半世界のレビュー・感想・評価
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人は半分しか世界が見えない
どの俳優も当て書きのようにハマってて、好演。特に中古車屋の面々は文句なし!
稲垣吾郎も、鈍感で頭の悪い不器用な田舎ものをリアリティもって演じてたし、コントロールできない狂気はハセヒロの十八番だ。
見えてない世界は他人の言葉や行動によってその姿を現す。でもやはり実際に見えるわけではない。追体験するだけだ。
というようなことは強く伝わってくるけど、ここまで台詞で説明しなくてもいいのに、と思った。分かりやすいけど、味わいを奪うような気がした
女性の視点から
『望郷』に思いを馳せることができる実に邦画らしい作品でしたし、40代50代の男性に受けが良さそうです。私としては、39歳にしてはちょっと枯れすぎ疲れすぎな感じがして、今の日本人の象徴なんだろうなあと思いました。枯れるには早すぎますし、『ディアハンター』みたいにPTSDになった背景の描写がもっとあったら共感できたかもしれません。傷舐め合うのもいいけど、ほどほどにしてねみたいな感じです。
3人の男性は田舎者なのに都会の匂いが隠し切れていませんでしたが、竹脇千鶴は流石でした。他の方のレビューにもありましたが、邦画には是非頑張って欲しいですし、ガンガン攻めた作品も観たいのです。『ジョーカー』みたいに攻めた脚本であれば、日本の俳優も覚醒ができるのにと思います。
父を知らざればその友を見よ
誰しもが持っている“残り半分”の世界。
それは、人に語らず、世間から認知されず、そして自分自身でも消化し切れていない自分の“半身(はんみ)”だ。
山が海端まで迫る小さな町の小さな物語。
(自衛隊の「海外派遣」は一瞬でもニュースフィルムかスチル写真を挟んだほうが若い観客には親切だったかもしれないね)。
3人の親友たちがそれぞれ中年になって再会する。そして大きくて補いようのないそいつらの半身の欠けをば助けてやろうとみんなしてお節介を焼く物語なのだ
友達のよしみというやつだ。
中古車屋でのヤクザとの喧嘩
「なんだ貴様は?」
「友だちだッ」⇒ここ最高!!
破れた雨戸を直してやる
おいおい話を聞いてやる
お前のことはお前よりわかっていると臆面もなく言う
親友の息子にウドンを食わせる
親友の子にケンカを教える
夫のプライドを支える
息子の進学費用のために妻は隠れて商談をまとめる
二等辺三角形の底辺=目立たない役回りを生き切ってやろうと腹をくくった三枚目の光彦。あの笑顔の奔走が物語の要所を締める。
光彦はホントは池脇千鶴が好きだったのさ。
見進めるうちにこの優しい関係の中で誰かが死ぬのではないかと不安がよぎる。目立たぬ扇の要=光彦の死かと思ったらフェイントで稲垣吾郎とは。
地味な死だ。
ウドンと、さんまと、質素な日々の弁当が、微笑ましくも慎ましやかな小道具だ。支え合う旧友たちの姿は、どんな酒池肉林の宴会にも勝る共に生きる食卓だ。
自衛隊の瑛介が青森に送っていたのも伊勢エビではなくみかんの箱だった。
弱いところへ、足りないところへ、ささやかに思いが流れていくんだ。
そして、年取った父親たちが息子たちに“陰に日向に”差し出す助け船がとーっても良かった。
・・・それらこれらを全部をその眼にとらえて、息子アキラは、反目し疎遠だった父親の生きていた世界を発見していったわけだ。
植木等は著書で言っている
「『おい』。『うん』。父親と息子はそう言っているうちに死別する。息子は父親を理解するには若すぎるのだ」。
(「夢を食いつづけた男: おやじ徹誠一代記」)。
「半世界」は、自分では埋められない。「棺に一緒に入りたい」と泣きすがるようなお節介な誰かが、また「父親のようになりたい」と思った“後悔先に立たず”の息子が、愛する存在の欠けの半分を埋めようとしてくれていたのだ。
自分半分と、他者半分と。それでその人間は完成している。
エンディング。
小さな学生服だった少年が、同じ子役とは思えない成長ぶりでスーパームーンの出現のように物語を完成させる。
カメラと演出のGJ。
素朴な炭焼き職人は地味に死んだ。劇的な何かを残したとか、アッと言わせるようなどんでん返しもない。
竹とんぼ一つとボソボソ声の留守電を残しただけ。
だから彼は彼としての存在をまっとうしていて、欠けがあるままの味わいを、友人たちと家族の眼差しの先に墨絵のようにして遺す。
・・・・・・・・・・・・・
稲垣の登用は賛否あるが、地が下手だから脚本全体の中で目立たない冴えない役どころを与えられていて、そこで活かされていたと思う。
いい邦画を観たと思う。
こんなにいい題名もあまりないと思う。
新しい地図に乾杯
皆様いつもこんな馬鹿なレビューを読んで頂きありがとうございます。まもなく映画館が開くかも知れません。しかし上映スケジュールもずれてしまっています。ラインナップを組むのも
大変ですが、関係者の皆様頑張って下さい。
さてこのお話は全編ロケでございます。場所は三重県です。えっ三重県?私の知人には三重県人はいません。えーと・・・
私は地方の方につっこむ定番の台詞があるのです。例を上げます。
和歌山県 お前らの主食は梅干しだよね❗️
愛知県 トーストに八丁味噌つけるなよ!
