この世界の(さらにいくつもの)片隅にのレビュー・感想・評価
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この世界の片隅にの完全版
この世界の(さらにいくつもの)片隅には最初にやったこの世界の片隅にと内容はほぼ同じです。ただ違う所はリンの話を入れただけのものです。といっても前作に比べたらリンとすずの話がかなり詳しくなってます。まぁ簡単に言えばリンの話を追加したこの世界の片隅にの完全版といってもいいでしょうか。前作のこの世界の片隅にが好きでもう一度見るつもりで見るのなら楽しめるかと思います。
みな、つよい
この作品は永遠に後世に語り継がれて欲しい。
すずさんは、強いな。
いや、あの時代の人たちは、みな、つよい。
それが、戦争のせいだから悲しい。
それでも、強くて暖かくて優しくて、前に進もうとする日本人の気持ちは忘れちゃいけない。
そして、そんな理不尽な強さにを持たなくてはいけない戦争は絶対におこなってはいけない。
美しくもありながら、おぞましい
今更ながら鑑賞。
前作のレビューは書いていないので、混じえながらレビューを書かせていただきます。
非常に良い。
アニメだが、アニメとは思わせない迫力と感動がある。
近年だとこの世界の片隅に、ジョジョ・ラビット、Fukushima50などのような映画は語り継ぐべき映画だと思う。
ストーリーは言うまでもないだろう。
笑いと共に戦争の恐ろしさを実感させられる素晴らしい作品。
主人公であるすずは、いっつもぼーっとしていて素直でそして優しい人。かなり抜けてて頼りないが、愛しく守りたくなるそんな不思議な人物。
そいでいて描く絵がホントに美しい。額縁に入れて家に飾りたい。
そんなすずと夫のお姉さんの会話は面白い。
クスッと笑わされる。だが、後半になっていくにつれ二人の会話が悲しくなるというか、考えさせられる。
もちろん、すずと夫の周作も良い。
戦時中の"愛"はこんなものだったのか。
とてもお似合いでございます。
個人的には、周作のお父さんが好き。
戦争に立ち向かい、家族を守って、常に笑顔。
こんな人になりたいな。いいお父さん
何度観ても、亡くなってしまう爆弾のシーンは恐ろしい。それが来る5分前から鳥肌が止まらなかった。
これこそが戦争の怖さ。
前作から追加なので、前作を見る必要はありません。
欠点はこれです。前作まるっきりからプラスなので、長い長い。中だるみとか飽きるとかそんなのじゃないけど、流石に168分は疲れちゃう。
今回はすずとりんの話が追加されている。
桜とすずとりん。美の骨頂である。
より深くすずのことを知れて、さらに楽しく面白く悲しく仕上がっている。新しい作品かのように。
たまたまTHXでしたが、これがまたホントに良かった。心をえぐられた。
言葉では表せれないほど良い映画。
戦争映画じゃないよ。コメディ映画だよ。
いや、コメディ時々戦争映画だよ。
追加分により、更に深みが増して素晴らしかった。
・最初のバージョンを初公開時に観て以来たったのでほぼ初見のように観られて良かった。もっと水原と恋人っぽかった気がしたけど、違ってた。ラストの右手で手を振る映像で泣いたけどまた泣いた。
・追加分の女郎さんとのエピソードが凄く良かった。周作に、関してほぼ印象がなかったのが、今回で好きになった。リンさんと周作とは昔出会っていたのかが、空想と混ざって見えていまいちわからなかったけど、新たに3人のキャラクターに感情移入できるようになり、素晴らしかった。そして切なかった。
・すずさんの明るい性格とのんの声が合ってて和んだ。
・リンさんの登場ですずさんがより人間味のある印象になって良かった。
コロナ騒動の今だから観るべき映画
前回、とても大きな話題となった本作。
前回はあっさりとしか描かれなかった
遊郭の
「リンさん」との絆が
もっと深く描かれていることで
より深く主人公「すずさん」の心の動きが
感じられる作品になっています。
戦前の地方都市のボ〜っとした女の子が
戦前らしく、周囲に言われるままに
知らない家に嫁に行き、何だかんだ気を使ったり
逆に気が付かなかったりしながら
夫や夫の家族や世間と触れ合う事で大人になって行く。
その年月の中に、
個人の力ではどうしようもない、
戦争の日々が音も立てずに忍び寄り
「こんな時だから仕方がない〜」と
流されてしまうことの恐ろしさ危うさが
前作よりもさらに強く伝わって来ました。
もう一度見たい方はもちろんですが
前回ブームに乗り遅れた方、気になってた方は
ぜひご覧下さいな〜
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
この文章を書いているのは2020年3月10日。
もっと早くレビューを書いておくべきでしたが
新型コロナウイルスによる様々な規制や中止
!
