庭を蝕みら、破壊してゆく…。
同監督と同じように、作品を通じて「追っかけ」することを楽しみにできる監督さんを、またお一人知ることができ、嬉しくも思います。評論子は。
PG12 何故かフランスベルギー 映画 中国資本も?
10代の女の子が対面座位で激しく腰フル映像がほぼ全身ボカシで入る
LAサウスセントラル地区 酒屋
黒人少女が中国人のおばさんに撃たれる
頭が悪くてすぐショットガンぶっ放す007
子沢山のハルベリー
ロサンゼルス1991年
KINGS
91/3/3警官暴行
大規模暴動まで7週間
ロドニーキング裁判
人助けのハルベリー
同じアパートに住む隣人白人が007
独身
最初めっちゃ仲悪いのに急にハルベリー意識し始めるの謎
妄想夢のシーンも要るかな?
お漏らししたズボンを切ってロープに
実際の暴動起きるまでを市井の人の目線で描くって感じ
ドキュメンタリーでもなくイマイチテーマがみえない。
勢いで友達を刺しちゃったが、
彼を偲んで作ったのか?
アメリカ人でも黒人でもない監督が何故にこの映画を作ろうと思ったのか、みただけではわからずインタビュー記事でもあれば読んでみたい。
イキった白人警官でてきたり、ただ単に略奪する黒人が出てきたり。
『万引き家族』と『デトロイト』
最も印象に残ったのが冒頭の少女射殺シーン。韓国系アメリカ人の店主トゥ・スンジャが経営する店でオレンジジュースを買おうとした15歳の少女ラターシャが万引きしたのだと勘違いして射殺してしまった事件だ。殺人罪に問われると思われたのに、裁判では保護観察と罰金500ドルだけの軽い処分だったことに黒人たちの怒りを煽る。さらにロドニー・キング事件で警官4人が起訴されるのだが・・・
事実に基づき、人種差別問題が大きな暴動を生んだ物語だけど、どうもスッキリしない展開。群像劇のような気もするし、ドキュメンタリータッチで描きたい監督の気持ちも伝わってくるのですが、ハル・ベリーとダニエル・クレイグの2大俳優も無駄な使い方をされてる気がする。子どもたちを引き取り、その愛情だけで精一杯なのもわかるが、夢の中でセックスしてる場合じゃない!むしろ黒人青年ジェシーだけで追いかける方が感情移入できて良かったと思う。
邦題のマイ・サンシャインというのもチンプンカンプンだったけど、原題のKINGSのままの方が色んなことを考えさせられるし良かったでしょう。まさかのバーガー・キングも出てきたし・・・
伝わってこなかった
四人の警官による黒人暴行事件の無罪判決を契機に、暴動に繋がった1990年代の話をドキュメンタリータッチで描く。ハル・ベリー親子と隣人ダニエル・クレイグとの交流も中途半端に描くため、いまいちメッセージが伝わってこなかった。登場人物もあまり丁寧に描いてないので、分かりにくい。日頃から溜まっている双方の差別意識が暴発し、その混乱に乗じて、強盗・略奪が各地で起こってしまったということがわかるのだけど、事件何日前ってするならもっと丁寧に積み重ねてほしかった
微妙な映画
黒人差別から発生したロス暴動を映画化してると思うが、中国資本が入った作品であるから、演出が薄い。あまりシリアスでもなければ主人公の少年の人間性の描写も中途半端で大したことない映画だった。ダニエル・クレイグは大して出てない。
1992年のロス暴動
主人公(ハリー・ベリー)は捨てられた子供を引き取って育てているが、多すぎて目が行き届かない。
隣人(ダニエル・クレイグ)は騒ぐ子供たちにすぐにキレるタイプ。
彼らが1992年のロス暴動に巻き込まれる。
暴動に対し市井の人はどのように対処したか、よくわかる。
蓋を開けたら群像劇
ポスターを見る限り、誰もがハル・ベリーとダニエル・クレイグが絡んだ人間ドラマと思うのではないか?
蓋を開けたら、何と群像劇で、しかも主役はむしろ黒人の少年少女という感じで、それも彼らの真意、もしくはキャラクターも良く解らなかったし、それ以上にこの映画で何を言いたいのかも混沌としている。
ロス暴動というのは、アメリカという超先進国で起こったミニ内戦であり、結果的にそれを煽ったのは開かれたマスコミであるという何とも言えない皮肉な事件であったが、その事を真正面に扱うわけでもない感じだ。というのは、ドキュメンタリー・タッチの割には、ハル・ベリーとダニエル・クレイグが作り物っぽいのでどこに目線をシフトすれば良いのか解らないのだ。
まあ、暇つぶしにはなるが・・・・という感じなのではないかなと思う。
人種という終わらない戦争
テレビでは貧困層の暮らしを知らない白人が屁理屈で弁論を続け、誤射で殺人を犯したにも関わらず保護観察処分。4人の警官の件でも無罪放免。
騒がしい毎日、教養とモラル、マナーの無い人々のやり場のない憤りが衝動的怒りとなり爆発する。当然、無実の人々が巻き添いになる。警察官も考えるより先に、護身の為に市民に銃を突き付け近付くなと脅す。銃規制法があったって、持っていれば何れ使ってしまう。
トレーラーで見た印象からしてゲオのパッケージが戦争映画のようなデザインだったので、どうして?と首を捻ったが、正にその通りの内容でした。人種という名も無き戦争は常に何処かで起こり続けている。
期待しすぎた?
主演の二人と題材で観る前に期待しすぎたかも。
ストーリーがちょっととっ散らかってて、うまく消化できなかった。
子どもたちはそれぞれキャラがたっててとっても良い。
ダニエルクレイグの役どころはこの映画の救いだけど、魅力的な人物だったけど、いなくてもよかったかも。。
何かが足りない…
主演の ハル・ベリー と ダニエル・グレイグ が好きなので観に行きました。1992年のロサンゼルス暴動を題材にした作品なんですが、なんだかピンと来ませんでした。当時、子供ながらに、アメリカの人種差別って嫌だな…とか、だからって暴動なんて怖いな…とか、そんなこと思いました。この作品も、そういう暴動に巻き込まれた家族を描きたかったようです。ドキュメンタリーのようで、ドキュメンタリーではない。かと言って、ハル・ベリー の家族を描くドラマとしては、なんだか中途半端な気もするんです。黒人、白人、どちらも被害者であり、加害者であり、無意味な争いがありましたとさって感じでしたね。ハル・ベリー と ダニエル・グレイグ も、最初は、仲の悪い隣人さん。急に気を許した展開も不思議でした。私は、二人を観に来た訳なので、二人の絡みがあって、良かった、良かった、なんですけど、何があったの?って思いました。とはいえ、二人の演技は素晴らしかったと思います。レンタルでも充分な作品かもしれません。
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