広島県 お茶漬けにもみじまんじゅうを入れんじゃねえ❗️
茨城県 主食が納豆で副食が白米だよね❗️
岡山県 お前らはタピオカの代わりにマスカット入れてるよね❗️
函館市 お前らはタピオカの代わりにイクラ入れてるよね!気持ち悪いんだよ❗️
一応言って置きますがツッコミは愛情ですからね。怒らないでね。では・・・三重県の人にはどう言ったらいいでしょう?えーと・・・
お前らさー 毎日伊勢海老食ってるよね❗️
それ単なる金持ちですから❗️
はい。くだらない枕が終わりました。ここからら映画の感想です。
主人公の高村絋(稲垣吾郎)は父親の跡を継ぎ製炭業をしています。妻 初乃(池脇千鶴)はしっかり者です。一人息子の明(杉田雷麟 すぎたらいる)とはあまり関係が良くないようです。
そこに小学生以来の親友 偀介(長谷川博己)が現れます。何か事情を抱えているようです。そしてもう一人の親友 光彦(渋川清彦)が加わります。自然な演技です。まるでドキュメント72時間のようです。
ロケ地は三重県の南伊勢町。風光明媚な美しい町です。落ち着いたら行ってみたいな。
絋が作る炭はウバメガシを原料にする備長炭で高級品です。金属的な硬さが有り、叩くとキーンと鳴ります。この音は劇中で効果を上げています。
また近年では消臭効果として使用されているようです。作るのに手間がかかります。炭の話しが長くて、すみません。
話しは淡々と進みます。三人はそれぞれ事情を抱えています。いじめや介護また製炭の苦労、色々な社会問題を織り込んでいます。けれど飽きる事は有りません。つい見入ってしまいました。
長谷川博己は鬼気迫る演技でかっこいいです。渋川清彦は安定の面白さ。それでも・・・
吾郎ちゃんが好きです。クズではないですが疲れた雰囲気がいい。お礼を言いたい。
サンキュー ゴロー❗️
本文中失礼な事を言って申し訳ございません。
読んで頂きありがとうございました。
渋さが光る
一言「40前の男三人。なるほどなあ」
◎よかった点◎
・小中生時代の同級生三人。過去があって今があるから、普通だと回想シーンが挿入されそうだけど。
会話や素振りなどで、なんとなく想像させて進むのがいい感じ。
「なぜ故郷に帰ってきたのか」も結構引っ張っていて。
後半は、「あの時のあれか」と膝を打つ箇所が出てくるのもよろし。
・男性俳優人三人も、それぞれに役に染まってましたが。
個人的には絋の妻役・池脇千鶴さんが、田舎の奥さんで母ちゃん役。いいわー👍。
・私が女性だからっていうのもあるのかな。
男三人のベタついていないけど、ちゃんと気にかけている関係。
そして絋の息子のことも、「男として」接しているのがいいなあ。
・阪本順治監督の、オリジナル脚本っていうのもナイス。原作じゃないところがね。
△いまいちな点△
・終盤前まで淡々と物語が進むのが、どうかな。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「(俺たち三人)二等辺三角形じゃなく、正三角形」
知らない世界
誰しも知らない世界が存在するのでは。
自分が見たこと無い世界、
海と共に生きる世界、
山と共に生きる世界、
コツコツ自動車販売を営む世界、
そして現世と来世。
いつかまた3人で楽しく酒を呑む世界。
また、家族が楽しく揃う世界。
そんな知らない世界が有って欲しい。
我々が生きてあるのは半分だけの世界なのかもしれない。
ゴローちゃんの演技はイマイチかもだけど
周りを固める役者が一流すぎるため、それでいいのかもしれないと思わされる。
起伏のあまりない地味な話かもしれないが、心に感じるものはある。
友人とはなんだろう、人とのつながりとはなんだろうかと改めて考える機会になるのかもしれない。
池脇千鶴と、長谷川博己が秀逸。
稲垣吾郎さん
稲垣吾郎さん、役者ですね。
無骨で格好いい。
アイドル時代しか知らないのでこんなに演技がうまいって知らなかった。
長谷川さんの意外な一面も観れた。
終始モヤモヤするストーリーだけど観入ってしまった☺
隠れタバコ
父と子の狭間にありながらも、コミュニティに属し、ただ自らが選んだ道を一人歩み続ける者の姿を追う。極端な演出なく、突飛な展開もない。味わい深い良作。
色気も残しながらも、母として妻としてどっしりとする池脇千鶴が好演。この安定感がなければ、もっと危うさを感じざるを得なかったかも知れず、紅一点ながらも見事に話全体のバランスをとったように思う。
キレた長谷川博己は若干のカタルシスあり。この役どころも良い塩梅。
じわじわ、いい
登場人物の3人組は幼なじみで、みんなそれぞれ悩みを抱えながらそれぞれ人生を歩んでいた。
その中の1人が、田舎を離れて自衛隊員となったが、やめて地元に戻ってきたところから物語は始まる。
彼は自衛隊時代に見てきたものが世界の全てだと思っていて、地元に残った2人のことは世界を知らないと思っている。それを半世界。だと。
でも2人がいる側も世界であって、半ではない。
人と人がつながりあって世界はできている。そういうことを教えてくれる物語。(だと思っている)
なんとなく今の人生を生きている、主人公39歳。
何かをやるには遅すぎて、諦めるには早すぎる。。自分が生きる半世界ではない世界で、なにを考え楽しみ生きるか考えさせられる映画。
渋川清彦、石橋蓮司、両氏が最高!
