こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のレビュー・感想・評価
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本音を言って愛される
大泉洋は、映画「駆込み女と駆出し男」に出演したとき、樹木希林さんが出ると全部持っていかれると話していた。樹木希林とはニュアンスが異なるが、高畑充希も独特のエネルギーを放っていて、その場のシーンを全部持っていくところがある。若手の女優で同じようなオーラを持つのは黒木華で、高畑充希の動に対して黒木華の静とでも言えばいいのだろうか。いずれも日本の映画を背負っていく女優である。
とは言え本作品の大泉洋は、高畑充希のオーラに霞んでしまうことなく、主人公としての存在感を十分に示している。ともすれば暗い無表情になり勝ちな病人の役を明るくデフォルメして演じることで、類型に陥ることなく、ユニークな主人公の個性を演じきった。
映画の最初のほうでは、ALSの患者でボランティアの世話になっている主人公が妙に強気で厚かましく、どうしてみんながボランティアを続けられるのかが理解できなかったが、物語が進むにつれてその理由が明らかになっていく。そしてその理由そのものがこの映画のテーマであることもわかる。
なかなかよくできた映画で、後半になると主人公の魅力でシーンが輝き出す。そして同時進行で周囲の人々も耀きはじめる。とても盛り上がる作品である。自分に正直に、本音で他人と接する主人公の前向きな生き方は、友達関係に悩む子供たちに是非とも観てもらいたい。悪意を持たなければ、本音を言っても愛されるのだ。そういう映画である。
明日を生きるエネルギー
すごい
主演の大泉さんが凄かった。
呼吸器をつける前のシーンの口の震えかた。呼吸器がついてから言葉を話す時のタイミング。
本当に筋ジストロフィーかのように感じていまう、もっと言えば本人を見たことがないのに鹿野さんに見えた。エンドロールに入ってから「あっ!そうだった。あれは大泉さんだ」って思った。
難しい内容ではないし、重いわけでもないのでフラットな気分で見ても全然いい映画。
人に頼る勇気、迷惑を掛ける勇気
孝行息子。その違和感は自分自身から
命がけのワガママ
筋ジストロフィーて、余命10年と言われながらも、30年も生き抜いた鹿野さんの実話を、鹿野さん本人だけでなく、ボランティアの視点でも描かれています。
最初は、あまりのワガママさに、美咲が言った「障害者なら何を言ってもいいのか?」の言葉に納得している自分がいましたが、次第に彼の「生」へのこだわりに、エールを送っていました。
きっと周りのボランティアの方々も、自分が支えているというより、鹿野さんと一緒に生きている感覚だったのかもしれない。多分、僕には難しいことだろうけど…。
高畑充希は、相変わらず、こういう等身大の素の女性の役柄は、一つ一つの仕草の可愛らしさが引き立ちます。
あそこで、指輪を差し出されたら、女性としてどうするのだろう…。美咲が受け取らなかったのは、正しい判断であったと思うのだけれど…。
大泉さんは、この役の為に10kg減量したとか。鹿野さんの役にはピッタリの安定感をかんじました。
教えられる事がある
ぜひとも観てください。
今年最後の映画鑑賞。
難病を抱える主人公にそれを支えるボランティア。
普通なら悲壮感漂うお涙頂戴作品かと思いきや………
とても面白かった!
我儘な筋ジストロフィーの主人公を演じる大泉洋がどハマリ!
邦画でこんなに面白かったのは本当に久しぶりかも。
自分のできないことは人に頼れる社会の実現
原作からそのまま引用されたタイトルが意味深だがコメディではなく、渡辺一史のノンフィクションを原作とした実話映画。
筋ジストロフィーで余命は20歳までと宣告されながら、病院や家族から独立する決心をした故・鹿野靖明氏の独特の生き様を描いている。
ヒトをバカにしたようなワガママ放題の主人公の鹿野を大泉洋が演じ、生活を共にする看護ボランティアとともに、信念を貫いて闘う姿に、健常者ほど、"何が大切か"を考えさせられる。
"人間らしく生きることは、すべての人に平等である"ことは理解できる。ならば、身体がまったく動かない身障者は何をすればいいのか?
