ジュディ 虹の彼方にのレビュー・感想・評価
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「オズの魔法使い」のジュディ・ガーランドの伝記映画。
名声とは哀しいものですね。
名声は人を幸せにはしない・・・そんな映画でした。
ジュディは17歳で「オズの魔法使い」の主役を演じ、懐かしい名曲「虹の彼方へ」を歌うスターでした。
しかし撮影所からはダイエット命令が出ていて、バースディ・ケーキも食べさせて貰えない。ハンバーガー禁止令まで出てたんですよ!!
睡眠時間も十分に貰えず、眠気覚ましに薬物(飲み薬)を与えられ、そして不眠を訴えるとまたまた枕元に睡眠薬を置かれるのです。
(近作の「エルヴィス」でも同様のことが描かれているそうです)
そうしてジュディは薬物常習者になるのですから、ハリウッド・スター残酷物語ですね。
この映画は少女期の回想シーンも度々出てきますが、1968年47歳のジュディが、ハリウッドの仕事にあぶれて、イギリスのロンドンで5週間行った公演のステージシーンが中心に撮影されています。
演じるレニー・ゼルウィガーは1954年の「スター誕生」主演当時のご本人に瓜二つです。
髪型(黒髪のショート)や肩をすくめたり、くちをとがらす仕草までそっくりです。
おまけに歌唱シーンは全曲レニー・ゼルウィガーが歌っています。
歌唱力そして孤独をコートのようにまとった入魂の演技は、アカデミー賞主演女優賞に相応しい見事な出来栄えでした。
子供思いの優しいジュディが、子供のそばに住めない姿も哀れでした。
それにしても少女スター時代のハリウッドの精神的虐待とも思える仕打ち。
ダイエットの空腹に耐えた辛い記憶。
休みも満足にもらえず働き詰め少女時代。
その記憶は生涯に渡ってジュディを苦しめた。
薬漬けにされたこと・・・そしてお酒に逃げて溺れた。
ジュディ・ガーランドは、古きハリウッドの、スター酷使システムの犠牲者でした。
神様が惜しみなく与えてくれたのは、大衆を魅了するその歌声力と圧倒的なカリスマ性だけでした。
オーバーザレインボーの歌詞・・・
《鳥たちは虹を超えて飛ぶ、ああ、なぜ私にはできないの?》
その言葉が哀しいです。
でもラストのラストで、ジュディの大ファンのゲイ・カップルとの交流・・・彼らの自宅で夜中のスクランブルエッグを食べたり、ラストステージで、歌えなくなったジュディを、歌いつなぐシーンは涙なしでは見られませんでした。
それがせめてもの慰めでした。
孤独なスーパースター
ジュディ・ガーランド。表舞台から離れ、子供達と一緒に過ごし、良い母親になり、いい家庭を持つ。そんなごく平凡な願望を実現しようと、エンターテイメントの世界で、もがき苦しみ、その環境から抜け出したくても抜け出せれない彼女の切なく切羽詰まる晩年の人生を、非常に上手く描いた作品だと思いました。全体を通しては単調なんだけど、ジュディの希望が少しずつ崩れていく最後にはボロボロになっていく彼女の心境が激しく伝わってくるような感じがしました。
そんなジュディ・ガーランドを演じ切るレニー・セルヴガー。素晴らし過ぎるパフォーマンスの一言。「ブリジットジョーンズの日記」でしか彼女を知らなかった私。あの時の愛くるしい、かわいい彼女を一欠片も感じさせない演技。もう....言葉にできません。演技派女優の異様なカリスマ性をビリビリ感じました。今までの彼女の作品も観たいし、もちろんこれかの彼女も大注目です。
愛するより愛されろ
知らぬが花
アメリカの国民的スター、ジュディ・ガーランドさんが47歳で亡くなる晩年のロンドン公演のステージにフォーカスをあてています。舞台「End of the Rainbow」の映画版。
大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインがセクハラを暴露されMe Tooムーブメントが起こり話題になったが、本作のジュディを見出したMGMのアーサー・フリードの悪名も高い、女優に枕営業を迫るばかりか子役にも手を出すロリコンだったとか。
「オズの魔法使い」の主役は当時の名子役シャーリー・テンプルの予定だったがテンプルがフリードの淫行に応じなかったのでジュディに回ったと後にテンプルが自伝で暴露している。劇中でも13歳のジュディの胸を撫でるシーンがあったがセクハラのほのめかしだろう。
ダイエット薬と称してアンフェタミンを飲ませていたと言うから驚きだ。そんな世界に子役時代から身を置けば体も心もボロボロになっても不思議ではないでしょう。
撮影をすっぽかすのは日常茶飯事、度重なる自殺未遂などで仕事を失い晩年はNYやロンドンでジャズを歌って凌いでいた。
ロンドンで同性愛者のファンと親しくなるシーンが印象的、ボードビリアンだった父がホモセクシャルだったこともありLGBTへの理解は深く、同性愛解放運動の象徴のレインボーフラッグはジュディにちなんでいると言う。
レニー・ゼルウィガーさん48歳が46歳のジュディを吹き替えなしで演じています、アカデミー賞も納得の熱演でしたが、根が悲しい話なので胸が痛みます。世の中には知らぬが花ということも多いので、「虹の彼方に」のドロシーのファンにはあまりお勧めはできません。
繰り返されるスターの生き辛さ
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
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一人の大スターの晩年の数日間のステージの様子を
実話と脚色を織り交ぜて綴られた本作。
実生活ではアル中でボロボロの舞台裏から
毎夜毎夜どんな思いで舞台に立っていたか〜
舞台に立つことの恐ろしさや苦しさ
、
それでも一度喝采を浴びた者の性(さが)と言うのか
観客が喜んでくれる姿に自分の存在意義を見出して
さらなる
勇気を貰ってまた舞台に立つ。
エンターテインメントという夢の裏側で
どんなに酷い、セクハラ、パワハラ、
マインドコントロールが行われてきたのか
あまりあからさまには描かれていないけれど
それによって人生が狂ってしまった
一人の女性の最後の輝きの姿に
自然と泣けてきてしまいました。
さすがにアカデミー主演女優賞!!
