「グルグル回るよ秘密の恋が…。」女と男の観覧車 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
グルグル回るよ秘密の恋が…。
ちょっと期待しすぎちゃいました。
『ミッドナイトインパリ』のような、ファンタジックな雰囲気を想像していましたが…。
あまりにも男女関係がドロドロしていたので、イメージと違ってしまいました。
もう少し感情の起伏を抑えた方が監督らしさがあって良かったような…。
でも、でも、ファンタジーな要素は、音楽と映像の美しさで堪能させてもらえたので満足です(笑)
映画の舞台は、1950年代の遊園地と海というロマンチックな港町。
爽やかな風が流れる街並みですが、内容はドロドロの昼ドラのような男女の諍いが続きます。
これまでの監督の明るい楽しいイメージから一変しているため、面食らってしまう人もいるかもしれません…。
主人公の女性は、中年女性の代名詞のような、ケイトウィンスレットさん。
彼女の演技が、殺伐とした世界をより一層盛り立てています。
夫との愛に冷め、若い男性との恋に勤しんでいる中年女性の悲しい生活。
息子は万引きや放火を繰り返し、家庭も火の車。
家族の幸せなんて微塵も感じない、冷めた生活の中、唯一の不倫が彼女にとって心の救いとなっている状態です。
そんな彼との秘めやかな情事に、介入してきたのは夫の連れ娘。
暴力夫の手から逃れる為に、父親のもとに訪れた娘ですが、その女の可愛くて健気なこと…。
彼女の登場により、楽しい彼との甘い生活が崩壊し始めます。
男はやっぱり若くて可愛い女が好きなのでしょう。
あっという間に娘の虜になってしまった男。
中年の女には、若さも可愛さも持ち合わせず、虚無感ばかりが心を覆います。
あんなにも愛していた男を、あっという間に寝取られてしまった虚しさ。
そんな嫉妬心が、良からぬ事件を起こす原因となるなんて…。
『コニー、コニー』と陽気な音楽が流れているにも関わらず、ドロドロの人間関係が容赦なく描かれている今作。
夫との生活に疲れ、愛することを忘れた40歳女性にとって、共感できる作品なのかもしれません…。
まだ子供もいない私にとっては、まだまだ未知の領域。
いつか自分も、こんな誰かを妬み嫉妬する女性へと成り果ててしまうのでしょうか。
個人的に、こういう話はあまり好きではないのですが、昼ドラが好きな人にはきっと満足できるはずです(笑)
観覧車のようにグルグルと回り続ける、男への欲望が随所に描かれた、昼ドラのような世界を堪能しました。
いい気持ちで終わることはできませんが…。
男女のグチャグチャした恋愛が好きな人にはお勧めします(^^)
最後に…
おまけで、Coney Islandのポップコーンをもらいました。
何故、ポップコーンなのか?
その疑問は解消されず、試写場を後にしました。