ビューティフル・ボーイのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ

劇場公開日 2019年4月12日
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人は個々の空間で生きる孤独な生き物

なぜ、人は覚醒剤にはまるのか?当事者でない限り、否、当事者すら意識していないちょっとした気の緩み、好奇心、自分への甘さから、代償が大きすぎる依存へと堕ちていくプロセスを、ティモシー・シャラメがその筋肉のない、細い身体で演じている。彼の薄い胸と、小さなウエストが主人公の心理と健康状態を如実に表現していて、とても痛々しい。我々の生活の中でも、すぐそこまで迫っている覚醒剤中毒の恐怖が、若手随一の人気俳優の肉体を介して伝わって来る、これは必見の作品だと思う。そして、最愛の息子が別人に変貌していくのを、ただ見守るしかない親の視点で眺めると、何と人は個々の空間で生きる孤独な生き物であるかという厳しい現実が、胸に突き刺さる。名曲の"ビューティフル・ボーイ"がここまで皮肉めいて聞こえるなんて、思ってもみなかった。

MP
MPさん / 2019年4月17日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  悲しい 怖い
  • 鑑賞方法:-
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ビューティフル・ボーイ

不思議なぐらい人は大麻やその他ドラックにはまってしまう人がいつの時代もいると云うこと。その背景を描く映画や本は無数にあるがなくなることは間違いなくないと人達は思っていると思う。私も無くなることは難しいと思っているが、この映画では息子さんが抜けれなくなる、実際に家族がドラッグにハマったらツライとは思う。だが私ならダーウィン論的な考えで向き合うと思います。やはりこの手の映画は必見だろう。

G・・HT3
G・・HT3さん / 2019年4月24日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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ホモシャブ地獄

親父音楽中毒、おかんキャリアウーマンで離婚。
そら薬はまりまっせ親が病んでるし。
アメリカ映画でシャブ扱ってるのはじめて見た。
50歳以下の死亡原因オーバードーズ。
日本もそうなります。

ooioo777
ooioo777さん / 2019年4月23日 / PCから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  萌える
  • 鑑賞方法:-
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私が愛する息子がもし薬物依存になったら私はどうしただろう

この映画を観た後、感想を書くのを敢えて控えた。私の息子がこの主人公のような状態に陥った際自分は何が出来るだろうか?。考えた。この映画では、父親が著名な音楽ライターであり、映像を観る限りかなり財務力のある立場であることは理解できた。しかし、このような状態に陥った自らの子供を救える親がどれだけいるのだろうか?映画であるので、そこは綺麗に纏められているが実際には多くの同様のケースではこのような収束には向かわないのではないか?現実への問題提起としてこの映画を制作者は作ったと思いたい。もし、違っていたら私の感想は全く違ったものになる。

NOBU
NOBUさん / 2019年4月20日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 難しい 幸せ
  • 鑑賞方法:映画館
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死すら受け入れるのが愛

家族の温かな愛で薬物から立ち直る話…ではなかった。意外にも。

誰も人を救うことはできない。全ての言葉を尽くしても語れないくらい愛していても。そんな残酷な現実を描く。本人がそれを選んだのなら、その死すらも受け入れ、幸せを願うしかできることはない。ニックは現在、「8年やめている」に過ぎず、ハッピーエンドは来ない。

バリキャリのキツめの女性のあとに自由な雰囲気のアーティストと再婚するのわかりやすい。部屋の趣味合わないしなんでもともと結婚してたんだろ。

幸福な家族が欺瞞に見えるお年ごろあるよね。世界の美しさと自分の醜さが不釣り合いな気がするんだ。

hyvaayota26
hyvaayota26さん / 2019年4月20日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
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編集がずるいw 何度か涙目になった 盛り上げといてMAXまでいかず...

