天国でまた会おうのレビュー・感想・評価
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やるせない物語に心揺さぶられる
ピエール・ルメートルの小説に関連して、ルイ・レテリエ監督(「グランド・イリュージョン」)による「その女アレックス」の映画化を心待ちにしているのだが、アレックスより後に刊行された「天国でまた会おう」の映画化が先に実現した。クライムサスペンスと戦争物(正確には戦中より戦後の話が主体とはいえ)でジャンルは違えど、予測のつかない展開、心を揺さぶりつづけるストーリーテリングの巧みさは、さすがルメートルといった味わいだ(本作では脚本にも携わっている)。アルベール役で主演を兼ねたデュポンテル監督の映像による語り口も、流れるようなカメラワークも相まって流暢で鮮やか。アルベールによる回想の形式で進むのだが、もう一人の主人公エドゥアールの視点による回想も交わるなど構成も凝っている。
話せないエドゥアールの“通訳”になる少女役のエロイーズ・バルステールの愛らしいこと!映画初出演ながら自然な演技で魅せる。
戦後モラトリアムを寓話仕立てで
もっとハスに構えた物語かと思うも、ド直球だった。
親子の確執が物語の芯にあるものの、
ホームズに対するワトソンのような狂言回しの回想視点で物語が進むため、
芯の物語こそおとぎ話のようで、その不思議な雰囲気に惹かれる。
他にも幾つかのスジが同時に進行し、全てが巧みと絡まりひとつ作品と仕上がっている脚本がうまい。が、詐欺を働き始めたあたりからラストが読めてくる展開である所だけが、おしい。
ただ、自身を認めさせる、復讐を果たしたことで悔いはなし、
と主人公が思いつめているという事なのだとすれば、
主人公の全存在をかけても余りある絶望感が「戦争体験」となり、
もしかすると本作全体が暗にいわんとしていることは、
「父性=戦争」が貶める「若者」
その罪について、ということなのではなかろうか、とかなんとか。
まあ考え過ぎ、だろうな。
悪役の上官がまったくもってずるく愚かで憎たらしい限りで、パンチが効いていたなぁ。
悲劇を覆いつくす力
本作「天国でまた会おう」は紙一重で反戦映画ではないと私は思うが、内包された戦争に対するメッセージは確かにあった。
今までの戦争映画や戦争の傷痕を扱った作品の中で主に反戦を謳っている、いわゆる反戦映画の多くは、だだ漠然と戦争は良くないとだけ表現していたのに対して、本作では具体的に、戦争を始めた者、戦争で利益を得た者、戦争で傷付いた人を冒涜する者、を悪としている。
その全てをプラデル一人に背負わせ、戦争の悪を擬人化したような悪役を誕生させたのは斬新だ。
そして戦争の権化プラデルに対抗するのは、仕事や恋人を失ったアルベール、体を失ったエドゥアール、親を失ったポリーヌ、という、正に戦争によって傷付いた三人。
分かりやすすぎる対決の構図に応援せずにはいられなくなる。
しかし、冒頭からアルベールが取り調べを受けている場面からもわかるように、主人公チームは犯罪者だ。本来ならば勧善懲悪とは程遠い後味の悪さが残りそうなものだが、そうはならない理由は、プラデルの徹底的なゲスさ、作品の雰囲気が持つ明るさとコミカルさ、そしてエドゥアールの仮面に代表される芸術にある。
仮面の美しさ、ピエロのような動き、演劇のような場面、エドゥアールの絵、これら芸術と呼べるものは心の豊かさだ。
悲劇的な出来事を心の豊かさで覆いつくすことで、どこか明るくポジティブなものに見えてくる。
その決定的なシーンが、鳥の仮面をかぶったエドゥアールのラストシーンだろう。
起こっている出来事とは全く違う感覚、とてもとても美しいものを見た気がした。
美しさは芸術、芸術は心の豊かさ、心の豊かさは悲劇を乗り越える。これがこの映画の力。
一番最初に本作は反戦映画ではないと書いたが、そういったものを含んでいないという意味ではない。
主人公チーム三人のエンディングは万事解決の万々歳ではないにもかかわらず、明るくポジティブな印象を残す。
悲しみや虚しさのような気持ちが全く残らない反戦映画なんてあるのかい?
