ラストレターのレビュー・感想・評価
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映像、台詞、音楽、全てが岩井節全開
Love Letterからもう25年も経ってしまったのね。
今ではスマホで簡単に連絡をする時代に、あえて手紙の映画に挑戦する岩井監督が素晴らしい。
手紙に託す思いが、きちんと映像や音楽にも反映されていて、美しすぎてびっくりしました。
シナリオも実に岩井監督らしい。話が進んでいくと絡まった糸がきちんと解けできて、おぉって思いました。庵野監督には絶対出来ない芸当です。
出演時間は短かったですが、豊川悦司さんと、中山美穂さんの演技は超インパクトがあったです。
結局、家に帰ってLove Letterが見たくなるようになってます。
あとで気づいたけど木内みどりさんの遺作か。 田舎できくセミの鳴き声...
あとで気づいたけど木内みどりさんの遺作か。
田舎できくセミの鳴き声、川のせせらぎ、時計のカチカチ音などが印象的。
このご時世手紙を書くことがなくなったけど、宝物として残る(現物として残せる)良さを改めて感じたり、デジタル化に疲れてる今見てよかったなと思う。
(最近ミステリーやサスペンス観すぎで話は物足りなかったり回収されなくて気になったけど)こうやってゆったり余白や雰囲気を楽しむ作品もたまにはいいかな。
語られなかった想いは・・・
かなわなかった初恋の相手に手紙を書いてしまう裕里(松たか子)、相手が本人でないと知りつつ声を掛け、手紙に返事を書いてしまう鏡史郎(福山雅治)。
手紙が題材だからか、多くは語ってくれないので、こちらが行間を読むことになります。
鍵になっているのは死んだ未咲(広瀬すず)ですが、彼女については輪郭しか分からないので、どういう想いだったのか…
たった一度届いた年賀状は、後悔と、迎えに来てほしいという意味だったのか。鏡史郎は手紙の相手が途中で一人増えたことに気付いて、未咲に会おうと決心したのか。
分からなかったのは、未咲と鮎美(広瀬)がいつ実家に戻ったのか。鮎美が祖父母の家に馴染んでいて、いとこの颯香(森七菜)とも仲良しになっているのを見ると、母親が体を壊した数年前なのでしょうか。
でも裕里は鏡史郎に、「姉とはずっと疎遠だった」と言っていた。実家で何度か会ったのに、反発心から、姉と本音の話をしなかったのか、その事に後悔は無いのでしょうか。
また鮎美は、自分を置いて自殺した母への恨み言を言いません。でも、母が残した答辞は、娘のこれからの人生へのエールとともに、自分は不幸ではなかったというメッセージでしょうか。
少しもやもやしましたが、登場人物がみんな魅力的で、映像も美しくて、最後には爽やかな気分になります。松さんはかわいい、七菜ちゃんはピュアで、すずちゃんは無垢な中にも秘めた情感が素晴らしい。神木くんが一瞬で恋に落ちるのもうなずけます。
宮城の自然は美しいですが、宮城県らしさは感じなかったので、地名の表示は要らないかなと思いました。
何者でもない人間
何者でもない人間に自分の好きな人の人生を壊されて
自分は何も好きな人の人生に影響を与えることがなかった
大きな影響はなかったかもしれないが
小さな影響は沢山与えることが出来たのではないのかな。
岩井俊二監督の作品は眠くなる
2020年劇場鑑賞3作品目
決してつまらないわけじゃない
駄作とまではいえない
心地良くて眠くなる
岩井俊二監督作品の独特のリズムと映像音楽が眠気を誘う
主要な出演者は福山雅治松たか子広瀬すず森七菜神木隆之介豊川悦司中山美穂と新旧美男美女ばかり
夏服の広瀬すずと森七菜はいいね
これだけ観ても冬より夏の方が好きだ
地元の動物病院でボルゾイと対面したことあるけどびっくりしちゃった
犬というより小型の馬だね
うちの犬なんかその場でウンコとおしっこ漏らしちゃった
