カツベン!のレビュー・感想・評価
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キャラメルの甘い思い出にホロり。
またしても周防正行監督の代表作が増えました。
題材は語りであっても、映画自体は語りすぎず説明台詞がなくちょうどいい塩梅。
活動弁士がいなくても活動写真は成り立つけど、活動写真なくして活動弁士は成り立たない。
同じ活動写真でも弁士がどんな風に語るのかで観客に伝わる内容は全く変わってしまう。
弁士の度量やキャラクター、絶妙な間合い、そういうものでずいぶん変わってくる。
モノマネではない自分の語りが大切だ。
俳優たちもお見事。
成田凌の魅力満載。黒島結菜は可憐だし、渡辺えりがいい味出してる。銭形警部みたいな竹野内豊も存在感のある永瀬正敏も良かった。
キャラメルの甘く懐かしい香りがするような結末も素晴らしかった。
エンドロールでは奥田民生のカツベン節が流れてきて、最後までじんわり良かった映画でした。
エンディング曲が抜群のでき!
周防監督のこの作品もgood!そして奥田民生のエンディング曲も抜群の出来栄え。映画の魅力を余すことなく、いやそれ以上に表現していた。映画の余韻に浸り作品の感動を噛みしめられたエンディングロール。奥田民生great!
無声映画は
台詞がないなら
画面の情報や音楽の抑揚から想像力を総動員して見るべきだとは思いますが、
この映画を見る限り、
私も活弁士が活躍する無声映画を見てみたい。
あれだけ人によって映画の解釈が違うなら
同じ映画でも何度も見る価値がありますね。
そんな職人芸があるとは知らず。
色んな芸風や考え方があって面白かった。
成田凌さんは今回見直しました。
今後の出演作も楽しみです。
映画への愛
東映の会社マークが、以前の見慣れた、波濤が岩に砕け散るものではなく、古色蒼然とした墨が滲んだようなものになっていたのには驚いた。
そしてファーストシーン、ガキっ子らが小立ちの中を疾走する。光と闇の光芒の中を横切る。するとその向こうに女形(当時は活動写真でも女人禁制)の役者が放尿しているのに気付きガキっ子が振り向く。我々もその有り様にビックリし呆れて抱腹絶倒する。以後のエンターテイメントの展開に期待が膨らむ。
梅子は芝居小屋の裏に俊太郎を誘い、その便所の掃き出し窓の小さな引き戸を開け侵入し、一緒に活動写真を見る。梅子と俊太郎にとっての活動写真への入口となるのは、その小さな引き戸となった。
また高良健吾が梅子(その時は松子)に襲いかかり迫ろうとしたときに、箪笥が飛び出し、隣り合った部屋で高良健吾と俊太郎が箪笥を互いに押し合って、掛け合い漫才のような格好になる。
ついにひとつの段の抽出しが落とされ、ぽっかりと穴が空いたようになる。その「長方形」の穴が、便所のぽっかりと開いた引き戸の「長方形」とイメージが重なりあう。もとより活動写真とは「長方形」であり、我々が視ているスクリーンも「長方形」である。
何か、この映画のひとつのモチーフのように感じられて仕方ない。どうだろうか?
ワースト 1 多分 今まで人生の中で 理由 これだけの役者をそろ...
ワースト 1
多分 今まで人生の中で
理由
これだけの役者をそろえ
昔のドリフターズのようなしらけた 長々の内容
出たのは あくび どこで笑えたか 教えてほしい
久しぶりに邦画で笑った
ちょっと思っていたのと違うけど痛快でした。
大正浪漫って感じですかね?
本物の活弁ってのを見たことが無いので
実際はどえだったのか気になったのですが、
てっきりシナリオを見ながら上手く
話しているだけかと思ってました。
まさか映像見ながらあんな事喋って
全く違う解釈させて笑わせるとは。
本当にやってたとしたらかなり面白い。
素晴らしい❗大正ロマン
子供のころ、明治生まれの親父に、昔の映画は音が無くて、講釈士が語ってたと聞いた事があった。
内容は、史実どおりか知らないが、周防さんらしい面白い活動写真でした⁉️
エンドロールで子供のころ聞いた、エノケンさんのパイノパイノパイ確か東京節だっけが流れて、すべて良し感無量でした、★10です!‼️
ドタバタ喜劇ですね
主演の成田凌と黒島結菜は良かったですね。他にも個性派の俳優さんがたくさん出ていて良かったです。見ているシニアの方が随所で大笑いしてましたが、期待感が高かっただけに個人的にはそこまで笑えなかったですし悲しさとこ切なさとかも感じることなく、全編ドタバタ喜劇で少し雑な感じがしました。
拍手
日本には落語や講談、浄瑠璃など物語りの文化が根付いている。
純粋なサイレントはなかったそうだが、活動弁士が自由に絵に物語を織り込んでいた時代を絶妙に描いた秀作。
よく練られたストーリーは時間をかけて丁寧に作り込んである。さすが周防監督。
惜しむらくは主人公のカツベンへの愛情をもっと深く見せて欲しかった。
いやあ、満足
12/22追記修正
----ここから----「無声映画をトーキーという」と誤っていました。トーキーは、有声映画でしたね。とても恥ずかしいので、そっと修正しておきました。----ここまで
黒島さんが、とうとう自慢できるであろう映画に出たらしいと聞き、いそいそと観に行った。
結果は、楽しめました!