反戦なんて狭い範囲でカテゴライズされない、家族の愛と絆の芸術映画だ。
好きなんだけど好きじゃない
タイトルとポスターでメルヘンチックなお話なのかと思ってたけど、結構ストーリーのしっかりしたいい映画でした。最後もなぜかそんなに悲壮感なく嫌いじゃないタイプです。ただまあそこが見どころなのかもだけど、仮面をちょこまか変えるのが私の嫌いなフランス映画の部分出ちゃってんなーって感じで残念ポイントでした。アメリとかのフランスのかわいい文化が好きな人にはバッチリでしょうね。
やるせなさと皮肉と映像美
やるせない中で何とか生きていこうとするアルベール。
エドゥアールは何を考えているのか分からない、飄々とした人にも見える。でもきっと、父に認めてもらうことだけを求めていたのだろう。
エドゥアールのマスクが美しい。
きっと、辛い状況だからこそ、やるせないからこそその状況、そして自らを面白く皮肉ることが必要なのだ。
傷つき病んでしまった傷痍兵の悲しみに寄り添うファンタジー映画美術の独創性
第一次世界大戦終結間際から約2年間を時代背景とし、独特なデザイン、映画美術で魅せる詐欺犯罪の復讐劇。限られた登場人物が複雑に、または運命的に絡み物語を構成するファンタジー映画の長短がハッキリした特徴を持つ。動機や過程の説明不足は、原作ありきの理由なのか判断出来ないが、どちらにしても分かりづらいのがもどかしい。それでも、脚本・監督・主演を兼ねるアルベール・デュポンテルの特に演出は、軽妙洒脱にして時に技巧の鋭敏さを持つもので感心するところが多い。また、父との確執を抱えたままで選んだ戦争で犠牲となり自暴自棄となる画家エドゥアール・ペリクールが描く絵が、同時代のエゴン・シーレに似た個性的で自滅的な画風なのが合っているし、彼が創作する多彩なデザインと色彩と形の独創性豊かな仮面の美しさやコミカルさは素晴らしい。20世紀初頭の時代再現の撮影もいい。
近代兵器によって人類史上最大級の犠牲者と傷痍軍人を出した第一次世界大戦の、今まであまり扱われなかった題材の関心度は高く、最後まで興味深く見学することは出来た。小説の映画化としては及第点だろうが、映画としての完成度では不満が残る。ただ、アルベールのように静かにじっくりと、傷つき病んでしまったエドゥアールのこころを探ることが、この作品の本質であり、彼の悲しみを少しでも理解できればそれでいいのではないだろうか。
正しくフランス映画
あくまでも優雅に、そしてコミカルに、そのシーン必要?ということも含めていかにもフランス映画。詐欺を働いても、緊張感なく、説明もあまりない。ラスト、折角父子で心を通わせたのに、何で飛び降り自殺してしまったのだろう。警察も自分の息子を戦争で亡くしたのはプラデルのせいだから、わざと逃してくれた、そしてモロッコで恋人、孤児が待っているというハッピーエンド、うまく出来過ぎたけど、これもフランス映画。
現実を受け止める事ができるか…。
戦争時に事故で顔に損傷を負い、家族には戦死として正式な報告がされ、
他人として生きる選択をした青年。
苦しいながらも自分の楽しみを見つけ、あるコンテストに応募。
それがきっかけとなり、家族との距離を縮めていく。
みんな誰かの息子、なんだ。
一言「なぜ劇場で見なかった、私!」(行き逃してた)。
フランス人の名前に慣れてないので。
小心者→中年男、顔を負傷した青年→仮面男。あと中尉、金持ち老人男→老人と略します。
◎よかった点◎
・冒頭中年男が、取り調べを受けている所から始まって。
回想風に戦争シーンが挿入され進む話や、中尉と老人の関係等。
幾つも「??」な箇所が出てくるけど。
徐々にわかっていく過程が、興味深い。
・仮面男は自分で作った「仮面」をつけているので。表情が読めないし、発声もできない。
ピエロ風な感じも。
気持ちを絵で現したり、仲良くなった近所の少女が通訳したり。
中年男と仮面男の、微妙な意思疎通具合が個性的な進み方。
・「詐欺で儲けて、中尉をギャフンと言わせて、めでたし」かな、と思ったけど。
後半以降ハラハラドキドキ、ちょっとだけコミカルな面もあったけど。
クライマックスは、2回びっくりで茫然自失。
戦争は身体も心も、大きな傷をつけるのだ。
△イマイチな点△
・関係性がわかっていくまでが、ちょっとダルいかな。
フランス映画(wowowで特集)に、すっかり魅了されました。いつか見て欲しい1作。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「彼に言いたかった。お前は正しかった、人は自由なんだと」。
戦争を始めた奴は誰だ!?
