誘拐アンナ
劇場公開日:2018年7月21日
解説
カートゥーン・ネットワーク内の作品を手がけるほか、「カニバル星人」「ダイナミック・ヴィーナス」といった作品で海外でも知られるアニメーション映像作家・佐藤懐智が、1960年代サイケデリック映画へのオマージュとして制作した短編アニメで、男女2人のバイク旅をスタイリッシュな水彩3DCGで描いたロードムービー。196X年。とある教会で行われていた結婚式に大型バイクに乗った女が乱入し、新郎を奪い去ってしまう。女の正体は巷で噂の誘拐犯アンナで、連れ去られたのは「教授」と呼ばれる最低で最強のプレイボーイだった。教授との無理心中を願う元ガールフレンドから依頼を受けたアンナは、彼女に教授を引き渡すべく、国境をまたいだ2人旅(タンデムライディング)を開始する。伝説的サイケデリック・モータームービー「あの胸にもういちど」のデジタルリマスター版と同時上映で、18年7月21日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて1週間限定レイトショー公開。
2017年製作/30分/日本・フランス合作
配給:コピアポア・フィルム
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フランス映画の「あの胸にもう一度」を知らずに観ました。「あの胸にもう一度」を知っている方も、知らない方も楽しめる映画です。
2019年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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そもそも元ネタの『あの胸にもういちど』が、スイーツ映画でしかない。
確かにカルトだが、それは脚本のどうしようもなさと主演を務めたドラッグ中毒のマリアンヌ・フェイスフルの魅力が、古典ゆえの緩さにマッチした結果である。あれは古典でしかあり得ない。そしていち映画としては、死ぬほどクソなのである。
この『誘拐アンナ』は、それをただ単になぞっただけのファンムービーに過ぎない。
いや、クオリティを考えれば同人以下である。
良い点が全く無いとは言わない。元ネタを知らない人に、ネタとしての高いプライオリティは示せるだろうし、知る人へのサービスにもなる。
しかし、それだけで、他には何も無い。
べらべらとセリフで説明するだけのアニメ的演出が、とてもフランスとの合作とも思えないし、あえてであろう3DCGのローポリレベルが、残念ながらノイズにしかなっていない点は、古典へのオマージュ表現を間違えたとしか感じられない。
ましてや短編である。ローポリならローポリで手間を掛けられた箇所なんか腐るほどあるはず、それをしないのは油断であり「わざとです」という言い訳での怠慢と断言したい。これが長編ならまだ理解も出来る。
如何にも観念的なラストは、解釈が分かれることを見越してのものなのだろうが、結局スイーツを脱却出来ていない時点で、元ネタの足元にも及ばない。
そして元ネタはカルトだがクソ映画である。そのクソに砂糖をまぶし蜂蜜をかけたのが、この映画である。
何もかもが甘すぎる。
2018年7月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
質感、漂う雰囲気、魅力的な主人公がよかった。
なるほど確かに哀しみのベラドンナ、あの胸にもういちどの心理描写に近い。
両作品ともに「異常な心理」ではなくて、「誰もが持ってる持ち得る心理」をあの時代背景と当時の感性で非常にうまく性衝動や欲望や嫉妬や妄想を表現した作品だと思っています。その雰囲気が誘拐アンナにも漂う。