肝心の黒島さんは出ないのですが、前半の長い導入部がことの他いいじゃないですか。
無声映画+活動弁士を観たことがない俺達なのに、まるで観ていたかのように錯覚するくらいまで、子供の視点から無声映画+活動弁士を見せまくる導入部があるからこそ、後半をスムーズに楽しめる。
そして、映画にはない楽しさが、無声映画+活動弁士にはあったんだなあ、と観ているこちら側の腑に落ちさせる監督の力、けっこうすごくないですか。
知らない時代を、リアルかのように描き出すという意味で、映画の力を見せつけてくれた作品!
それはもちろん、活動弁士を演じた成田さん、高良さんの見事な演技があってこそのものでした。
さらに、それを取り巻く俳優たちのすごいこと。
…奥田民生まで。俺は、テロップで見るまで気づかなかったが、ファンのみなさんならわかるのかなあ。
というわけで、ちっとも黒島さんの話ができなかったけれど、黒島さんは、期待通りに綺麗でした。おしまい。
観て、損しないよ。
弁当食べる映画ではないです。
手放しに面白かった。いつもの周防組の出演にまたかと思ったが、安定の演技で物語に華を添える感じでした。
物語がレールの上を外れない感じが物足りなかったが、そんな敷かれたレールの上を楽しんで観れたのは映画に力があるからだと思いました。
井上真央が妖艶で良いです。
今年度ナンバー1の邦画です。
成田の凌ちゃんたら 弁士役~ 🎵 セリフ スラスラ ウマイウマイウマイ
やや脱力系の役(愛がなんだ、さよならくちびる、ビブリア古書堂など)が続いていたので、こちらも油断してたわー 成田 凌 やるじゃん❗
導入は子役たちが可愛くて、上手で、これは反則だあ。
黒島結菜。おっ、ドラマ あしガールのヒロインじゃないか❗ 好きだったんじゃ❗毎週録画予約してたわー❗
この時点で、もう、幸せ。
色○はないけど、生命力に溢れて、幸せな気持ちにしてくれる不思議な魅力がある娘。子役の子からの引き継ぎっていうの? とても自然で、違和感なし。
話は脱線しますが、あしがーるの若殿様役だった、伊藤健太郎。非常に好感度高かったので、「惡の華」期待して見ましたが、年齢のせいもあり、いまいちでした。内容もツラい役で、明暗を分けた感じが否めませんなぁ。
周防監督映画、基本的にうんと悪そうな奴は出てこない。好きな役者ばかりで幸せ。池松壮亮、楽して美味しいとこ持ってった。井上真央はモガっぽい感じ、似合ってた❗
オケも三味線、クラリネット、太鼓だけなのにいい感じだった。
最後の音楽はパイのパイのパイの歌詞を変えた 「弁士節」
歌っているのは奥田民生だった❗❗❗
元歌は添田唖然坊の息子の演歌節だったような うちに 利根川なんとかという古い本があるんだわー
らーめちゃんたら、ぎつちよんちょんで、パイのパイのパイ~🎵
ぱりことぱななで、フライフライフライ🎵
気が付いたら、次の日も次の日も口ずさんでおりました。
自由なアレンジ
周防監督が、半年前の別のトークショーで、「日本では、“サイレント”時代の映画館が、一番うるさかった」と、“逆説的”な現象に言及していた。
弁士が語り、観客も騒いだからである。
本作品では、その様子が自然な形で映し出されている。
この映画の一番の見所は、サイレント映画は弁士の“口舌”一つで、内容さえ変更可能という、“自由なアレンジ”の面白さだろう。
内容を変えなくても、しゃべり一つでニュアンスは変わる。
冒頭の少年時代のマキノ映画から、ラストに至るまで、その面白さが全開だった。
ストーリーも、練りに練られており見事だった。
伏線はしっかり回収されるし、小道具も素晴らしい役割を果たす。鞄の金、怪盗「ジゴマ」、キャラメル・・・。
キャラクターも、それぞれが最後までブレずに、一貫した役割を全うしている。コメディーならではの、適度に“ぶっとんだ”キャラが多いのも楽しい。
“たんすの戦い”は、チャップリン風のコメディーで楽しめた。
しかし、ラスト付近の長すぎるドタバタ劇には辟易した。
活劇アクションを狙ったのだろうが、失敗だろう。周防監督には、この方面の才能はなさそうだ(笑)。
どうせやるなら、思い切って、“モノクロ & 2倍速再生”で良かったのではないか。その方が、古典的なサイレント喜劇風の可笑しみが出せただろう。
楽士の音楽も面白かった。
「青木館」では、三味線、クラリネット、打楽器の3人だけなのに、「たちばな館」のオーケストラよりも良い味を出している。
DVDでも楽しめるタイプの映画だと思うが、こんな映画なら急いで観たいものだ。
幸せはキャラメルの味
