バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価
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たかがカンニング、されどカンニング
ハラハラどきどきしながら見ました。カンニングはいけないことなのに、なぜ、こんなに映画が楽しいんだろう…と、ちょっと罪悪感がありました。笑
主人公の女の子、リン、最初はメガネをかけた、幼い感じのガリ勉ちゃんという感じだったのに、映画の終盤では、成長してめちゃかっこよくなっていてびっくり。ピアノの指の動きで、答えを仲間に送るところは、「なかなか、やるなあ」と思いました。その辺りまでは、ちょっとした「アルバイト感覚」でしたが、それが、あのような国際規模の計画的なビジネスがらみの頭脳戦に発展していくとは。後半もスリルがあって面白かったですが、ラストはちょっと考えさせられました。
不器用で真面目だったバンクは、結局、貧しさに負けてしまったのか。お金に目がくらむという言い方は月並みですが、貧困ゆえの結末という感じで、バンクを責める気持ちにはなれませんでした。リンはといえば、決して裕福ではない家庭で育ってきたものの、カンニングの動機は「お金」だけではなく、友達を窮地から救う、という普通の気持ちからカンニングをしてしまいます。ラストで真実を告白すると、自分だけじゃなく多数の友人の人生をも棒に振ってしまうので、その点については、深く悩んだでしょうが、明るい光の差す方へと進んでいくところでエンディングとなっていました。
本当に個人的な話なのですが、自分の父親が大学の卒業試験でカンニングをしました。正確にいえば、友達に答えを教えて、カンニングさせたのです。ところが、それがバレてしまい、父親はあと一歩というところで卒業ができませんでした。そんなこともあって、「楽しめた」といえども、人ごとには思えない怖い映画でした。たかがカンニングといえども、人の人生を大きく変えてしまう危険な行為であることは間違いありません。
※エンドロールが流れて、もう終わったなと思ったら、タイの学校(クルンテープ・タウィパンヤー校)の校歌が字幕付で流れてきました。3番まできっちりあって、よく読んでみると、皮肉たっぷりでした。見逃した人もいるかも。アベンジャーズシリーズみたいに、最後の最後まで見なくちゃいけません!
教育という一大ビジネスの可能性と闇
予告編でカンニングサスペンスというのは見聞きしていた。
オープニングすぐ、主人公リンが合せ鏡に写る姿が映され、尋問を受けるシーンが描かれて物語が始まる。尋問らしく、その室内は暗く、重苦しい雰囲気が漂っている。
この尋問は、カンニングがバレたから?と不安に駆られるが、尋問される登場人物たちは皆一様に強気な姿勢だ。
尋問の真意は分からぬまま、リンたちの学生生活が映し出され、消しゴム、指使い、スマホを巧みに扱いつつ、スリリングなカンニングシーンがとてもハラハラさせられる。
リンの秀才さはわかっていつつも、やはり行為のリスクの高さは明白で、用意周到なリンたちの完璧さと閉ざされた静寂な試験室で巻き起こる熱量の高い(実際額に汗している)カンニングスペクタクルに息を飲んだ。
そして、その合間合間に、例の暗く恐ろしい尋問シーンが挟まれるのだ。
1人の友人間で始まり、クラスのほぼ全員がリンをカンニングしているという一種のカオスと化した空間は異様に映った。
学歴社会の中で、同じ土俵に立っているが故に成り立つカンニングビジネスを始めた。"教育"は経済学上では便宜上、投資ではなく、消費の部類に入るらしい。つまり、カンニングも勉強を教えることでお金を得ることも、目的が"試験に受かること"のみであれば、大雑把に見れば一緒と言えてしまうのかもしれない。
リンと同級生で正義感が強い秀才バンクは、リンの回答をカンニングする友人を告発し、リンの海外留学の資格を剥奪してしまった。そんな彼自身も、海外留学の試験前日に襲われ、試験を受けられずどん底に陥る。
そして、リンからの誘いでカンニングで教える側としてリンと組むことになるが、バレて捕まってしまう。
その後、リンと再開した彼は随分と人が変わってしまって、リンを失望させる。
ここで、オープニングとは対照的な清廉潔白の象徴のように白一色の部屋で、リンが大学の希望学部を語っている。
カンニングに懲りたリンがバンクに見たのは、カンニングを始めたころの自分だったのかもしれない。
全篇を通して、スリリングにあふれ(シャー芯がなくなることですらこんなにハラハラするなんて)、またリンとバンク、友人たちの絆や裏切り、ゲーム理論的要素も組み込まれ、行為としては大きいものではないが、世界を股にかけた世紀のカンニングスペクタクルが、新鮮で斬新でとても楽しく仕上がっていた。
悲しい
リンが悪い方向にバンクを変えてしまった
あんなに正義感に溢れて実直だったのに…リンと金持ちの友達に人生を狂わされて…あんなゲスになるとは
悲しい映画
リンは最後全てを告白する
タイ映画初めてみたけど、みんなが言っているようにスリリングなカンニング劇と社会派映画
後半まで我慢…
前半のカンニングキャッキャ時間はほんとに苦痛…。
そもそも他力本願で金で解決する輩が生理的に苦手なので映画だとわかっていても胸糞悪くなった。
ただグレースの自分の可愛さわかってるし、それにお金をプラスすれば最強でしょ♡って演技はとても上手。(死ぬほどムカつくけど。)
ピアノの鍵盤カンニング方法も物理的に無理でしょ。
でもこれが後半に効いてくるんだけど、それでも冷めてしまう…。映画だから、映画だし…と我慢した結果!!
