サンセット

劇場公開日:

サンセット

解説

長編デビュー作「サウルの息子」がカンヌ国際映画祭グランプリのほか、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の外国語映画賞も受賞したネメシュ・ラースローの長編第2作。第1次世界大戦前、ヨーロッパの中心都市だったブダペストの繁栄と闇を描いた。1913年、ブダペスト。イリス・レイテルは、彼女が2歳の時に亡くなった両親が遺した高級帽子店で職人として働くことを夢見て、ハンガリーの首都ブタペストにやってくる。しかし、現在のオーナーであるオスカール・ブリッルはイリスを歓迎することなく追い払ってしまう。そして、この時になって初めて自分に兄がいることを知ったイリスは、ある男が兄カルマンを探していることを知り、イリスもブタペストの町で兄を探し始める。そんな中、ブタペストでは貴族たちへの暴動が発生。その暴動はイリスの兄とその仲間たちによるものだった。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。

2018年製作/142分/G/ハンガリー・フランス合作
原題または英題:Napszallta
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2019年3月15日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第75回 ベネチア国際映画祭(2018年)

出品

コンペティション部門 出品作品 ネメシュ・ラースロー
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(C) Laokoon Filmgroup - Playtime Production 2018

映画レビュー

4.0帝国の落日に、探し求める女が行き着く先

2019年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

難しい

1913年のブダペスト。オーストリア=ハンガリー帝国が解体する5年前、いわば“帝国の落日”の時期(1914年に帝国の皇位継承者が暗殺されるサラエボ事件が起き、同年第一次大戦が勃発)に欧州の中心だった都――という背景情報を知っておくと、描かれる状況やエピソードをある程度理解する助けになるだろう。 エマ・ワトソンを深刻にした感じの若き帽子職人イリスは、亡き両親がなぜ高級帽子店を手放すことになったのか、存在も知らなかった兄がどこにいるのか、真実を求め街をさまよう。華麗な帽子と衣装、瀟洒な帽子店や貴族の邸宅の内装など、ディテールは精緻に美しく描かれるが、全体はぼやけて曖昧だ。その時何がどういう理由で起きたのかを後世の視点から客観視するのではなく、イリスと共にリアルタイムで体験させることが、監督の狙いなのだろう。国の黄昏に、そうとは気づかないまま飲み込まれていくのかと思うと、ただただ怖ろしい。

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高森 郁哉

4.5映画って何だ?と自問したくなる傑作

2024年6月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「サウルの息子」で私に激震を走らせたネメシュ・ラースロー監督の新作。 ここでの評価が低い?あらすじ読んでもよくわからない?長くて暗そう?そんなことはどうでもいい。これは観るしかない。観ずにはいられない。 観終わった直後は4点かなと思った。 かなり集中して頑張ったにもかかわらず、意味がわからない。わけがわからない。筋が通らない。だが、面白かった。 主人公イリスの背中から追うカメラは背景をぼかし、私たちに情報を与えてくれない。かと思えば、誰が発したのか、どこから聞こえるのかわからない声が、すぐ隣からのように聞こえてくる。 少しでも情報を得ようと前屈みになり、息を飲み、のめり込む。それでもやはりわからない。 何もわからず真実を求めようとするイリスと同様に観ている者も暗闇の中だ。何が真実で、何が偽りかもわからない。すべては憶測の域を脱することはない。 冒頭に混沌としたオーストラリア=ハンガリー帝国の説明が入る。時代が第一次世界大戦の直前であることから、戦争に突入した顛末、具体的にはサラエボ事件のメタ的な作品なのではないかと推測を立てて観ていた。 実際にサラエボ事件で暗殺される皇太子が登場して、混乱しながらも恐らく推測は合っているだろうと考え、エンディングを見て確信した。しかし、やはりわからない。 あまりのわからなさにラースロー監督のインタビュー記事などを読んだ。 その中で気になったことの1つは、混乱した時代を表現するのに物語を混乱させたということ。もう1つはドッペルゲンガー。 なるほど、鏡写しのように何度か画面に映りこむ物や人、サラエボ事件の写しである物語、そしてイリスはカルマンでカルマンはイリス。何を言っているのかわからないと思うが、そう、これこそが混沌。初めからわかるようには作られていないのだ。 何故だが自分の中で腑に落ちて、すると途端にとてつもなく面白いものを観たのではないかという気持ちが沸き起こった。 わからなかった。わかろうとのめり込んだ。これこそが面白さの正体。 暗い場面から窓を開け、明るい光を受けるシーンが何度かあるが、そのときの解放感は凄かった。忘れていた呼吸を取り戻し、安堵し、安らいだ。 まっ暗闇の迷路をさ迷い、ゴールの扉を開けた。この作品は、ただそれだけなのだ。 真っ暗なのだから迷路がどのようになっているのかわからないし、どう通ってきたかもわからない。わかるのは手で探った感触と時折聞こえる音だけだ。 迷った。迷いに迷った。迷路の全貌は全くわからない。息も苦しかった。体も辛かった。それでも自力でゴールの扉を開けた。いつもの自分の世界に安堵した。振り返り、面白い挑戦だったとしか思えなくなった。 物語を理解しよう、隠された意味を見つけようと、挑む者のための解けないパズル。 いわゆる普通の、ストーリーと映像と音楽がある作品しか楽しめない人は観てはいけない。 映画沼に嵌まっている、商業作品より芸術作品を好む、もう一般的な映画ファンと話が合わないよねと自覚しているくらいの病的な人向け。 ラースロー監督の次回作は映画館で観たいなあ。

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つとみ

1.0主人公イリスのキャラクター

2022年10月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

半分くらいで挫折。 主人公イリスがとにかくよく分からない。 両親の経営していた帽子店で働きたい、無償でも良いからといいながら、初めて兄の存在を知ってからは店の方はほとんど興味なしといった様子。 イリスの視点から見えている範囲で描こうという意図なのだろうか、帽子店から勝手に外に出すぎ。 そして常に思い詰めて表情は暗い。しかもその物腰や言葉遣いはどこか横柄だ。 この先見ても分からないが増すだけだろうと思い、途中で観るのをやめた。

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カメレオン

4.0オーストリア=ハンガリー帝国

2020年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1913年のブタペスト、高級帽子店に一人の女性がやってくる。 名前がこの店と同じで、自分は創業者の娘だという。 現在の経営者は追い返してしまうが、町をウロウロしている間にいろんな事実を知ってしまう。 カメラワークが独特で見入ってしまう。

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いやよセブン