荒野の誓いのレビュー・感想・評価
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西部劇に興味のない人にこそ観てほしい
観終わって一週間以上が経過しているが、未だに思い起こしてしまう。西部劇ファンの私だが、ここまで心に深く突き刺さる作品は珍しい。西部劇史上に残るべき傑作。
設定・カメラワークなどは古き良き西部劇を踏襲している。ジョンフォードを彷彿とさせる。しかし、テーマとその扱い方は現代的だ。そしてアメリカという国家の成り立ちに深く切り込んでいる。
とはいえ、なかなかシビアなテーマに切り込んでいるが、表現方法・演出はとても内省的。登場人物一人ひとりの心が閉じられていて、寡黙で抑制された演出が、観る者に「理解」ではなく「共感」を促す。
マサノブ・タカヤナギの映像は見事だ。美しさがあるのは勿論だが、感情を映像が代替している。
クリスチャンベイルとロザムンドパイクの演技は素晴らしい。
他の方のレビューにあるように、邦題のせいか西部劇ファンは集まるが、西部劇ファンしか集まらないのは非常に残念。西部劇には興味のない映画ファンにこそ観てほしい。そう思える作品。
荒野の誓い
楽しめた。1892年、アメリカ・ニューメキシコ州が舞台。インディアン戦争の英雄で、現在は看守を務めるジョー・ブロッカーは、かつて宿敵関係にあったシャイアン族の酋長イエロー・ホークを護送する。ロードムービー。
冒頭から残酷なシーンで、途中も残酷なシーンで、心臓が辛い映画だった...
冒頭から残酷なシーンで、途中も残酷なシーンで、心臓が辛い映画だった。
銃撃戦や戦いのシーンが多く、一方でクリスチャンベールはじめ無表情で語る場面が結構多く、動・静がうまく使われていたと思った。
結構ひとが死に、それを想う家族や仲間の落ち込むところが、もういいよ勘弁してと思わせるほどたっぷり描かれている。そこが(見終わった今は)良い。
最後の終わらせかたも考えさせられる。
戦争は良いことはなにも生まない。
兵士は「仕事」として戦っていて、殺すことに何も思わなくなるくらいじゃないと正気が保てない。人を人と思ってたら務まらない。
ひとを殺すことには慣れてしまったけど、仲間をなくすことは辛い。
死を羨望することがある。誰かの死のうえであなたは生きている。
あなたが死んだら私の一部も一緒に。
いろんな言葉が印象に残る映画でした。
もがき苦しんだ末にたどり着いた思いとは。
仕事としてたくさん人を殺してきた陸軍大尉。
引退を考える時になって与えられた皮肉な任務。
命がけでかつての宿敵一家と共に旅をするうちに
[憎しみは何も産まない」ということを、
この旅を通じて、いろんな葛藤の中でたどり着いたのですね。
心の平穏がようやく訪れるのはやっぱり愛でしたね。
彼に良心というものがまだ残っていて良かった。
ラストシーンがまた渋い!
台詞なく表情だけで目で語れる俳優はやっぱり一流!
クリスチャン・ベールは素晴らしい。
ロザムンド・パイクも、今一番輝いている女優ですね。
和解
こんにちは、LEOです。
先日、「荒野の誓い」をみてきました。
全く呼び知識なし、予告も見たことない。ただ、公開されてると言うあらすじだけを見て、見に行きたくなった作品となります。
内容としては、昔、インディアンの長に仲間を殺され、その時の心の傷が癒えぬ間に退役となった主人公。
その主人公がある日、その必死に捕まえた長が癌の為、そろそろ里に帰らすために護衛をさされると言う感じで物語がスタートします。
感想としてはかなり最高の作品です。
決して最高のハッピーエンドとまではいかないにしても、最後は掴む物があったのではと言う感じです。
正直7.8月に素晴らしい作品がなかったので、この作品に出会った時は感動しました。
素晴らしい作品となっているのでお時間がある方はみてみてはいかがでしょうか?
