クリード 炎の宿敵のレビュー・感想・評価
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「『ロッキー4』を愛した者」だけでなく、「『ロッキー4』を 憎んだ者」にも感動を与える大傑作。おっさんは号泣したよ。
オレと同世代のおっさんは「ロッキー4」が大好きだ。これはほぼ間違っていないと思う。もっと言うと、当時中学生だった俺たちより上の往年の映画ファンが「1」以外認めない姿勢に納得もいかず、でもスライのことが好きだから「1」を「面白さがよくわからないが、しようがなく」観ていた、という世代ではないだろうか。
もちろん、俺たちがおっさんになったときは、「1」は傑作だと思えるが、傑作とお気に入り、好物、思い入れとは違う。
今でも「ロッキー」と言えば、「4」なのだ。
そんな俺にとって、「クリード」の続編がドラゴとの因縁の話になると聞いてこれこそ、「ロッキー」、「クリード」シリーズの最高の続編の設定であることは間違いない。と思った。
気がかりなのは、「設定」だけで、「4」を軽んじるストーリーであったり、ライアン・クーグラーが今回は監督ではない、という点。
ただ、全く心配はしていない。
「クリード 炎の宿敵」
・
・
・
はっきり言おう。大傑作だ
「クリード1」も面白かったが、それはやはり「アポロ」の息子とロッキーの師弟関係、というのと、次の世代につなぐことに失敗した「ロッキー5」と「ロッキー・ザ・ファイナル」のテーマゆえ、脇に回ってしまった息子のリベンジがなされていたことが大きい。
だが、これだけでなく、アドニスのキャラクターがとっても良く迫力あるボックスシーンもあって、「1」は傑作となった。
今作は、それからさらに泣かせどころを多く用意している。
ロッキーシリーズからクリード2までの40年。これがすべて。それが、ここに集約されている。
これだけで、十分傑作になる資格のあるバックボーンだが、本作の凄いところは、最も登場人物が多いくせに、今作ほど登場するキャラクターを端的に、多くを語らず、的確に描いてくれている点だ。オープニングの寒空から、いきなりのイワン・ドラゴの登場で、またその境遇が即座に分かる描写がたまらない。
終始人物に寄ったカメラが少々ウザイと、最初は感じたが、それもキャラクターが多く出てくると、その理由が、その効果がしっかりと出てくる。
イワンの息子のヴィクターが、全くドルフ・ラングレンに似ていないのは少し残念だが、強敵感は十分だ。そして、こいつが実にいい味を出してくれる。彼の戦う動機は「結局」家族のため。そして激闘の末、「父親のため」から「母親」のために変わっていく瞬間がとても悲しく、そして、この瞬間「勝敗」が決まる。
ブリジット・ニールセンの、「4」と変わらぬキャラが残酷で、そして最高だ。
イワンは、そして「家族」を失わないために、ロッキーが「4」で出来なかったことを実行する。
なんて残酷。そして、なんて愛のある行為。素晴らしい。
彼らはまた絆を強くし、一緒にトレーニングを開始し、挑戦するのだろう。今度は敵討ちでもなく、恨みでもなく。
本作の最大の泣かせどころはまさしくそこで、本作がシリーズ屈指の傑作となった瞬間である。
が、同時に、そっちで泣かせてくれたために、アドニスの結果に対する感動がすっぽりと、モノの見事に脇に追いやられるところが、本作の最大の欠点である。
最大の長所のシーンが最大の欠点のシーンになるなんて前代未聞だ。
ほかにも見どころはある。設定は「4」だが、アドニスと奥さんの設定は、「2」を想起させるもので、ストーリー展開や、アドニスの「再戦」のための虎の穴での特訓は「3」のそれだ。
脚本はスライほか共同脚本だが、ここまで盛りだくさん、でもきちんとキャラクターを描き切って、シリーズのファンをきっちり泣かせる。
なんて奇跡だ。
本作は、実は劇中のテーマが、ものの見事にこれまで「ロッキー」シリーズを見続けた者の、「ロッキー4」に対する様々な思いを持ってきた人たちに対するアンサーにもなっていることが凄い。
本作は「ロッキー4」を愛した者にのみ感動を与えるものではなく、「ロッキー4」を憎んだ者にも感動を与えてくれる。
これこそ、スライの生きざまそのもの。
追記1
演出も、序盤のロッキーの登場シーンなどなかなか心憎い。
序盤のタイトル戦がどうも退屈な絵作りだなあ、と思ってたら、後の「ヴィクター戦」「再戦」で十分分かるのだが、あれは「ワザと」だ。ちゃんとそっちでは、クーグラーっぽい演出もあり、すごい迫力だ。
追記2
今回のスライ、ことロッキーは、前作ほどシーンにおいて、スポットは当たらず、オスカーにノミネートもされないだろう。
だが、本作のロッキーは、シリーズ最高の表情を見せる。
特にイワンと会った時の表情と受け答えがアドニスに試合をする理由を聴くロッキーの表情が素晴らしい。
これぞ40年ロッキーを演じたスライの頂点。
もちろん、アドニスのキャラクターも相変わらず楽しいし、演じるジョーダンの徹底した役作りも素晴らしい。
追記3
オレは実は本作でロッキーは死ぬのかと思っていた。次回作はおそらくそうなるかもしれないが、正直もう続編は不要、というまで本作は昇華した。
