ドッグマンのレビュー・感想・評価
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犬好きだからこそ観たかった映画
主人公マルチェロと同じく犬大好きな僕。彼の犬への愛が各シーンで伝わってきて微笑んでしまうシーンも。しかしシモーネに従属的なマルチェロには感情移入できないなあと思ってたらラストで彼の思いが理解出来ました。無駄なシーンはなく、最後までどっぷりと映画の世界に浸ることができ、観てよかったです。
あーマルチェロ〜
あーマルチェロ〜と何度も思ってしまう。なんでそうなるの。なんで断らないの。なんで言わないの! 若い頃からのシモーネとの関係を見せて欲しかった。 そうすればなシモーネに対するマルチェロの心理にもっと共感できて、もっとリアリティを感じられたと思う。 もっともそこを鑑賞者の想像に委ねたのかもしれない。 ラストも何でそうなると考えさせらせれる。 なぜ一言謝って欲しかったのか。それだけのために、こうなっちゃったわけは。 過去があるんだろうなあ。昔、虐められていたマルチェロをたった一人かばってくれた頼り甲斐のあるシモーネ。一生ついていこうみたいな。 犬はみんな個性があって良かった。マルチェロの職業はなぜドッグマンなのか。 ここも想像が膨らむ。 面白かった。
ストレスたっぷり、存分に召し上がれ
従順な犬に成り下がるな!信じて徹するな!ヘラヘラすんな!牙を剝け!大口開けて嚙みつけ!ああほらもう言わんこっちゃない…。 溜まるストレス積もるフラストレーションを楽しみ、やるせなさのどん底に舌を這わせて味わう映画。 ドッグマンことマルチェロ、彼のビジュアルや話し方動き方からして、とにかく小物感が半端じゃない。(失礼で申し訳ない) とにかくお人好しでうだつの上がらない人。 普通にしてても不幸や不運を招きそうなオーラというか、疫病神的な雰囲気というか。 小さい娘に犬を任せて外へ出たとたんに娘が噛まれて大怪我を負うんじゃないか、チワワの為に引き帰った先で見つかるんじゃないか、目を逸らした瞬間に殺されてしまうんじゃないか。 いつどこで何が起こることかと常にハラハラしながら観ていた。 シモーネの理不尽な言い分、圧倒的な暴力には恐怖しかない。 俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの。なぁ俺たち、友達だよな? シモーネのような人に絡まれた場合の正しい対応法をずっと考えているけど、本当に全然わからない。 ただでさえ少ない彼の隙を突いて脳天に銃弾ブチ込むくらいしか思いつかない。 細かい「嫌なこと」がどんどん重なり、選択がヌルく詰めの甘いマルチェロにイライラし、慈悲のカケラも無い仕打ちに唖然とする。 終盤、大きな一歩を踏み出してみるマルチェロのとある行動に大興奮。 その先の更に数段階の展開にまた顔をしかめたり拳を握ったりほんのり涙してみたり。 正直、あのまま飼い殺しのほうが一気にホラー的になって最高だったんだけど。 強靭な設備だったらな〜と惜しく思う。 この映画の狙いがそこにないことは承知の上。 容易に想像できるこの後。 虚構に向かって叫びかける姿が痛々しく、長回しどアップで見せられる、達観にも近い表情が悲しい。 何を思ったんだろう、何を考えていたんだろう。 どこから何を後悔すればいいのだろう。 しんどい。 犬や娘に見せるパッとした笑顔がとても可愛くて、故に降りかかる不条理に本気で鬱々とする。 離婚したママからのよそよそしい態度がまた悲しい。挟まれる娘の身にもなってよ。 犬とパスタを分け合い食べ合うシーンが印象的。 フォークやお皿をシェアしてることに少し驚いたのは私だけ? 犬のヨダレが付いた食べ物を私は口にしたくはないけど、そこに全く抵抗のないマルチェロは本当に犬が好きで愛があるんだろうな。 映画の端々から自分の犬にも他人の犬にも向ける親愛の情が感じ取れる。 バイクの轟音がトラウマ。
