バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価
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スマホが物語を面白くした例
日本は学歴社会だと言われるが、実はどこの国も同じである。学歴不問の国などあるのだろうか。学歴を巡る葛藤はどこの国でも同じなゆえに、これは世界で通用する普遍的なエンターテイメントになった。
見事なアイデアのカンニングに舌を巻き、いざ発覚しそうになった時の駆け引きが見事。最後まで目の離せない展開に唸った。LINEの使い方も効果的だ。スマホは物語をつまらなくすると言う人は未だにいるが、この映画ではスマホが物語を一層盛り上げている。
父子家庭で貧しい主人公は天才。周囲の金持ちのクラスメイトは楽して得点を稼ごうとカンニングを持ちかける。金のない者は知略と努力で這い上がるしかない、金持ちは金だけで同じ得点が変えてしまう。社会の理不尽な縮図そのものである。主人公やもう一人の天才、バンクたちが自分たちのためだけの努力が許される日が来てほしい。そんじゃない社会は何かがおかしい。でも世界中にそんなおかしさは蔓延しているのだ。
A級のカンニング・(ちょっぴり社会派)・エンタテインメント!!
カンニングが映画のテーマになったのはいつ以来だろう!?以前、「あなたが考える秘密のカンニンク法は?」と聞かれた時、「答えをオブラートに書いてばれそうになったら飲み込む」と答えて笑われたことがある。そんな呑気な時代だったのだ。しかし、要するに、学力優秀な生徒から答えを伝えてもらえばいいのでは?というのが、タイ発最新カンニング映画の提案だ。本作の見せ場は、どんな方法で、どう伝え、さらにそれをどう拡散していくかで、何しろ、舞台は全世界共通の大学共通入試。なので、なんと時差が回答の伝達&拡散に味方してくれる。詳細は避けよう。でも、アイディア、展開力、そして、演じる若手俳優たちの洗練度は、とりあえず日本以上。仕上がりのセンスには太鼓判を押せる。また、カンニングがビジネスになり得るタイ社会のシビアな現実にもしっかり目配せする社会性にも。これはA級のカンニング・(ちょっぴり社会派)・エンターテインメント。是非、お見逃しなく!!
面白かった。
天才少女が、世界的規模のカンニングに挑み、カンニングした解答を他の学生に拡散するストーリー。主役は個人的に好きではないが、演技は良かった。
ただ、試験を開催する側もさるもの、頻繁にトイレに行き、スマホで答えのやり取りをしていることが、防犯カメラでばれ、捕まりそうになる。
仲間の男子学生が「みんなにカンニングしたと言うぞ!」と脅すが、天才少女の父親は実は元教師で、真面目な人間。天才少女は、最後には、父親で教師の教えに従って、カンニングの罪を認め自白する場面で終わる。
結局、成功したいからと言ってカンニングするのはいけない、と言う結末。しかし、実際の社会では、学閥があったり金持ちが大きな顔をしているので、能力があるなら、カンニングしてでも、のしあがって行くことも有りかもね(笑)。
天才の策略
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天才女子高生リンが試験中に友人に答えを教えたことで、
友人の恋人のバカボンボンが、リンに話を持ち掛ける。
今後カンニングさせてくれたら大金を払うとのこと。
やがて対象生徒も増え、カンニングビジネスが常態化する。
バカボンボンは両親からアメリカの大学を勧められる。
そのためには大学統一入試を受ける必要がある。
バカボンボンに受かる学力などない。でリンに泣きつく。
リンは一計を案じ、大金と引き換えに引き受ける。
時差を利用し、自分とバンクが豪州で試験を受けて、
答えを丸暗記して休憩時間中にメールで送信する案。
ただ当然会場に携帯は持ち込み不可で、バレかける。
そこを何とかごまかすが、バンクは捕まってた。
こうしてバカボンボンらは試験に合格。
時が経ち、バンクはリンにまたカンニングの提案をする。
改良した作戦でまた大金を稼ごうというもの。
リンはもう真面目に生きたかったので拒否。
すると過去の件を全てバラすとバンクに脅される。
結局リンは自ら全てを自供した・・・と思われる。
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やっぱりおれはこういう話が好きみたいやな。
天才が苦悩しながら策を弄して何かを成し遂げる話。
事の善悪を問わず、応援してしまう。
悪事ではあるが、それで助かる人がいる。
ならばそれはそれでビジネスと言えるのかも知れない。
せっかくの高い能力は、もっと別で使って欲しいけど。
あとバカボンボンを筆頭に、依頼者たちがアホ過ぎ。
こんなヤツらのために頑張るなんてアホらしい。
でもビジネスと割り切れば、そんなの関係ないのかも。
ラストはおそらく過ちを全て告白したんやと思う。
償ってからでも遅くはない、頑張れリンって思ったな。
【武器は紙と鉛筆、そして持ち前の頭脳!!】
前半のスリル感だけで★4
この映画のハラハラドキドキ感は独特な体験!