戦う男たちが、家族に帰る瞬間を見届け、ロッキーは自分の人生にきっちり「ケリをつける」。
追記4
邦題の「炎の宿敵」は、俺らの世代が付けたのかな、とは想像できる。だが、「炎」はニンマリして好きだけど、「宿敵」はテーマを狭めちゃうので、これはマイナスかな。「クリード2」で良かったかな。
中だるみがひどい
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完全に忘れてもてたけど、まずはロッキーシリーズの復習をしよう。
ドラゴとアポロが戦い、セコンドのロッキーはタオルを投げ入れず、
アポロはこの試合で命を落とし、後日ロッキーがドラゴを倒した。
ドラゴはこの敗戦で地位や名誉や嫁を失って地獄を見たらしい。
その復讐じみた執念で息子を強いボクサーに育て上げた。
対戦を申し込まれたクリードは父の仇、とロッキーの反対を押し切って受ける。
ロッキーはセコンドにつかず、クリードは事実上の圧倒的敗戦。
ただドラゴがダウンした相手を殴るという反則を犯し、一応王座防衛。
この後、クリードに子供が生まれたりどーでもいいカクカクシカジカの後、
再戦して勝利。父の墓に報告することが出来た。
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映画館で見た。
クライマックスの試合は迫力があり、互いの執念がよく描写されててかなり泣けたわ。
ただ、中だるみがひどい。子供が出来るとかどーでもいい。時間割き過ぎ。
それに特訓で持久力が圧倒的に上がって腹筋も強化されるけど、それってどうなの?
ヘビー級のチャンプやで?今更そんな基本的な部分が劇的に伸びるっておかしいやろ。
しかも接近戦の練習では、最初は名もなきボクサーにボコられてたからなあ。
繰り返しますが、アンタはヘビー級のチャンプでっせ?w
だからクライマックスの再戦が早く来ないかなってずっと思ってた。
あまりにも中だるみがひどいんで眠気が来て、再戦まで寝ることにしたからな。
クライマックスの試合がしょーもなかったら、☆1つになってたと思うわ。
すべてを救ってくれた男
クリード1のときは楽しめたのだけどイマイチノリきれなくて、何でかなと思っていたのね。
それが本作を観てわかったのが、タイトルこそクリードだが、前作はロッキーとロッキーの弟子アドニスの物語だったのね。ロッキーシリーズもロッキー自身のことも好きだが、求めていたものはアドニスの物語でロッキーの物語ではなかったんだよね。
それが本作ではアドニスとアドニスのトレーナーロッキーの物語に変わって、完全に世代交代できたように思う。
よくわからなかったアドニスのキャラクターもわかるようになったのも良かったね。彼は、まあ、フットワークとしゃべりが軽いロッキーだったね。何でも、どうしたらいい?と聞いちゃうあたりとか初期のロッキーみたいで、そんなところはロッキーに似なくていいんだよと可笑しくなってしまったね。
これは前作の脚本に名を連ねていなかったシルベスター・スタローンが脚本に戻ったのが大きかったと思うね。前作はロッキーというキャラクターに敬意を払いすぎたよ。ロッキーはあくまで脇役のはずなのに、扱いを軽くできなかったのだろうと思う。
それを、スタローン自身がロッキーの役割を軽くし、物語の中心をアドニスに据えて、ドラゴのことまで汲み上げたよね。
大体の人はスタローンは俳優だと思っているだろうけど(一応それで合っているが)、俳優としてはいいとこ二流で、はっきり言っちゃうと才能がない。最初の「ロッキー」のときの演技とか本当に酷いからね。
しかし、脚本家のスタローンは本当に才能があるんだよね。「ロッキー」が名作なのも脚本が素晴らしいからだよ(それだけではないけど)。
スタローンは、シンプルなことをシンプルに伝えることに長けているんだ。ヒネリとか複雑さとは無縁の脚本かもしれないけど、大事なメッセージを観ている人にズドンと直球で届けられる力強さは才能としか言えないと思うね。
スタローン脚本の良さは本作のラストでまた輝いたんだよね。
アドニスとヴィクターのファイト終盤、脇腹をやられたアドニスにロッキーが「まだやれるだろ」と言葉をかける。これはロッキーがシリーズを通して伝えてきた、苦しい時に一歩踏み出すという教えそのもの。
んな無茶なと思いながらもアドニスを応援する気持ちは高まるしかないよね。
その後、アドニスはヴィクターから2度のダウンを奪い、私のテンションがいい感じに高まったところで、ヴィクターの母親が退席。それを見て落胆するヴィクター。
え!? ちょっと待って、ヴィクター!? 思わず落涙する私。泣けるとは聞いていたけどまさかドラゴ親子で泣くとは露ほどにも考えてなかったよね。
落胆するドラゴ息子の姿を見た瞬間に、愛されたかった彼の思いが一気に流れ込んできたよね。
ドラゴ父も母親が退席したことに気付く。彼は戦意を喪失しかけているドラゴ息子に対して必死に激を飛ばす。自分も彼女らの退席に酷く落胆しただろうに、立て、頑張れ、と声を出す。
うおおおお!ドラゴ頑張れ!負けるな!ヴィクター!ヴィクター!
