劇場公開日 2020年3月6日

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「繰り返されるスターの生き辛さ」ジュディ 虹の彼方に 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5繰り返されるスターの生き辛さ

2021年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、

これからは「星のナターシャnova」

以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。

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一人の大スターの晩年の数日間のステージの様子を
実話と脚色を織り交ぜて綴られた本作。

実生活ではアル中でボロボロの舞台裏から

毎夜毎夜どんな思いで舞台に立っていたか〜

舞台に立つことの恐ろしさや苦しさ
、
それでも一度喝采を浴びた者の性(さが)と言うのか
観客が喜んでくれる姿に自分の存在意義を見出して
さらなる
勇気を貰ってまた舞台に立つ。

エンターテインメントという夢の裏側で
どんなに酷い、セクハラ、パワハラ、

マインドコントロールが行われてきたのか

あまりあからさまには描かれていないけれど

それによって人生が狂ってしまった
一人の女性の最後の輝きの姿に

自然と泣けてきてしまいました。

さすがにアカデミー主演女優賞!!
ワンカットで魅せる歌声が素晴らしい!

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

ジュディー・ガーランドがどれほどのスターであったか
私も含めて多分、今の50代以下の人には解りにくいので
アカデミー主演女優賞を取らなければ
埋もれてしまったかもしれない作品。

私は「午前10時の映画祭」で「オズの魔法使い」や
「ザッツ・エンターテインメント」を観てるので
大スターのジュディー・ガーランドを記憶していて、
あの晴れやかな笑顔を作るために
どんな思いをしていたのか?

この映画の中でも、厳しい食事制限や

疲れて動けないのに無理やり当時の覚せい剤を飲まされて
働かされ、その副作用で眠れなくなると

睡眠薬を飲まされるという酷いシーンがあります。

あまりの生活に耐えかねてたまに反抗的な態度をとると

当時のプロデューサーに、セクハラまがいの
マインドコントーロールで服従させられる〜

そうして心身ともにボロボロに壊されたジュディーを
ハリウッドは「役立たず」として使い捨ててしまった。

ライムスター宇多丸さんが自身の映画批評の中で
主演のレニー・ゼルウィガーの演技が素晴らしいのは
言うまでもないけれど
、アカデミー会員の中には
主演女優賞を贈った気持ちの片隅に
当時のジュディー・ガーランドへの

ハリウッドの仕打ちの贖罪の思いもあったかも〜〜?
と言っておられました。

なんか解るわ〜〜。

「ボヘミアン・ラブソディー」や

「ロケットマン」のレビューでも書きましたが
スターになるのも大変だけど
スターで生きて行くのはもっと辛い〜

私ら平凡な者たちに
大きな楽しみと希望を与えてくれる全てのスターたちへ

限りない感謝と愛を贈ります。

@お勧めの鑑賞方法は?
こんな時節ですが、できれば音響の良い映画館で是非!!

星のナターシャnova