編集がずるいw 何度か涙目になった

盛り上げといてMAXまでいかずに下げる展開が何度かあった。
そろそろ終わるかと思いきや、もうちょっと続く展開も2,3度あった。

ティモシーシャラメはあんまり好きじゃない(ただの嫉妬)けどなかなか良かった。
スティーブカレルもめちゃくちゃ良かった。40歳の童貞男の時と比べてだいぶ深みが増してかっこよかった。

コーヒー
コーヒーさん / 2019年4月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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依存性の現実

依存性から立ち直る息子と父の愛の感動ストーリーと思ってましたが違いました
かと言ってつまらなかったわけではありません
いくら本人が強く思っていても依存性から立ち直るのは全然簡単な事ではなく、周りの愛とサポートが必要で、でもそれでもまた手を出してしまう、改めて感じました
なぜこの息子が薬物に手を出したかもはっきりわからなく、だからこそ誰でも簡単に依存性になってしまうのかもしれないと思いました
親なら子供への愛は限りなくあるもの、そうだとは思いますが、それでも疲れて自分には救う事は無理だと思ってしまう、それがとてもリアルに感じました
感動ストーリーに仕上げてないからこそ実話なんだと思います

小町
小町さん / 2019年4月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
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現実を突きつけられる

アメリカの50歳以下の死因で最も多いものは「薬物の過剰摂取」だそうだ。それほど薬物が蔓延している国での、この実話。
おそらくきっかけもなんとなくだったのだろう。何の気なしに始めたのだろう。父親に大麻を差し出すシーンからして明らかに薬物が身近なものであるという国の事情もあるのだろう。
しかし、そこは沼だ。ティモシー・シャラメ演じるニックの瞳には光がなく、力がなく、そして何より自分がなぜこうなったのか説明できない。薬物依存における原因追及など意味がないと思ってしまった。個人の資質に帰することも無意味だ。おそらく誰にでも等しく依存のリスクは存在するのだ。
どれだけ息子を愛していても、沼に疲れ果ててしまう家族もリアルだ。スティーヴ・カレルの父親は理想の父親像ではあり、ある意味身体を張ってまでも息子を救おうとするが、次第に疲れ、迷う。そういう意味で変に美化せず、現実を突きつけた映画だったように思う。
薬物依存の主人公をダメ人間と断罪することもできるが、とにかく救わねば、という意識ができればよいし、そういう努力をしている人びとに捧げられた映画でもある。
スティーヴ・カレルは変幻自在だと思っているけれど、今回の父親役は暖かかった。強いわけではないけれど、”Everything.”ということばに文字通り全てがこもっていた。
ティモシー・シャラメはその美しさをある種逆手に取ったともいえる崩壊ぶりがリアルだった。立ち直っては崩れを繰り返すその姿が痛々しく、目を背けたくなる程だったが、それほど彼の演技は真に迫っていたということだろう。

andhyphen
andhyphenさん / 2019年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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面白くない

感動物語っぽく作ろうとしてるけど、映画を見る限り原因は父親だよね。他人が自分の思い通りに動くと思っていて、そうならないと感情もコントロールせず怒声をあげる。愛してるとか言いながら誰より先に諦めたり。あと言いたいことがいまいち分からないのは父親と息子の二人の本をベースにしちゃってるから?それもうまい人が作ればうまく演出するのかもだけどこの監督はダメだなー。2時間が倍に感じました。

三毛猫泣太郎
三毛猫泣太郎さん / 2019年4月17日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 1.5
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タイトルなし

アメリカの親子はしんどい。
良心の映画。長くつらい若者の物語。
ティモシーシャラネ
が熱演、好演。

kubonbich
kubonbichさん / 2019年4月17日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  泣ける 幸せ
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モンスターはいなくならない

モンスターは追い払ったよ、もう安心して…なんて簡単ではない。

日常が壊されていく戦争映画のように、ただ無力さや空しさを感じ続ける。後ろの席から大きな溜め息が聞こえた。

どこが運命の分かれ目だったのかなんて知る由もない。
家族の分離?変化?まさかロックミュージック?あの時尿検査したから?青年の知的好奇心が災いして執着が始まったのかも知れない、でも分析なんて何の意味もない。

いちど蝕まれたら、ただ波の間に顔を出して何とか息をしながら沈まないよう努めるだけ。

前にテレビのインタビューで、ドラッグ中毒を克服したという人が「今日はやっていないだけです」と平然と言っていた。こんな立派に更生しているのに何のことかと思ったけど本作を観て納得した。(元)中毒者など居ないのだ。インタビューをきっかけに再度沈んでしまったかも知れない。本当に怖い。