これもうどうしたらいいの? アドニス勝て、ヴィクター負けるな、矛盾してますからね。なんとか引き分けってことに出来ないだろうか?などと考えていた私を救ってくれたのはドラゴ父でした。彼がタオルを投げたのです。
コーナーに追い詰められ打たれていた息子を「もういいんだ、もういいんだ」と言いながら抱きしめる。
タオルを投げられずアポロを殺してしまったロッキーを、タオルを投げ降参することで越えたのよ。ロッキーに試合で負けたドラゴ父はロッキーを越えたのよ。
ドラゴ息子だって負けてしまった。母親も去り何も得られなかったかもしれない。
だけど、何かを証明できたんじゃない? これってロッキー1のときのDNAそのままじゃない? ドラゴ親子の中にロッキーイズムを感じるじゃない? こんなの泣かずにいられないじゃない!
エンディングは3組の親子の姿。ロッキーシリーズはずっと家族と愛の物語だったよね。
主人公とタイトルがかわっても、そのメッセージは受け継がれる。
宿敵ドラゴ、の炎の息子
クリード2。
【ストーリー】
アポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)は順調に防衛を重ね、盤石のヘビー級王座を築いていた。
そこに現れた新たな挑戦者ヴィクター・ドラゴは、あの最強の挑戦者、イワン・ドラゴの息子だった。
対戦を熱望したアドニスだが、父親アポロ同様、ヴィクターの圧倒的なパワーとサイズにズタボロにされ、完全に倒されてしまう。
フィニッシュパンチがダウン後の加撃だったため試合は無効となったが、評価は逆転し、ヴィクターこそがヘビー級最強と皆アドニスに背を向ける。
直前にケンカ別れし、トレーナーを退いていたロッキー(シルベスター・スタローン)に、アドニスは復活を期してもう一度トレーニングを頼みこむ。
アサシンじゃない方のクリード、バスケットスターじゃない方のマイケル(略)ジョーダン。
クリード・シリーズ2作目にして、ロッキーシリーズ8作目、ついでにロッキー4の続編。
ややこしい情報満載のこの作品ですが、あのドラゴの炎の逆襲と聞けば、この自分が見ないわけにはゆくまいて。
というわけでクリード2炎の逆襲です。
ロッキー4の再編集版上映に合わせて、いろんなインタビューが出てますがスタローンったら、
「今ならアポロを殺さないなあ」
とか言い出してます。
ちょ、クリード・シリーズ生まれないじゃん!
主演のマイケル・B・ジョーダンは日本のアニメや漫画好きで有名で、後楽園ホールでのクリード新作のお披露目で
「『はじめの一歩』の舞台ですよ」と聞かされて、
「そうだと思った!興奮する!」とか可愛いこと言ってくれてます。
自分も3回ほど生観戦にいった、ボクシングファンの聖地・後楽園ホール(マニアは「ホール」と呼ぶ)、あそこで興奮するアニメ好きの変態くんが、自分以外にもいることに興奮。
これが幸せ回路か。
うれしい。
マイケル(略)捕まえて朝までお酒飲みたい。
演出面の話ですが、当クリード・シリーズ、ボクシングシーンがリアルめになってます。
まあロッキー・シリーズの被弾してたら、全員一試合で死んでるもんなあ。
めったうちになってもレフェリー止めないし、交通事故みたいなダウンしても試合つづけさせるし。
そういうファンタジーな表現が好きなんですけど、さすがに時代が許さないのかもしれません。
や、この映画でも大概フルスイングでどつき回されてますが。
ラストはビターに終わります。
ドラゴ親子の恵まれない現状に、今の世界情勢が反映されてます。
ちなみにドラゴ親子の現住所ウクライナは、今やレジェンド・ボクサーの生産国。
兄ビタリがキーウ(旧キエフ)市長で有名なクリチコ兄弟や、兵役を終えて復帰したワシル・ロマチェンコなど、幅広くテクニカルな名ボクサーを今も輩出してます。
かつての盟友と繫がる試合! 宿命のライバル、ヴィクターとの熱き対戦!!
ロッキー4での強かった選手、イワン・ドラゴとの試合、苦い経験がトレーナーである
ロッキー自身に思い越される場面がありました。
判定が出た後に、アドニスに自分と同じ思いはさせたくない!
