「コニー・アイランドの出来事」女と男の観覧車 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
コニー・アイランドの出来事
50年代、マフィアがまだ暗躍し、戦争のきな臭さがまだ残りながら、豊かさをようやく夢見られる時代。コニーアイランドの遊園地と浜辺周辺だけで繰り広げられる病んだ人達の物語。
本作は、ケイト・ウィンスレットの独壇場で、熱演が光った。役どころは偏頭痛持ちで、少し誇大妄想癖のある、元女優ジニー。火遊び癖のある困った男の子の母親で、再婚相手の遊園地のメリーゴーランド係のハンプティと3人で暮らしている。
旦那と口論で頭痛を抱えながら、ウェイトレスとして働くが、日々の生活には不満だらけ。子供は学校に行かず問題ばかり起こし、旦那は優しくも生活力に乏しく、釣り三昧。そこへ、旦那の娘が、ギャングに追われて転がり込んで、頭痛のタネがさらに増える。そんな時に、海水浴の監視員ミッキーに出会い、深い仲になってしまう。
古き良きアメリカを表現したコニーアイランドを舞台に、おかしな家族の関係を描くわけだが、ケイトの演じる、ジニーのほんの少しの異常さが、この映画の魅力といったらおかしいだろうか。
子供を放って、若い監視員と逢瀬を重ねているのだから、とってもダメ女なのだけど、そのジニーが気になって最後まで観てしまう。
イライラした更年期のおばさまとして、怒鳴ったり、アスピリンを呑んで怒りを抑えたり、見事な演技。そこへ、どこかケイトの上品な顔立ちが、自称元女優のわがままさが加わって、ジニーという難しいキャラを、作り上げていた。不倫相手のミッキー役のジャスティン・ティンバーレイクが、古い時代のイケメンにピッタリで、華を添えた。
作品のメッセージとしては、よくわからないところも多いのだが、この映画のケイト・ウィンスレットを観に行くだけの価値はあると思う。