タイにおける格差社会、学力偏重社会という社会問題に切り込みつつ、世界中の人々に向けてタイの現状を知ってもらうことのできるエンタメとして一級品。
受験において誰しも志望の大学入試には合格したいものだと思う。近年のAO入試においては高校の内申点が重視されることもあり、高校の試験も重要だったりするわけだが、とにかく高得点を取ることは様々なメリットがある。奨学金。しかし、多くの人が高得点を取ることができるわけではない。
〜ひとり言〜
◉子供は親の金銭事情に大人が考えている以上に敏感。小学生ですら親の金銭感覚の影響を受けると考えるのは僕だけだろうか。というのも、自分自身の子供の頃を振り返ると、かなり親の金銭事情を気にしていたからだ。いくらまでのものなら買って良いのか、おねだりして良いのか、子供ながら案外考えていたものである。このように子供が親の金銭事情を気にするかは、家庭の教育に寄るところもあるだろう。
遠慮を覚えるのは、親を困らせたくないためでもあると考える。
この映画では親に楽をさせてあげたいという2人の貧困の子供が登場する。
◉今日の100円か、1年後の1万円か?
人は未来の金銭的な価値を適切に把握することができず、今日の100円を選んでしまう。この映画でも、主人公は海外の大学に進学するという将来的な価値以上に、STIC試験を通して得られる金銭を優先してしまった。
◉カンニングビジネスの計画立案、集客、実行力
ここまでできるなら大学に行かなくても食べていけそう。
◉音楽について
クラシックの使い方が面白いなぁ。
最後まで鑑賞
◉後半もハラハラドキドキしっぱなし。構成とストーリーラインの組み方が秀逸。ただ、後半はスリルを演出するためにやり過ぎ感は否めなかったけど、それでもトータルでここまでドキドキする映画は珍しい。
◉学力的な頭の良さと世渡り的な頭の良さは別もの
品行方正で学力優秀な彼。
勝つときは一緒、負けるときも一緒。
僕だけが負けたのは許せない。
君も道連れだ。
恐ろしいセリフだが、学力的に頭の良い人ほど誰かよりも一歩先に行くのを許さないような傾向にあるような気がする。
進学校においてテストの点数を黙って周囲の人と共有しないように。
それはさておき、この映画ではリンと彼は学力的には優れているのに、、、
良くも悪くも、お金によって学力を買われ、金持ち学生2人に良いように使われてしまった。
何をメリットとして捉えるかは別だが、STIC高得点という意味では、金持ち2人は利益を得た。
そして、首謀者はリンという体裁に仕立て上げた、2人の手腕は凄まじい。
◉問い
・この映画は道徳について触れているか?
・道徳とは何か?
・道徳教育とは何か?
社会生活の中でやって良いことと、やってはいけないことの境界を身につけることなのか?