ロッキーもアドニスも悔しい表情が滲んで見えました。
ビアンカとの子どもの誕生を喜んだのも束の間、アドニスには砂漠での過酷なトレーニングが待っていました。
何としてもヴィクターを倒す強い決意を感じました。
ロッキーからの作戦は相手にプレッシャーを
与えるような畳み掛けるパンチの数々でした。
ラストシーンは、パートナーのビアンカと
共に亡くなった父親の墓前で良き報告が
出来て良かったと思いました。
すべての再生
どうしてもロッキー4のド直系の系譜を継ぐ本作は採点が甘めになってしまう。あのロッキーのテーマ曲はずるい。もっと聞きたかった。まさかのドラゴ、その息子が出てくるとは。妻役ブリジット・ニールセンまで見れるとは思わなかったし、変わったなぁ。スタローンの元かみさんなのによく出演したなとも思った。ドラゴはロッキーとの敗戦のせいで国にも妻にも捨てられていた。当時のソ連からすれば、容易に想像がつくし、不遇の日々を送っていたのだろう。本作は再生がテーマだったと思う。ヴィクターに負けたクリードは一人の男として、真のチャンピオンとしての再生。ドラゴ親子からすれば、祖国に捨てられたことから、クリードをぶちのめしたことで、再び祖国に迎え入れられたことの再生。ロッキーはラスト自分の息子にまだ見ぬ孫に会いに行く勇気を得た再生。クリードはヴィクターに勝ち、ようやく父アポロに向き合うことができたことの再生。ドラゴにも焦点を当てているのが素晴らしい。ラスト、車を下りて一緒にヴィクターと走り、トレーニングを再開していたのが良かった。ロッキー4ではマシーンだったドラゴも人間だった。ロッキー息子のマイロを見れたのも良かった。しかし、再戦をロシアでやるのが何ともにくい。どうせなら、クリードトレーニングもロシアの雪山でやってほしかった。テッサ・トンプソンはめちゃくちゃ歌うまい!夫の入場に歌って出て来るって新しい。JBが懐かしい!気になったのは、クリードの子の耳の状態。その際のロッキーの言葉、彼女は憐れんでいない、これが最高。やっぱりロッキーの寂しそうな顔、座った後ろ姿、全てが良い。ロッキーの家の街灯はどうなったんだろう。これも再生しないだろうか。
守りのクリード、攻撃のドラゴ
戦いの意味を理解しているものが勝利に勝つ。
これまで幾度となく映画で描かれてきた古典的なスポ根映画だが、この映画でもまさしくそれだ。
クリードは自分の為、そして家族を守るため、小柄の体とスピードを生かした保守的な戦い方で挑む。
一方ドラゴは父親の期待に応えるためだけに戦い、攻撃的な戦いを選ばされる。
ラスト前の練習シーンは、端的にそれらの戦略が語られ、ラストのカタルシスに繋がる。
前作に引き続きまたしてもメインテーマの流れるタイミングが最高だ。前作では登場シーンで流れたが今回は戦い中盤で流れる、また登場シーンはビアンカの歌であり個人的にはここがかなり上がる。
適役のドラゴ親子は完全なる敵として描かれるのではなく、彼らもクリード同様に家族について悩むのである。
この映画はボクシングを通して親子という関係が濃密に描かれた、テストステロンとオキシトシンを足して2で割ったような映画だと感じた。
前置きが長すぎる
どうしても試合見たさ、リングサイドの観客の気持ちで観てしまうから前置きの長いのが辛い、どうせすんなりとは行かないパターンは予想していたが長いし暗すぎる、子供の耳の障害まで持ち出すことはないだろう。とはいっても相変わらずファイティングシーンは迫力満点、こちらまで肋骨が痛くなりそうだった。
虎の穴の特訓とは面白い、CGじゃないかと疑うくらい明らかに初戦より肉がついたのが分かる。
ドラコの方も非情なようで父親らしい一面を見せているが正直いって試合以外の私生活のごたごたの多い映画は疲れる。幸いにも日本にも凄いチャンプがいるのだから当面ボクシングは映画でなく井上や村田の試合観戦で十分な気がしてきた。
面白いが、1を超えることはなかった。
気になった所は、1ではロッキーは癌で苦しんでいたが、本作ではその描写はあまり無い。(完治したの?)それと2戦目で主人公が勝つのだが、勝った理由はほぼない。負けたからもっと本気出して修行した→勝ったって感じ。もっと説得力が欲しい。あとは細かいがドラゴのセコンドがタオルを投げるタイミングがよく分からなかった。あのタイミングで投げるなら倒れた時点で投げればいいのでは?立ってちょろっと戦った後に投げるのはよく分からん。
色々と細かいことを言ったが、別に楽しんで観ることは出来た。
でももういっかい観ることは無いかなー。
なんかもう、号泣
相変わらずおぼっちゃまんなクリードが挫折を転機に大きく成長する訳ですが、なんやかんや言って涙が止まらなかったのは、イワンが葛藤しながらタオルを投げるシーン。今作でも極端にセリフの少ないドルフラングレン。あのシーン、彼が本当にいい芝居をした。あの迷い、葛藤、そこからの諦め。泣けました。
あ、クリードの入場でビアンカが歌いながら出てきたときは、ちょっと売名の香りがしたけど、チームだからまぁいいか(笑)