ワンカットで魅せる歌声が素晴らしい!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ジュディー・ガーランドがどれほどのスターであったか
私も含めて多分、今の50代以下の人には解りにくいので
アカデミー主演女優賞を取らなければ
埋もれてしまったかもしれない作品。
私は「午前10時の映画祭」で「オズの魔法使い」や
「ザッツ・エンターテインメント」を観てるので
大スターのジュディー・ガーランドを記憶していて、
あの晴れやかな笑顔を作るために
どんな思いをしていたのか?
この映画の中でも、厳しい食事制限や
疲れて動けないのに無理やり当時の覚せい剤を飲まされて
働かされ、その副作用で眠れなくなると
睡眠薬を飲まされるという酷いシーンがあります。
あまりの生活に耐えかねてたまに反抗的な態度をとると
当時のプロデューサーに、セクハラまがいの
マインドコントーロールで服従させられる〜
そうして心身ともにボロボロに壊されたジュディーを
ハリウッドは「役立たず」として使い捨ててしまった。
ライムスター宇多丸さんが自身の映画批評の中で
主演のレニー・ゼルウィガーの演技が素晴らしいのは
言うまでもないけれど
、アカデミー会員の中には
主演女優賞を贈った気持ちの片隅に
当時のジュディー・ガーランドへの
ハリウッドの仕打ちの贖罪の思いもあったかも〜〜?
と言っておられました。
なんか解るわ〜〜。
「ボヘミアン・ラブソディー」や
「ロケットマン」のレビューでも書きましたが
スターになるのも大変だけど
スターで生きて行くのはもっと辛い〜
私ら平凡な者たちに
大きな楽しみと希望を与えてくれる全てのスターたちへ
限りない感謝と愛を贈ります。
@お勧めの鑑賞方法は?
こんな時節ですが、できれば音響の良い映画館で是非!!
試合が始まる
スターの光と影…駆け抜けた人生
ジュディ・ガーランドを知らなかったが、名曲「虹の彼方に」は知っていた。子供の頃からスターになるように育てられ、ダイエットのために母親から覚醒剤、眠れないと睡眠薬を服用させられる。スタジオ育ちで周りは大人ばかり、子供なら誰しもが食べたいケーキも、遊びたくても遊べない。そうした犠牲の上に、彼女の持つ歌声、スター性でアカデミー賞、グラミー賞を受賞してきた。映画は子役時代の回想シーンもあるが、スターになった後の、人生を描く。薬が手放せず、眠れず、生活も乱れ、何度も離婚歴があり、自身の浪費により金もなく、子供の親権を得るため、仕方なくアメリカを離れ、ロンドンに活路を見出す。歌声を披露すれば、人々は大喝采となるが、遅刻癖、客に罵声を浴びせるなど、問題も多かった。昔の大スター、スポットライトの光と影、知られざる苦悩は伺いしれないが、早すぎる逝去は駆け抜けた人生だった。子供がライザ・ミネリなのも知らなかった。レニー・ゼルウィガーは好演。
ミュージカルの大スター
良い終わり方
ジュディ
この邦題、ナイス
「売れた有名子役」のその後って、いつの時代も似ているのでしょう。
時折子役時代のショービジネス界で受けた、心の傷がフラッシュバックが挿入。
ドサ周りで借金を返す、ジュディが痛ましい。
時に悪態をついて、舞台をおしゃかにしちゃったり。
心が満たされない・眠れない。ガリガリの身体に、道化師のような化粧がまたひどい。
カメラが近い(舞台を降りた時)と、おぞましいくらいなのに。
カメラが引いた舞台上では、とても輝きを放つ。
その落差が、ジュディの人生のようでした。
終盤ボロボロになったジュディの、ラストステージ。
もう歌えない彼女を助けたのは、ずっと彼女を応援してきたファン。
そうそうファンがいてくれるから、歌えてきたんだなあ。
鼻の奥がちょっと痛くなる、シーンでした。
W座によると、実際のジュディに結構似せているそうで。
それを知らなくとも、一つの歌が産んだ栄光と影を感じました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「希望は必要よ、どんな人にも」
ジュディに限らず、こういう現実がよく あるのだろうと思った
どう見ても65歳位に見える老けメイクで
47歳の役は疑問に思えたが、
