希望の灯り

劇場公開日:

希望の灯り

解説・あらすじ

旧東ドイツの巨大スーパーを舞台に、社会の片隅で助け合う人々の日常を穏やかにつづったヒューマンドラマ。旧東ドイツ生まれの作家クレメンス・マイヤーの短編小説「通路にて」を、同じく旧東ドイツ出身のトーマス・ステューバー監督が映画化した。ライプツィヒ近郊の田舎町に建つ巨大スーパー。在庫管理係として働きはじめた無口な青年クリスティアンは、一緒に働く年上の女性マリオンに恋心を抱く。仕事を教えてくれるブルーノは、そんなクリスティアンを静かに見守っている。少し風変わりだが素朴で心優しい従業員たち。それぞれ心の痛みを抱えているからこそ、互いに立ち入りすぎない節度を保っていたが……。「未来を乗り換えた男」のフランツ・ロゴフスキが主演を務め、ドイツアカデミー賞で主演男優賞を受賞。マリオン役に「ありがとう、トニ・エルドマン」のサンドラ・ヒュラー。2018年・第68回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

2018年製作/125分/G/ドイツ
原題または英題:In den Gangen
配給:彩プロ
劇場公開日:2019年4月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第68回 ベルリン国際映画祭(2018年)

出品

コンペティション部門 出品作品 トーマス・ステューバー
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(C)2018 Sommerhaus Filmproduktion GmbH

映画レビュー

4.0スーパーマーケットというかりそめのユートピア

2019年5月29日
PCから投稿

悲しい

楽しい

知的

スーパーマーケットという閉ざされた空間をひとつの小宇宙に見立てるというアイデアは決して物珍しいものではないが、ルーティーンの繰り返しのような職場が、主人公に取っては自分を閉じ込めるのではなく、社会というものに繋がるための扉として機能していることに新鮮さを感じた。

一方で主人公に限らず、本作に登場する個人の「家」は一種の牢獄のように描かれている。「家」は孤独を色濃く感じる場所であり、彼らにとってスーパーマーケットは人と触れ合い、仲間意識を共有することができる場なのだ。

しかしやがてそのスーパーも、世の中の大きな流れの中にポツンと浮かんだ避難所のようなものであることが示唆されるのだが、だだっ広いところにポツンとある無機質なスーパーマーケットから豊かな人間ドラマを生み出し、オアシスのような温かみを感じさせてくれた監督の視点に、大きな魅力と希望を感じています。

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村山章

2.5何が言いたのかよくわからなかった

2025年6月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

食品管理の倉庫で働く無口な新入りが職場の年上の女性に想いを寄せるが彼女には夫がいた。不倫泥沼の話しでもなく凄い展開が来るわけでもなく、物静かに淡々とストーリーが進んでいくのでボケーっと観て頭をすっからかんにするには丁度良かった。でもちょっとよく分からない映画だった

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ゆうき

4.5東ドイツに限らない、普遍的なテーマ

2025年5月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

本作は、1989年東西ドイツ統一後の、旧共産主義東ドイツ側の人たちの日常と苦悩を描く。
長らく続いた冷戦の終結、という特定の背景はある一方、所謂「大衆」の代表のような、現場労働に従事する素朴な人たちの日常、という観点では、普遍的なテーマであるとも見えた。

印象的だったのは、スーパーマーケットの従業員たちが、仕事場を「家」「家族」のように捉えて働いている点だ。
職場の雰囲気は温かく、仲間の連帯感が強く、競争や対立よりも協力で仕事を進める。

これは、労働に希望を見いだしていた共産主義の良さの名残りだろう。
日本が近年急速に失ったものでもあるし、残念ながら、世界はあまりにも共産主義の悪口を言い過ぎたとも思う。
資本主義の効率化と競争についていけない人もいるし、そればかりが価値でもないのだ。

クリスティアンは、半グレ仲間から足を洗って真面目なスーパーマーケットの仕事に就き、同僚の年上女性マリオンに好意を寄せ、希望を見出す。
しかし、マリオンが既婚と知り、さらに彼女から冷たく当たられた日の夜は、いたたまれず半グレに逆戻り。

この不安定さがすごく人間らしいと感じた。
そして、半グレでも反社会でも、ある時小さな恋愛や人とのつながりから、まともな生活へと心を入れ替えられる可能性がある。
それが「希望の灯り」なのではないか。

最後は泣けてしまった。
派手なシーンは無いが、主演の好演をはじめ素晴らしい緊張感で撮影されている。
心が洗われる一作。

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らん

1.0周りの人たちが優しすぎる。

2025年4月6日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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fuyuna