アンダー・ザ・シルバーレイクのレビュー・感想・評価
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ポップカルチャーの背後にあるもの
世の中にはいつの時代もポップカルチャーが蔓延っていたが、陰謀論などの「その背後にあるもの」を見ようとしなくなったのは一体いつからだろうか。
ヒットソングに隠された暗号、謎の連続殺「犬」事件、有名市長の謎の失踪、、、これらが全て繋がっているとしたら?このような考えは何故失われていった?SNSによる匿名の人間たちによる淘汰?
ロバート・ヴェンチューリはディズニー以上に人に望まれる建築を建てた者はいない、と語る。ある意味それは正しい。ディズニーワールドはポップカルチャーの集大成のようなものだ。しかし、ファンタジーが溢れる表向きの構造に対して、その下部構造の存在に注目する人間がどれだけいるだろうか。すなわち、我々が楽しく遊んでいる裏側には、上下水道の配管や、電気設備、またスタッフのバックヤードなどが存在し、ファンタジーを下から支えている。下部構造なしでは上部構造はありえない。下部構造のみでも退屈であるから、これらは相互補完的な関係にあると言える。
この下部構造に対して無関心になりつつある現代人への問題提起としての本作と捉えてみてはどうだろうか。ポップカルチャーが蔓延るその背後には、何かが動いているという認識。何にでもお金がかかるようになってしまった消費の都市。消費の背後には必ず生産があるという事。この世の中の構造基盤を見えずして、進歩はあり得ないのではないか?いや、そもそもポップカルチャーが必要とされるような退屈な世の中が問題なのか?
サムは見つけた。ポップカルチャーの背後に蠢く何かを。仮にそれがクスリによる幻覚だとしても、例え奇跡の発見と思われた事が何でもないモノだったとしても、無関心よりは遥かにマシなのである。
映画鑑賞もそうだ。映画の背後にあるものは何か?そう疑ってみる事が必要なのだろう。
薄い
こういう意味不明な映画が見たかった!
本作のような難解な映画は鑑賞中、その異様な雰囲気によく分からなくとも魅せられ、そのカオスにどっぷりと浸れる。鑑賞後も、それぞれのシーンの意味や象徴するものをあれこれと考えて楽しむことができる。このような映画の最高峰として自分は『複製された男』を挙げる。本作、『アユダーザシルバーレイク』は複製された男に次ぐ、自分の中では2番目に好きなこういう類の映画だった。
LAの綺麗な街並みと夜景、その裏に隠された冒険心がくすぐられる謎解きゲーム(しかも超難しい)。純粋に楽しい。主人公サム目線で謎解きをし、サム目線でその手がかりを追って冒険できるため、アトラクションに乗っている気になる。
また、自分を取り巻くものの“裏の顔”が主題となっており、自分が生きて行く中で触れ合ってきた数々の音楽の裏に隠された真実をはじめとして衝撃の数々が主人公を襲うという主軸が一貫されているのはこのような映画をより楽しくさせている。
本作の監督、ロバートデイヴィッドミッチェル監督の『アメリカンスリープオーバー』は本作においてとてつもなく重要な役割を果たし、もっと言ってしまえば本作はすでにユニバース化されてしまっている。『アメリカンスリープオーバー』は是非本作と併せて鑑賞してほしい。
現実に抗いたい
白昼夢?それとも...