後半の時差を使ったカンニング開始からの、バレちゃうからの、地下鉄まで追跡、まではハラハラする!
ここまで見る価値ないわ、とすら思ったけど急に面白くなった!
最終的に、正義感も優しさも実直さもピカイチだったバンクが悪事に目覚め、頭の良さをそっちに使おうとしてしまうのが悲しかった…。
こんなことになったのも、全てリンが始めたこと。
最後の告白シーンで、バンクのことをちゃんと説明してバンクが名門大学に進学できましたーってなってるといいな。
スピィーディな展開
世の中は、絶対に不公平だ。
バカだけどいい学校に行けて
いい会社に入れる。
家に金があればな
勉強ができても金がなければ
冷や飯を食わなくてはならない。
リン役の方が脚が美しく
魅力あるね。
カンニング:インポッシブル
2014年、中国で実際に起きたカンニング事件を題材にしたタイ映画。
タイ映画ってあまりイメージ沸かないが、これは面白かった!
劇場公開時の口コミ評判の良さから密かに期待していたが、期待を上回る面白さ!
教師の父親と二人暮らしの天才少女リンは、特待奨学生として名門進学校に転入。
勝ち気な性格でなかなか友達が出来なかったが、フレンドリーだがちと勉強が苦手なグレースと仲良くなる。
あるテストの時、困っていた彼女を“助けた”事をきっかけに…。
カンニング大作戦①
消しゴムに答えを書くという、誰もがやった事のあるカンニングの定番。(←あるのか?)
巡回する先生の監視の目をすり抜け、靴に答えを書いた消しゴムを入れて後ろの席の友達に渡そうとするが…。
友達を助けるほんの出来心だった。
しかしこれをきっかけに、ディープなカンニングの世界へ…。
グレースの金持ち彼氏から、“カンニング・ビジネス”を持ち掛けられる。
当初は渋るが、たんまりの報酬を条件に引き受ける。
次なる作戦は…
カンニング大作戦②
中間テスト。
密かにカンニング・ビジネスが知れ渡り、“生徒”が増える。
複数にカンニングさせなければならない。
そこで考え付いた方法は…
ピアノの手の動き。
答案はマークシート。
ある手の動きならA、別の手の動きならB…と覚えさせ、リンの手の動きで合図する。
が、ここで問題発生。
テストは2種類。皆、受けるテストはそれぞれ。
試験時間も限られる中、天才少女リンは機転を活かし、これを切り抜ける。
このカンニングを見抜いた者が居た。
リンと同じ特待奨学生の秀才、バンク。
真面目で不正は許さない。
リンらのカンニングを告発。
リンは奨学生を取り消しに。
やっぱり、やるんじゃなかった…。
しかし、再びグレースとその彼氏からビジネスを持ち掛けられる。
グレースと彼氏は、アメリカへ留学する為に各国で一斉に行われる“STIC”を受ける事に。
リンの協力ナシでは合格は不可能。
先の中間テストで痛い思いをし、当然乗らないと思われたが…、リンは引き受ける。
更なる莫大な報酬もさることながら、一度ハマったカンニングの世界からは抜けようにも抜けられないのか…?