『1917』、『彼らは生きていた』とともに西部戦線における塹壕戦の恐怖を感じることができた。物語の中心になるのはアルベールとエドゥアール、そして憎きプラデル中尉であるが、休戦間近であるというのにドイツ軍に突撃するために二人の兵士を偵察に行かせ、実は戦意高揚させるためにプラデルが部下の兵士を殺したのだ。それに気づいたアルベールも爆死寸前だったが、エドゥアールに助けられ、さらに助けたエドゥアールが被爆して下顎部分を失う重傷を負った。
エドゥアールは家族にも会いたくないため、戦死したことにして細々と生活を続ける二人。さらにエドゥアールの言葉を通訳してくれる少女ルイーズが加わった。父親が自分の死を悲しんでいるのも伝わるが、戦争によって金儲けをしたことに我慢ならないエドゥアール。彼らは壮大な詐欺計画を企てるのだった・・・
20世紀初頭、帝国主義の時代。人の命を何とも思わない上の奴らが仕掛けた戦争。そして戦争によって大儲けする奴ら。許せない!といった気持ちがビシバシ伝わってくる。さらに仮面の美しさや少女の純粋さ心も傷を癒してくれるのです。コミカルな展開によって痛みを和らげてくれるものの、彼らの負った傷は相当深い。アルベールはエドゥアールの父親の銀行に雇われるが、帰還兵というのはロクに働き口がないのはいつの時代でも同じだ。
鳥の仮面を被った邂逅シーンには切なさと憤りが入り混じり、表情が見えないだけに辛いものがあった。そして、物語を繋ぐモロッコ憲兵所での尋問にも心打たれてしまいました。最後にどっと涙が・・・
この映画に、躊躇なく5を付けることが出来るようになりたい。
第一次大戦時のフランス。上官の裏切りで顔に大怪我負ったエドゥアールと戦友のアルベールが、大金を狙って詐欺を働く物語。
レビューを山のように書いていますが、なるべく書く前に他の方のレビューは観ないようにしています。拙くても自分の感じたことを書き起こしたいと思うからですが・・・この作品は鑑賞後にすぐに他の方のレビューを拝見しました。
私の語彙や表現力では、上手く言い現わせない作品だったからです。
一言で言えば「完成度の高い映画」です。
私が映画に求めている「興奮」「謎解き」「カタルシス」「迫力」と言った、ある意味単純な面白さはこの映画にはありません。それでも深い余韻を感じることが出来る映画です。
惨たらしい戦争、冷酷な社会。傷つき疲れた帰還兵の二人。その二人が、社会を敵に回す詐欺を企みます。
復讐の対象は、不和の父親、裏切った上官、そして社会そのもの。
エドゥアールを興味深く感じます。家族との関係を断ち、顔の修復も断ったエドゥアール。死を間近に感じながら、エキセントリックな言動を増していく彼の心情を思うと切なくなります。
アルベールが魅力的です。道化のような容姿や所作。でもエドゥアールの家族と会った際の彼の表情、セリフに彼の優しさや苦悩が滲みでます。
そしてルイーズ。絶えず微笑みエドゥアールの言葉は代弁しながらも、でもルイーズは自分の言葉を発しません。彼女を登場させた作者は何を狙ったのでしょうか?
