凱里ブルース

劇場公開日:

凱里ブルース

解説

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」での3Dのワンシークエンスショットという演出で注目を浴びた中国の新世代監督ビー・ガンが、2015年にメガホンをとった初長編監督作品。監督自身の故郷である凱里で撮影され、出演者の大半が監督の家族や親戚、友人などがキャスティングされている低予算の作品ながら、スイス・ロカルノ国際映画祭の新進監督賞と特別賞、フランス・ナント三大陸映画祭グランプリ、台湾の金馬奨で最優秀新人監督賞など各国の映画祭で多数受賞した。凱里にある霧に包まれた小さな診療所に勤務し、幽霊のように毎日を送るシェン。刑期を終えて、凱里に帰った時には妻はすでにこの世になく、かわいがっていた甥も何者かによって連れ去られてしまった。シェンは甥と同じ診療所で働く年老いた女医のかつての恋人を捜す旅に出る。その途上で立ち寄ったダンマイという名の村は、過去の記憶、現実、そして夢が混在する不思議な村だった。

2015年製作/110分/G/中国
原題または英題:路邊野餐 Kaili Blues
配給:リアリーライクフィルムズ、miramiru
劇場公開日:2020年6月6日

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映画レビュー

0.5ふーん

2024年6月17日
Androidアプリから投稿

中国にもこんな美大の卒業制作みたいな映画撮る人がいるのね。それを知れただけでも得したと取ったほうがいいのかな?今までのこういうアートっぽい中国映画ってたいてい好みのタイプだったので、合わないのもあるんだなと。こういうの評価する人たちが一定数いるのは知ってるし、それを非難するつもりはない、けど私にはまったく不要な映画でした。

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三毛猫泣太郎

3.5【淡々としつつも、いつの間にやら引き込まれる幻想的でアーティスティックなロードムービー。】

2023年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

■中国・貴州省の霧と湿気に包まれた凱里市の小さな診療所に身を置き、老齢の女医と暮らすチェン。  彼が刑期を終えてこの地に帰還した時には、彼の帰りを待っていた妻はこの世になく、甥のウェイウェイも弟の策略でどこかへ連れ去られてしまう。 ◆感想 ・ビー・ガン監督作品は、鮮やかな色彩と不可思議な世界観に魅了された「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」を見て以来である。そして、今作は上記作品と連動性があると聞き、観たかった作品である。 ・どこまでが、この世のロードムービーなのか、どこからか不可思議なロードムービーなのか、観る側にその選択を任せている作品である。 <今作は、特に大きな出来事が起こる訳ではないのに、何故に面白く見えるのだろうか。  そもそも、ロードムービーとはそういう類のジャンルであったな、と思った作品である。>

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NOBU

4.0けっこうよかった

2023年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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吉泉知彦

5.0時間は行きつ戻りつその人だけの時間になるということか

2023年5月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

凱里ブルースというタイトルがよい。 冒頭、特徴ない顔の人たちが特徴なく薄暗い中出てくるし人間関係もよくわからないが、ストーリー追う映画ではないかと思い、それでも目を凝らしてみる、 薄暗いあまり衛生的でなさそうな住居。 病院には年老いた女性医師がいて気丈に地域医療をみている。体調イマイチな男の医師が主人公で彼の周りにいたり現れる人たちが少しずつ繋がっていく。 列車の通る線路脇の家とはいえないような住まい 外から鍵をかけて閉じ込められているがまあまあしあわせそな子ども 医師なのに泥棒のように鍵をいとも簡単に開けてしまう子どものオジ、、 そこからもう一つの街への旅、 深い緑が美しく、みずみずしく、 店や住まいは老女医のところ以外あまりよろしくない環境で、広い中国大都市ではない街や村の荒廃ぶりは映画を見るたびに今もこうなのかなんでなのか、と思うが、先祖や死者を弔うのに爆竹も紙銭も禁止、古い家屋は取り壊し再開発という話で今の話とわかる。 小さな街、家と家と間の狭い路地を歩けばまっすぐだが、ポンコツバイクでぐるりと迂回していくその様子が長回しで撮られており新鮮だし、小さな街小さな世界小さな宇宙をぐるぐると回っているだけ、ということにも感じられる。 ポンコツバイクタクシーの若い男子が、時計屋に売られた甥っ子と同じ名前で、おそらく服役中に死んだ妻に似ている理髪店の女の子、、風車、時計、様々な水面、、 過去も今も未来も不安定でその時だけの時間なのだと思う。 話題の作品だったので構えて見そうになったが、詩と音楽、時と、光、あとは人と人の出会い、他人としてすれ違うひとと、まれに微熱のような心が繋がる瞬間を感じる。列車や川渡しや古い変わらぬ暮らしぶりに、止まってては行けないはずの時の停止(失政)も感じるしこのまま止まってほしい郷愁も感じるし、静かならあいちやくとやるせない自棄の合判知る気持ちも受け取る 音楽や背後に聞こえる音が心地よく、とにかく風景が美しい。

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