何となく気になって観たのです。
軽い気持ちで。
でもとても良かったです!
吾郎ちゃん、長谷川さんがあの町には綺麗すぎだったのが
ちょっと残念。
伏線も気持ちよく回収。
最後はそう来たか!と。
とにかく染みた!
こういう邦画ってホントに良いですね。
丁寧に作られた邦画の良さが随所に
映画のポスターの温かさそのままの作品。
メインの役者さん達は勿論ですが、
出演された役者さん達皆さんが、
この作品に惚れ込んで演じられている
と感じました。
旧知の間柄だからこそ、夫婦・親子
だからこその会話がジンと胸に迫りました。
長谷川博己さんの鬼気迫る演技に、
来年度主演されるの大河ドラマの
期待↗︎となりました。
映画館で観る事が出来、幸運でした。
劇場で観たかった
1人で備長炭を作る男とその周りの人たちの話
公務員にもならず地元の漁師にもならずなぜこんな苦しい生活を選ぶのか教えられても納得いかずよくわからない
結局主人公死んじゃうのかよ
僕はジャニーズの人が映画に出ても拒否反応示す人じゃないから悪くはなかったよ稲垣吾郎
ああもうジャニーズじゃないや
池脇千鶴いくつになってもかわいい
怒っても怖くない
主人公の嫁が献身的で健気
長谷川博己演じる元自衛隊が強すぎる
気迫の表情カッコいい
ボランティアだよと主人公に言われピシャリと戸を閉めるのが面白かった
でも結局バカのせいかこのキャラのバックボーンがだいたいわかったがそれでもいまいちぼんやりしてよくわからなかった
もう1人の親友はど田舎の地元で中古車販売
国道沿いとかもう少しそこそこ賑やかなコンビニはある程度の街でやるべきではないか
みんなうまくいってないけどもがきながらなんとか生きてる話
主人公は死んじゃうんだけど
エンドロールも楽しめる工夫あり
この40代を演じ切れる俳優が少ない事に残念。
田舎で炭職人を営む絋に、突然親しかった同級生が故郷戻って来た事で、ただ過ごして来た日常が変わって行くお話。
私ぐらい(40歳ぐらいの中年)が堅苦しい社会のなか田舎で細々と暮らす者、1度広い社会に出てもみくしゃにされた者、そんな人間達が40歳くらいの人生の境を機に、ふと人生を振り返れる作品、これからの人生を想う作品となっていた。(なのである程度歳を重ねて無いと面白くない。田舎と都会の暮らしを考えてみた事なければ尚更。)
当初、稲垣吾郎の作品に対しての浮きが半端なく「作品に合わないなぁ」と思いながらも、脇を堅める池脇千鶴や長谷川博己のある程度の中年力で作品をカバー。
後半も落ち着いた脚本にて映画らしい展開や映像になり、40代を描いた好きではある部類映画ですけど、味のある役者が池脇千鶴ぐらいでは、、、、。
やはり吾郎ちゃんは炭焼きもした事の無い坊ちゃんと思えてしまうし、これがある程度様になる他役者で人を呼び込める俳優で在ればと残念で仕方ない。
40代までアイドルという枠を引っ張り、まともな40代役者を造れなかった芸能界の弊害が表れてしまった映画とも言えます。
だから、今の20〜30代魅力的俳優の多さが羨ましい。
30代後半の男たちの夫々の生き様を濃密に描く
「半世界」の言葉の意味を頭の片隅で考えながら、阪本監督作品の世界へ没入。中学からの友人である中年男3人3様の生き方が丁寧に描かれている。
地元で地味に暮らす2人と、ある日暗い顔をして故郷に一人舞い戻った男たちが紆余曲折を経ながら徐々に交流を深めていく。
稲垣さん 長谷川さん 渋川さん という確かな演技をする男優さんと、それに絡む池脇さん(良い女優さんであるなあ)。
決して派手ではないが、見応えがある映画である。
<2019年2月15日 劇場にて鑑賞>
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