大人のジャイアンとのび太の話
映画の日が休日だっなので、kino シネマみなとみらいに行ってきました。 イタリアの田舎に住む 犬のトリミングをする気弱な男が、街にいるジャイアンのような男に取り込まれて、人生が崩壊してしまう話。 ドラえもんにおける ジャイアンとのび太は、物を取られたり、殴られて泣かさせるだけだが、大人のジャイアンとのび太は、もっと悲惨。 ストーリーテリングがうまくて、ぐいぐい引き込まれてますが、ラストの意味が分からなかった。 中盤までは精度の高いよくできた映画だったので残念。
世界共通なのね。
暴力と近所の感じが、何か日本の地方都市のヤンキー社会みたい。世界共通なんだね。終盤の入り口での俺は変わった変わってないみたいな所以降、主人公の小物感が半端なく、何ともいえない感じになりました。
切なく悲しいマルチェロさん
ほとんどのシーンがDOGMANという店名の主人公のマルチェロのお店の周りで、登場人物もマルチェロと悪い友達シモーネと別れた嫁と娘、近所の人達だけで起こる出来事。まさにシモーネの犬のようなマルチェロ!お店で預かる犬たちも何故か悲しく見えてくる!マジメでいい人なのに悪い友達につけ込まれて利用されて、いろいろ巻き込まれる、悲しくて切ないマルチェロ役の演技に引き込まれました。
人と犬と人と犬
いやぁ、良い意味で終始胸くそ悪かった。お互いが「人と犬」の様な関係の二人が、寂れた片田舎で静かに壊れていく。 途中から頭のなかで「フォーリングダウン」をシンクロさせつつ観てしまいました。その見方は全くオススメ出来ませんが(笑)、生活の片隅に誰にでもあり得る物語。体験するのも一興ですよ。
DOGMANというタイトルがいい
主人公マルチェロフォンテ(役名、演者名が同様)は犬のトリマー屋さん。 悪友のシモーネにはタカられたり、犯罪行為には及ぶものの、コミュニティのみなを愛し愛され、また犬を愛する描写からビジネスではなく犬への愛情を感じさせてくれる、善人であり普通の人間。 しかしこの作品は主人公マルチェロという人物を通じて人と犬、飼い主とペット、主従関係をメタっている。 狭いコミュニティを犬小屋のように見立てて、実在する殺人事件をシニカルに描いている。 実社会の不条理を、シモーネの圧倒的な暴力や閉鎖的で小さいコミュニティなどの舞台装置で見事に構築するマッテオガローネ監督の手腕は素晴らしい。 そしてマルチェロ役の演者マルチェロの演技。 喜び、怒り、怯え、悲しみ、そしてラストシーンで見せる空虚な表情に惹き込まれること間違いなし。
予想と違う感じ。ラストが微妙
予告編を見て孤独な男の復讐ドラマを期待していました。予想外の展開も多々あり最後まで飽きないで見れました。 しかし主人公の行動には最初から最後まで全く共感できないまま延々とろくでなしの悪党と絡み後半まで続き終わり方もスッキリしない。 可愛がってる娘や犬の復讐劇にしたらもっと楽しめるのにと期待していた自分が恥ずかしいけど残念なエンディングでした。 イタリアの貧民街の悲惨な空気感は伝わります。
世界中のどこにでもある話…
特に郊外の街でよく見かけるつらい光景。 シモーネは悪い奴ですが、マルチェロも弱い… 各人を責めたいのは山々ですが、 こういった人は、どの街にも確実に一定数は存在します。 これが社会ってやつです。 まさに社会を浮き彫りにした作品だと思います。 「ゴモラ」ほどの社会派クライム映画って事でもないとは思いましたが、 富田克也監督の「サウダーヂ」を思い起こしました。 あ~つらい。
犬はどっちだ?
何故マルチェロのような人は良いが小心者の人間がシモーヌのような与太者と親しくなったのか?何故あそこまで奴を守ろうとしたのか?マルチェロはシモーヌを調教出来ないが故に守りたかったのか?それともシモーヌは飼い犬に手を咬まれたのか?
