若おかみは小学生!のレビュー・感想・評価
全205件中、41~60件目を表示
若おかみは小学生!
ジブリで培われたメソッド全開! 天才アニメーター高坂希太郎の才気を見よ!
不慮の事故で両親を亡くした小学生のおっこが、実家の老舗旅館で若女将として働くことにより成長していく様子が描かれたファンタジー・アニメ。
おっこの祖母、関峰子の少女時代の声を演じるのは『言の葉の庭』『君の名は。』の花澤香菜。
おっこの旅館のお客さんである大型トラックの運転手、木瀬文太の声を演じるのは『魔女の宅急便』『ポケットモンスター』シリーズの山寺宏一。
2003〜2013年の間に刊行されていた大人気児童文学をアニメ映画化。
宮崎駿の一番弟子とも称される天才アニメーター高坂希太郎が、15年ぶりに劇場用アニメーションの監督を手掛けた。
因みに彼が15年前に監督として手掛けた作品がロードレースアニメの傑作『茄子 アンダルシアの夏』(2003)である。
『茄子』を始めて観た時から彼のファンなので、本作も観たいなーとは思っていたものの、メインビジュアルに敷居の高さを感じてしまい結局見ずじまい…🌀
しかし!NHKで放送されると知り遂に鑑賞〜。
やはり食わず嫌いはよくない!尋常ではないクオリティの名作アニメでした!
映画の冒頭、お祭りの場面でもう心を掴まれる。
美術の美しさも素晴らしいし、モブに至るまで生き生きと描かれた人物描写はまさに名人芸。
衝撃的なトラック事故の場面もダイナミックかつ繊細な描かれ方がされており、この時点でもう名作決定という感じでした。
おっこが旅館で働くようになってからの、日常描写の演技の巧さは異常なレベル。
卵焼きの瑞々しさや、度が強いことがわかる眼鏡の描き方など、細部に至るまで手が抜かれていない。
アニメーションの楽しさを決める異化効果をここまで堪能させてくれるアニメ監督が、国内に何人いるのでしょう?間違いなく高坂さんはそのトップランナーです!
このアニメーションのクオリティの高さに冒頭から涙目になっていましたが、シナリオも道徳性の高いもので非常に感動的🥲是非子供たちに観て欲しい。
とにかく、おっこの成長描写の一つ一つが丁寧で感動するんです✨
はじめは虫や爬虫類を怖がっていたおっこが、やがてそれらを平気に扱う様になる様子は、わかりやすい手法ではあるが、上手い。
両親の死をうまく受け入れることができていない様子をさり気なく描き続け、終盤のエピソードで、遂にその死を受け入れることができる様になったということを、説明台詞などではなくアニメーションのダイナミズムと演出で魅せてくれるところなど、うーん、やはり上手い!
話題になるのもわかる素晴らしいアニメだが、問題点もあるあると思う。
幽霊のウリ坊と美陽の扱いが、少し物足らないというか、エピソードが不足している感じが否めない。
最終的に成仏するわけだが、やはりウリ坊とおっこの祖母・峰子との絡みが見たかった。ウリ坊と峰子がおっこを通じて交流し、その結果として成仏するとか、そういうのが欲しかった。
美陽も同様に、真月とふれ合うエピソードが一つあると良かったのに。
あと、事故の加害者である木瀬一家が泊まりに来るというシークエンス。
これは映画オリジナルの展開らしいが、個人的にこの部分には乗れなかった。
鈴鬼によって面倒事が呼び寄せられるという説明が入っているので、展開的な不自然さはそこまでないといえばないのだが、予約してきた段階でお婆ちゃん気付かなかったのかいな?とかちょっと細かいところが気になってしまった。
水嶺さんとのショッピングに行くというシークエンス。このシークエンス自体は非常に良かったが、試着室で「ジンカンバンジージャンプ」という頓珍漢な曲とともにファッションショーをするというシーンだけは、過剰に子供受けを狙いすぎている様な気がして受け付けなかった。映画全体のカラーに合っていないのでは?
そして、やはり一番勿体ないと感じたのは、とても根源的なことなのだが、メインキャラクターのビジュアル。
おっこ、ウリ坊、真月、美陽、鈴鬼というメインキャラのデザインは原作小説のイラストに忠実なのだが、やはりこのデザインには抵抗を感じてしまう。いやまあ子供向け作品なんだから、そんなことを言うのもお門違いなんだけどね💦
メインキャラ以外のデザインは、高坂さんの持ち味でもあるジブリチックなリアリティのあるデザイン。
好みの問題と言われればそれまでなのだが、可愛いキャラデザとリアルなキャラデザが混ざり合っていて、なんかチグハグな感じがしてしまう。
おっこと峰子さんが同じ血筋の人間に見えないんですよね。
原作から乖離してでも、メインキャラをジブリ風なデザインにしていれば、もっと劇場にお客さんが入ったかも。
何はともあれ、日本に新たな名作アニメが生まれたことは間違いない!
