凪待ちのレビュー・感想・評価
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ポスターのコピーはミスリードだが...しかし。
これまで白石監督が作品を全て観てきた若松フリークとして、今作、「主演・香取慎吾」と聞いたときは、正直、不安しかなかった。あーついに、白石和彌も、人寄せをしなければならなくなったのか...と。
しかし、期待せずに観た今作は、間違いなく白石和彌の代表作となるであろう作品だった。かえって、裏切られたような気持ちさえ覚える。
この作品を語る上ではもう「香取慎吾」という名詞は使いたくないと思えるほど、彼は「木野本郁男」だったし、人たらしでろくでなしだった。
彼の周りに「血縁者」は1人も登場しない。それでもなぜか構わずにいられない人柄は、やはり「香取慎吾」が演じているからこそなのだろうか。
祭りのシーンは、スタッフに動きを見せてもらっただけの一発撮りだったそうだし、直前まで本当に隣の民家で楽しく飲んで、顔が赤いまま撮った夜のシーンもあるようだ。
監督がインタビューで、もろもろを瞬時に察知する能力が卓越していて、こんな人を仕事をしたのは初めてのことだったと話している。それこそが、SMAPとして30年間トップを走り続けてきた中で会得してきたものなのだろう。
若松組、白石組の中に、すっと溶け込んでいる香取に驚かされたのも事実。
あの体躯、背中から醸し出される郁男の「感触」が、じっとりと伝わってくる。
初日ということもあったのか、スクリーンは思いのほか老若男女で埋まっていたのだが、終演後、観客の誰もが無言のまま退場していく...そんな光景を初めて体験した。
誰もが郁男の中に、震災を、石巻を、そして自分の中の「何か」を投影させていたのだろう。
残念なのは、ポスターの香取慎吾の表情や、サスペンスを予想させるようなコピー。
それに惑わされることなく、ぜひ映画館で見て欲しい。「喪失と再生」、そのテーマが身に染みる良作だと言える。
ミスリードのはずのコピーは、エンドロールで引き立つ。映像をスクリーンで確認して欲しい。
なによりこの秀作が、関東近県でほとんど宣伝されていない事実に不条理を感じる。
俳優 香取慎吾
観終わってからもジワジワ来ています
見応えはあるのだが、色々と解明されないまま終わった点が…
犯人探しではない
堕ちてなお生きる
多くの人に見てほしい
香取慎吾の新境地
苦しくて切ない
いい作品
映画好きな人は見て
ずっと待ち望んでた香取慎吾
世間ではいわゆるキャラものと言えばの代名詞となってる香取慎吾。
だが、「沙粧妙子」や「蘇える金狼」を見てた私としては「やっと見れた」と思いの方が強かった。
ろくでなしである郁男。でも川崎時代のいじめられてる先輩を助ける姿からも根底にある優しさがにじみ出てるから周りがほっとけない。
そんな周囲の優しさから逃げる、何度も何度も信じられないくらいに。
注目して欲しいのはノミ屋での郁男のギャンブラーの血が騒いだ瞬間の眼。狂気に満ちたあの佇まい。(私がずっと待ち望んでた香取慎吾がそこに)
原作の小説書き下ろしよりバイオレンスが多かった印象だが、それを得意とする白石監督だけあってすんなり観れた。
主演監督のどちらのファンも納得できる作品なので、是非先入観にとらわれずとりあえず観てもらいたい。
ただ、サスペンスを匂わせるがそこは曖昧なのでそれを求めて観ると不完全燃焼になる。
出ている人みんないいです。 みんな堕ちそうになったり、どこか堕ちた...
出ている人みんないいです。
みんな堕ちそうになったり、どこか堕ちたりしながら生きている。
何かから逃げたことない人なんていないんじゃないかな。
観ていたら自分が逃げているものと向き合えた。
いろんなことで泣けてくる。
救いたい人のことも考える。
愛がいっぱいの映画だと思いました。
見入ってしまった作品。
残念なのは。
落ちる男
あんなクズな男はなかなかいない。ギャンブルに溺れ、有り金つぎ込み全部取り返そうとするがうまくいかない。あれ?そういう男いるかも。郁男が香取慎吾なことでどこかに落ちずに戻ってくるのを期待したのか。
クズな郁男はほとんどヒモ状態。なぜか恋人の連れ子とウマが合う。根底には素直な男なんだろうがそれを表現しない。クズなのに根底に隠れた郁男の優しさが漂うからかな。そしてクズでヨレヨレな郁男がなぜか色っぽく艶がある。そこと工場でキレて暴れ競輪に頭も心も持っていかれる郁男が表裏一体なことに胸が締め付けられる。恋人の父勝美とのシーンは必見。エンドロールの今の石巻もまた。もう一度見に行こう。郁男たちの凪をみつけたい。
とても良い
石巻の今を
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