あの凍りついたようなベールの瞳が全てを語る
久々のカウボーイものかとは行ったが、うーんシリアス。
開拓史の中で戦うこと、すなわち人を殺すことが仕事(生業)として兵士を忠実に遂行してきた人間の心の中を鋭く切り取った銘作やね。
クリスチャーンベールの澄んでるが、苦渋の苦しみの瞳に見せられる。
彼の少ないセルフよりあの瞳が全てを語る良い演技でした。
西部劇映画の行き着く先は
ニューフロンティアが無くなってしまって、ベトナム
アフガンと突き進んできた大アメリカ国、アメリカ人が、
21世紀の、令和元年の今、迷いながら作った西部劇なのでしょうね。
最初から、最後まで、迷い続ける主人公が描かれています。
それも、多くの戦死者、市井の市民の死を描写しながら、物語は進んでいきます。
馬車、列車、飛行機、ロケットの時代になっても、今だにアメリカ人は、合衆国は、
この映画の主人公のように悩んでいるのだと、主張している映画です。
内省的な話
時代と共に変化する価値観や正義。その中で人も変化を迫られるが、自分の価値観は変えられても過去の行いは変えられずいつまでもつきまとう。そのために心を病むもの、過去を正当化して変化を認めないもの、許し合い乗り越えるもの、様々な人の様子を描き出す。今の時代に強く訴えかけるテーマである。
抜けるような広大な風景は美しいが、登場人物たちの葛藤は息苦しい。
ただ、ラストは、評価が分かれそう。
丁寧で良心的な西部劇
館内は年配の男性客ばかり。
最近はめっきり少ない西部劇ですが、
ゴールデンリバーも久しぶりに良かったので期待して見てきました。
期待以上の本格的なリアルな西部の世界観で
アメリカの西部開拓時代の歴史を垣間見れます。
アメリカNo1のトランプ風ではなく過去の贖罪をテーマにしてるなぁ、と思ってたらこの映画2年前完成の日本では未公開作品でした。
西部開拓と言いつつ、原住民の迫害侵略を続けたアメリカの贖罪を丁寧に描きつつ友情や信頼、命の儚さ、色々楽しめた大人向け作品でした。
只ならぬ緊張感。
平日の昼だから、お客さん少ないかなと思ったら
さにあらず、初老の紳士淑女で7割位の入りでビックリ⁉️
久しぶりにいい映画観た!今年暫定1位です。
去年観た、ウインドリバーを思い出して、
色々考えさせる映画です。
1600㎞の自分探し
入り口から出口までずっと重苦しい。分かりやすいところから分かり辛いところまで其々が何かを抱えていて、要所要所でこぼれ落ちる。時間を感じさせる様に変わっていく風景は、同時にアメリカの大きさも静かに物語っていて、これも良かった。
先住民と開拓者の構図は日本で言えば北海道に当てはまったりするので、他人事とは捉えずこの重苦しい西部劇を、腹の底に落とし込んでも良いのではないのかな、なんて思いました。
地味だけど見て良かった
クリスチャン・ベールをはじめ、キャストは達者だけど渋い面子ばかり。
ほとんど全編色の無い荒野を、それぞれ悲しみと憎しみをもった人たちが旅をするという地味な内容。
しかも2時間以上の長い映画。
これだけだとさぞかしお尻が痛くなりそうだと思うかもしれないけど、途中ダレることなく最後まで楽しめました。
派手な演出は一切ないけど、途中どんどん人が死んでいき、その都度悲しみはどんどん増えていくんだけど、なぜか憎しみはそれに反比例するかのように薄まっていく。
地味だし多分記憶には残らない映画だと思うけど、見て良かったと思える作品でした。
ただ、ラストはそこまでしなくてもというくらいツラいけど‥‥。
ダイバーシティの潮流!?
インディアン戦争後の1892年、ニューメキシコ州フォート ベリンジャーからモンタナ州バレー オブ ザ ベアーに、癌で死期の近いシャイアン族族長とその家族を送り届けることになったブロッカー大尉と一行の話。
インディアン戦争ではインディアン達を殺しまくり英雄視された、インディアンに敵意剥き出しの主人公が、退役前の最後の仕事として半ば強制的に護衛任務を引き受けさせられ展開して行く。
ウエスタンと言っても開拓時代の直後のストーリーで謂わば余韻の時代の話。
とはいえ先住民と白人の戦いを描いている作品ではあるけれど、仲間や家族を殺された直接的な恨み全開の主人公やロザリーの心境の変化があまりにも急激でちょっと受け入れきれず。
黒人のメンバーもいたしとか拘るのが間違いなのか、単に自分が当時の情勢に詳しくないからかも知れないけれどそれも引っかかったし…。
面白くはあったけど、かなりまったり描かれていて、尺の割に余りエピソードが深くもなければ多くもなく、説得力が足りなくテンポも悪く感じてしまった。
美しい
見惚れるほど美しい映像で描かれる贖罪と、償いの物語はまさに傑作としか言いようがない。
痛々しいまでのアクションシーンも圧巻、様々な運命を背負った人々のドラマが魂に響く!