見終わった後には頬を涙が伝い、心が洗われること間違いなし!
これだけの名作を作った高坂希太郎監督の今後の活躍に期待してます!!
ワクワクと老婆心がミルフィーユ状態
やりがいのある素敵なお仕事、自分にしか見えない秘密の友だち、オシャレで格好良い大人のお姉さん、カッコいい同年代の男の子、言いたいことを言い合って認め合える友だち(良きライバル)…。
小学校女児の頃に憧れたものがふんだんに散りばめられていて、小学生の頃の私が呼び覚まされてアラサーながらワクワクしてしまった。
これ小学生の頃に観たら絶対大好きになるやつ!
しかし、おっこちゃんが良い子で健気で泣ける…。
作品のストーリーも職業体験的な感じを予想してたら、序盤から思いの外主人公の女の子の境遇がハードすぎて戦慄してしまった。
しかも終盤におっこちゃんにふりかかる試練…。
やめてくれよ…!涙
おっこちゃん、人間でき過ぎてて、小学生の子とは思えん恩赦の心とプロ意識を持ってて、逆に心配になってしまった。物語としては感動的なんだけどまだ子どもでいてもいいのよ…!と個人的には老婆心が顔を出してしまう…。
物語としてはお仕事、オカルト?、友情、子どもから大人への変化、等様々な要素てんこ盛りだったんだけど、おっこちゃんが別れと出会いを経ることで、自分が一人ではないことに再度気づくことができたという内容に集約させていたのはすごい。
あと背景の描き方とかすごく綺麗で凝ってて印象的。かなり気合いの入ったアニメーションだった。
春の屋のような社会が必要
アニメ映画の長所である、美しい世界観、癖のあるキャラクター、繊細な脚本。この全てを網羅した作品。
題名は子供向けだけど、これは大人それも人生経験の多い人ほど刺さる気がする。それぞれの事情を抱えた訪問者とトラウマから立ち直る少女の姿を見事に描ききっている。これは本当に文字通り"描いている"としか言えない。
主人公がトラウマから立ち直っていく過程や幽霊たちとの別れがやや雑に感じるけどそれ以外は文句なし!
車好きの目線から見ると占い師の乗っていたポルシェ911やライバル的存在のお嬢様の乗っていたロールスロイスなど、細かいところまで丁寧に描いていた。
子供向けに作ったからかややあっさり感があった。
大人をターゲットにした作品として作っていたらどうなっていたのか?おそらく涙腺崩壊していた。
予習せずに観て良かった
評判が良いことから映画館へ観に行こうとしていたものの、タイミングを逸してしまっていた作品。幽霊が出る話だとすら予習していなかった。幽霊が出てくるファンタジーだと知っていたら、お仕事ものにファンタジーを求めない私は観なかったかもしれない。予習していなくて本当に良かった。残念だったのは「客室が少ない旅館なのに当日宿泊を受け入れられるの?」「人気旅館なのに頻繁に空室があるの?」という余計な思考を招いたこと。予定調和な印象が残念だった。お仕事作品を好む中で、頻繁に引っ掛かるのが「言葉遣い問題」。本作には全く引っ掛かるポイントがなく快適に鑑賞できた(女将修行を始めたばかりの小学生が完璧だなんておかしいだろうという人は多いだろうけれど私には良かった)。面白かったのは、おっこが若おかみになるきっかけとなった挨拶シーンの大人3人の反応。幾度も笑えた。そして、本作で何より気に入ったのは「ジンカンバンジージャンプ」。今すぐにもう一度聴きたい。
心が洗われた
小学生はおろか大人でも泣いてしまう
2019/02/14 早稲田松竹
2020/05/16 NHKで再見。
本当に小学生向けで作ってる⁈と思ってしまうくらい重厚なテーマを扱いつつ、おっこちゃんのひたむきさと鮮やかな色彩や自然の美しさ、いろんな人たちとの交流のあたたかさや面白さから引き込まれる名作。
基本的には、こんなしっかりした小学生居ないよ…とツッコミたくなるくらい、おっこちゃんも真月ちゃんも大人顔負けの女の子だ。人としても将来の女将としてもでき過ぎている。
あとなにかと皆身内を亡くしている気もするけれど、このあたりはあえてスルー推奨。
それでもこの作品が素晴らしいのが、すべての登場人物の存在が意味のあるものとして描き切っているところかなと。その人が生者か死者かを問わず。
気に掛けるということ
侮っていました
人気児童文学とは知らず。 立派すぎて泣ける
温泉街
関西弁の少年の幽霊(うりぼう)
千年続く瓦職人が作ってくれた鈴
うり坊は かなりどんくさい死に方
着物を着て所作の練習
若女将というよりは 仲居さんぽい
ライバルはピンクのフリフリさん
旅館戦争か
次々とキャラが出てくる
露天風呂プリン
鈴鬼クン
使い魔が3人
医食同源
着付けができる若女将
頑張り屋さん
トラックをみてPTSD
オープンカーギミックいい
失恋癒やしにとは意外
その時とは幽霊が見えなくなる時
3人と子供1人でその人数回すのきつくない?
