THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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初めての設定、
非常に丁寧な作りのサスペンス
閉鎖された緊張感の極上な空気
searchやカメラを止めるなは視聴済みで、その構成の高さに驚かされたのだが、それらと比肩するような噂で持ちきりだった本作。
Amazonプライムに上がっていたので、さっそく視聴。
やはり多分に漏れず、非常に良い映画だった。
ストーリーの説明は公式サイトを参照して頂きたいのだが、
今作は何よりもタイトルの回収の仕方が素晴らしい。
90分、最後のカットを見た上で、
タイトルをもう一度考え、堪能して頂きたい。
星マイナス1の評価としては、
ネタバレになってしまうのだが
物語の軸である「罪」について、もう一歩踏み込んで頂きたかった。
それも、想像を掻き立てると言えばプラスとも取れるので、良しとしよう。
良い音響か、そこそこ良いイヤホンでの視聴をオススメします。
見ていない方は是非。
作家ならパクりたくなるストーリー展開
期待をあおるのが非常にうまい
少し前に『search/サーチ』という映画があり、とても面白かったので、似たような映画だと思い、期待して映画館に行きました。星の評価は低めですが、私としては好きな部類に入る作品です。いわゆるワン・シチュエーションに限定した映画で、主に低予算を逆手にとって、徹底的に「見せない」演出をして想像力をかきたてる戦略で、過去にも同工異曲、たくさんの名画が名を連ねます。
『リミット』『ロスト・バケーション』『キャスト・アウェイ』なんかが、好きな作品です。逆に、『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』『ジュピター20XX』などは見ていてイライラします。「何が違うんだろう?」って、結局は見てもらうための工夫とか、努力をもっとやってほしいということ。
この映画では、途中どうしても耐えきれなくて寝落ちしかけましたが、持ちこたえました。音楽は一切入らず、効果音として聞こえてくるケータイの着信音さえ無機質な電子音です。その分、電話の向こうで起きているであろうことを、わずかな状況音で想像させる演出は見事です。たとえば、6歳の女の子が怖くておびえているのを勇気づけ、「すぐにパトカーが着くから部屋でじっとして」と言っている向こうからパトカーのサイレンが聞こえてきたらホッとします。これを、大げさにならない程度の役者さんのわずかな安どの表情などで表現し、この少女は声のみで、最後まで映画には登場しません。でも少しずつ情報が増えていき、いま彼女がどういう状況でどこにいるかが、時々刻々と変わっていく様は、観客にゆだねられているので、想像できない人はまったく面白くもなんともないでしょう。その点、落語みたいな楽しみ方です。
主演の俳優さんの演技も見事で、見終わった後に彼がどういう状況で、通報してきた母親がどうなってしまったかなど、実にたくさんの情報が提示されますが、絵面(えづら)としては電話のこっち側だけ。電話の相手がどんなひどい目に遭っているのかは見えない分だけさんざん想像させられました。
途中で、シフトを上がって、現場に駆け付けるとか、作業を分担して、通話を受ける人間と指示を出す人間の役割をつけるとか、いくらでも面白くする工夫が出来たはずなのに、あくまでもワン・シチュエーション、ワンサイドにこだわったがために、見る人が置いて行かれた印象です。それでも評価が高いのは、俳優、監督を含め、ノルウェーの映画が非常に珍しいので好意的にとらえた人が支持したんじゃないかと思います。
2019.2.28
映る画と想像力
映画の本来あるべき良さや存在意義は、
大きな画面に映る画によって、登場人物の感情や物語が文字通りわかることだ
映る画によって、観るものは想像力が膨らみ、さらに映画が終わった後も自分の人生に置き換えるシーンが増えてくる
しかしこの映画は、映る画によって想像を引き立てるシーンがひとつもない
全て会話(字幕)でのみの物語となる
ここで、ただ単に本来の映画に置き換えるのであれば、この映画は小説でも成り立ってしまう映画としての意味をなさない作品になってしまう
しかし、ただの電話越しの会話劇ではなく、同時に主人公のバックボーンが表情や電話室の微妙なやり取りから語られ、映画としての意義を成立させている
そしてラストは、誰に電話をしたのか、観客に想像と思考を委ねてエンドロールへと映る
今までにない、映画の魅力を新たに開拓した作品だと感じた
追記
結末からして、
最初の電話の会話での、夫にバレないように妻が警察に電話をする意味は少し腑に落ちない
(夫が警察に頼りたくないという理由により落としてはいるが)
デンマーク発シチュエーションスリラー
フと気が付いたのですが、デンマークと言われて思い浮かぶ物が何もない・・・デンマークの方ごめんなさい💦もしかしたら人生でデンマーク映画観たのは初めてかも?っと言うほどデンマークに縁もゆかりもないのですが、本作はこんな極東の日本まで流れてくるだけあって、なかなか見応えありました。
オペレーションルームのみで話が展開するのでこれは脚本の勝利ですね。でも実際に現場に出れずに電話のみってムズムズするだろうなぁ。この話って物凄くミニマムで電話の向こうのある一家族を描いているだけなのですが、そこに主人公アスガーの何かやらかしてそうな過去を絡める事で一本の作品に仕上がってます。派手な場面なんて皆無でストーリーで引っ張るので、映画マニアであればあるほど評価が高くなりそうですね。
個人的にはイーベンとの2回目の電話あたりで「あれ?もしかして・・・」と思っちゃって最後は「あーやっぱり」でした。あそこからもう一捻りあれば名作となったかも?アスガーのやらかしちゃった感は半端なかったですが、個人的にはもし110番かけた時に「こっちは忙しいんだ」みたいな対応されると嫌だなぁっと思いました。主人公が嫌いなタイプの人間だったのは個人的にマイナス要因です。
しかし、デンマークって警察が個人の電話番号も車のナンバーも全て把握してるんですかね?あれってリアルな話なのでしょうか?何というかメッチャ管理社会な気がして、そこがちょっと気持ち悪いなっと思ってしまいました。日本はきっと・・・違いますよね?
新感覚ミステリー 開幕
余白の美学
75
ギルティ
登場人物ひとり。他は声のみの登場。
正義感と傲慢
前半は、冷静で頭の回転が速い主人公を
カッコいいなぁ〜なんて目でみちゃうんですよ。
子供にも優しいし、警察のしきたりなんてはみ出しても助けたい!って姿も素敵
途中からなんとなく相方に対しても横柄な感じとか
妻が出て行ったことも隠したり、あれ?
ってなって。
パパが絶対開けるなって言った部屋を
開けてごらん。って言った罪
夫を加害者、妻を被害者と電話だけで勝手に思い込んで
突っ走った罪
これに気づいた時、一気に
傲慢で馬鹿な男に見えてしまった。
そんな自分の視点の変化に一番ビックリしたのだけれど。
オペレータールームのみの密室で繰り広げられるストーリー。長回しを多用し、沈黙も多い。
まるで一人芝居にも思える演出だけれど
演技もうまいしこの狭い空間で飽きさせない展開が凄い。
単に誘拐を解決しただけでなく、自分を正しいと信じたが故の悲劇がみもの。
最後は自殺はやめたことになっているが
自殺した方が映画のストーリーとしては面白かったのでは?
ラストにかけた電話は、奥さんかなぁ。
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