半世界のレビュー・感想・評価
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日本映画にしては非常に良い構成
東京国際映画祭で鑑賞。阪本順治監督の中ではかなりの傑作。とにかく構成力と脚本の両方が噛み合った作品。かなり長谷川博己を追い込んで作ったらしく、彼のある場面でのあの表情は滅多に見れないので必見!池脇千鶴がとても良い。キネマあたりの賞をとってもおかしくない。是非公開されたら見て欲しい。今年一番の日本映画である。
映画にしかできない表現
東京国際映画祭にて。コンペディション部門選出。
主人公の年齢が39歳。年が近いと割と切実なドラマではある。
ドラマティックな物語ではないが、それぞれの登場人物が非常によく描かれている。映画だから勿論虚構ではあるのだが、「嘘がない」。解ることも解らない事もあるが、ある程度突き放して描かれた「世界」が非常にリアルな質感があった。
演者はみんな凄いとしか言えない。同級生3名をあのキャスティングにした時点で勝利だと思う。全く役に違和感がない。それ以前にこのキャストつよい...。稲垣長谷川渋川て...!そして池脇千鶴て...!最高では...。奇跡では...。(単に好みという説もあるが、いやいや)
物語自体にはあんまり驚きがないまま進むのだが、最後の展開には心底吃驚したというか、個人的には最後いきなりそこに寄せるのか!この映画で!若干恐怖かよ!と思ってしまった。39歳が特別な年齢という描き方をしながらここに持っていくのか...。
Q&Aを聞いていると凄く細かい伏線を張ってあって(言われると納得する)、こちらが受け取る以上の情報量を作り手側が込めているのが分かって興味深かった。
ネタバレになるのでこれ以上は書けませんが...。
シリアスにもならず、かといってコメディにもならず、絶妙なバランスの人の物語だったと思う。こういうのは映画じゃないとできないのではないかな。
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