まるで、この映画の中の
国から庶民への
締め付けの始まりの様な空気感!
「こんな時だから仕方がない〜」
で、済ませては行けない!
国のすることをちゃんと見ていなければ〜
改めてそれを強く感じさせる作品でした!
@お勧めの鑑賞方法は?
この映画は損得や理屈じゃない!
国がどうやって庶民の自由を奪ってゆくのかの教科書として
庶民全員がどんな方法でもいから観ておくべき作品です。
前回のやつを見たとき、うん?ってところがあったけどこれを見てあれっ...
前回のやつを見たとき、うん?ってところがあったけどこれを見てあれってそーゆうことかみたいになるところがありました。
声優さんがいいですね。
すずちゃんみたいに強く優しくなりたいです。
戦争映画でもどこか心が温かくなります。
3回見てやめてしまった。
多くの方々がこれは新作と仰るが、ファンの熱気は前作ほど感じられない。前作は30回以上熱病の様に映画館を追いかけて鑑賞しまくったが、これは3回見てもう行かないようになってしまった。りんさんやてるさんのシーンが追加され、より原作に近づいたといわれるが、あの声の違いや作品としてのリズムの違いが、もういいかなってことになってるのかも。
当初、予算などの都合で泣く泣く30分程をカットして作成されたとのことで、多くのファンから渇望されて延長されたものだけどこれは当初の監督の中にあった構想とは違うのではないでしょうか。夜間飛行機や二式大艇(?)、エンジンテストなどのシーン、かなり監督の趣味が入ってるのでは。
また、追加のシーンはこうの史代先生お得意のオチ(ギャグ)が排除されていてわざわざ深刻な話にしてしまっているような。そしてそれを補うように鑑賞者プレゼントでギャグを付け足してる?
やっぱり完全版とは原作のことだと思う。
好き嫌いはあるが、間違えなく名作と言える作品。
2016/11に公開された映画で、約40分追加されたバージョン。3時間近い大作になっています。恐らくアニメ映画では過去最長なのでは?2016年版の「伏線回収版」という感じです。前回ではサラッとしか出てこなかった遊郭のリンが、周作とすずの関係に大きな影響があったことが分かる内容になっています。
テーマを荒っぽく分類すると「戦争の悲劇」「女性の生き方」「すずの居場所」になります。このうちの「すずの物語=居場所」の話がハッキリするのが本作。2016年版は、すずが嫁ぎ先に馴染まない部分として、小姑のような姉との軋轢と水原君への未練っぽいとこだけでしたが、リンの登場でより複雑な感情が生まれます。
それと「ヒトの命の儚さ」なのかな。儚さと軽く断じてはいけないんだろうが、最初に出てくる言葉は、儚さ、だな。戦争作品だからたくさんの登場人物が死にます。悲しむ死もあれば、え?死んだの?というもの、お兄さんの戦死のように「良かった」と思え自己嫌悪を得る死。追加映像のテルちゃんも、あ〜あ死んじゃうんだなぁ〜、って。
そのあたりを最後の戦争孤児を連れて帰ることで救済しているのかな。あの子は晴美とリンと水原君の供養なんだよね。
でもこの映画の凄いのは、こういう「テーマ」ではないと思う。「リアリティ」にこそ、この映画の凄みがあると思います。背景、動作、心理描写といった作面だけでなく、ストーリーやキャラクターの感情表現の、どこにも嘘っぽさがない。最初のすずが海苔の荷物を壁に押し付け担ぎ直す動作、海軍の軍艦の書き方、枕崎台風の被害の大きさ、すずがリンへは情愛をもって接するのに周作へは嫉妬するところ、みんなスッと腹オチするんです。
私如きのニワカの映画・アニメファンが言っても説得力はないけど、一言で感想をまとめれば「好き嫌いはあっても、文句のつけようのない作品」かな。
実は私は苦手なジャンルなので、正直「好き」ではありません。でも、アニメーションの素晴らしさと、戦争や生きることの難しさを後世に伝える「名作」であると思います。この作品は是非、子供さんにも観て欲しいです。
すずさんの心情がより伝わる
正直、「この世界の片隅に」を観た時、4コマ漫画みたい…と感じてレビューもしてしまったのだが、今作は完全版とも言えるのか、全編が一貫性を伴った形で「これが観たかったんだよ!」という感動がある。
感動、というのか、「すずさん」の心情がより伝わる形になっていた。
2019年で観た映画で1番良かった。
無印と全く印象の違う映画に!
無印は1回みた翌日に2回を鑑賞するくらい感動した映画でした。
逆にあれ以上よくなるのかと心配しながら観にいきましたが、、
そんな心配は全く不要でした!