世の中は白か、黒か二分することができず、グレーゾーンというのが存在する。このグレーゾーンでは法律を侵しても捕まらないことがあるなどがある。
タイの正義と人間の正義の間で揺れるリン
ストーリーが面白い上に凝ったショットや、少し時間軸をいじる構成、音楽など、楽しませる工夫が満載で、そこから生まれるスリリングさは最早クライムサスペンスのそれである。タイ映画らしいコミカルさを僅かに残しているのもいい。
緻密な犯罪計画を立てるが実行する能力は素人レベルというアンバランスもスパイスとして効いている。
あと一押しあればオールタイムベストに選出するレベルで面白かった。
しかしその一押しは私のわからないところに存在していたようで、少し残念。
観終わって、これはもしかしたらタイの格差問題を扱っているのではないかと考えた。調べてみたところ、やはりタイの格差はかなり問題なようだ。あとは教育問題もかな。
主人公リンは父親の負担だけを考える優しい人だった。それが裕福な家庭の生徒ばかりが通う学校に学力を買われ入学したことで変わり始める。
学校は寄付という名のワイロを受け取り、裕福な家庭の親や子は物事を全て金で解決しようとする。挙げ句の果てには自分さえ良ければあとはどうでもいいという態度なのである。
そんな中にあってリンは自分の能力である学力を使いお金を稼ぎ、その事で常に悩み続けるが、咎められる事は中々受け入れられない。
金で利益を得る者が正義ならば、学力で利益を得る者だって許されるはずというわけだ。
つまり、現実のタイに対して逆説的に、ズルしたヤツが富を得ることが当たり前の正義のような社会はおかしいだろと突きつけているのだ。
この作品にはお金持ちの子か高い学力を持つ子しか出てこない。
作品に登場しない金も学力もないが誠実な普通の人々。搾取され虐げられている普通の人々。そんな普通のタイ人を代弁するような作品で、観ている間に理解できていればもっと楽しめたろうに。
とまあ、これが私にとっての最後の一押しだったわけだが、タイの社会問題まで知識はなかったので仕方ない。
とりあえず、余計な知識などなくても充分過ぎるほど面白いから。
誰も銃を所持していないクライムサスペンス。
すごいスリリング!
学歴社会、貧富の差、正しい者が報われない理不尽さを痛烈に描いている社会派作品でありながら、追い詰められた若者達の組織的なカンニング不正はクライムムービーさながらで、ハラハラドキドキ目が離せない展開の連続!スピード感をもって飽きる事なく一気に観れる。とにかく緊迫感がハンパない。タイ映画か…と躊躇するなかれ。
学生たちの心理描写も、細やかで丁寧。バンクが土壇場で最後の解答を出し渋り報酬を吊り上げたり。二人で撮影した記念写真を、共犯を疑われないように唇を噛み締めて消去したり。人間臭さも随所にしっかりと描かれている。輝く未来が待っているはずの若者達が苦悩する姿に、思わず熱いものが込み上げて来る。
人間として最も大切なことは、一体何か。
地味でダサくていわゆる負け犬のお父さんこそがキーマンであり、最後に娘を導く存在であり続けたことがこの映画の要であり、深く心に刺さる。力のこもったメッセージ性の強い作品。
俳優陣がみんな役に合ってて非常に良かった。バンクは闇落ち後の顔付きがらしくて良かった。観客から、作中の試験問題がちょっと簡単過ぎるんじゃ…?という声があったらしいが、監督はそこまで考えていなかったとの事笑。また、カンニングの手法は意図的にアナログな感じにしたそう。何でもかんでもI TやらA Iやら…じゃ確かに面白さは半減したかも。
スパイ映画さながらでカンニングを描く!
中国で実際に起こった"カンニング事件"をモチーフに製作されたタイ映画となり、数々の賞を受賞している作品です。うん、面白かったって!って純粋に言える映画で万人受けするんじゃないでしょうか!