クリード 炎は弱火
僕はロッキーシリーズが大好きだ。しかしクリードシリーズになってからはあまり乗れていない。それはロッキー第一作の「何者でも無い者が何者かになるとき、それは何かに挑戦する時」というテーマから外れているから。主人公アドニス・クリードは血統と才能を持った若者で彼の苦悩はロッキー第一作のテーマと真逆の位置に居る。加えてアドニスに感情移入できる魅力があれば良いがそれもどうも無い。なぜならクリードシリーズはスタローンが師匠・ロッキーをどうカッコ良く見せるかに重きを置いて書いている脚本だから。スタローンは自分をどう見せればカッコイイかを追求してきた人だ。ナルシズムの探究者と言っても過言では無い。
ロッキーがボクサーとして戦っていた頃はしっかりロッキーに感情移入出来るし、最後ちゃんと気持ち良くなる。
なぜならスタローンが主役だから自分がカッコよくなるための道筋をしっかり作っていた。
しかしクリードシリーズになってからロッキーをスターウォーズのヨーダやベストキッドのミヤギの位置、全てを見通した仙人としてかっこよく描くことに重きが置かれてしまっているのでアドニスに全然華がない。
恋人に結婚を申し込むときに師匠とは言えわざわざロッキーに相談するか?Champion of the worldなのだから自分でやれよと思う。
(例えばロッキーがエイドリアンを口説くのにミッキーに相談したか?スタローンは若い奴から恋の相談を受けたいのだ。若者から頼りにされたいという欲求からこのシーンが描かれている。この若い奴に頼りにされてるシニアになりたいという欲求は北野武にも共通している)
ボクシングを描くために細かい所に気を使っているのは分かる。しかしやはりボクシング描写は荒い。これはロッキーシリーズからの課題だ。ボクシングにおいてビッグパンチ一発でも入ったらそこでお終いだ。あんな打ち合いには体が耐えられない。
そしてこの映画は私が嫌いなジャンル、過去作を見ていないと付いていけない前作を見ていることが前提の映画だ。敵側のドラコ親子が昔の強敵が帰ってきたという売り以外、役割が何も無い。(キングギドラみたいなもん)
本作は一点修正していれば傑作になっていた。ビクタードラコがどんな奴でラスト自分の意思で戦いに挑む、という描写を入れるだけで良い。これだけで物語が締まる。
ビクターは母に捨てられ親父の復讐マシンとして生きていて自分の人生が何もない。親の呪縛に完全に縛られた男だ。この男が例えば自分と父を捨てた母とぶつかり、母自身も国辱となってしまった父から離れざる終えなかったという葛藤があったり、それこそ父ドラコの葛藤を理解したり親を許す事が出来た上で父ドラコを捨てて単身アメリカに行ってアドニスと戦う、とかにすれば自分の人生を取り戻す男の話として第一作に通ずる作品になったのでは無いか。
本作はこの展開だとこうなるよな、という予想通りに話が終わった印象だ。
そしてやはり気になるのは主人公に魅力が無い。アドニスは過酷な世界に身を置いていて、チャンピオンにまでなっているのにプロポーズの時にロッキーに頼ったり、子供が泣き止まない時に母に連絡したり、トレーニングを再開しなかったりと愛嬌というよりはなんとなくガキっぽく弱く写る。というより人物造形が雑。スタローンがアドニスにそれほど思い入れが無いのかなと思う。
スタローンが自分が若い頃に与えてもらったロッキーというチャンスを若手に返す、という心意気でクリードシリーズを続けるのならばプロデューサーに専念して脚本も若手に任せるべきだろう。
まぁ、そんな事したら恐らく速攻でロッキーが死ぬ展開になるだろうが…
想いの継承…悲劇が繋いだ宿命に挑め!
クリード・シリーズ第2作(ロッキー・シリーズ第8作)。
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
本作を観る前に「ロッキー4/炎の友情」の鑑賞は必須であります。と云うわけで本作公開前に同作と前作を観て準備万端整えていましたが、結局観に行けなかったと云う悲劇…
いい意味でありふれた物語をここまで面白く仕上げてくれるなんて、素晴らしいにもほどがあると云うもの。
対立構造は目に見えている。栄光を掴んだアドニスとロッキーVSどん底から這い上がろうとするドラゴ親子。
「ロッキー4」の出来事が根底にあり、そこから生じた悲劇の因縁が、両者を宿命のリングへと導きました。
アドニスの成長とロッキーのと絆の物語としても充分感動的でしたが、個人的に惹かれたのは、もうひとつの物語であるドラゴ親子が背負ったものの重さと悲しさでした。
ロッキーに敗北した後、国からも妻からも見捨てられたイワン・ドラゴ。想いを息子に託し、鍛え上げた執念がすごい。
父の想いを受けたヴィクターも、実は母の愛情に飢えていると云う設定がいい。母に褒めてもらいたい一心で振るう拳…