さとう宗幸が出ていたので宮城県なんだなと実感する
庵野秀明を起用した意図がわからない
1人だけ文士劇
素人のわりにはいいんじゃない
亡くなった木内みどりさんがここにも出演
ラストレターが遺作か
ロリコンと理性のハザマで揺れてる気が
岩井俊二監督の本質ってロリコンだと思う。
勝手な想像でホントに申し訳ないけど。
もちろん天性の映像センスがすべてを覆い隠しているんだけど、
今回は(思うに年齢もあり)そのロリコン性が、随所に現れてきてしまっていると思う。
少女を美しくとるためのこだわりや仕草、それらは恐らく作り込んでいるんだが、
部分部分でおっさん目線的、いやおっさんロリコン的なはぁはぁ的息遣いを感じてしまった。
(あくまでも個人的な感想です・・すいません)
ストーリーもエンタメや作品に仕上げるために多少の破綻は全然OKだけど、
破綻の理由のすべてが「少女を美しく撮る」ためにまとめられた感があって萎える・・。
岩井俊二監督って、広瀬すずより森七菜が好みな感じも。
編集的にそんな感じがしてしまった。
それくらい森七菜の存在感があったのかもしれないけど。
岩井俊二監督は次回以降、きれいな少女をきれいに撮るのではなく、
パパ活とか設定がダーティなテーマにチャレンジしてほしいなあ。
おっさんになりつつあるロリコン目線を等身大に設定して、おっさんと少女の報われない恋あたりを美しく見せてほしい。
あの…サインもらえますか?
映画館に向かう前に『Love Letter』観ておいて良かった。全て繋がってくる、全て伝わってくる、展開が読める・・・いい意味で見事なアンサーストーリーになっていました。「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」という、ちょっとカマかけメールなんてのも最初に送ったけど、これが裕里の夫(庵野秀明)の怒りを買う。この庵野秀明だけがキャラの中で異彩を放っているのですが、岩井俊二監督の交友関係なのでしょう、きっと。
『Love Letter』(1995)でも感じた、主人公の初恋と見せかけて違う人の初恋を描くこと。たまたま、また元に戻っちゃいましたが、これも仕掛けの一つだと思います。25年の歳月、前出の映画からも25年、時代はアナログからデジタルへと急速に変化を遂げ、手紙なんて書かなくなった現代。プロットとしては渡さなかったラブレターとか、姉未咲に成りすまして綴る手紙とか、珍しい手紙のやりとりをスマホを水没させたことによって上手く使ってます。
おっさんなので同窓会のシーンだけでもウキウキしちゃいましたが、登場人物に水越けいこや小室等という、これまた珍しいミュージシャンの登場でワクワクさせられました。水越けいこと言えば「ほほにキスして」でブレイクしたシンガーソングライターなのですが、実は大学の同級生(バンド仲間)の高校時代の先輩(つまり赤の他人)…という、親しみの持てる女性です。それがこんなに老けてるとは…失礼。びっくりです。ここでも英文添削の手紙のやりとりがあるのですが、どちらかというと進研ゼミやZ会なんかを思い出してしまいます。
手紙そのものの美しさよりは、それぞれの初恋に焦点を集めた物語。ズキーンときたのが裕里(森七菜)が鏡太郎(神木隆之介)に手紙を渡したシーンでしょうか。だけど、鏡太郎の心はすでに未咲の方へ・・・。こうなってくると三角形の文通も単なる道具でしかなかった。
ミポリンとトヨエツの登場もうれしい限りでしたが、この二人に関してはキャスティングを伏せておいた方が良かったのではないでしょうか。いやーな役のトヨエツではありましたが、彼が未咲を奪った形になったからこそ小説「未咲」が完成したのも事実。でも、鏡太郎と結婚していれば良かったのに…で涙。なんで結婚せんかったん?もう、どれだけおっさんを泣かせるん?!
