THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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映る画と想像力
映画の本来あるべき良さや存在意義は、
大きな画面に映る画によって、登場人物の感情や物語が文字通りわかることだ
映る画によって、観るものは想像力が膨らみ、さらに映画が終わった後も自分の人生に置き換えるシーンが増えてくる
しかしこの映画は、映る画によって想像を引き立てるシーンがひとつもない
全て会話(字幕)でのみの物語となる
ここで、ただ単に本来の映画に置き換えるのであれば、この映画は小説でも成り立ってしまう映画としての意味をなさない作品になってしまう
しかし、ただの電話越しの会話劇ではなく、同時に主人公のバックボーンが表情や電話室の微妙なやり取りから語られ、映画としての意義を成立させている
そしてラストは、誰に電話をしたのか、観客に想像と思考を委ねてエンドロールへと映る
今までにない、映画の魅力を新たに開拓した作品だと感じた
追記
結末からして、
最初の電話の会話での、夫にバレないように妻が警察に電話をする意味は少し腑に落ちない
(夫が警察に頼りたくないという理由により落としてはいるが)
デンマーク発シチュエーションスリラー
フと気が付いたのですが、デンマークと言われて思い浮かぶ物が何もない・・・デンマークの方ごめんなさい💦もしかしたら人生でデンマーク映画観たのは初めてかも?っと言うほどデンマークに縁もゆかりもないのですが、本作はこんな極東の日本まで流れてくるだけあって、なかなか見応えありました。
オペレーションルームのみで話が展開するのでこれは脚本の勝利ですね。でも実際に現場に出れずに電話のみってムズムズするだろうなぁ。この話って物凄くミニマムで電話の向こうのある一家族を描いているだけなのですが、そこに主人公アスガーの何かやらかしてそうな過去を絡める事で一本の作品に仕上がってます。派手な場面なんて皆無でストーリーで引っ張るので、映画マニアであればあるほど評価が高くなりそうですね。
個人的にはイーベンとの2回目の電話あたりで「あれ?もしかして・・・」と思っちゃって最後は「あーやっぱり」でした。あそこからもう一捻りあれば名作となったかも?アスガーのやらかしちゃった感は半端なかったですが、個人的にはもし110番かけた時に「こっちは忙しいんだ」みたいな対応されると嫌だなぁっと思いました。主人公が嫌いなタイプの人間だったのは個人的にマイナス要因です。
しかし、デンマークって警察が個人の電話番号も車のナンバーも全て把握してるんですかね?あれってリアルな話なのでしょうか?何というかメッチャ管理社会な気がして、そこがちょっと気持ち悪いなっと思ってしまいました。日本はきっと・・・違いますよね?
新感覚ミステリー 開幕
余白の美学
75
ギルティ
登場人物ひとり。他は声のみの登場。
正義感と傲慢
前半は、冷静で頭の回転が速い主人公を
カッコいいなぁ〜なんて目でみちゃうんですよ。
子供にも優しいし、警察のしきたりなんてはみ出しても助けたい!って姿も素敵
途中からなんとなく相方に対しても横柄な感じとか
妻が出て行ったことも隠したり、あれ?
ってなって。
パパが絶対開けるなって言った部屋を
開けてごらん。って言った罪
夫を加害者、妻を被害者と電話だけで勝手に思い込んで
突っ走った罪
これに気づいた時、一気に
傲慢で馬鹿な男に見えてしまった。
そんな自分の視点の変化に一番ビックリしたのだけれど。
オペレータールームのみの密室で繰り広げられるストーリー。長回しを多用し、沈黙も多い。
まるで一人芝居にも思える演出だけれど
演技もうまいしこの狭い空間で飽きさせない展開が凄い。
単に誘拐を解決しただけでなく、自分を正しいと信じたが故の悲劇がみもの。
最後は自殺はやめたことになっているが
自殺した方が映画のストーリーとしては面白かったのでは?