誰か大切な人が誘惑を口にしたら、まるで経験者のように泣きながら止めるだろう。そう思えただけでも観て良かった。

ru
ruさん / 2019年4月17日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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死んでもいい

私は、映画の中で、誰かの命を落とすことによって悲しみを膨らませるという手法が、卑怯で嫌いだと思っています。
初めてでした。
そんな私でさえ、あの青年は死んでしまっても仕方がないと思ってしまったのです。
逆にあそこで生きながらえることの方が、美談で興醒めすると。
ラスト数分は、音楽が効果的で役者のセリフにマッチして、覚悟と悲しみがどんどん大きくなっていきました。

それほどドラッグは怖い。
日本では、ドラッグ依存といっても、あまりピンとこないかもしれません。
では、あの青年を、引きこもりやニート、非行、アルコールやギャンブル依存、更には犯罪を繰り返す者というふうに置き換えてみたら?
そんな大ごとな話に膨らませなくてもいい。
今、子育てがうまくいかないと苦しんでいる父母たちにとってみたら。
家族が抱える苦しみが、決して遠いところの話ではないと理解できました。

父親側の苦悶と青年側の葛藤をどちらもしっかり描写していたと思います。
「このままじゃいけない」と両者が強く思っていました。
そのどちらもうまくいかない。
大きな起伏が何度もあり、うまくいかず、本当に苦しく悲しい物語でした。

主役の青年の演技に魅了されました。
お見事です。

ハクタカ
ハクタカさん / 2019年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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"ブコウスキー"

個人的に傑作な「オーバー・ザ・ブルースカイ」に「ベルヒカ」も良かったヒュルーニンゲンの最新作で、全体的に監督の色は感じられたカナ。

オープニングからのタイトルや音楽の使い方のセンスが良くてN・ヤングはズルい!思わず泣きそうになった。

何不自由もなく、健全に育ったような息子はドラマとして成立する確たるキッカケはない感じでジャンキーへの道に落ちてゆく。

堪忍袋の尾が切れたかのように怒りや悲しみ色々な思いをごちゃ混ぜにして、泣きながら車で追いかける義母のシーンは追突するくらい衝撃的で感情を揺さぶられる何かを期待したが、拍子抜け!?

感動させる為の演出が所々で気になってしまう。

万年 東一
万年 東一さん / 2019年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  悲しい
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友達の様にあけすけに話しあえる、距離の近い仲のいい親子。 いつの間...

友達の様にあけすけに話しあえる、距離の近い仲のいい親子。
いつの間にかすれ違っていた心がもたらした、まったくもって皮肉な展開。取り巻く人々が抱える心の機微をも、浮き彫りにしていく。
無償のつもりで注ぎ続ける愛、あなたのその愛情は何の上に成り立っているのか?そう問われる様に絡まり合う関係性。
花に水をあげる様に、慎重に丁寧に冷静にそんな風でも期待通りには行かないのだ。
家族は所有物でないし、自分自身を投影しても成り立たない。お互いに他者として認め合う、当たり前なのにできない、そんなもどかしい部分が琴線に触れた。

Chiharu
Chiharuさん / 2019年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
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生きろ

薬物にハマると自分も家族も己を責める。「何故?どうして?何が原因なの?」と。ストレス?愛情が足りない?孤独?

でも多分、理由もなく薬物にハマる人もいる。理由があって薬物にハマる人もいる。信号を無視したから車にはねられる人もいるし、歩道を歩いていても車にはねられる人もいる。だから、薬物にハマるのは交通事故みたいなものじゃないのかな?でも、生きていれば辞める可能性は僅かだけどある。だから最低限生きてろって事なんだと思う。

ミカ
ミカさん / 2019年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  悲しい
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メッセージは何だろう ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