負けそうになった自分たちを母(妻)が見限ったことで、心も体も決壊してしまう展開はあまりにも悲しかったです(ブリジット・ニールセンの変わらぬ迫力に圧倒された)。
寒空の下、父子二人三脚でトレーニングした日々を想像し、苦しいこともあっただろうなと考えると、もうちょっと救いがあっても良かったんじゃないかと思いました。
ドラゴ親子だけでなく、ロッキーと疎遠だった息子の関係の決着や、アドニスと母親、誕生した娘アマーラと云った様々な親子のドラマが描かれていて、要所要所で泣かされました。
※修正(2023/06/02)
面白いが、前作ほどの衝撃は…。
名作ボクシング映画『ロッキー』シリーズの第8作にして、『クリード』シリーズの第2作。
世界チャンピオンになったアドニスの前に、父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子、ヴィクターが立ち塞がる…。
○キャスト
ロッキー・バルボア…シルベスター・スタローン(兼脚本/製作/キャラクター創造)。
アドニス・クリード…マイケル・B・ジョーダン(兼製作総指揮)。
ビアンカ…テッサ・トンプソン。
『クリード チャンプを継ぐ男』があまりに傑作だったので、続編である今作もすぐさま観賞。
勿論、羽佐間道夫吹き替え版での観賞であります。
うーむ…。これは…。
いや、決して悪い映画ではないのです。
『ロッキー』シリーズとしては十分に合格点な作品だと思います。エンタメとして普通に面白いっ👍
そしてとにかく、ヴィクター・ドラゴ役のフロリアン・ムンテアヌの身体がすげぇ…。
ただ、『クリード』シリーズとしては正直不満。
前作にあった映像としての現代的なかっこよさが薄れている。
例えばアドニスがYouTubeでアポロの映像を流しながらシャドーをする場面や、アドニスがダウンし、その最中に見る走馬灯にアポロが現れた瞬間にバッ!と覚醒する場面。そして全体に漂う詩的な雰囲気。
なんか、こういったものが欠けていたように思います。
少しきつい言い方をすると、本作にはちょっと古臭さを感じる。前作では出来ていた現代映画へのアップデートが出来ていないのです。
それを象徴するのが、アドニス&ロッキーの特訓シーン。
荒野にある謎のボクシング施設で原始的な根性論トレーニングを行う二人。
ここがすごく昭和の映画っぽい。近代的で冷たい印象を受けるドラコ親子のトレーニングと比較させたかったのでしょう。似たような描写が『ロッキー4』でもありました。
物語的にわかりやすいんですが、これを今やるのは正直ダサい。嘘くささが目立ってしまう。
前作でも古典的なトレーニングは行なっていましたが、リアリティ・ラインを超えないギリギリのバランスを保っていました。今作はそのラインを超えてしまったため、昭和な雰囲気が出てしまい、『クリード』シリーズとしては今一つだと感じてしまったのでしょう。
前作と較べて気になった点といえばもう一つ、今作ではロッキーの影がうすい。
前作ではアドニスとロッキー、二人とも各々の死闘を演じていましたが、今作でのロッキーはサブキャラに徹しており、そこがちょっと物足らない。
細かいことですが、癌を患っていたとは思えないロッキーのガタイの良さに違和感…😅
あと、アドニスをしっかりと描写したかったのでしょうが、そのせいで全体のバランスが悪くなっていると思いました。
アドニスの人物描写が多すぎてお腹いっぱい。正直間延びしていて、退屈なところもあったりします。
そもそも本作は、一作の中で世界チャンプ、プロポーズ、父親の仇ドラゴの出現、子供の誕生、(実質)敗北、リベンジと『2』〜『4』までの物語を詰め込んだようなシナリオ。正直言ってこれは詰め込みすぎ。
そしてアドニスにはフォーカスし過ぎている反面、仇敵ドラゴ親子や、ロッキー&ロッキーJr.との関係の描写が薄くなってしまっていることには不満。
…『ファイナル』で和解したはずのロッキーとJr.の関係がまた微妙になっているのはなんで?
強く思ったのは、ヴィクター・ドラゴのバックストーリーをもっと重点的に描いてよ!ということ。
彼の境遇や両親との確執をより明確に描写していれば、最後のリベンジマッチはさらに燃えるものになっていたのに!いや、もったいない…。
BD特典の未公開シーンで、アドニスとヴィクター・ドラゴが試合後に顔を合わせる場面で、ロッキーとイワン・ドラゴがアイコンタクトで意志疎通するという描写がありました。
非常に感動的な演出だったので、ここはカットせずに本編に組み込んで欲しかったな〜と思います。
再度申し上げますが、映画として駄作だとは全く思いません。普通に面白いです。
ただ、前作の出来の良さによって高く上がったハードルを飛び越えることは出来ていない作品でした。
やっぱりライアン・クーグラー監督は凄かった!
おそらく次回作の構想もあるのでしょうが、ライアン監督、どうか復帰して下さい!
やはり彼あっての『クリード』シリーズでしょ!
※『クリード3』はまさかのマイケル・B・ジョーダンが監督っ!