貧乏人は一生懸命勉強して自ら切り開いていくしかない人生であり、一方でお金持ちはお金の力で学力も人生も手に入れてしまうという、皮肉にも近い作品でもあります。その貧乏人とお金持ちがチームを組み、ありとあらゆる手段でカンニングを繰り広げていきます。
実にカンニングの方法が見事!
最初は消しゴムに回答を書くという初歩的なところから、しまいにはアメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略を成功させるに至ります!その最終カンニングの仕方は、手に汗握る展開。
世界的な試験監督者も流石ですよ!ちゃ~んとカンニングを見抜きますからね。試験監督者から逃げながら回答を送るシーンは、一流のサスペンス映画さながらの手に汗握る緊迫したシーンです。思わず頑張れ!見つかるな!って応援したくなります。
本作の面白いところは、超優秀な天才少女リンの真面目な性格ゆえに、友人グレースを助けるという純粋さから始まったカンニングという些細な悪事が、徐々にお金儲けという欲に変化していく様子が非常に面白いです。
カンニングがテーマなので暗めな映画と思いきや、とってもテンポがよいので観ていて全く飽きません。先にも述べましたがどうやってばれずにカンニングするかという頭脳的な要素とスパイ映画のような感覚の要素があり緊張感がたまらなく面白いのです。
リンの最後の決断は心を揺さぶる何かがありました。好きになった男性を陥れて悪人に変えてしまったという後悔を捨て去るように、自分自身を変えるように!
物語も面白いですし俳優陣を楽しむのもあり、でも最後はちゃんと感動できる良い映画と思います。全体的に満足度が高い作品です。今後のタイ映画も注目したいと思える映画でした!
スリル溢れる予想外の映画。
面白かった。最初はただの学校のテストでカンニングするだけの映画かと思っていてこんなものかと思っていた。しかしシドニーに舞台を移してからスリル溢れるハラハラの映画となった。主役のリンを演じた俳優を選んだ映画の勝ち。この俳優に今後注目していきたい。あとバンクだが闇堕ちしたとこがリアルだなぁと感じた。映画館でみたらもっと高評価だろう。
貧困の息苦しさ、、、
見せ方がとてつもなく上手く余裕で一気見。果てしないです。タイ映画は初めてだったので、どうなるものかと思っていましたが楽しめました!
貧乏については私自身も感じるところがあるので、親が学校の設備にお金を支払ってるシーンなど心に来るものがありました。どんどんカンニングがバレることより堕ちていく2人。フィクションとして感情移入もしやすく良い映画だなと思いました。
なんだかね…私もドキドキして逆にバレないでおくれ…頼むよという気持ちにさせられてしまいました。試験中にバレてしまうバンクくん…。心に来るものがあります。彼の闇落ちも最もです。
最後にりんちゃん約の女優さんは昔の田中裕子と吉田羊を足したような顔立ちで素敵でした!!
俳優陣の演技も素敵で、、、ちょっと個人的には感情移入しすぎて胸糞展開でしたが!!
総じてここまで感情移入できたので、高評価!