ラストへの展開は私好みで、私が考え得る限り最高のラストだったと思います。そしてその分、映画の余韻を十分に感じることが出来ました。
ただ、先にも述べた通り、私好みの映画ではないのも事実です。その分若干だけ評点を下げさせて頂きました。
タイトルなし
1918年 第一次大戦
休戦目前のフランス軍前線
(イギリス軍の前線が描かれた🎥「1917」
「彼らは生きていた」の映像が頭を過る)
心身ともに深い傷を負った兵士ふたり
何もかも奪った相手から一儲けしようと
企てた大胆な詐欺…
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美術・衣装
魔術のような映像
先の読めない展開
感動の物語は切なくも美しい
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2018年セザール賞脚色・監督賞受賞作品
原作はピエール・ルメートル
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2度鑑賞し保存
この独特な雰囲気がとても好き
好きな映画にまた出会えました😌
120点満点、完璧を超える作品
日本で公開された2000年前後のフランス映画は、観客を馬鹿にしているのかと思う程非常に酷く、私の中では「フランス映画はもう終わった・・・・・・」と、絶望に近い落胆感がありました。そのせいかフランス映画と聞いただけ、観る気が伏せてしまったのです。先日感想を述べた『最強のふたり』もまさにそれで、「フランス映画かよ、もう良いわ」って遠ざけていました。
「最強のふたり」が余りにも素晴らしいかったので、私の中のフランス映画に対する意識が大きく変わってきました。そこでWOWOWのフランス映画特集の中の1作として放映された本作を観てみました。
観終わった感想はもう絶句でした。あり得ないレベルの高さ、ここでの最高点は5点ですが、もしそれ以上の評価点があればそれを与えたい程の大傑作です。
映画としての完成度は完璧、未だにこんな傑作を観たという実感が湧かない程です。何か狐につままれたかのような気すらします。
本作の物語は第一次大戦後期から大戦後のフランスです。
仏軍のプラデル中尉は人間の死が大好きなサイコ野郎。その中尉が撤退命令を無視して味方の偵察兵を射殺し(これが最後の伏線につながります)、必要のない戦闘を仕掛けてしまいます。その無意味な戦闘に主人公であるエドゥアールとアルベールが巻き込まれます。エドゥアールはアルベールの命を助け、自らも顔に重傷を負ってします。
総裁の息子であるエドゥアールは、画家になる夢を父親に絶たれていました。顔を負傷したことから、戦死を偽装することにしたエドゥアールをアルベールは手伝うことになります。
戦後のパリで二人が貧しい生活をしていた時、あのプラデルが戦死者ビジネスで財を築き、更にエドゥアールの姉と結婚し、権力さえも手に入れようとしていることを知ります。そして二人は復讐の為に詐欺計画を企てます。
本作はフランスのベストセラー小説が原作で、とてもストーリーは緻密です。かつての上官への恨み、夢を挫折させ戦死させてしまったと思い込む父の哀しみ。本作はそういった幾つもの感情を丁寧に描き、ミステリー調に物語は進んでいきます。
物語の面白さ以上に素晴らしいのが演出です。監督を務めたアルベール・デュポンテルは、主役のアルベール役を演じています。つまり監督兼主役というわけです。でもその演技が実に素晴らしい。この方は映画史上において、多分監督と主役を同時にやった映画人として、チャップリン以来の才人と評価されるのではないかと思います。それ程素晴らしいです。でもこの方は20年振りに演出を担当して本作がまだ2作目なのです。この熟練した演出が2作目とは俄に信じられません。