だが、今回のテストは世界的なものなので、監視も当然厳重。これまでの比じゃない。
この“超難問”にどう挑むのか。
リンは、ある大胆な作戦を思い付く。それは…
カンニング大作戦③
世界で一斉に行われるテストだが、時差の関係で何処よりも早く行われる国がある。
シドニー。
時差は4時間。
リンがシドニーに行ってテストを受け、答えを暗記し、あらかじめトイレにスマホを隠しておいて、テストの合間の休憩中に答えを連絡する。
でも、さすがに一人じゃ不可能。もう一人、同じレベルの天才の協力が必要。
そこで白羽の矢が立ったのが…
自分に苦渋を舐めさせたバンク。
勿論バンクは断るが、グレースの彼氏がある卑劣なやり方で仲間に引き入れる。
はっきり言って、皆自己チュー。
でも、やるしかない。
リンとバンクはシドニーに赴き、グレースと彼氏も準備万端。
いよいよ、史上最大のカンニング大作戦が始まった…!
とにかくこのカンニング・シーンが、ハラハラ、ドキドキ、スリリング、緊張感、緊迫感…どんなに該当する言葉を並べたって足りない。
最近見た映画の中でも随一!
自分たちもテストに合格しなければならない。
と同時に、正確な答えを連絡しなければならない。
休憩の度にトイレに少々長く籠る。
やはり、疑いの目が…。
遂には、バンクが…。
テストのプレッシャー、カンニングのプレッシャー、グレースたちから答えの催促、孤立無援…。
本当に目が離せず、グイグイ引き込まれる!
このカンニング大作戦の“答え”は…!?
キャストでは誰よりも、主人公リン役のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンの、凛とした魅力と好演光る。
全くの無名、初めましてだったが、要注目!
演出、脚本、映像、編集、音楽、音響に到るまで、洗練されたセンス。
監督ナタウット・ブーンピリヤの手腕は見事!
本作から見えてくるのは、学歴社会の国の実態。
学歴が全て。物を言う。
それがかえって学生たちの重荷になる。
不正を産み出す。
それを通じて浮き彫りにされる、格差、校内ヒエラルキー、受験戦争…。
各々何かを背負っている。
思惑や駆け引き。
シリアス面だけではなく、学園コメディ要素や青春、友情、淡い恋…。
それらも巧みに織り交ぜた。
カンニングを題材にしても、決してそれを肯定して描いてる訳ではない。
カンニングは不正。
得たもの、失ったもの…。
罪を認め、告白し、ほろ苦くも、爽快ですらある。
カンニング・シーンはクライム・ムービーか『ミッション:インポッシブル』のような大作戦、
センスは『ソーシャル・ネットワーク』のようなスタイリッシュさ、
ティーンの葛藤や社会派テーマ…。
第一級のインテリジェンス・エンターテイメント!
面白いけど、天才っぽさは薄い。
高校でのカンニング作戦はさ、リンが前の方の席で教室の左の方でなけりゃできひんやん。そして同じクラスでないと無理じゃんよ。
そしてこのクラス一体何人バカなん?なんでそんなにカンニングしないとダメなの?
と、思いました。
アメリカ留学用の試験もさ、トイレにスマホを仕掛けてもその個室に絶対入れるとは限らないし、今時はタンクがさわれない所も多いよね。そしてタイで受けられる人がシドニーで受験できる?できなくね?って思いました。
パットとグレースはあれで大学入れても卒業絶対無理やん。そこわからんかな?っておもった。
バンクは不憫でしたが、ラストでダークサイドに落ちましたね。アナキンがダースベイダーに転じた的な。あーあって感じですねー。
無駄にハラハラさせるし、心臓に悪いけど面白くないことはないですが、所詮は高校生だからでしょうが、作戦がショボめです。
ぜひ映画館で観てハラハラして欲しい
映画館で観て良かったなと思える素晴らしい作品でした。大満足!
