THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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新感覚ミステリー 開幕
感想
素直に面白いと思いました。電話対応の場面だけでここまでの緊迫感を出し続けられる点が素晴らしかったです。アスガー役の人の演技はもちろん、聞こえてくる声や音のリアリティは圧巻でした。よって、アスガーと同時に耳を傾けて状況把握に努めるリアルタイム型のミステリーでもあったと思います。しかし、この映画最大の見せ場でもある予告編でも書かれていた衝撃の結末についてはあまり衝撃感はなかったと思いました。中盤辺りでオチが読めてしまったのでその点ではあまり楽しめかなかったです。
総評
観て良かったと素直に思える良作だった。状況把握の必要性を感じれました。
余白の美学
ミニマルの極致みたいな映像はもちろん、
セリフの間だとかの”余白”づかいがすごく巧み。
いちおうクリエイティブ職の端くれとして思うのは、
こういう表現って観る側のことを信頼してくれてると思うんですよ。
万人にウケるようにするには説明とか、どうしても情報量を多くしがちで。
でも本当に表現力が豊かなのは、映像じゃなくて人間の想像力だっていう。
ハリウッドでリメイクが決まってるらしいけど、出来上がりが楽しみだ。
75
タイトルが複合的な意味を持っていて今回の事件を通して自分とも向き合うところが素晴らしい。
ただ、父親に止められているのに大丈夫だと言って弟の部屋に入らせるところや、父親に向かってお前は加害者だと怒鳴りつけるところは明らかにミスリードを誘ってる感が強くて、ある程度予想できる展開になってしまっていたのが残念だった。
とはいえ、ワンシチュエーションを生かして視聴者を見入らせる脚本はお見事。
ギルティ
声だけで視聴者は想像するしかない。
それは主人公も同じで、自分達は主人公と同じような感覚に陥る。
本を読んでいるのと同じ感覚。文字を読むのではなく、声を聞いて事態を想像する。とても斬新な手法。
『映画館から出る観客の頭の中ではそれぞれ違う絵が描かれている』という感想コメントが非常にしっくりくる。
登場人物ひとり。他は声のみの登場。
登場人物ひとりで、電話でのみの構成。
全く予算のかかっていない映画なのに、最後まで目が離せない映画でした。
主人公が電話の声だけを頼りに展開しているサスペンス。
電話から聞こえる声や話し方から悟る偏見や先入観にご注意。
正義感と傲慢
前半は、冷静で頭の回転が速い主人公を
カッコいいなぁ〜なんて目でみちゃうんですよ。
子供にも優しいし、警察のしきたりなんてはみ出しても助けたい!って姿も素敵
途中からなんとなく相方に対しても横柄な感じとか
妻が出て行ったことも隠したり、あれ?
ってなって。
パパが絶対開けるなって言った部屋を
開けてごらん。って言った罪
夫を加害者、妻を被害者と電話だけで勝手に思い込んで
突っ走った罪
これに気づいた時、一気に
傲慢で馬鹿な男に見えてしまった。
そんな自分の視点の変化に一番ビックリしたのだけれど。
オペレータールームのみの密室で繰り広げられるストーリー。長回しを多用し、沈黙も多い。
まるで一人芝居にも思える演出だけれど
演技もうまいしこの狭い空間で飽きさせない展開が凄い。
単に誘拐を解決しただけでなく、自分を正しいと信じたが故の悲劇がみもの。
最後は自殺はやめたことになっているが
自殺した方が映画のストーリーとしては面白かったのでは?
ラストにかけた電話は、奥さんかなぁ。
先が見えると辛い
searchと同じく最小限の登場人物と場面展開で観客の頭の中に現場シーンを勝手に拡大させるという超高生産性作品。こっちはずいぶんアナログですが…。どっちが先かは知らないが、金は無くとも知恵と工夫でいくらでも面白い映画は作れるという気骨みたいなものは感じる。ただ……途中でオチが見えちゃうんだよね。こうなると後半は自分の予測とのつじつま合わせとなり純粋に楽しめなくなってくる。もう一捻り出来んかったものか。ラストは自分の思いと事実は必ずしも一致しないという教訓が感じられ、事件解決でメデタシメデタシで終わらないところが欧州映画らしくて良かった。
想像させる映画
ここ1,2年で似たシチュエーションの映画やドラマを見ていましたが、一味違った作品です。
緊急通報司令室の中でしかカットがないのと、通話の先は声と周りの音だけという構成です。
序盤は、秀作を期待してたのですが、私的には残念な作品かなと感じました。
まず、中盤でだいたいおちが想像ついてしまったこと。
そのため、主人公が、ちょっと無能に感じてしまったのが、最大の原因です。
主人公自身が、司令室が腰掛けなのでしかたないかもしれませんが。
いい点は、見せ方だと思います。
通報司令室の中以外は、声と周囲の音だけなので見る人に想像させるという斬新な見せ方です。小説に近いものを感じました。
最後の主人公の行動についても、人により解釈がかなり異なるのではないでしょうか。
キレる電話番(声が良い)
飛ばされて電話番させられてるからか、あんなに物を壊す警官いる?って感じでした。が、時間が経過するにつれ、仲間との連携とか重要と成長(笑)。最後は自分の裁判?へ向かう。スッキリとした気持ちで。がんばれー!