本作の演出の特徴はカメラの移動を、左右以上に上下と前後方向にとっていることです。ミステリーやサスペンス映画に多い撮影技法ですが、本作はそれを更に推し進めて、カメラが車の窓を抜けて家の中へ入っていくとか、天井の穴から部屋の中へ降りて行くとか、物凄い撮影シーンが満載です。
とにかくワンシーンではなく、ワンカット・ワンショットが非常に凝った絵になっているのです。それだけで物凄い手間と時間が掛かっていることは充分に分かります。
それ以上に凄いのが美術です。戦場の場面や20世紀初頭のバリの風景、様式などが完璧に再現されています。そして溜息が出るほどの映像の美しさ。
本作はどこを切り取っても、第一級のシーンばかりです。見れば見る程素晴らしさを堪能出来ます。
本作は公開時上映館も少なく、余り話題にもならなかったようですが、映画を見慣れた方なら本作の素晴らしさはすぐに分かる筈です。もっと映画会社の宣伝部や評論家と呼ばれる方達は、喧伝すべきだったと思います。今はネットが有るのですから、著名な方なら幾らでも発信出来る筈です。本作を一生観賞せずに人生を終える映画ファンがいたら本当に不幸です。
本作は超一級の芸術作品です。まだご覧になっておられない方は是非観賞して頂きたいと願ってやみません。
父親
父親のメタファーが、まるで国家の様に思える作品でした。国家とは、エドゥアールの父親の様に冷酷で、戦争とは、国家の息子(国民)が顔を無くす、つまり個と感情を殺しながら、生きる事を表しているのではないでしょうか。
戦争絶対に嫌です。
戦争ありきの悲劇
第一次世界大戦の帰還兵2人の悲喜劇を描いたお話だ。
もとはと言えば、休戦連絡を受けたのにもかかわらず
戦争をしかけたあの隊長のおかげで、悲劇は始まったのだ。
戦争をしたいと言う人間もいるのだなと言うことを最初に
描かれていてそれはとても 恐ろしいことだと観ていて
思った。
あのまま休戦していたら、彼らの人生はまた違ったものに
なっていただろう。
最近戦争を題材にした作品をよく観るが、戦争によって
いくつもの悲しみ苦しみの物語がたくさんあって
戦争が終わっても、心の中で戦争はまだ終わってない人が
沢山いるのだろうなと思うと心がきりきりする。
今年のベスト映画になりました。
友達と会う前になんか観たいなって思い、時間がたまたま合ったからって理由で観ました。
私は戦争映画は苦手なんだけど戦争後の2人の人生を主に描いて、2人の素晴らしい友情と孤独な少女との関係から複雑な親子愛、ラストも涙なくしては見れなかった。
映画のキーとなるアイテムのひとつに仮面がある。初めは顔を隠すためだけどだんだん感情を表現する為になり、最後は人生をしめくくる為になった。
この映画に出てくる仮面の展覧会を銀座まで見に行った。少しだけ映画の世界に近づけた気がした。
原作があるみたいだから、読んでみようかな。
超満員、あやうく折り畳みレジャー椅子に座らせられるとこだった。 二...
超満員、あやうく折り畳みレジャー椅子に座らせられるとこだった。
二本立て一本目。戦争の悲劇からスタート、狂った指揮官のために下顎を失った男。復員しても仕事もなく、戦死者が葬られる墓もいい加減。劇中だからではなく、ほんとにこんなことはいくらもあったんだと思う。
物語は戦争への復讐として奇想天外な展開を見せる。この話の面白さは冒頭からのプラデルの徹底した悪党っぷり。稀代の悪である。演じる役者もうまい。もう主人公である。
ラストはどうも原作とは違うものとなっているようだ。ベストセラーらしい、読んで見ようかな。
悪徳の栄え
戦争後、身体に傷を負った兵士たちは貧困に喘ぎ、命令を下していた上官や政治家は裕福な暮らしを享受している。
戦争というものがいかに理不尽な結末を産むのか、それを喜劇的に描いたような作品で、割と全体的にべたな印象ではありましたが、おもしろかったです。
ただ、自分には、すこし単調に感じられました。
観終わったあとに、邦題がいい塩梅に効いてきますね。
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