バンク
カンニングを壮大なBGMと演出で映像化した作品
リンは友達を助けるためにカンニングを始めたのに、いつからかビジネスに発展してしまった。稼いだお金で真面目で不恰好なお父さんにシャツを買ってあげたり、あとは何に使ってたっけ?そんなにお金に困ってたっけ?お金を稼ぐ目的がよくわからなかったな。
勉強ができるのに、勉強の仕方は教えないでマークシート式のカンニングのビジネスって、学問の発展にも何も繋がらないね。お金も得られて、みんなの各々の希望も叶えられる。みんなの欲が集合した結果が壮大な計画に発展する。失うものがあれば不正になるっていう主人公のポリシーはかっこよかったな。バンクの留学の件とか、父親への信用とか諸々失うものはあったけど。お金儲けじゃなくて勉強しにきてるのって校長が言ってた言葉は正しいと思ったけど、ワイロが絡んでるって知ってるとその言葉は何の説得力も無いよな。
バンクがボコボコにされた件がリンの知らぬところの計画だったけど、結局はリンの首謀した結果だったからもうカンニングから手を引こうと、まともになろうとする姿勢が人間ぽくてよかった。バンクは実直で正直で母子家庭でクリーニング屋の仕事も頑張ってたのに。
そこら辺がバンクとは違ってたな。
ピアノの音で答えを覚えるの、気持ちを落ち着かせるのにクラシックを聴いているの、bgmがすごく派手に使われてて心がハラハラドキドキしてた
カンニングはいけないことだと認識しながらも実行してたこと、おかした罪との向き合い方。
見せ方が抜群にうまい
レビューの評価が高かったので、期待して劇場に行きました。とても面白かった。タイ映画ということで、現地の俳優さんたちが出演しているようですが、外見は日本人と同じ。変わったファッションや、変な食べ物も出てこないので、タイ語を記述するシーン以外は、まるで日本の映画を見ているようです。もし日本語吹き替え版があれば、子供でも楽しめる内容です。PG12のレーティングは、カンニングという行為そのものの倫理観を、きちんと教育できる大人の同伴が望ましいという判断でしょう。
そのこと自体の是非はともかく、映画の内容は見ごたえのある心理描写が続きます。俳優さんたちが本当にうまい。そして、見せ方が抜群にうまい。シンプルなストーリーをていねいに、細部にわたるまでじっくり考察して、一つ一つのファクトを構築していく語り方は、最後まで飽きさせません。ちょっと謎めいたエンディングは、続編をにおわせる展開で、この天才少女が果たしてこののちにたどる運命がどうなるのか気になります。
特に、感心したのが、少女のライバルの天才の男の子を演じたチャーノン・サンティナトーンクン。複雑な役回りで、ある意味、主人公以上にストーリーの大きなカギを握る人物で、俳優しだいではものすごく嫌われてしまう役なのに、むしろ共感さえ覚えるほどに心理状態をていねいに掬い取っています。主人公の少女との、友情でもなく、ライバル心理でもない、奇妙なパートナーシップの描き方が素晴らしい。
音楽の使い方も秀逸で、ABCDの回答の選択肢をピアノのコードになぞらえて、音で丸暗記するシーンなど、イメージの中で試験会場なのにピアノを弾いているヴィジュアルなど、鮮やかな演出です。
まあ、カンニングという行為自体の是非はともかく、たとえば『万引き家族』なんて映画がグランプリを受賞するご時世なので、大切なのは、主人公に共感できるかどうかだと思います。彼女自身は非常に優秀で、問題は友達をどうやって合格させるかということなので、私は共感できました。
監督のプロフィールを見ると、実家がレンタルビデオ屋さんということで、私には新世代の映画監督に思えました。子供のころからハリウッド映画を見て育ったということらしいです。道理で、映画の文法がハリウッド的。なぜ日本人にこれが撮れないのかと思います。やはり、自分で脚本が書けることと、明確なビジョンを持つこと。この2点は外せないようです。日本の映画では、極端に低予算に振り切って、自分で何でもやってしまうか、アニメーション作品で作家性を前面に打ち出すかでしか、勝負できていないように思えます。純粋に娯楽性でハリウッド映画に伍している映画が少ないのは、残念ですが、この監督さんは、近い将来必ずハリウッドデビューするだろうと確信しました。
みんな苦しい。
最強なんだけど、最強すぎない感じがいい!