犬のように暴力に隷属する男が…
傑作「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督作ということで、プライオリティMAXで臨んだ。 イタリアの海辺のさびれた小さな町。犬のトリミングサロン「ドッグマン」を営む主人公のマルチェロは、犬と娘を愛する心優しき男だが、暴力的な友人シモーネに従属し、不条理な行動をとり続ける。 暴力に支配されたマルチェロの「ありえない行動」に悶々としながらもグイグイ引き込まれた。凄い緊張感だった。果たして彼は変わることができるのか、このまま従属し続けるのかと… クライマックスの「抵抗」に胸を撫で下ろしつつも、すっきりしない鈍い余韻が残った。 現代社会の不条理をミニマムな空間に詰め込んだような今作。映像も秀逸で紛れもない傑作だ。
首輪
イタリアの田舎町で犬のトリミングサロンを営む男と町の暴君との関係性を描いた話。 娘とは頻繁に会っているけれど嫁娘と離れ、独り暮らしのワンちゃん大好き主人公マルチェロ。 気に入らないことや思い通りにいかないことがあると暴れて奪ったり従わせたりとルール無用の町の嫌われ者シモーネ。 警察に通報して捕まえて貰ったところで直ぐに戻って来るしその後の方が面倒と町の住人達が駆除の相談までする始末。 一方的とも言える友人関係を続けざるを得ない上に、それでも彼を助け様とする主人公が、彼に、周囲に、追い詰められて行く様子が哀れというか不憫というか…。 展開としては二択ぐらいしかないところの一方をそのまま進んで行く感じで意外性は殆どなかった。 しかしながら、ちょこちょこと垣間見える主人公の汚さや人間臭さが無様で、心底主人公を擁護、同情する気持ちになれず哀しい感じもする。 暗く沈む感じではないけれどスッキリせず何ともやり切れない、良い意味でモヤモヤが残る作品だった
あまりに悲しすぎる…伊映画の伝統か─
ドッグとドッグマンがつくりだす絵や雰囲気が抜群の作品。彼を中心にすべてが構築されているような印象を受けるくらい、主人公がハマっていた。 内容は、こちらの気持ちまでが卑屈になってしまうくらいに不条理なもので、あまりのブラックに所々で笑ってしまう、決して楽しいものではないけれど─。 悲しみの触手が犬に及ぶことがないのが唯一の救いで、それ以外はやるせない。バカ!アホ!と言うのは簡単、実際にハマってしまうと抜け出すのは難しいかもなー、などと他人事のように眺め、そういう見方ができる自分にホッとしたりして、今のところはまだ大丈夫なのかなぁ…と不安になってしまうくらい、あまりにも悲しすぎる映画だった。これもイタリア映画の伝統なのかもしれない。
犬好きは観ない方がいいとのレビューがあったが、まさにその通り、チワ...
犬好きは観ない方がいいとのレビューがあったが、まさにその通り、チワワを冷凍庫にぶちこむ馬鹿が居て不快感マックス。主人公のマルチェッロもまた考え方が稚拙で全く持って馬鹿としか言いようがない。なんじゃ、あのラストシーンは?
犬が主役ではないし陽気なイタリア人も出てこない
ゴモラは本しか読んでないが愛と銃弾で観た ナポリ スカンピア地区を彷彿とさせる寂れた街が舞台 イタリア人の男といえば洒落たモテ男のイメージしかないが主役は真逆 役名と同じこの小男をずっとみる映画 ジャイアンみたいな男シモーネ 町の厄介者 コカイン レーサーレプリカ 犬に人間喰わせるオチを想像していたので気が気じゃなかった ラストシーンの長い溜め 決して美しいシーンは無いのに時折魅入られるカットがあった コカイン多数 大小色んな犬 冷凍犬蘇生 ビクトリアシークレットのショーみたいなストリップクラブ イタリアらしさはフットサルくらい パスタは犬に食わせていいの? イタリアの刑務所暮らしがどんなもんかちょっと見てみたかったので残念
タイトルなし
イタリアの寂れ廃れた街 ここでトリミングサロンを営む男 マルチェッロ・フォンテ(本名も役名も同じ) 暴力的で巨体の友人シモーネに支配され すべてを失う . 犬好きで娘を大切に思う愛情をもち 人に慕われる愛嬌もある でも 暴力を振るわれ理不尽なことを言われても その立場に身を置くことを拒まずにいる シモーネを友人と思っているのか それとも 牙を剥く猛犬をしつけるのと同じような …🤔 . 衝撃的な最後 彼の表情・視線 街の景色 関わりたくない触れたくない そんな世界を覗いてしまった気がする . 不条理とは 何よりもまず高度の滑稽である うまく調和しないことを意味する 通常の予測を外れた行動または思想であり非論理的 . 全てこの映画で描かれていること
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