取り壊しの決まった校舎に立ち寄る鏡太郎(福山)。そこで見かけた二人の少女。ここで、校舎よりも先に涙腺が崩壊してしまいました。だって、広瀬すずも森七菜も一緒だもん!これは夢か幻かっっ!“both SUZU and NANA” にやられました。
映像は全体的にドローンを多用して今風な感じに仕上がってましたが、ここが泣き所だ!という校舎のシーンで全て吹っ飛んでしまいました。絵になる二人・・・俺も小説書いてみたいという気持ちにさせてくれるのです。そして仏前での一言「迎えに来てくれると思ってたのに、来るの遅いよ」。ガーン。やっぱり何か書きたい!と、いつもより長文になってしまいました。
それから、最後の「サインもらえますか?」で一人笑ってしまいまして、他の観客の方、ごめんなさい。
岩井ワールドに肩まで浸かりました。
透明感のある素敵な作品。
間延びしない演出と、カメラワークは秀逸。
すごい俳優陣の中にも関わらず、森七菜ちゃんの存在感がgood!!しかも自然体な演技が岩井ワールドとの相性が抜群。
終わった後に、爽やかさの中に少し残る切ない気持ちが、この映画に肩まで浸かったと実感。
良き映画
眩しい初恋はいつまでも輝いている
宮城県の夏を舞台に、人生で一番輝いていた高校時代の初恋の思い出を巡る、切ない想いと微かな再生の物語が、観ている側の感傷を促す余白を残しながら、とてもロマンチックに綴られていました。
手紙という、現代では馴染みのなくなってきた交流手段を媒介にして、丁寧に一つ一つが結ばれていく様が心に響きます。セリフの一つ一つがとても印象的で、自身の高校生活、これまでの恋愛、今の自分を思い、思慮巡らす瞬間が多々ありました。
ラブストーリーというより、登場人物一人一人の想いに寄り添う作品。俳優陣の演技も皆素晴らしく、観て良かったです。
岩井ワールド全開 地元宮城の美しい景色を余す事なくスクリーンに映し...
岩井ワールド全開
地元宮城の美しい景色を余す事なくスクリーンに映し出している
携帯電話やSNSが幅をきかせている今だからこそ、手紙を主役にしたこのラブストーリーが輝く
手紙を待つから、郵便屋さんを心待ちするシーン
住所がわからないから、卒業アルバムから住所を探すシーン
手紙の返事か欲しいけれど、自宅では困るので、知り合いの家の住所を使わせてもらうシーン
いずれも、手紙ならではのエピソード
広瀬すずと森七菜の一人二役、若手なのにしっかりとふたつの役を演じ分けた演技力、自分がその場所にいるのではと錯覚させられるように思えてしまうカメラワーク、ワンシーンなのに存在感のある豊川悦司の演技、そしてエンドロールのシンプルな作り方まで全てが、最近の映画にありがちな漫画とか小説の映画化とは違い、久しぶりに映画の王道を観たという思いになれた作品
こういうラブストーリー好きです
思った話の展開でなく、重過ぎでもなく、じわる感じで面白いです。見た人皆、自分の初恋と重ね合わせてたのでは。「美咲」って小説読んでみたい。森七菜が可愛い。昔の宇多田ヒカルみたい。
期待して見に行ったけど
良くなかった。なんだか軽い。気持ちが入っていかない。福山演じる乙坂が可哀想過ぎる。優しすぎる。なぜあとうを殴らないのか、なぜゆうりに怒鳴らないのか?、まただまして手紙を書いたそよかとあゆみの2人の罪意識が軽いのか?理解出来ない。
岩井俊二監督の力業
アタクシ的には『リリィ・シュシュのすべて』でコテンパにいてこまされて以来、
19年振りの岩井俊二監督作品。
いやはや、(『スワロウテイル』とか『リリィ・シュシュ~』みたいな)
激 し い 場 面 等 一 切 な い の に も 関 わ ら ず、
岩井監督の力業で捩じ伏せられたといった印象。
如何せん登場人物の皆々様がえぇ人なのか何なのか、我々観衆 (=外野) が観ながらにして感じるであろう “違和感” に本人達は何の疑問を持つ事も ましてや怒るなんて事なんか絶対にないままに (笑) 只々ゆったりと淡々と物語は進む。