上映した当時に観ていたのにレビュー書くの忘れてました。
新感覚
問題を犯し、内勤で電話受付をすることになった刑事という設定のもと、話が始まる。
皆、序盤で違和感を感じるはずだ。主演の刑事が一向に部屋から出ようとしない。移動しても隣の部屋や廊下だ。なんなら最後までそのまま終わってしまう。
全ては受話器を通して起こる音と声が頼りの事件だ。
オーディオブックなどで聴く推理ものの小説ともまた違い、見ている、いや聴いている本人の想像力が頼りの映画なのは間違いない。
何が正義で、何が罪か
見せ方や展開は可もなく不可もなくという感覚。つまらない訳ではないが、想像でき得る範囲内。
主人公は過去の過ちを挽回しようと一生懸命、電話越しで被害者と思われる女性を助けようとする。
女性自身は助かるが、被害者というのは見当違いであった。
今作品の主人公の様な行動は、罪の大小はあるが、誰にでも日常的に起こる可能性はある。
完璧な正義というのは非常に難しいのか。
見せ方が素晴らしい
正に密室映画で想像を掻き立て、この先の展開はどうなるだろうと惹き込まれる。日本の110番のような緊急通報司令室の一室だけで展開され、登場人物も画面に出てくるのはほぼ主役の一人。刑事だったのだろうが、問題を起こし、つまらない職場、ここにいる他の警察官も自分より下に見てる節がある主人公。所謂、電話番で酔っ払いやジャンキー相手に過ごす日々。実は19歳の犯人を故意に撃ち殺してしまったが、明日が裁判で仲間内では嘘の供述で故意ではないと伝え、元の職場に戻りたいと思っている。妻にも出ていかれてしまって、自暴自棄にもなっていた。もう間もなく夜勤と交代、明日の裁判に備えるつもりが、女性から助けてという電話が入る。話から別れたDV夫にナイフで脅され、家に子供を残し、車で拉致られたらしい。緊急通報司令室の職域は超えていたが、女性の家の子供の救助に警察を向かわせるが、男の子が血だらけで死んでいると。てっきり夫が殺したと思っていたが実は母親の女性が息子を殺し、精神病で病んでいた。夫は妻を助けようと精神病院に連れて行こうとしていたのだった。全ての結果が電話口で伝わってくるので、主人公と同様に待っている感覚があり、緊張感がある。自殺しようとする母親を踏みとどまらせるのに、自分の事件で故意に殺した、つまりは殺人を犯したと告白する。君は病気で故意ではないと。事件は無事解決されたが、ラスト主人公はどこに電話したのだろう?妻なのか、事件を疑っていると冒頭に連絡あった記者なのか、はたまた嘘の供述を再度やめるよう依頼するため同僚なのか。ここまで見せる密室映画すごい!
面白かった
・終始緊急ダイヤルセンターのみという斬新な手法で驚いた。被害者、加害者の姿を一切見せない事で声だけで判断することの難しさを感じた。とても苦しい気持ちになった。
・姿が見えないため、経歴だけでどんな人かを決めつけてしまっている自分がいた事を思い知らされた。実際にどんな雰囲気なのか観たらまた違った印象になるのだろうと思った。
・何となくテレワークにあのマイクキット良さそうと思った。
・自分が抱えてる、あの時ああいえばよかったのかもとか、何かしらの後悔が蘇ってきて苦しくなった。
・奥さんが実は息子を殺していたという事実が苦しかった。
電話で解決を
現場でのトラブルが原因で緊急ダイヤルセンターに異動となった刑事が、DV夫に誘拐された女性からの電話を受けたことから、その救助に奔走する物語。
緊急ダイヤルを舞台にした映画はハリウッドでも幾つかありますが、どうしても舞台は現場へと移って行きます。それを考えると、コールセンターだけを映したこの映画はとても異端であり、興味深いものでした。
ただ、個人的にはやや低めの評価です。
「センターでの対応」と言っても、結局「外回りの警官や同僚警官に捜査依頼をしているだけ」と感じてしまいます。「女性や犯人と電話で駆け引き」、「会話からの気づき」、「通話から漏れ聞こえる音」、「説得」等を積み上げて事件を解決して欲しかった。
クライマックスでの展開は素直に驚きましたが、映画全体としてはもう一つだと思いました。
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