これは2019年ベスト候補かも・・・
ウエスタンの未来は明るいぞ!
恩讐の彼方にあるもの
物語は、ずっと重苦しい。アメリカの暗い歴史への鎮魂歌のように感じた。
過去に囚われたまま深い闇に沈んでいく者、何かの希望を感じて、前に進んでいく者。
過去を忘れることはできないが、未来に希望を見い出すことはできる。そのことを強く感じた映画だった。ラストシーンに希望を感じながら。
被害者意識がもたらすもの
なんと、SHADOWの試写状に続いて本作の
券も頂いた。多謝である。
試写会であるので、絶対にネタバレは出来ない。だから小ネタや情報をいれつつ、面白可笑しくレビューするつもりでいた。
しかし観終わって考えが変わった。色々と思う事があった。
荒野の誓いというタイトルから「荒野の用心棒」や「荒野の1ドル銀貨」のようなエンターテイメント作品だと思ったが違った。
登場人物は陸軍大尉、シャイアン族の首長、
未亡人、この三人のロードムービーのように
進む。油断しているとびっくりする事が多い。
最初の5分で度肝を抜かれ、最後まで気を抜くところがない。血で血を洗うシーンが続く。
その他、登場人物は多岐にわたる。
そのうち誰が善で、誰が悪か分からなくなって来た。
以前「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を観た時、アメリカ先住民族に興味を持ち何冊か本を読んだ、だから私は徹底的に先住民の視点に立ってしまう。ただ、良い人もいれば悪い人もいるように一律に語ることは出来ない。白人もしかり。
それぞれ観た人が判断して欲しい。
ただ攻撃的な人間、あるいは民族、または国家には特徴がある。それは被害者意識が強い事だ。
強い被害者意識は簡単に攻撃に転化する。
やられたらやり返す、倍返しだ!
それでいいのか?
それで昨今の日韓事情だ。日毎なんか嫌なかんじになっている。
韓国イコール、反日国家と思っていないか?
それでいいのか?
例えば2018年に日本に来た観光客数である。
中国は約800万、韓国は700万。なんだ中国の方が多いじゃん!
いや違う!中国は人口13億8000万、韓国は5100万だぞ!比率でいうと断然韓国の方が上だ。
(ただ台湾は人口2300万、観光客500万)
2000年の観光客数は全部で500万、それを考えれば空前絶後の人数だ。その頃は目指せ観光立国、目指せ2000万と言っていた。
いわば屈指の親日国だ。
アニメを中心に邦画は人気があるし、作家の東野圭吾は日本以上の人気だ。
スピードスケートの小平奈緒と李相花の友情は
涙を誘った。私は号泣だよ!
日本では ゴルフのイ・ボミは大人気。アン・シネも大人気。私はボミ派だ!
韓国では羽生弓弦が大人気!(私も大好き)
韓国で反日のデモをする人。それが全てじゃない!
また新大久保でヘイトスピーチをする人。
それも全てじゃない!
まずは冷静になろう。理解に努めよう。
映画から離れてしまった。すみません。
ちなみに映画では日韓関係の事は言ってません。当たり前だが・・・
映画を観ながらそんな事を考えた。
勝手な事を考えた。
以前ユーミンがテレビに出ているのを見た。
インタビュアーはバカリズムさん。そして
バカリズムさんはユーミンの「瞳を閉じて」に
ついて質問した。
「あのう、遠くに行った友達って島から離れた人だと思ってたんですけど最近死んだ人かなって思うんです。いったいどっちですか?」
ユーミンは素晴らしい答えをした。流石天下のユーミンである。
「それは聴いた人が感じた方が正しい答えです」
私は感激した。永遠の嘘をついてくれた!
種明かしをしないでくれた!
映画も音楽もリリースした時から、受け手の
もの!たかが作者がえばるなよ!
映画の原題は、、
Hostiles 敵対的 うーむ意味深だ。
一応言っておきますが、普通に良い映画です。
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