スタローンとの間でなにやら一悶着あったようだが、いやはやどうなることやら…。
息子たちは立ち上がる
アポロ・クリードの息子、アドニスを主人公にした『ロッキー』の新シリーズ『クリード』。
ロッキーがかつてのライバルの息子を鍛えるという激アツの展開で、個人的にその年のBEST級の一本に。
『ブラックパンサー』を大当たりさせたライアン・クーグラー監督とマイケル・B・ジョーダンの飛躍作で、何よりシルヴェスター・スタローンの名演! オスカーを獲って欲しかったと今でも思っている。
そんな訳でこの続編にも大いに期待しており、その期待は今回も存分に満たされた。
前作で現チャンプに敗れはしたものの、一歩も退かぬ闘志と名試合を見せ、誰もが認める“クリード”となったアドニス。
その後も快進撃を続け、遂に名実と共にチャンプに。
恋人ビアンカにプロポーズし、彼女は妊娠も。全てが絶頂。
そんなアドニスに挑戦状を叩き付けてきた者が居た。
それは…
ヴィクター・ドラゴ。
かつてロッキーが苦戦しながらも勝利した、旧ソ連が生んだ最強ボクサー、イワン・ドラゴの息子。
父イワンに徹底的に鍛えられた、父親譲りのパワー・ボクサー。
父を知らぬアドニスだが、“ドラゴ”という名は彼にとっても忌まわしい名。何故なら…
父アポロの命をリング上で奪ったのが、イワン。
父の仇。
何かの因果か数奇な宿命か、仇の息子と拳を合わせる事に。
アドニスが父の仇の息子と闘う。
本作もまた激アツ展開!
イワン役は勿論、ドルフ・ラングレン。
序盤、約30年ぶりにロッキーとイワンとして、スタローンとラングレンが顔を合わせるシーンは鳥肌モノ!
本作は『クリード』の続編であり、『ロッキー4』の続編でもある。
挑戦を受けるアドニス。
が、ロッキーは…。
両者の気持ちは分かる。
父の仇を討ちたい。挑戦に黙っていられない。
ライバルで盟友は自分の腕の中で死んだ。もし、彼の息子もそうなったら…。
初めての決別。
アドニスは一人で挑む。
復讐対復讐。
その結果は…
ヴィクターの反則により、アドニスの判定勝ち。
でも実際は…
ドラゴ親子はどんな手段を取ってでも、復讐を果たすのが目的だったのであろう。
そういう意味では、ドラゴ親子の完全なる勝利。
アドニスは命を奪われなかったものの、滅多打ちにされ、肋骨も折られ、満身創痍。再起も危ぶまれるほど。
アドニスはただヴィクターに負けたのではない。
挑発に乗り、自制心を失った己の復讐心と暴走に負けたのだ。
完全なる敗北。
リベンジの筈がリベンジの餌食にさせられてしまった…。
その後リングから遠ざかり、チャンプの地位も危ういアドニス。
しかしこれぞ、このボクシング名作映画の醍醐味というもの。
ロッキーと和解。
娘も産まれ、大切で守らなければならない存在が出来た。
チャンプとして、父親として、そして“クリード”として…。
自分は何の為に闘うのか。
苦悩・葛藤・模索の末、アドニスは再びリングの上に立ち上がる…!
話的にはストレート・パンチだが、熱く、感動的なドラマと迫真のファイトで、KOパンチ級。
監督に抜擢された新鋭スティーヴン・ケイプルJr.は、ライアン・クーグラーにも劣らない名試合を見せた。
マイケル・B・ジョーダンの熱演はますます頼もしく、ブレイクしたテッサ・トンプソンもアドニスや作品を支える。
スタローンは引き続き名演を見せ、彼だけではなく、ドルフ・ラングレンまでも渋い演技を見せてくれるとは…!
ヴィクター役のフロリアン・ムンテアヌはちと堅いが、それがかえって彼が背負ったものを滲み表した。
さらに、ブリジット・ニールセンも顔を見せ、シリーズのファンをニヤリとさせる。
(ジョーダン、トンプソン、スタローンは奇しくもMCUキャストに。ラングレンだけDCだが…)
宿命のリターン・マッチ。
実はクライマックスの試合、見てて複雑な心境だった。
と言うのも、どちらにも負けて欲しくなかったからだ。
映画的にはアドニスが今度は勝ち、見事リベンジを果たして欲しい。(実際、そうなったが)
一見憎々しい敵役のドラゴ親子だが、彼らにだって闘うドラマがある。
父イワンはロッキーに敗れた事で、国家の威信を傷付けたとして見捨てられ、どん底に。
息子ヴィクターに全てを叩き込み、託し、息子はその期待に応え、かつての雪辱を果たした。
ドラゴ親子もまた立ち上がったのだ。
しかし、クライマックスの試合で負けてしまったら…。
またこの親子をどん底に叩き落とさなければならないのか…?
それはあまりにも酷過ぎる。
おそらくヴィクターは、父の復讐の為だけに育てられたようなものだ。
アドニスもそれを背負って闘っているが、自分の意志で決めたアドニスとは違う。
そう思いを馳せると、ヴィクターの生い立ちは悲しい。
前作ではちと物足りなかったライバル側のドラマが、本作ではしっかり描かれている。
どちらにも負けて欲しくない。
だけど、絶対負けられない。
だからこそクライマックスの闘いは、こんなにも目頭と胸を熱くさせられるのだ。
父の名を背負い、立ち上がった二人の息子の姿に、私は惜しみない拍手を贈りたい。
アポロとアドニス。
イワンとヴィクター。
ロッキーとロバート。
血の繋がりは無いが、ロッキーとアドニスもそう。
本作は受け継がれていく父子のドラマ。
エンディングも本当に感動的だった。
宿命の対決も終え、本作で有終の美を飾ってもいい。
しかし、彼らはまた立ち上がり、闘い続けるだろう。
次の試合にも期待してしまう!