素直に喜びを表す若女将が可愛い
アイディア料理
事故?まさか…
私をひとりにしないで
この辺から涙が止まりません
エンディングの歌だけちょっと違う気がする
京都の美山荘
有馬温泉 陶泉 御所坊
長島温泉ホテル花水木
丸井
まぎれもなく名作
ネットでやけに評判が良かったのを思い出し、今更ながらAmazonで視聴。
確かにこれは子供だけに見せておくにはもったいない作品でした。
まずこの作品が素晴らしいのは、過剰な演出で盛り上げるような姑息な手段を使っていないこと。
いわゆる感動超大作と呼ばれるものの中には、見ていてちょっと恥ずかしくなるような「演出で強引に泣かせにくる」ようなものが意外と多く、それでかえって気持ちが冷めてしまい、素直に感動できなかったりするものです。
私がひねくれ者だというのは自覚しているので、大勢のピュアなみなさんにとってはそれでいいのかもしれないけれど、ごく一部のワタシのようなへそ曲がりはこっそりと斜め下に視線を逸しながら苦笑いしているわけですね。
そんな私がちゃんと素直に泣けた映画なので、これは間違いなく名作です。
なんか納得いかなかった、よくわからなかった、というレビューもあるので無粋かとは思いますがざっくり解説しましょう。
まず誰もが最初に覚える違和感。両親を事故で亡くしておばあちゃんの旅館に預けられるという衝撃的な展開にも関わらず、落ち込んでいる様子がまるでありません。
これはこのあとの展開で徐々にわかってくる構成になっていますが、あまりにも唐突に訪れた信じられない出来事であるため、事実を受け入れられていないのです。
そして仕事の中に生きがいを見出して取り組んでいく中で、現実を直視できるようになり、クライマックスでようやく感情が爆発し、それを乗り越えていくのですね。
見えなくなってしまうおばけたちは、現実逃避の象徴なのだと思います。
エンディングがほのぼのあっけらかんとした曲なのがまたいいですね。
いまさらAmazonで見たヤツがなにを偉そうにって話ではありますが、ほんと老若男女問わずすべての人が見るべき作品だと思います!
良作だと思います
原作未読、映画版の方をAmazonPrimeにて視聴。
事故で両親を亡くした主人公が祖母の経営する旅館の若おかみとして
成長していく物語。映画版なので駆け足気味ではあるが、綺麗に
まとまっている。TVシリーズの方は未視聴なので、そちらではもっと
じっくりと描かれているのだと思う。
旅館のメンバー、ライバル旅館の跡取りである同級生、それぞれの背景を
もった宿泊客など登場キャラクターの個性と描写がうまい。
不思議要素として主人公にしか視えない霊の存在があり、主人公の心の成長
(両親の死とトラウマを乗り越え、これからの自分の居場所である旅館を
盛り上げて行くんだという決意等)と共にだんだん霊が視えなくなり最後は
お別れする展開が感動を呼ぶつくり。
美しいビジュアルの自然と建物、伝統を大切にしつつお客を呼ぶ方法を
いろいろ考え旅館街を支えていこうと模索してする地方の姿など、
しっかりと作り込まれた設定で安心感を持って視聴できる。
(原作が書かれたのは「若おかみ」の方が先らしいが)TVアニメ「花咲く
いろは」を先に観ているので、似通った設定やターゲット層の違いもあり
それほど強いインパクトは受けなかった。「若おかみ」はそもそも主人公が
まだ小学生であるのにあそこまではっきりと自己表現できるのはリアリティ
に欠けると思ったのが正直なところではある。
とはいえ、原作者が伝えたかったであろうものを限られた尺の中で映像化
しており、良作であることは間違いない。
小学生にはつらすぎる現実
児童文学のアニメ化となると子ども向けな気がして敬遠していた本作。原作未読でTVシリーズも観たことがない状態で鑑賞した。
背景の美しさ、キャラクターの動き、両親の死を乗り越えるというテーマ、大人にも楽しめるように作られている。
原作が人気シリーズって書いてあったから、映画版っていくつかのエピソードを盛り込んで作られたんだろう。若干駆け足で話が進んでいるような印象だった。一本の映画にするためとはいえ、もう少し余裕を持った作り方でも良かった。
また、幽霊たちが消えてしまう理由がよくわからなかったのも残念。なぜあの時点で生まれ変わることになったのか(おっこが大人になるに従って見えなくなるのかと思っていた)。映画オリジナルの展開?
ただ、幽霊たちとの友情や、主人公の成長、そして両親の死と向き合いョ乗り越えようとする姿は感動的だった。友人たちの評価が高かったのも納得。
全205件中、41~60件目を表示