鹿野は意外な答えを持つ。"出来ないことは堂々と求めればいい。"
いまや当たり前の言葉になった"バリアフリー"。そんな言葉のなかった時代に、"自分のできないことは人に頼れる社会"の実現を願った、鹿野の主張はとてつもなく先進性がある。
"主張をしなければ、なにも与えられない"
鹿野に影響を与えた、米国人エド・ロングの言葉である(鹿野と同じ、筋ジストロフィー患者)。
例えば、多くの駅に設置されるエレベーターは、高齢者やベビーカーの乗客も普通に使っている。一見、すべての立場の弱い人に優しい配慮に見えるが、それは身障者たちの声が成し遂げた結果だ。
映画のなかで、鹿野が車イスに人工呼吸器をつけて退院する姿がある。実はこれにも先達がいる。
今年公開された「ブレス しあわせの呼吸」(原題:Breathe)のロビン・カベンディッシュだ。ポリオの感染で、首から下が麻痺して人工呼吸器が必要になったロビンは、当時、不可能と言われた自宅療養を家族とともに勝ち取り、車イスに人工呼吸器を携帯して旅行まで成し遂げた。何事にもパイオニアがいる。
健常者が、仕事による経済活動や芸術による成果で評価するのは簡単だが、世の中への貢献は、それだけではないはず・・・本当の対等とは何か。鹿野の目線はずっと先のゴールを見ていた。
本作のみならず、大泉洋の演技はもっと評価されてしかるべきだろう。本作が自然に観られるのは主要キャストの演技力に支えられている。首から上だけの演技は、口がうまいだけでは済まされない。
結婚・離婚も経験している恋多き鹿野靖明が好意を抱いた、介護ボランティアを演じるのは高畑充希。意図的な"どアップ"と"ナマ足"だらけで可愛さ全開。
(2018/12/28/TOHOシネマズ上野/ビスタ)
障がい者=可愛そう、ではない!
大泉ファンです。今年は忙しかった(汗
予告や前番組でハードル上げすぎじゃない?って思っていましたが、十分泣けました。
障がい者を見て、可愛そうだとか、頑張っているとか、手助けしないととか、日本人の普通のイメージをぶち壊してくれます。
障がい者=普通の人
となることがどれだけ難しいことなのか。
鹿野さんが、憎たらしいし、態度でかいし普通にムカつきます。とても面白い方で、周りを笑顔にして、同時になんと思いやりのある優しい方なのか。ボラの人にも、映画を見る人に色々なことを教えてくれています。
大泉洋のハマり役で、ほかの役者では、ここまで面白く憎たらしいふうにはならないでしょう。
自分が障がい者なら、ここまで他人に頼るにも勇気があるのか。
自分の周りの障がい者にむかって、普通に対等に「あんた何様?」と言えるようになりたい。
いい映画でした。
皆必死に生きている
筋ジストロフィーという病気を抱える鹿野靖明さんの自立生活とそれを24時間体制で支えたボランティアの方々との交流を描いた実話。
顔と手以外動かせず、一人じゃ寝返りも打てない筋ジストロフィー。
本来なら病院で入院や家族の支えがいるのだが、自立し、自身の夢に向かって努力する鹿野さん。
言いたいことは言うし、普通に考えればわがままで、ボランティアの方々と何度も衝突する。
自分の家で遠慮するのはおかしい。
本当は甘えたいけどお母さんには自分の人生を生きてもらいたいと悪態をつく。
20代で死ぬと言われるこの病気。
それでも皆必死で生きている。
90年代を舞台にしているからスマホや携帯ではなく公衆電話とか時代を感じさせてくれる。
大先輩で筋ジストロフィーの方がおり、最高最強に尊敬できる姿を思い出し、僕も頑張ろうと思います。
今年最後に泣きました。
今年一年振り返り、まだまだだと実感。
来年さらに戦おうと決意もできました!
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