リアルな感じにハラハラドキドキすぎて、いい意味で見ているのがつらいレベルでした。
貧乏だけど、超秀才!の苦労はわかりやすい。お金が必要なわけです。そして一般的には弱者。
でもその反対もよく描かれていてよかったです。
裕福だけど、バカ。お金あるなら何も不自由しないじゃん!強者じゃん!と思えますが、全然そんなことはない。むしろこっちの方が大変だなと思ってしまいました。
そして登場人物みんな、人としてはいい人なのがすっきりしていていいです。
現実にいたらもっともっとひねくれそうですが、それは面倒なので真っ直ぐな登場人物たちが最高でした。
故にストレートに主題が伝わってくる。
あと配役、見た目、完璧。
貧富の差って闇が深いです。
過去鑑賞
これもレビューしてなかったですね。
いったいいつ観たのか調べたら3年以上前でした(´∀`;A
スコアが高かったので、ちょっと期待し過ぎてしまったかもしれないです。
確かにアイデアとしても良く考えられていたものでしたし、脚本も素晴らしくスタイリッシュで、終盤は特に緊迫感も有り面白かったです。
が、カンニングという不正を働いているものの、皆割りといい子たちばかりで、全く悪くも危険でもなかったですし、“ザ・カンニング”のような作品だと思っていたもので、完全にシリアス路線の作品だったのも個人的には少し微妙でした。(これは僕が悪いだけですね)
シリアスな展開は悪くないのですが、笑える要素もあった方が緩急が付いて良いような気がしましたし、何より主人公であるリンちゃん、常に肩に力が入っている感じで、観ている最中から“笑顔!笑顔!”何て思ってしまいました。
それとメモの件やトイレにスマホを隠す件など僕のような凡人以下の人間でさえも、どちらもすぐ思い浮かぶ不安要素に、これだけ頭の良い子が気付かないのはおかしいような気がしますよね。
コメディなら全く気にならない点ですが、シリアスな作品だと気になってしまうものですし、良い作品だけにそういった点では残念でした。
スローモーションとアップと汗
手に汗握るエンターテインメントだと思います。
カンニングは麻薬みたいなもんで、一度うまくいくと、カンニングを成功させるたための努力ばかりし始める。人間は悪いことを考えてる時が一番テンション上がる生き物な気がする。ゲーミフィケーション(規制とスキルのイタチごっこ)なんだろうけど、やった感が得られるループから逃れられない。そんな興奮が伝わってくる作品。
ただし、その演出として、とにかくタイトルの3他の要素を多用するんだけど、だんだん慣れてきて効果が薄まってくるというか。IMAXシアターで作品を観て、刺激を受けるのは冒頭の5-10分と同じ現象。ストーリーだけでも十分手に汗握るような気がするけどなぁ。
ラストの正しいことを選択するのは、お国柄なのかしらね。
カンニング…スリリングな響き
だれもが一度はドキドキしながら経験する(と思う)カンニング。チンケな技を使うでもなく、洗練されたカンニングはさすが。スリリングで緊張感ある仕上りで、タイ映画恐るべしの印象。
若くて活きのいい出演者たちとスタッフの仕上げる熱意を感じる。富める凡人と貧しい秀才の対比が分かりやすく、一方で悲しく切なく、観客である大衆受けしそうな作品でもある。
評判通り面白い社会派エンターテイメント
映画館で上映時に見たかったのですが、時期を逃してしまいこの度Amazon Primeで鑑賞。
前評判どおり、ドキドキハラハラして楽しめる作品でした。とはいえ、いろいろツッコミどころたくさん
・指の動きを覚えるくらいなら、勉強したほうが早いんじゃないか。
・親も学校も詳細を知らずに高校生をシドニーに行かせるのか。
・試験を受ける全員に売っていたが、中には自信のある学生もいてそこから漏れるリスクもあるし。
・同じトイレの個室が空いているかわからないというリスクは大きくないか。
・というか鉛筆にそんなバーコード貼るくらいのことができるなら、さっさと勉強しろ
なんて見ながら思っていましたが、まあ細かいことはともかく、社会問題(家族、貧困、いじめ、学歴主義など)をこういった形でエンターテイメント性を持たせてと提示するのはとても賢いなと思いました。
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