とにかくハラハラさせられて、細かいところまでよく計算されて作られており、楽しく盛り上がる部分もつらい現実もしっかりと描かれ、完成度が高すぎる作品です。
この作品の一番良いところはキャスティング!とにかく、皆ルックスが役にピッタリすぎで、リンはリンだし、バンクはバンクだし、グレースはグレースそのものなんです。。
キャラクター設定が細かくて、かつ役者がピッタリで魅力的。This is 最高。
リンがバンクに惹かれるのもとても自然にわかるし、彼らがラスト短絡的な展開にならなかったのがまた120点。
あと、グレースがガチでアホな感じがとても良かった。
うつ展開ありますが、、なぜかそれほど胸糞悪い感情が残ることはなく、観賞後「大満足」と思えたのも彼らのキャラクターがとても魅力的だったからだと思います。
観るものを圧倒させる展開がGood
最初の展開から予想をいい意味で裏切られ、最後の展開も裏切られ、、、
観終わってから「やられたぁ〜」とスッキリ気分で笑顔になりました。
それに加えて「出来ればこういう締め方が良かった」という感想を言い合いながら余韻に浸れる映画だと感じました。
残念だったトコロは、、、
特に思い浮かばないです。
見どころとしては、、、
「たかがカンニング。されどカンニング」
次から次へと思いつくカンニングの手法やギリギリのところで思いつく方法の妙技にココロが踊りまくりましたっ!!!
(決してカンニングを肯定している訳ではありません。)
これを日本版でやるとなると社会背景やお金の価値観など異なる世界観になるのでまた違った展開も予想されるのではないかとワクワクしてしまいます。
結末に不満があるが面白かった
最初はコメディ。友人を助けるためのちょっとしたカンニングが、だんだん大ごとになっていき、クライマックスはすごくスリリングなサスペンスに。演出が見事でハラハラしっぱなしで楽しかった。
ただ最後、ダークサイドに落ちてしまったバンクを振り切ってリンが出て行ってしまったのは残念だった。カンニングに誘うバンクに、リンはビックリしながら落胆したようだが、それ、もともとあんたがバンクにしたことですから!確かにバンクも作戦に加わらない選択ができるチャンスが何度かあったのにそうしなかったのはバンクの弱さかもしれない。でもだからこそ、同じ過ちから這い上がろうとしているリンには、バンクに手を差し伸べて欲しかった。
主要キャストの若い俳優陣は、みんな良かった。
ピアノの先生
タイ映画なんですね〜
そして
実際にあった不正入試事件らしいです。
緊迫感あったぁ〜
カンニングさせる方もする方も
大変過ぎます‼︎
スタイル良いし
リンが整形したら菜々緒みたいに
なるんだろうなぁ
グレース
岩佐真悠子に似てた?
バンクは最後まで
正義を貫くと思いきや
金儲けにも目が眩んじゃって
ちょっと残念でした。
エンドロールで流れる
校歌(笑)
カンニングに潜む社会の格差
物語自体は至って単調。しかし、カンニングの方法がなかなか考えられていてそこは面白かった。最後はカンニングをした結果、一見幸せそうに見えるが大事な友を失ってしまった生徒や実家のクリーニング店を少しでも裕福にするためにカンニングでお金を得ることを選んでしまった生徒、そして自らの過ちを受け入れ前を向いて進んでいこうとする生徒それぞれの対照的な姿が印象的だった。
搾取
エンタメ性と社会性の配置のバランスが本当に見事で、最後までワクワクハラハラ楽しく鑑賞しました。リンやバンクは超天才ですが、超天才であっても家が貧しければ、裕福な馬鹿によって利用されてしまいます。それは学生の試験だけに限ったことではないですよね。
ラストでバンクは欲望に負けてしまいますが、リンは違いました。監督は、人の頭脳や良心すらも金持ち連中に搾取されている社会への批判と同時に、それでも人間の良心を信じる気持ちを描きたかったのではないでしょうか。
面白かったです(ΦωΦ)
主演4人が揃って美男美女なのは、
まあ見やすさと、見てて楽しいのでいいのですが、
日本の映画みたいに、
「配役ありき、この役者でお願い」な事情でないことを祈ります(ΦωΦ気にはならないけど。知らないので)
カンニングの方法としては、消しゴムはベタかな〜とは思いましたが、
ピアノの運指に移行してからは俄然面白さが増しました。
アレを覚えるだけでカンニングの必要ないぐらいの頭の良さはあるんじゃない?みんな。
でも、時間が迫る〜だとか、設問は2タイプある〜だとか、