同じ場面も使用しているのに、観賞後の後の印象が全く異なるとんでもないアクロバティックな鑑賞体験でした。
すずさん=戦時中でも直向きに生きる女性、という面だけでなく、その背景に複雑な負の面があったことが明らかになった。
実は旦那がりんを嫁にしたかったこと、自分がその代わりだったこと、で生まれる嫉妬。
辛い嫁ぎ先での生活でも広島に帰らなかった理由の一つに、兄から暴力が一因としてあったこと、むしろ死んでくれてよかったと思ってる歪んだ気持ち。
こんな持ちを抱えて暮らしてたことが分かったので、玉音放送の後に泣くシーンの印象が全く変わってしまった。
アニメ映画は散々観てますが、これを超える映画はもう出ないんじゃないかと思うくらい最高傑作です。
まだ観てない人にはとにかく観てほしい1本です。
さらにいくつもの
前回では割愛されたリンの話しにより更によかったと
全体としては子供に見せられるモノではなく大人たちに向けての作品
監督がラジオで泣く泣く大量にカットしてしまった心残りが本作で実ったのかな?と思いました
女性の居場所と戦争
大正生まれの女性が巻き込まれる戦争
広島、呉と生きていく場所が変わり、世界が変わる
当たり前だった自分の場所が無くなるのではないか、広島に戻るべきなのか
女性ではないので分からないのですが、この表現は非常に心に来るものがあります
明るかった初期版に比べると陰鬱さが増してます
ただ、こちらのほうが私は好きです
子どもや観たことが無い人は初期版を、初期版ですずさんを好きになった人はこちらを
先にこちらを観るのはあまりオススメしません
主題歌がこの映画にぴったりです
ノーカット版ということですね。
基本的に前作を観なおしているという感じですが、りんさんの存在感が増してすずさんとのつながりが深く描かれています。
このアニメも例に漏れず、背景がとても美しいです。
主題歌のメロディーも悲哀に満ちて泣けてきますね。
。
すずさんと再会
公開から遅れること1か月余り、先週から地元映画館でもやっと上映が始まり、さっそく鑑賞してきました。待ちに待ってたすずさんとの三年ぶりの再会。なつかしくて、すずさんの声を聞いただけで涙が出そうでした。前作からかなりの追加シーンがあったというとこですが、序盤から「こんなシーンあったっけ?」の連続で、追加シーンがどこだか指摘できないほどでした。というのも、ストーリーは覚えていても、細かなシーンをはっきり記憶してなかったからだと思います。でも、おかげで新作を鑑賞するような新鮮さを味わえました。
新鮮さを感じたのは自分の記憶が曖昧だったからだけでなく、作品から受ける印象が変わったからだと思います。本作ではリンさんに大きくスポットが当たっていたような気がします。しかし、決してリンさんを描こうとしているのではなく、それによって描かれるのはあくまですずさんです。リンさんの存在が、すずさんの穏やかな笑顔の裏にある本音の部分を引き出しているように感じました。これによって前作以上にすずさんの内面が深く描かれ、すずさんをより身近に感じ、涙なしには見られませんでした。
その一方で、前作同様、明るくほのぼのしたすずさんを通して、何気ない日常が描かれ、戦時中のことなのに思わず笑いがあふれるシーンがそこかしこにありました。逆らえない体制の中でも、自分の中で理由を探し、折り合いをつけて生活してきたであろうすずさん。そうして彼女が出した一つの答えが、「笑顔で日常を送る」ことだったのではないかと思います。大切な日常を守り、周囲の人々とともに笑顔で生活することを、自分の戦いとしてきたのです。
それなのに、そんなすずさんの思いにおかまいなく、日本は敗北によって終戦を迎えます。これまでの苦しい生活、悲しい犠牲、つらい日々は、いったい何だったのか…。玉音放送後のすずさんの怒りと悲しみの慟哭には、胸を締めつけられました。すずさんの強い思いが、胸に突き刺さるようでした。
本作でもまた、明るく強く優しくたくましいすずさんに、大きな感動をもらいました。と同時に、当時の日本の片隅には、さまざまな「すずさん」が懸命に生きていたのだと、改めて気づかされます。月並みのことしか言えませんが、一人でも多くの人に見て、感じて、考えてほしい作品です。
やはりこれが「完全版」か
2月9日、京都の出町座で鑑賞。40席ほどの小さな劇場だが満席だった。
古い話で恐縮だが高校生の頃、劇場版「ガンダム」を見た時の記憶が蘇った。大好きな作品でTV版を何度も見直していたためどのカットのあとにどんなシーンが来るのかほぼ覚えていたので、新作カットになるたびに感動すると同時に違和感も覚えた。
この作品でも元からのファンが多かったのか、鑑賞中、新作シーンになるたびに場内になんとなく緊張感が走ったように感じたのが可笑しかった。
予想していたことだが、やはり「完全版」と呼ぶべきものであった。本来あるべきピースがピタリと収まり納得できる出来であった。
「完全版」と呼ぶと以前公開されたオリジナルが「不完全版」となってしまうため新たなタイトルがつけられたが、今後このバージョンが「この世界の片隅に」の公式版になるだろうと予想する。
周作さんのハ◯頭
上映時間3時間に少し腰が引けていましたが、観に行って良かったです。
すずさんとリンとの繋がりは前作で分かっていたのですが、ここまで深く繋がりがあったとは・・。
ところで本作は、すずとリンの話しをメインに構成されている感じがしましたので、他のキャラクターが、完全に脇役に見えてしまいました。
前作では、すずさんとその家族の、戦争を生き抜く姿が印象的だったのですが・・。
まあ今回は先の展開が分かっていたから、そう感じたのかもしれませんね。
ところで、入場特典のポストカードに、周作さんのハゲ頭が描かれていましたが、本編では出ていませんでしたよね?