父アポロと同じように、子供が出来たのに命をかけた闘いに挑もうとする...
父アポロと同じように、子供が出来たのに命をかけた闘いに挑もうとするクリード。かつてロッキーがタオルを投げなかったことで、アポロは命を落としたが、今度はドラコが…
歴史は繰り返されるが、最後は彼ら自身の闘いとして描かれているのが憎い!
そして、迷えるクリードに向けられた、40年前から、成功と失敗を繰り返してきたロッキーが語る台詞の説得力といったら!
キャリアを重ねて、時代が変化しても、「俺たちのロッキー」を生み出し続ける、変わらないスタローンのバランス感覚が最高。
ロッキー最高!
4の続編といっても過言だはない。ロッキーファンしかり、初めての人も楽しめる作品になっていると思う。個人的にはドラゴがタオルをリングに投げるシーンが印象的でそこで涙が出てしまった‥ほんとにいい映画でした!
ロッキー不滅説
最後にロッキーが息子の家に出向くところが涙が溢れて止まらなかった。それまでにクリードの子供の誕生などのシーンの挿入などでラストのロッキーの孫に合うところは良かった。ボクシングの試合はもうどうでもよかった。ロッキーはもう終わったと思ってたが、こんな描き方があるのなら、なんでもありだなと思った。
後は、音楽が気に入らなかった。
やっぱりロッキーが好き!
泣いた、泣いた。
ロッキーのテーマがかかった時は、
ちょっと泣き笑いだったけど、泣いた。
ドラゴの孤独と苦しみ。
クリードの葛藤。
ロッキーの葛藤と優しさ。
相変わらず健在なロッキー方式の特訓も懐かしく、年をとって優しさを増したロッキーがたまらなく愛おしかった。
ずっと昔から知ってるおじさんの話を聞いているような、それかと思えば素敵な映像で、
とにかく良かった。
いつも忙しかったり、辛い時にはロッキーがいてくれる。そんな暖かくも強い映画になってた。良かった!
家族のありようを問いかけている
今作、つまるところ「家族のありよう」を問いかけてきた作品だと感じている。
クリードには結婚、子どもの誕生。
父はJ・ブラウンのLIVING IN AMERICAで入場してきたけれど、息子クリードは妻ビアンカを先頭にして彼女の歌と共に入場してくる。
(ちょっとだけ4を懐かしみたいわたしはLIVING---で入場してこないかなあと期待したんだけどね)
誕生した娘も妻と同じハンデがあるけれど、おばあちゃんだったかな「彼女にはそれが当たり前なのよ」というセリフが沁みたなあ。
ロッキー、壊れかけた息子との絆を繕っていく姿。
シーンでは一度しかなかったけれど、彼は毎日、妻エイドリアンの墓前に椅子を置いて語りかけているんだろうなあ。
ああ、ロッキーは妻の墓前には赴くがアポロの墓前には行っていない。
クリード家のことなんだからクリードが行けばいいのさ、と考えているんだろうな。
普段のロッキーはコンバースのスニーカーで街を闊歩している。
革靴など履かず、髪の手入れもしない。
老いたロッキーはこれから先どうなるんろうとチラリと頭をよぎる。
そしてドラゴ。
この作品で涙が出たシーンはひとつだけ。
父ドラゴがリングにタオルを投げ込んだシーン。
ポロポロと泣いてしまった。
敗戦が決定的になり、ボロボロに負けてしまう息子のためにドラゴはタオルを投入する。
それでまでのトレーニングでの「走れと言ったら走れ」と老いた自分は車に乗って息子を追い立ていていく父が、かつて自分が味わった敗戦のショックで息子が廃人にならないようにと願って投げた(と、わたしは感じている)
その後のトレーニングに励むドラゴ父子はふたりとも自分の脚で走っている。
そこに感激した。
もう一度一からやり直していこう。
国家に対する恨みとか母親への慕情を断ち切って。
自分たちが闘う理由は自分たちのためにあるんだ、というシーンではなかったか。
クリードとドラゴはもう一度再戦するんだろうか?
シルベスター・スタローンはどうこの物語を紡いでいくのだろう。
若いふたりに再戦してほしいけれど、それぞれの道を歩いていくのも悪くない脚本だと感じてる。
次作があるとすればロッキーとドラゴの物語も少しだけ続きを期待したいんだけど。
ドラゴとロッキーも30年以上を経過し、お互いのネガティブな感情から抜け出せたらなあ。
最後にこの映画はブラックミュージックがスクリーンに流れる。
(わたしはちょっとこの手の音楽は苦手)
これはクリードの物語なんだからブラックミュージックで。
当たり前だけど、そういう気の利かせ方がシルベスター・スタローンなんだろうなあと。
いや、実は音楽は門外漢だから好きにしていいよ!って言ったのかもな。笑
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