トラップの数々で飽きさせません。スリリング。
アメリカの映画にありがちな
「んも〜言わんこっちゃない」なイライラ感ではなく、
どうなんの?どうなんの?なジリジリ感が独特で、
退屈はしませんでした。
何より楽しかったのが、登場人物の性格が様々で魅力的でした。
合わせ鏡
手汗ダラダラ。とんでもない緊張感とコミカルの緩急にやられて非常に楽しい圧巻のエンターテイメントだった。
「カンニング」というセコい行為を美談にはせず、だからといって変に説教くさい雰囲気にはならずのバランスが良かった。
答えを教えられる側よりも教える側の天才を中心に置いているので、私の罪悪感があまり刺激されずに観られたのかも。
だってあんなの、応援せずにいられないでしょう。
答えの書いた消しゴムを後ろに回すだけで過剰にスリリング、カンニングの規模が大きくなると共に煽りも強くなり悉く起きるハプニングにハラハラドキドキが止まらなかった。
最後はだいぶ心臓締め付けられた。
リンにとっても観客にとっても正しい答えを示されてホッとすると同時に、その先に見えるそこそこ絶望的な状況にショックを受ける、凄いラストだった。
罪は罪、不正は不正。
金稼ぎに目覚めてしまったバンクとは対称的に、真っ向から自分と向き合う覚悟を決めたリンの最後の姿。
彼女の未来も友達の未来も棒に振る行動ではあるけれど、希望を感じる白い光がその周りを包んでいたのがとても象徴的に感じた。
「何とかなるよ」と優しくリンの背中を押す父親も、最初に学校での行動が発覚した時とは全く異なる態度で。
グレースが咄嗟に付いた嘘の、彼氏との旅行の話はどこまで信じていたんだろう。
空港でリンを迎えた時の表情は、一人娘に彼氏が出来てそれを隠されていた寂しさだけには見えなかった。
それにしてもバンクの変化は悲しい…あんなに実直素直で不器用で可愛かったのに。
一連の事件を経て得たお金を使って店を大改装した時、一体どんな気持ちだっただろう。
彼の頭脳があれば名門校を卒業して名門大学を出て良い会社に入ることもできただろうに。
それよりずっと手っ取り早くお金を手に入れ家業も絶やすことのない方法を知ってしまった時に、彼が信じ支えられてきた何かが抜け落ちてしまったんだと思う。
そのなってしまったのは紛れもなくリン達のせいだけど、バンクがまたいつか大切なものを拾い上げられるように願っている。
顔はイケメンなのにパッツン前髪の微妙なダサさが可愛くて好き。ほんとに。
グレースとパットの典型的な金持ち一家の子供感も良い。どうしても憎めない。
勉強は出来なくても人の心に入り込むのが得意で何だかんだカンニンググループの補佐として活躍しているので仕事は出来そう。というか指の動き覚える前に公式覚えなよ!
友情があろうと何だろうと、自分で努力をせず友達を金で買い利用する重さを全く分かっていなかった二人には、これから大層な修羅場が訪れると思う。
持ち前の要領の良さで何とか乗り越え、リンの行動から今一度自分たちのしてきたことを振り返り学べたら良い。
特にパットは倫理観が終わってるので…
少々オーバーな演出がぴったり合っていた。
冒頭からちょくちょく挟み込まれる尋問のシーンが練習時のフェイクだと分かる瞬間は鳥肌モノ。
友情、家庭環境、仄かな仄かな恋心なども組み込みつつクドくならない潔さと爽やかさを感じる映画だった。
本当は、もっと重大な犯罪事件だけど、
エンタメとして、カンニングを表現していながら
そこから垣間見える、社会的格差、闇の部分
個人の能力の差、限界、正義の意味と、いろいろ考える
事が出来る。
全体的には、面白く最後まで良い映画。
本来なら、個人の犯罪ではなく、組織的なもっと悪意に満ちた題材。
チャイナや、韓国なら、事件としては親中心で、金で地位や名誉を買うというもの。台湾だからか、最後は正義が勝つ、正直さが最も重要という結論になり、良い終わり方なのかな。
親子関係の理想も描かれてるし。
忘れてはならないのは、現実の事件のあったチャイナは、(あえて中国ではない)未だ社会主義の国であり、一党独裁で
なんでもありの社会。
国民の一部の共産党員が(と言っても1億人以上もいる)利益を得る事が、当然とされている。
会社だって、学校だって、実質国有企業だから。
チベット虐殺をはじめ、女優や、長官の誘拐なんか
当然のように起きるし。
表面は、国際的に民主主義に合わせてるけど、
中は独裁。サウジや、ロシアもそう。出てくるニュースが、それを証明してるんだよ。
同じ国だと思ってると、痛い目にあうぞ!