その存在は知っていても、実際には見たことのない「活動弁士」。その仕事ぶりや裏事情が知れるのではないかと、興味をもって鑑賞してきました。率直な感想としては、当時のノスタルジックな雰囲気が劇場全体を包み込むような感じがとてもよかったです。活動写真に夢中になる市井の人々の息づかいが感じられるようでした。
ストーリーとしては、活動弁士に憧れる少年の恋と成長と挫折をコミカルに描いています。ド派手な展開はないものの、小さな事件や出来事が次々と起こり、見ていて飽きることはありません。そして、その一連の騒動には因果関係があり、ご都合主義に陥ることはほとんどないので、序盤こそテンポがややのんびりしているものの、以降はとてもスムーズに展開していると感じました。
また、キャラメルの思い出、靑木館二階の床板、映写技師の宝物、映画監督との出会い等、序盤からいたるところに張り巡らせた伏線の数々を、中盤以降で丁寧に回収し続けているのもよかったです。特にキャラメルの甘さは、食べてもいないのに口にも胸にも広がってくるようで、脚本は本当によく練られていると感じました。
肝心の活動弁士については、単なる吹替的な役割ではなく、映像を自分なりに解釈して説明している姿が、実に興味深かったです。これなら、弁士によって作品の味わいが大きく異なり、人気弁士のもとに客が殺到し、映画館が人気弁士を欲するのもうなずけます。そんな人気弁士に扮する成田凌くんのカツベンぶりも、なかなか見応えがありました。
欲を言えば、活動弁士という職業の魅力や苦労や存在意義などをもっともっと描いてほしかったし、後味は悪くないもののラストはもっとハッピーに締めてほしかったです。とはいえ、映画好きなら、日本の映画黎明期を描いた本作を通して、当時の雰囲気に触れてみるのも悪くないかと思います。
ドキドキワクワク、「カツベン!」には遊び心と映画愛が詰まってる
今から100年以上前、映画にまだ音声が付いていなくて、活動写真と呼ばれていた時代。
海外ではサイレント上映だったけれど、日本では弁士と呼ばれる人がその脚本を作り、生伴奏に合わせてナレーションとセリフを生で演じて、人気を博していた。そんな花形活動弁士に憧れた青年のお話。
まず、主人公が少年時代に、映画の撮影現場を見に行くシーンがなかなか面白いです。空が陰ると撮影出来ないので、カメラを止めて晴れるのを待ちますが、その間、皆はマネキンチャレンジみたいに静止している。声は入らないから、監督はカメラが回っている中で大声で指示を出しまくる。多少のハプニングは気にしない。役者は、内容には関係なさそうな「いろはにほへと」「ちりぬるを」なんて言っている。多分、実際のセリフは弁士が決めるから、何となく喋っているふりをすればいいのでしょう。
という事は、つまり、弁士によって映画の雰囲気どころか内容まで変わってしまう、という事なのですが、映像を作っている監督の頭の中では、どの程度まで出来上がっているのでしょうね。
本作では描かれませんが、映画はやがてサイレント(無声)からトーキー(有声)へと移行して、セリフの訓練をきちんとしていなかった役者の多くが消えていったそうです。同時に弁士も、次第にその活躍の場を失ってゆきます。
しかしそれはもう少し後、本作では観客は弁士の話術に聞きほれ、皆で泣いたり笑ったり、実に楽しそうです。この一体感も、活弁の醍醐味なのでしょう。
この映画の作風も、この時代を象徴するような、明るくて、ドタバタした感じ。まあチャップリンもこんな感じだったし、日本映画もそうだったんだろうな。
でも本作は、喜劇として良く出来ています。登場人物がクセ者揃いで魅力的。意外な人がコミカルな演技をしていて楽しい。セリフに他の映画のパロディらしいものもあります。作中のサイレント映画も面白そうだし、出演者が豪華。確認しきれなかったので、エンドロールをもっとゆっくり回してよ、と言いたくなります。
もちろんコメディは、そういう仕掛けがわからない人でも面白くなければいけませんが、合格ではないでしょうか。
本作の主役である弁士の口上がとても素晴らしい。主演の成田凌さんの弁士ぶりもですが、永瀬正敏さんの七色の声は、必見、いや必聴ものです。
と、かなり気に入っているのですが、あえて言うとしたら、自転車での逃走劇、ちょいとのんびりしすぎじゃありませんか。観ているアタシは昭和生まれ。でも、時代は今や平成を通り越して令和。壊れた自転車じゃまともに走れない。平成生まれのお客さんには、ハエが留まれそうな鈍臭さだったのでは?ここはスピード感を出した方が盛り上がりました。
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