そのせいかコチラが「いやいやいやっ」と苦笑いを浮かべてしまったとしても、流れ行く画面世界は終始平穏である。
心がほっこりしたりする景色や日常の何気ない会話、懐かしさを覚える瞬間や ぷっと吹き出してしまう様な微笑ましい行動、学生時分も大人になってからも伝えたい気持ちを上手く伝えられないもどかしさ、甘酸っぱさ、
そして胸を締め付ける事実──。
それらを丁寧に、実に瑞々しく彩るのが他でもない 魅力溢れる出演者達なのだ。
演技をしていない様な演技と云うか何というか (稚拙な表現でほんまに申し訳ない…)、主要キャスト達からは「是ってほんま素ぅのまま喋ってへんか??」と疑ってしまう様な台詞っぽくない台詞が度々出て来て、思わずはっとさせられる。
そんな話の核を成す人々に加えて誰もが知っている超有名俳優達 (例えば Love の Letter さん両人とかw) が重要な脇役として現れ、強烈な印象を残し 更に作品を盛り上げる。
嗚呼素晴らしい。
既に様々宣伝されている “発明” とも表現出来る物語導入部分の展開を劇場にて実際味わってみるのも中々にえぇモンやと思うが、どうか?
そして、知らぬ間にアタクシの様にどっぷり浸って頂ければ是幸いだ。
ほっこり、あたたかくなる映画・・☆
どうなのかなぁ・・と若干 懐疑的な思いも持って観た映画でしたが、
思ったより ずっと素敵な映画でした。
福山雅治は、「マチネの終わりに」よりもずっと良かった。
決めてるギタリストよりも売れない小説家の方が雰囲気がある感じ。
個人的には、時々 手紙を書きますがやはりSNSとは違うやりとりの
タイムラグとかにも心ときめきます。
何より少女二人の演技が素晴らしくて、広瀬すずは安定しているが
それよりも、森七菜の初々しさがすごく良かった。
岩井俊二監督の映像も美しかったので、廃墟となった高校で、
福山雅治がボルゾイを伴った二人を見かけるシーンなど絵画のようでした。
配役も、廣野秀明以外はベストポジション。
豊川悦司と中山美穂が、壊れた男とその女な雰囲気にピッタリだったし、
松たか子は相変わらずのそつのない役どころ。
ある意味、じれったいくらいの恋愛映画ですが 逆にその分新鮮に
感じていました。
豪華キャストはいい仕事しているとは思うが、ドローン撮影?のカメラワ...
豪華キャストはいい仕事しているとは思うが、ドローン撮影?のカメラワーク、音楽、セミの声さえ邪魔な感じがした。と前半はなかなか映画が頭に入ってこない。全般に悪くはないのだが、もったいない。
ラブレター、ラストレター
「早春の風に背中を押されるように…」
乙坂は未咲に背中を押されたのだ。
そして、早春の風が通り過ぎるように、未咲は乙坂の元を去った。
高校時代の裕里も、大人になった裕里も、寂しそうな笑顔が印象的だ。
願っても叶えられない恋もある。
叶えられずとも、未来は決して暗くはない。
たとえ叶っても辛い恋もある。
辛くても人は乗り越えなくてはならない。
屈託のない鮎美と颯香のやり取りや、未咲の死を受け入れ乗り越えようとする鮎美に若さの可能性を感じる。
この4人で交わされた手紙は、皆と亡き未咲を繋ぐ。
乙坂から未咲への手紙は、鮎美と未咲をより深く繋ぎとめる。
人を想い続けることはラブレターを書くこと同じだ。
しかし、いつか終わりにしなくてはならない。
未咲が乙坂と作った答辞は、鮎美へのラストレターとなった。
答辞は、それまで一生懸命に過ごしたというメッセージだ。
ラストレターは、未咲が一生懸命生きたという鮎美へのメッセージだ。
だから、鮎美の背中を更に強く押すのではないか。
早春の風よりも少し強く…。
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