平気で、嘘をつくし、だます。それを悪いとも思わない。
ぐらいに用心しないとだまされる。
チャイナでこの映画の感想は、どうなのかな?
上手くやれば、みんな金持ちなれたのに、どうして?
だったりして。
脱線して、すいませんでした。
カンニングを洗練された犯罪映画として描くバカバカしさが大成功!
これは本当に面白かった!天才的な学力を持つ高校生が壮大なミッションに取り掛かる。そのミッションとは、カンニング!というバカバカしさがもうたまらない。これが高価な美術品を盗むだの、金品を強奪するだのという話だったら全然面白くない。だってそんなの普通だもの。彼らが真剣に大変なミッションをやっているのだけれど、すべてはカンニングのためであるというところが大成功の元。鉛筆を喉に突っ込んだりしてもすべてはカンニングのため。大金を叩くのもカンニングのため。血を流してもカンニングのため。大掛かりな作戦もすべてカンニングのため。あぁなんて馬鹿らしくてなんて素晴らしいのだろう。
この映画はカンニングの魅せ方がまた上手で実に楽しい。冒頭の消しゴムを靴に忍ばせる一連の展開のシーン捌きでその手際の良さは一目瞭然。それこそ、007のようなスパイ映画を彷彿とさせるようなスタイリッシュさとスピード感があり、その後の様々なカンニング大作戦の演出までその手際の良さは見事に持続。最後の最後までスタイリッシュで洗練された演出。そうしてスピード感あふれる洗練された演出をとればとるほど、そしてそれらの演出が成功すればするほどに、やっていることがたかだかカンニングであるというバカバカしさが更に効いてきてもう最高。
登場人物の捌き方も巧い。主人公の天才高校生のややふてぶてしいような表情や態度もまた孤高の秀才というイメージで個性的に輝くし(手足の長さと顔の小ささでファッションモデルみたいだと思ったらどうやら実際の女優さんはファッションモデルさんだったらしい。納得)、自分が可愛いことを自覚している自己顕示欲のやたら強い(でもマヌケなほど人が好い)女友達のキャラクター性も、そのボーイフレンドの自惚れの強さも、もう一人の奨学生の心理の転換も、さらには主人公の父親(彼の教師である)の描写に至るまで、登場人物の描き込みがもう完璧。カンニングをスパイ映画さながらに見せるコメディだと割り切って開き直るのではなく、細部に至るまでしっかりと練り込んで作っているのが良く分かる。今や伝説の「That's!カンニング」とはわけが違う(ちなみに私は「That's!カンニング」を映画館で観た奇特な人間だ)。
演出・脚本・演技・編集。全体的に良く仕上げられていて、その上で完全なエンターテインメントとしてまとめられている。こりゃ面白いわけだ。
人生いろいろあるよね。コツコツがんばろ
友情、親子愛、格差社会、サスペンスといろいろ盛り込まれている割にはしっかりまとまっている映画。
脚本がよく練られている。ストーリー展開は無理がなく、人物描写も的確で、すんなり入っていけました。
まじめな優等生だったリンが友人を助けようと思って始めたカンニングにはまっていく過程や、大人の不正を知り社会への反感から、さらに大きなカンニング事業に踏み出すところなど観客を裏切りながらも納得の展開。
登場人物はそれぞれに事情があり完全な悪人というのはおらず、現実にもいそうな人ばかり(もちろんデフォルメされてますが私にはいい塩梅でした)
俳優はほぼ新人ばかりということですが、演技がとても自然に感じたのは演出の妙味か。
トレーラーを見ていたのである程度スリリングな展開は予想されたのですが、それを上回るドキドキ感でした。
細かなカットを入れるところなど手法はオーソドックスですが、それだけにかなりしっかり作りこまないと、観客に違和感を抱かせてしまいがち。今回はそれが感じられなかったです。
ただ、自分には効果音が大きすぎて、流れが阻害された場面が度々あったのが残念。
しっとりとした結末も、ハリウッド的な“勧善懲悪!最後は大どんでん返し。どうだ、スッキリしただろ!”といった終わり方が苦手な私には、好感持てました。
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