若い女

劇場公開日:

若い女

解説・あらすじ

フランスの若手女性監督レオノール・セライユがフランス国立映画学校の卒業制作として書いた脚本をもとにメガホンをとり、2017年・第70回カンヌ国際映画祭で新人監督賞にあたるカメラドールを受賞した人間ドラマ。パリで暮らす31歳の女性ポーラは、10年付き合った恋人に捨てられてしまう。お金も家も仕事もない彼女は途方に暮れ、恋人の飼い猫ムチャチャを盗み出す。猫を連れてきたことで居候先の友人宅からも安宿からも追い出され、実家に戻ろうとしても母親から拒絶されてしまうポーラ。やがて住み込みのベビーシッターのバイトを見つけた彼女は、ショッピングモールの下着店でも働きはじめ、ようやく自分の居場所を見つけたかに思えたが……。主演のレティシア・ドッシュが何者にも媚びない新たなヒロイン像を体当たりで演じ、リュミエール賞最有望女優賞を受賞した。

2017年製作/97分/G/フランス
原題または英題:Jeune femme
配給:サンリス
劇場公開日:2018年8月25日

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(C)2017 Blue Monday Productions

映画レビュー

3.5このヒロインのことが徐々に好きになる不思議。

2018年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

冒頭からこのぶっ飛んだヒロインの個性が思いっきり炸裂する。まるで爆弾のようで手がつけられない。寄ればこちらも怪我をしそうなほど。それが性格の問題なのか、デスパレートな状況の問題なのかはわからない。彼女に「もうちょっと器用に生きてみたら?」と助言してみたところで、何ら効果は得られないだろう。

けれど、彼女の良さを一つだけ挙げるとすれば、決して止まらないこと。絶えず動き続けること。それがたとえ恐ろしく下手な泳ぎ方で、見方によっては溺れているように見えたとしても、結果的に彼女の人生がちょっとずつ前に進んでいるらしいことは、差し込んでくる光や彼女の表情から自ずと伝わってくる。そして、なぜだろう。本当に不思議なのだが、この一連の描写を受けて自分もヒロインのことが大好きになり、彼女の人生を、一挙手一投足を、心から応援していることに気づかされるのだ。そんな狐につままれたような魅力に満ちた一作である。

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牛津厚信

3.0巧妙にデザインされてたけど余り面白くは

2025年4月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

赤は、嘘つき、泣き虫、見栄っ張り、血の色でもあり、過去を引きずる色でもある。マイナス面というかネガティブな色。
ポーラが額から血を流す場面から物語は始まり、赤いポーラが自分勝手に暴れまくる前半。

青は、穏やかさ、落ち着き、調和、未来を掴もうとする色でもあり、プラス面やポジティブな色。
後半は次第に青く染まっていくポーラを見ることになる。

ポーラは左右の瞳の色が違うオッドアイだ。赤と青はどちらもポーラの中に存在しているもので、良い面も悪い面も合わせてポーラというわけだ。

そしてポーラは猫でもある。同僚のウスマンに猫の説明をした時に女と同じだと言い返されるシーンからもそれがうかがえる。
ポーラが猫なのではなくて猫がポーラなのか。まあどっちでもいい。要はポーラと猫が同一だということだ。
ここなら好きに鳴いていいと猫を墓地に連れていくが、猫は箱から出ようともしない。自分が羽ばたきたい場所はこんなところではないんだとポーラ自身が嘆いているようで面白い場面だった。

餌をもらえる飼い猫だったポーラが野良猫として生きる方法を模索するストーリーだったなと思う。新しい飼い主を探すように、最初のころ何件か知り合いの家に行ったりして野良としての自覚が足りない赤ポーラとか良くできてた。

詳しく書くとネタバレになってしまうので書けないが、こんな感じで巧妙にデザインされた脚本は確かに素晴らしかったと思う。
しかし、残念なことにそんなに面白くはない。

田舎から出てきてパリに暮らす女性の等身大系作品ってことになるだろうが、フランスでは標準の範囲内なのかもしれないけれど、どうも日本人感覚だとポーラは特殊な人に見えてしまって、つまりポーラに女性という大きな枠を捉えるだけの普遍性がなかった。
これが「全ての女性に」とか大層なものではなかったとしても、主人公ポーラに入れ込むほどの魅力は感じなかったので、やはりノリ切れない。

カンヌの新人監督賞を獲ったようで、そこはさすがに良いシーンなどそれなりにあり納得。
監督で脚本のレオノール・セライユはグレタ・ガーウィグみたいになっていくのかなと感じたりもした。

あと邦題だが、久しぶりにすごく良いと思った。
31歳は若いともいえるし若くないともいえる。相反する赤と青を内包するポーラを表すのにピッタリだし、ポーラの内面が幼かったことも表していてかなり良い。

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つとみ

3.5題名は皮肉

2023年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

(それほど若くも無いのに)大人げない、でも自由過ぎるでしょパリジェンヌ。その気になれば結構な美人にもなれるしたくましい。さほど退屈せずに結構楽しめたので良し。

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msang

3.5この作品の主演女優はきっと化ける!

2018年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

同棲していた売れっ子写真家にいきなり捨てられたポーラが、生活の糧を求めながら自立を模索する物語。久し振りにフランス映画らしい作品を観たように思います。彼と不自由の無い生活を満喫している間は自分の取り柄は美貌だけであったことに気付けていなかった主人公。独り身になって初めて世の中の厳しさを思い知るが、そんなどん底生活の中で初めて自分らしい生き方に気付く... 自由に生きたいのであれば生計の下支えや社会との折り合いがあってこそ、と言う当たり前の話なんですが、自由人を自ら任じるフランス人が演じるととんでもない大事のように見えてしまうのが、文化の違いなんでしょうけれど、凄く滑稽に思えます。ところでポーラを演じたレティシア・ドッシュはなかなかのもの。メイクの効果もあると思いますが、あどけない少女のような可憐さを見せていたかと思うと、正統派美人からあばずれ女まで何にでも豹変出来てしまうのはお見事。彼女の今後に期待。

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ホワイトベア