映画「オズの魔法使い」のドロシーが長じた
ジュディ・ガーランド役を演じた
レニー・ゼルウィガーの迫真の演技が素晴らしい
子供時代のジュディを演じた子役など
他の俳優陣もキャスト、演技共にハマっていて
脚本も良く、見ごたえのある作品に仕上がっている
*****
子供の頃から仕事漬けで、眠りたくても
ゆっくり寝る事も
食べたいものを食べる事も、遊びたくても許されず
芸をする獣を調教するように育てられたら、
性格が歪になるだろう
解説ではジュディは「奔放で愛すべき女性」と
書かれているけれど
私には「気まぐれで痛々しく精神不安定な女性」
に思えた
一部の男性側からすると、ある種の魅力に
思えるのかもしれない
しかし一時的なものではあると思う
(だから4度も離婚したのだろう)
ゲイのファンたちを食事に誘って
気まずい雰囲気になる所が妙にリアル
ファンとは距離を置いた方がいいのかな
こういう仕事の人は
でも、スターの現実に失望した後でも
ファンはラストのショーにはちゃんと来るんだな
ショーでジュディが歌う場面は華があって
迫力があった
気にかけていた子供たちは、金銭的にも精神的にも
安定した元夫との生活を望み、離れてしまう
エンタテイメント王国アメリカの
ショー・ビジネスの華やかな舞台の裏には
ジュディに限らず、こういう現実がよく
あるのだろうと思った
ラストの
「人間の心で一番大切なのは
どれだけ愛したかよりも
どれだけ愛されたか である」
という言葉は、
普通の人々の間では逆ではないかと思った
ショー・ビジネスの世界では、
それが正しいのかもしれない
哀しい現実を抱えているからこそ
綺麗な華が咲くのだろう
アーティストの立場が弱い時代の悲劇
レンタルBDを3回に分けて観た
昔の名作オズの魔法使いの主演女優の悲しい晩年
レネーはシカゴの人でなかったか
あれもよかったがこれもよかった
オラは音楽モノがつくづく好きなんだなぁ
まぁ力が入っとる なりきりデニーロアプローチ
ジュディを知らんのだが再現度はかなりのものなのだろう
普段のちょっと猫背の感じとか口元とか…
レネーの原形わからぬ
特殊メークはカズヒロ…?
オスカー獲ったのだっけか
アーティストの立場が弱い時代の悲劇
ビートルズとかストーンズとか
後人の努力で少しずつ変わってきたんだろう
日本では断然永ちゃんだ
最後のシーンで救われたが全体的にはモノ悲しいトーン
事実なのかどうかは知らぬがゲイカップルのエピソードは好きだ
最近こういう話を織り込みがちなのは賞を意識したものなのだろうか
アーティストにせよLGBTにせよ
その権利が尊重されることはよいことだ
最後の時を取り上げてたとこが、極端に波瀾万丈ばかりクローズアップさ...
JUDY AND RENEE 略してジュディレニ
伝記物
星の平均が2に満たないビビさんが高評価
69年に47歳で亡くなったミュージカル歌手ジュディ・ガーランドも今回彼女を演じた69年生まれのベテラン女優レニー・セルウィガー
僕は2人ともその存在を知らなかった
映画comでレニーのプロフィール写真を観ると全くの別人
役作りでジュディにかなり寄せてきた
劇中で歌っているのはレニーかジュディなのか知らないが大部分が僕を感動させるような歌唱力ではなかった
彼女を観てたら髪型も手伝ってか大竹しのぶを連想した
大竹しのぶは歌も上手い
観たあとに調べたら演じているレニーが歌っているそうだ
クライマックスのステージはジュディが憑依したのか120%の出来だった
第一印象で気になったのはレニーが演じたジュディがあまりにも老けていること
本物をよく知らないがそれも含めて寄せてきたのか
日本の歌手でいえば福田こうへいみたいなものか
子役の頃の葛藤も描かれている
ジュディがステージでヤジられ逆ギレして客に言い返す場面が面白かった
ジュディ・ガーランドとは関係ないようだがこの作品を観たらJUDY AND MARYのバンド名の由来を思い出した
歌い手さんの伝記映画は普通に作れば最低でも星3は確実
これもまた例外ではない
だが逆に星5を与えたくなるような傑作は伝記映画では難しい
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