THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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僕らは世界を知っているのか?
Amazon Prime の無料期間が終了間近とのことで観てみました。(2022 年 10 月 15 日までなので、興味のある方は急いでご覧ください。)
予告編も興味深かったし。
主人公、アスガーは、緊急通報 112 番(日本なら 110 番)を受け付ける指令室に勤務する警察官の男性。新聞沙汰になるような用事が翌日に控えている。指令室に異動する前は、捜査の現場にいたようだ。
指令室から外の世界とは、電話から聞こえる声や音でつながっている。携帯電話から掛かってきた場合は、基地局とその受信範囲が地図に示される。それと、個人情報がたっぷり載ったデータベースにアクセスできる。
彼は、大変有能で、通報者が話したがらないことも、発信位置や声の後ろから聞こえる物音で推理する。
そんな彼がたまたま受け取った通報はある女性からだが、口ぶりがおかしい。アスガーは、持ち前の機転で、彼女が誘拐されていて、犯人がすぐ側にいることを見抜く。彼女を助けるために、彼は指令室のオペレーターの役目を超える働きを始める…
シーンは全て指令室と隣りの宿直室?だけで進行します。アスガーは電話の音だけで情報を得ようとします。電話だけなので、視覚情報はないし、聴覚だって電話越しだし、現場の天気や雰囲気も分かりません。
でも、頭の良い彼は、会話だけで現場の状況を簡単に把握…、できるはずもなく、アスガーも僕も、現場で何が起きているのか分からず、イライラします。これが面白い。
詳しいことはネタバレになるので、ここでは黙っています。事実がちょっとずつ分かっていって、それに伴って事件の認識がどんでん返しし続ける感じを楽しみました。
映画の終盤に向かって、彼の明日の大事な用事が何なのか、明らかになっていきます。そして、独善的だった彼の態度が少しずつ変わっていくのも感じられます。
ここも見所なのですが、僕の心に残ったのはもう一つ。タイトルにもあるように、僕らは世界を知っているのかという話です。
この作品では、アスガーを指令室に置くことで、彼から情報入手手段を奪いました。奪われた故に、彼は、情報不足ゆえの判断ミスを重ねます。ただ、それはアスガーだけの話なのか。
映画の中では、弁護士や行政に言及されます。彼ら彼女ら専門家も、表面的な情報だけで大きな判断をして、致命的なミスをしていないか。
さらに引いて考えれば、僕らが SNS で情報をやりとりして、善悪を判断するのは、指令室のアスガーと変わらないのでは? 否、アスガーには警察用のデータベースがあるけれど、僕らにはそれもない。もっと情報が少ない中にあって、アスガーほどの推理力もありません。
現代社会のヤバさにも気付かせてくれる、そんな作品でした。
少し変わった映画が見たくなった人に
構成が面白い、ドラマCDのようで画面は全く見ないで楽しめる。
作業しながら映画を見るのが好きな人にオススメ。
テンポよく最低限の情報で展開がコロコロ変わるので最後まで楽しめた。
まさかの展開
被害者だと思ってた妻が加害者。
加害者だと思ってた夫が被害者。
妻は精神患者。
誰もが騙される。
騙されてからの展開に期待したが
リアルだからこその展開があまりなかったかもしれない。
緊急ダイヤルだけの絵で魅せたのはお見事。
日本のドラマのボイスの原作的な作品。
急展開にゾッとするが、そこがピークだった
たぶんドラマCDでも成立する話。電話越しに聞こえて来る声のみで話が進んでいくから。
終盤、ゾッとする展開になり、いよいよ全ての伏線を回収し怒涛のクライマックスに行くかと思いきや、その後は思ったより盛り上がらず、そのまま終わった。
伏線ぽいのが散りばめられまくったが、それらは伏線ではなかった。
なんか惜しい。
ご都合主義でも何でもいいから、伏線として回収してほしかった。
ラジオドラマ
まるでラジオドラマのよう。
セリフと効果音だけで展開される異色の映画
緊急ダイヤルのオペレータの救出劇。
だが私たち観客は中盤ごろで何かがおかしいと気づく、
(救出劇だとハラハラしたまま人もいるかもしれないが)
主人公は気づかない。
さあどうなった、という、興味深い映画だった。
ドキドキハラハラ、サスペンス
電話の会話のみだから、なおさら字幕と
音に集中して、一緒に想像して、
ドキドキハラハラしながら観た。
主人公もこの事件に向き合ったことで、
自分の罪(ギルティ)を素直に認めて、
この先前に進んでいくのだろう。
削ぎ落としているからこその価値
話の筋が全く横道に逸れないので、メチャクチャ集中して観ることができた。自宅で映画を観るとついついスマホに手を伸ばしてしまう事があるが、情報過多になればなるほどこの傾向強くなるのって、私だけだろうか。マーベルシリーズ好きだけど、ついつい集中切らすのはこの為だと思ってる。
音だけのシチュエーションというのは、人間の感覚を鋭くさせてくれるんでしょうね。
ハリウッドリメイクの話があるようだけど、どうするんでしょうね。話を盛ったり、金を掛けようとすればするほど、この作品の価値を損なう方向ならないだろうか。
結果検証が楽しみでもある。
最後の電話は何処に。
緊急通報指令室、現場からの電話の音声だけで進行していく特異なドラマ――安楽椅子から動かず難事件を解決するような名探偵なのかと思いきや、極めて感情的で、時に苛立ちを振りまきながらも事件に当たろうとするその姿。責任感というより、その職務にあたるその原動力は、犯人への腹立たしさであると思う。結局、行き過ぎて真相を捉え損ない、それが映画のどんでん返し。最後には落ち着いたけれど、ハッピーエンドであったと云えるかどうか。
追っていた男は叫んでいた。行政も弁護士も何もしてくれない、と。精神病の妻を抱え、そりゃもちろん社会保障や福祉が整っていると見なされている現代社会。それも痒いところには中々手が届く物でも無く、最初は凄腕に見えた司令室ですら、かくの如し。そもそも、もとから息子は死んでいた。殺された後ではどう頑張っても、どうにもならないではないか。
それでも見守っている人達がいる。単なる言い聞かせだと思うけど、主人公は犯人に家族が待っていると言い聞かせた。それは半分は真実だと思う。これまで、孤軍奮闘していたかのような主人公、それでも事件を終えた彼を心配そうに見守っていた、司令室の同僚達の姿があった。そう、誰かがあなたを見守っている、と――。
It was interesting and the ending...