ロサンゼルス・ハリウッドのお膝元、芸術家などが多く集まり時代の最先端を行く町と言われるシルバーレイクに住む青年サムが主人公。折角知り合ったばかりなのに突然行方を眩ました隣人の美女の行方を探し求めるサスペンス作品。他の評者も書いておられますが、兎に角分かりづらい。サムが町中を探し回る中で出喰わす出来事の一つ一つは脈絡が無いだけでなく、現実の話とは思えないものもあり、観る者を混乱させます。尤も、元々都市伝説に興味があるサムにとっては、それらが逆に彼女の失踪に何かの陰謀が関わっていると疑う材料になっているようで、少しサイキックな作品のようにも感じられます。ひょっとしたら、ラ・ラ・ランドがロサンゼルスのサクセスストーリーを描いたものだとすれば、これは、成功から縁遠く、結局競争社会の中で埋没してしまった残念な人たちを描いた作品なのかも知れません。家賃の取り立てに来られるところでは一瞬現実に引き戻されるものの、それ以外の時間帯は、白昼夢か妄想か分かりませんが、何れにせよ浮世離れしたサムの空想の中の出来事だったような... 一度の鑑賞だけでは、ストーリーの辻褄合わせが上手く行かず、このような思案に耽ってしまうこと必定なのですが、案外それこそが監督の狙いだったのかも知れません。何れにせよ、訳が分からない割には、妙に目が離せなくなる変な作品でありました。
感覚的な感じ
まあ、こういう奇抜な感じの作品にありがちですが、すごく感覚的な感じで、見る人によって感想が違うのかなあ?と感じました。ガーフィールドにスパイダーマンの本を持たせて、手にくっついた様に見せる部分とか遊びの部分もあって、クスっっとしました。
とても良かった
置いていかれた
正直に言って何が何やらさっぱり分からなかった。いやもう、単純に分からないのだ。ついていけない。
面白いとは思うのだ。なんだか全てが嘘くさいし、あんな無茶な暗号あるかよと思うし、何かに取り憑かれたかのように夢中になって逃げているのは目の前にある現実。世界は分断されていて、見えないメッセージが飛び交っている。妄想?現実?
...という映像と展開は目眩く感があり、映画であり、目を離せない。
のだが全く物語についていけない。まず、割と予備知識がないと読み解けないシーンが多過ぎるのだ。ソングライターのシーンは曲が殆ど分からないせいで完全に置いてけぼりである。兎にも角にも、映画に置いていかれている感じがすごい。共有できない壁を感じた。
熱狂的なファンを生みだすのは理解できるが、自分はそこに選ばれなかったんだなあ、という切なさが残る。
アンドリュー・ガーフィールドは極めて良かったです。
良く分からない
好き系要素てんこもり。暗号、謎の地図、謎の噂や都市伝説。 …が、意...
キレイで特徴的な映像のみ
映像が非常にキレイで、独特な構図やカット割り・カメラ展開に引き込まれ、過剰な音楽とともに、これこそ映画だと大きな期待を持ち続けながら画面を見つめていたけれど、正直、中身は全く分からない、というか意味不明。単にスタイリッシュな映像の連なりで終わったという感想で、見終わって記憶にあるものがあまりない。無意識のうちに、醜悪な映像を忘れようとしている自分がいる。安直な性描写や暴力表現がちょっと…内容があるように思えなかったので、いたずらに刺激的な映像を羅列していうに過ぎないと感じてしまう、それも140分間もの長時間…
謎めいていて刺激的な映像を求めるには最高の作品かもしれないけれど、自分にとってはやや嫌な作品だった。
カルトなやおい
不思議な感覚だった
なんとも不思議な感覚の映画だった。不気味だけど哲学的。卑猥だけどいやらしくない。ぶっ飛んでいるけど至って純粋。ドラッキーでサイケな映像だけど美しい。同じアパートに住んでいた犬好きでエロチックな美人に恋をしたけど、突然その彼女がいなくなり、必死で探し回るというストーリー。登場する人物は、悪い人じゃなっけどみんなどこか変人ばかり。ポップカルチャーにどっぷり浸っているハイウッド近くのこの地域、世界は暗号ばかりで、謎に包まれている、としている。一部の上層部に都合のいいように社会はできている、となっている。病的な街で、何を信じるか。とにかく彼女に会いたい。「ハクソー・リッジ」で見たアンドリュー・ガーフィールドの演技に引き込まれた。この映画、どう見るか、賛否分かれそう。デビット・ロバート。ミッチェル監督の言動に興味がわく。
映像と音楽は良いです。
ガロからのグリム童話
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