ラストにかけた電話は、奥さんかなぁ。
先が見えると辛い
想像させる映画
ここ1,2年で似たシチュエーションの映画やドラマを見ていましたが、一味違った作品です。
緊急通報司令室の中でしかカットがないのと、通話の先は声と周りの音だけという構成です。
序盤は、秀作を期待してたのですが、私的には残念な作品かなと感じました。
まず、中盤でだいたいおちが想像ついてしまったこと。
そのため、主人公が、ちょっと無能に感じてしまったのが、最大の原因です。
主人公自身が、司令室が腰掛けなのでしかたないかもしれませんが。
いい点は、見せ方だと思います。
通報司令室の中以外は、声と周囲の音だけなので見る人に想像させるという斬新な見せ方です。小説に近いものを感じました。
最後の主人公の行動についても、人により解釈がかなり異なるのではないでしょうか。
キレる電話番(声が良い)
飛ばされて電話番させられてるからか、あんなに物を壊す警官いる?って感じでした。が、時間が経過するにつれ、仲間との連携とか重要と成長(笑)。最後は自分の裁判?へ向かう。スッキリとした気持ちで。がんばれー!
上映した当時に観ていたのにレビュー書くの忘れてました。
新感覚
問題を犯し、内勤で電話受付をすることになった刑事という設定のもと、話が始まる。
皆、序盤で違和感を感じるはずだ。主演の刑事が一向に部屋から出ようとしない。移動しても隣の部屋や廊下だ。なんなら最後までそのまま終わってしまう。
全ては受話器を通して起こる音と声が頼りの事件だ。
オーディオブックなどで聴く推理ものの小説ともまた違い、見ている、いや聴いている本人の想像力が頼りの映画なのは間違いない。
何が正義で、何が罪か
見せ方や展開は可もなく不可もなくという感覚。つまらない訳ではないが、想像でき得る範囲内。
主人公は過去の過ちを挽回しようと一生懸命、電話越しで被害者と思われる女性を助けようとする。
女性自身は助かるが、被害者というのは見当違いであった。
今作品の主人公の様な行動は、罪の大小はあるが、誰にでも日常的に起こる可能性はある。
完璧な正義というのは非常に難しいのか。
見せ方が素晴らしい
正に密室映画で想像を掻き立て、この先の展開はどうなるだろうと惹き込まれる。日本の110番のような緊急通報司令室の一室だけで展開され、登場人物も画面に出てくるのはほぼ主役の一人。刑事だったのだろうが、問題を起こし、つまらない職場、ここにいる他の警察官も自分より下に見てる節がある主人公。所謂、電話番で酔っ払いやジャンキー相手に過ごす日々。実は19歳の犯人を故意に撃ち殺してしまったが、明日が裁判で仲間内では嘘の供述で故意ではないと伝え、元の職場に戻りたいと思っている。妻にも出ていかれてしまって、自暴自棄にもなっていた。もう間もなく夜勤と交代、明日の裁判に備えるつもりが、女性から助けてという電話が入る。話から別れたDV夫にナイフで脅され、家に子供を残し、車で拉致られたらしい。緊急通報司令室の職域は超えていたが、女性の家の子供の救助に警察を向かわせるが、男の子が血だらけで死んでいると。てっきり夫が殺したと思っていたが実は母親の女性が息子を殺し、精神病で病んでいた。夫は妻を助けようと精神病院に連れて行こうとしていたのだった。全ての結果が電話口で伝わってくるので、主人公と同様に待っている感覚があり、緊張感がある。自殺しようとする母親を踏みとどまらせるのに、自分の事件で故意に殺した、つまりは殺人を犯したと告白する。君は病気で故意ではないと。事件は無事解決されたが、ラスト主人公はどこに電話したのだろう?妻なのか、事件を疑っていると冒頭に連絡あった記者なのか、はたまた嘘の供述を再度やめるよう依頼するため同僚なのか。ここまで見せる密室映画すごい!
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