It was interesting and the ending is good. Preconceptions and stereotypes distort perceptions. We lose sight of the truth and things get worse. Setting up a situation where children's safety is threatened. Easy to sympathize with the protagonist. Good misleading. Fragmented presentation of information. A script that leaves room for the viewer's imagination and interpretation. The film makes the viewer compensate for the missing information. The content can probably be understood just by listening to the audio. The direction is free of exaggeration. Objective portrayal of the situation. The audience is left with no choice but to watch and see what happens, while being unable to do anything but speculate about the situation. A quiet but thrilling film.
ほぼ音声の会話のみで展開
トム・ハーディの「オン・ザ・ハイウェイ〜」と似た様な流れですかね…。
そもそもなぜ、主人公のジョーが緊急司令室でのオペレーターをしていたのか…。
冒頭から、ジョーは嫌々そこで仕事をしていることが伺えるけれど、相棒との会話から おおよその察しは付くかなと。
自分の幼い娘と、家に残された被害女性の娘がダブり、ジョーはなんとか拉致された女性を救おうとするが…。
意図的な殺人と、殺意のない殺人。
ジョーはエミリーとの会話の中で、自らの過ちを見つめ直していく。
この作品(ジェイク・ジレンホールの方)にオリジナルがあったことを、観終わってから知って、オリジナルの方も観てみました。
想像力を掻き立てる
緊急応対のオペレーターが誘拐事件の電話を受け物語が始まる。
終盤まで事務所と少ない登場人物のみと電話でのやり取りのみ。
起きた事件を映像にせず、鑑賞者の想像力で現場を描写させる。
序盤から主人公の謎もありラストにかけて解けていく。
徐々に引き込まれていき最後まで飽きずに観ることができた。
見せ方は斬新で面白いがラストが弱い…?
オペレーター室にいるだけなのに物語の展開が早く、ハラハラしていく様子が面白かったためか、ラストが少し弱く感じてしまいました。
入ってくる情報全てが正しいとは限らないですね。
"静"だけで魅せる、"想像力"を演出に仕立てた秀作。
シチュエーションはほとんど変わらない、映画としては有り得ない1時間半。にも関わらず、鑑賞者をグイグイ引き込んでいくのは、脚本と何より素晴らしい"間"の取り方。
電話の向こうの『情景』を、"間"によって当たり前のように想像してしまうのだが、鑑賞者全員が違う『情景』を頭に描いているというのが凄い。
そして、さらに想像力を掻き立てる"音"。アスガーと一緒にイヤホン越しに聞いているかと錯覚する程に、入り込んでしまった。限りなく一方通行に近い『緊急通報』という状況で、落ち着いて情報を聞き出し、そこからの判断と指示する難しさ。
しかし、本題は実はこの仕事ではなく、主演であるアスガーの明日。
ストーリーが進むに連れて少しずつ明らかになっていくが、モヤッとしつつもスッキリとしたラスト(?)。真っ直ぐ前を向いて開けた最後のドアの先が、未来を暗示するかの様に明るいのが何より。
近年のハリウッドの様に莫大なお金は掛けないで、人を惹きつける作品作りのお手本の様。オススメ。ジェイク・ギレンホール主演での本作のリメイクも気になる。
電話を直ぐに取るべき仕事なのに、携帯含めてすぐに電話を取らない事への違和感。考える時間なのも理解出来るが、他の"間"がとても良かっただけにこれが唯一、観ていてストレスに。少しだけ厳しく★-0.5。
観せ方が面白かったです
公開時twitterで話題になっていたからすごく観たかった作品
主人公がそう思ったように何の疑いもなく私もそう思いながら観ていました
人々を守るのが警察の仕事という主人公の想いは正しいし優しい人だと思うけど、仕事っぷりがどうなんと…
ダラダラ話をせず早く伝えないといけない事を言えば良いのにとか、緊急電話してきた人を放ったらかしとか、イラッとする主人公でした
デンマーク映画では普通なのか、映像が止まった?と思うくらい動きも音もないシーンが何回もあり、そういう間が必要なのかもしれないけど、それが私は気になりました
デンマーク作品は「真夜中のゆりかご」とこの2作だけど、子供が絡んでの良い後味ではなくて、むしろ重くて、こういう作品が多いのでしょうか
でも真相にはビックリだったし、会話と音だけで進むストーリー展開には楽しめました
読者が先を適度に予想できるように徐々に主人公や通報者に違和感を覚え...
読者が先を適度に予想できるように徐々に主人公や通報者に違和感を覚えるように情報を開示していく作りが上手く、一度の視聴で視聴者が展開予想と答え合わせを楽しめるように設計されていたと感じました。
要素要素は特別珍しいものではないのだけど、限られた予算の中で計算して視聴者を空きさせず楽しませる事に成功しており演出も適切な良作でした。
ラストが少しあっさりしている気もしましたが、登場人物のその後ははっきりと示さずコールセンター内で物語を完結させているのがこの作品においては正解なんでしょうね
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