上映が始まってから、ハゲ頭をずーっと探していたのは私だけだったのでしょうか(^_^;)。
あっという間の3時間だった
前作「この世界の片隅に」がとても素晴らしかったので、本作も鑑賞。
前作から新作カットを追加し、3時間超えの大作。私は映画への集中力があまり無く、ちょっとでも面白くないとすぐ飽きてしまう性格なのですが、本作は3時間全く飽きずに鑑賞できました(これは私にとってはすごいことです!)。
前半は主に日常パートを描いており、太平洋戦争真っ只中とは言え、ほのぼの笑いありといった雰囲気。ですが後半に入ると空襲のシーンが増え、戦争の苛烈さにより、日常が崩壊していく様が描かれています。また登場人物の中にも、死亡したり、行方不明になる人がいて、前半の何気ない日常からの落差が、見ていて辛くなります。この作品に限らず、戦争モノというのは、虚しさと言うか、やるせなさと言うか、なんとも言えない悲しい気持ちになりますね。
またアニメーションならではの空爆の描き方は面白いです。画用紙にボタッと絵の具を垂らしたように爆発を表現するのは、実写映画では不可能。まさにアニメ独特の表現ではないかと思います。
話は変わりますが、最近は実写映画よりもアニメ映画のほうが面白いのではと思っています。直近では「アナと雪の女王2」「幸福路のチー」などを見たのですが、どちらも傑作でした。アニメ技術の向上なのか、アニメでしかできないような表現が、より磨かれていると感じます。これからもこのような素晴らしいアニメ映画を見ていきたいですね。
優しさに胸が震える
私は原作を読み、公開時のバージョンは未見。160分もありながら、それでも原作からこぼれている細かなエピソードはあり、この原作の奥深さを逆に感じることとなった。あくまですずという女性の、戦時下の他愛ない男と女の話でありながら、りんとすずというこの時代の、選択肢の少ない女性の対照的な生き方を描き、最後は輪廻転生をも思わせる宇宙観さえ感じる。
すずが西瓜を与えた屋根裏の子供はりんさんかもしれなくて、そのりんさんは周作の隣にいることはできなくて。
はるみちゃんは死んでしまったけど、名も知らぬ子供が新しい家族になって。
誰かが、誰かの場所だったところにおさまって。
そう簡単に居場所が無くなったりしないよ、というりんさんの声が胸を締め付ける。誰もがそうではないことも含めて。
りんさんも、ピカドンで息子を亡くし隣人の女性も、両親と腕を無くしたすずも、あまりにも失ったものへの執着が無くて、それなのに何かを諦めている様子でもなくて。戦争は人に悲しんだり後悔したりする暇も与えず、どんどん何かを奪っていく。そんな状況を受け入れるしかないけれど、でも日々の営みを丹念に過ごしていくすずたちが、健気で胸を打つ。
すずは人生の何一つも自分で決めていないように見えるけど、何でも受け入れてしまうしなやかさに惹かれた人たちから、選ばれているのかもしれない。
戦時下のごくごく普通の家庭の生活を、こんなに丹念に描いた作品はあまり思い出せない。
「配給」「バケツリレー」そういったステレオタイプ以上の描写は、こちらが想像する以上のものがあった。日本全体がこんなにかつかつの生活をしていて、よくご先祖達は耐えてきたなと。
すずの腕に母を見出した子どもは救われたが、実際は戦争孤児としてひどい目にあった方たちもたくさんおり、そのドキュメンタリーを見たときは、同じ人間の所業かと唖然としたことがある。
だからこそ、フィクションであろうと、最後に描かれたすずたちの選択に涙が出た。
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