スティーブ・カレルが良い。
ドラッグにハマるティモシー・シャラメも素晴らしいとは思ったけど、他の作品ではどこかトボけた役の多いスティーブ・カレルが、息子を必死に支えようとする父親役が、こんなにハマるとは。甲高い声で無理難題ふっかけたり、場を白けさせたりというイメージだが、本作では全身全霊で、仲の良い息子をドラッグの地獄から救おうとする優しい父を見事に演じた。
軽い気持ちから始めた葉っぱのうちは、息子から告げられても父親としても大目に見ていた。だが、息子はクスリのせいで、やがて自制が効かなくなり、信頼していた父へも嘘をついて、より深みに落ちていく。手を尽くして、クスリを辞めさせようとするが、常に裏切られる。それでも、激情に駆られることなく、いつも穏やかに話をしようとする愛情深い父親は、アメリカの親父とは少し違ったタフガイ像だ。
特に、元妻からなんとかしたいので「助けて」という電話で、もう出来ることはないと苦しく語る姿、息子から「助けて」とかかってきた電話に「私では助けられないんだ」と、突き放さなければならない姿は、辛すぎる。

これは、実話だということだが、この映画で語りたかったことは何だろう。ドラッグの怖さの啓蒙としては、一定の役割を果たしているとは思う。家族で抱えていても無理な事柄なんだという事を知らしめることなのか。
ドキュメンタリーなら良いが、映画として伝えるメッセージが弱いのか、日本慣れした私の感覚が鈍いのか、せっかく良い舞台と役者が揃ったので、もうひとつパンチを効かせて欲しかった。

aMaclean
aMacleanさん / 2019年4月16日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
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良い映画でした。 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

久しぶりに映画館で観たい!と思い、会社を休んで見に行きました。

大変に心を揺さぶられる映画でした。
ニック役のティモシー・シャラメの儚い美しさとドラッグ中毒者の演技にも惹かれました。
当たり前の感想ですが、本当にドラッグは怖いですね。

事前の宣伝では、父子の愛と再生の感動の物語、のような表現が目立ちましたが、その表現はこの映画とは少し合わないような気がします。
もちろん父デヴィットの深い愛情には随所で胸にこみ上がるものがありました。幼いニックとの幸せな日々がフラッシュバックしますが、これには思わず涙が出ました、、、
だからこそ、そんな深い愛を前提として、父子が更生と再発を繰り返し、もがき、傷つく姿は感動の再生の物語という表現では、軽い印象を覚えます。
じゃあどういう言い方ならいいのか、と言われると困ってしますのですが・・・

終盤、デヴィットにもういいよ、よくやったから自分の人生を生きなさいよ、と思っていましたが、ラスト、ニックの隣にデヴィットの姿があったこと、そして、モノローグでニックが8年シラフでいることが語られて救われた思いでがしました。我ながら勝手なものです。
いい映画でした。

ジュン
ジュンさん / 2019年4月16日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 怖い
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ふつうに隣り合わせの依存症(アディクション) ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

人は快楽を求める生き物である。

しかし何ごともやり過ぎは厳禁で、度を超えると"依存症(アディクション)"と呼ばれるようになる。なにも周囲や社会に迷惑をかけるものだけではない。趣味や食事、仕事にも依存はある。仕事はワーカホリックとなる。

本作は、薬物依存症から抜け出せない大学生ニックを救うため、悪戦苦闘する父親を主人公にした親子のドラマである。

父親目線なので、それなりの世代以上ならば、自我を持った青年を指導する難しさは容易に想像できる。またこの父親は再婚しており、離れて暮らす息子のために、自らの新しい家族を犠牲にしながらも、愛情を注ぎつづける。

タイトルにもなっている劇中歌「Beautiful Boy」はジョン・レノンの1980年発表曲。当時5歳だった息子ショーン・レノンのことを歌った、愛情溢れるバラードだ。

タバコや酒を止めようと思っても、なかなか思うようにいかない。大抵、本人はいつでも止められると信じているが、事実、止めていないのだから、これを依存症という。

冗談半分だが、かなり真理を突いている(と思う)。

なので"薬物"に置き換えても同じである。本人は、"自分は大丈夫"とか、"シラフのときの自分はちゃんとしている"といった程度の認識である。そして酒・タバコ以上の常習性から抜け出せなくなっていく。

ニックの場合も、ひと筋縄ではいかない。入院治療の成功からの再発、より強い薬物への依存。2年止めることができ、公の場で"薬物セミナー"の講演に立ってからの再々発も描く。嫌になるほど止められない・・・これが現実だ。

