物語の展開に突っ込みどころが満載で、つい「バカか!」と声を出してしまうほど、警察の動きに嘆かわしくなるほどイライラさせられてしまう。
主人公ダルは希望した特殊部隊の訓練についていけず挫折する。
その代わり第二希望として内務調査室に配属を許される。
そこで「解決すべき問題」を収監されている元ギャングのボスであるグンナーから教えられるのだ。
それが警察の麻薬捜査課トップであり内通者マルゲールと麻薬売買組織との関係だった。
ダルたちはマルゲールの監視を開始するが、ひょんなことから彼の車に追跡GPSが取り付けられていることに気づかれてしまう。
マルゲールはマークされている相手を特定するためにダルにカマをかけ、ダルはいとも簡単にはめられてしまう。
これがきっかけで妻が組織に襲われ昏睡状態となる。
ダルの問題はそこだけにとどまらない。マルゲールの監視役を彼と同じ職場にいるアンドレア女性オフィサーに依頼。
その後、グンナーの情報から麻薬の隠し場所だった船に突入して物を押収、この情報が来なかったことでマルゲールは組織から叱責され、マルゲールはダルに対し事前に連絡がなかった事に猛抗議する。
麻薬組織を逮捕し尋問後、ダルはアンドレアと尋問室で密談しているところを監視カメラ映像によってマルゲールに見られてしまう。
これがきっかけで彼女は組織に撲殺されることになる。
正直ここまでくるとさすがに「バカですか?」と突っ込みを入れている自分がいた。
このおバカ加減は留まることを知らない。麻薬を移送していた時、アンドレアが襲われたという情報が入り、移送車を警備していた警察車両がそっちへ向かってしまう。
そこへ登場したのが組織で、ブツを警察から強奪することに成功する。
特殊部隊が組織のアジトにブツがあると決め込んで突入、逃げた一人を追いかけ走るダル。
追い詰めたかと思いきや、相手が拳銃を持っているのに彼は丸腰。いったいどこまで馬鹿なの?
最後はアンドレアの死体の前でマルゲールに脅迫めいた言葉で問い詰めたものの、マルゲールには効果はなかった。彼の逮捕に至らないのだ。
こんな映画がどうしてヒットしたのかわからないままエンディングに突入。
そもそもダルは情報源のグンナーから様々な情報を受取っていたが、当然グンナーにも狙いがあった。
彼はダルに、情報の交換条件として出所後の資金調達として、ある女から金を預かってくれと依頼され実行するが、その年増の女の誘惑に乗らずにさっさと帰る。
これが録画されていたのだ。お金は何のお金だといっても都合がつく。汚職でも麻薬取引でもいいのだ。
ダルは最初からグンナーに嵌められていたのだった。
ダルはグンナーに呼び出される。その際あの年増女が同行していた。ダルは警官を辞めることを告げるが、グンナーは「それはできない」と言い放ちあの動画を見せた。
グンナーの目的こそこの映画の主題だった。
彼は再び麻薬組織のボスへと成りあがった。
内通者ダルという強力な武器を手に入れて。
最後にマルゲールが引退し、すでに引退しているかつての仲間たちに会いに行く。
彼の内通者のことは仲間たちに知られていて、彼らがマルゲールを始末することでエンディングとなる。
そしてこのようなローテーション、つまり持ちつ持たれつの関係がいい社会環境だというような言葉で締めくくられている。
ナレーターはダルだ。
これが非常にシュール感を漂わせるのだ。
最後まで見てしまったので、面白かった… と言わざるを得ないように思う。