体操しようよ
劇場公開日 2018年11月9日
解説
草刈正雄が7年ぶりに映画主演を務め、定年退職を迎えたシングルファーザーの主人公が、ラジオ体操を通じた仲間作りや家庭での主夫業に奮闘する姿を描くハートフルコメディ。「ディアーディアー」「ハローグッバイ」の菊地健雄監督がメガホンをとり、草刈演じる主人公の娘役で木村文乃が共演した。妻に先立たれて18年、娘と二人三脚で家庭を営んできたつもりの佐野道太郎だったが、定年退職後、娘から突然、家事全般を任されてしまう。加えて、娘に結婚を考えている恋人がいることを知り、ショックを受ける道太郎。自由な時間を持て余すため、ひょんなことから地元のラジオ体操に通うことになった彼は、体操会の会長や子どもたち、ご近所さんなど、さまざまな世代の人々と関わりを通じ、それまで知らなかった世界を知っていく。
2018年製作/109分/G/日本
配給:東急レクリエーション
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2022年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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定年退職後の生き方をテーマにした映画では本作の半年前に舘ひろしさん主演の「終わった人」が公開されている、定年と言うのは大きな人生の節目、気力、体力は残っているだけに老人と言うには中途半端、だからあれこれもがくのだろう。団塊の世代の大量離職もあり定年で行き場を失った男たちが新たな社会問題なのかも知れませんね。
同じ定年でも舘さんは超エリートの設定だから何事もアグレッシブ、うって変わって草刈さんは妻にも先立たれ、文具メーカーの存在感の薄い中間管理職、家に籠って酒浸り、娘にも疎んじられて失意の中、地元のラジオ体操サークルでリスタートという、いたって庶民的なお話。
草刈さんは本作の前にフジテレビの「68歳の新入社員」で老舗和菓子会社に再就職、孫のような上司を支えるベテラン社員を熱演していました、デニーロの「マイ・インターン(2015)」にインスパイアされたのでしょう。
何をやってもダンディな草刈さんに本作のような、どじな親父役をやらせるのはギャップを面白がる趣向なのでしょうが、しょぼすぎて不憫に思えます。
定年問題といいながら親子の確執や絆の方がテーマにも思えますがクレジットを観て再認識したのですがラジオ体操関係の団体の多さと協賛からラジオ体操は添え物でなくメインテーマだったのですね・・。
昨今では若者の非正規雇用が社会問題、無事に定年退職というサラリーマン文化もそう長くは無いでしょう、祭りの文化は不滅としても地方では高齢化と過疎化が進み、都会では地域コミュニティ自体が希少な存在、ラジオ体操で共助の輪復活というささやかな提言ですが、これからの日本はどうなるのか気がかりです。
2022年1月25日
Androidアプリから投稿
キタロウによる、キタロウのための、キタロウの映画だ。それくらい存在感。
僕は小説を毎日、書いているが、この映画を見て(DVD購入済み)、日々のたわいのないような人々の生活、家庭、仕事、これらを淡々と描くだけで、あらゆることを語るものだなと感じた。
僕の作風にこのような日常風景を入れていくことの重要性を感じることができた。
また、付け加えるなら、体操について。
「一人より二人のほうがいいだろう。」
深い言葉である。一人より二人が楽しい時もある。
どんなに楽しい日も辛い日も、体操は、するし、体操はあった。体操はいつも人生に寄り添う。
体操を通じて、日常の尊さを感じられるそんな映画である。
普遍的な真理を感じさせる、日本映画の良さ、ここにあり。
草刈さん、和久井さん、木村文乃にも大拍手である。
確か、キタロウのそんな語りかけからのスタートだった。思わずキタロウの脱力さに笑えた。南極料理人も思い出す。
(最近小説や詩を書いていた。文章はやたら書いたし、感想はシンプルにする。)
結論だけかく。このようなありきたりな日常からむしろ人間の普遍的な優しさ、人間の本質が映し出されるのだ。正直は、全く評価をしない人とは明らかには違う世界観が自分にはあるのだなあとかは気づく。
まあエンタメ性はない。ハッピーエンドですらイマイチ。
2021年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
辛口なコメントが多くあるのはなんとなく理解できるけど、そこは映画は劇場鑑賞の場合それなりの時間も拘束されてお金も支出となれば「ものすごい興奮」「ものすごい感動」「ものすごく心に染み入るもの」など『ものすごく』を求めたくなる人もいると思う。この映画、題材がラジオ体操、キャストも当然高齢者と地味。でもそれなりにほろりとくるところもあってなんかわかるなぁって共感できるところもある。けして駄作ではなく映画ってこのくらいでもいいんでは?と思った映画。
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