アカデミー賞脚色賞を受賞した「君の名前で僕を呼んで」(2018)のティモシー・シャラメがニックを演じ、その堕落のさまが凄まじい。

さて話は逸れるが、「アリー / スター誕生」(2018)など、ハリウッド映画にはふつうにアルコール依存や薬物依存の主人公がに出てくる。年に何本も観る。日本のメジャー映画ではめったに見られない。

米国のほうが依存症患者の人口比率が多いというわけではない。米国のほうが社会のサポート態勢、リハビリ施設の数が充実している。日本に比べて一般的な疾病としての認識が進んでいるからだ。

薬物依存症は単なる病気なのだが、日本では病人ではなく、ことさら罪人に仕立てられる。同程度の刑罰の他の犯罪と比較しても、社会的制裁が半端ない。

ハリウッド俳優(アイアンマンのロバート・ダウニー・Jrとか)やミュージシャン(挙げればキリがない)、スポーツ選手(タイガー・ウッズとか)の薬物摂取は、一般のニュースであり、治せばいいので特別ではない。それが日米の認識の違いだ。

よーく考えてみると、薬物摂取で、出演作品の停止や損害賠償なんてナンセンスである(契約書にあれば別だが)。

ひるがえって本作も、薬物依存の姿を自然に描いている。そのよくある親子関係や家族問題に隣り合わせの現実が、依存症である。その上で、その症状の恐ろしさを知ればいい。

ちなみに本作は、ブラッド・ピット率いる製作会社"プランBエンターテインメント"が企画・製作している。近年の"プランB"は、社会問題をテーマにしたメッセージ性の高い作品を世に送り出す。

いずれもアカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」(2017)、「それでも夜は明ける」(2013)も"プランBエンターテインメント"作品である。現在公開中の「バイス」もそうだ。

ブラピは、俳優よりもプロデューサーとして多くの賞を獲得している。たまには俳優のブラピに会いたい。

(2019/4/14/TOHOシネマズシャンテ/ビスタ/字幕:松浦美奈)

Naguy
Naguyさん / 2019年4月16日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 3.5
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予想以上だった ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

予告編では、よくある親子の感動ストーリーかと思ったけど、ありきたりの映画ではなかった。
道を踏み外した息子と、やめさせようとする父親という構図はよくあるものだが、見せ方がかわっていて、息子がどうやってドラックにはまっていったのかはそれほど描かれない。知らないうちに中毒になっていて、施設に入ってもいつのまにか再発している。時々帰ってくる息子は素直でおとうとたちとも仲良く遊んでいる。この、今は普通と変わらない、でも知らないうちにどんどんドラックに蝕まれていくところに真の恐怖があると思った。
今のところ今年いちばん揺さぶられた作品。

ぽこぺん
ぽこぺんさん / 2019年4月16日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
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恐怖映画より怖いドラッグ

NetflixなどアメリカのTVドラマで人気の脚本家と、その父でフリーランス新聞記者の二人がそれぞれに書いた、脚本家が10代後半からはまったドラッグ地獄のドキュメント本2冊がベストセラーに。
その本をもとにした、実話系映画なんだけれども…

8年間に、毎年「ドラッグの過剰摂取で死にかけて入院→施設で治療&厚生→脱走or再発→過剰摂取」の繰り返し。

予告編だと「8年間支えた父の愛」なんてキャッチコピーがついてるんで、どうやって治ったのか?という明るい道を示して終わるかと思いきや…
エンタメ性ゼロ!
感動を求めて行ったら、肩透かしを食らうはず。
そこら辺のホラー映画なんか、はだしで逃げ出す恐怖の連続でした。

アメリカで50歳未満の死亡原因の1位がドラッグなので、向こうの世情が反映した作品といえます。
これを観ると、ドラッグが脳や神経そのものを壊し、いかに人格が変わってしまうのかがわかります。
ドラッグ、絶対ダメ!

そう思わせてくれる、シャブ中息子のニック・シェフ役の、ティモシー・シャラメの演技がとにかくすごいです。
彼を観るために行っても損はないです。

コージィ日本犬
コージィ日本犬さん / 2019年4月16日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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