劇場公開日 2018年6月8日

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万引き家族のレビュー・感想・評価

全926件中、61~80件目を表示

4.0考えさせられる家族のカタチ

2022年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

【鑑賞のきっかけ】
本作品は、「誰も知らない」(2004年)や「そして父になる」(2013年)で、家族の在り方を描いてきた是枝監督が、新たな発想で、家族とは何かを問う意欲作と感じ、興味深く鑑賞することとしました。

【率直な感想】
本作品で描かれるのは、貧しいけれども明るい5人家族。
そこには、日雇いの父・治と、クリーニング店勤めの妻・信代がいて、息子の祥太、信代の妹・亜紀、祖母の初枝がいた。
家族の生活の頼りは、祖母の年金であったが、足りない部分を「万引き」で賄うというのが、家族だけの秘密。
そんなある日、近所の団地の廊下でひとり佇む少女を、見かねた父が連れて帰る。「ゆり」と名乗る少女は、6人目の家族となっていく…。

「万引き家族」という題名なので、犯罪を何とも思わない人たちなのかと思いきや、そこで描かれるのは、本音を言いながらも、明るく仲良く暮らす家族の姿でした。
住んでいる一軒家からして、どこか昭和の高度経済成長期の、貧しいけれど、強くたくましい家族のような気がしてしまいました。

ところが、この一家のひとりひとりには、ある事情があったのです。
物語が進行するにつれ、次第にこの家族が、「万引き」だけではなく、普通とは違う一家であることに観客は気づき始めます。
このギャップが大変に興味深いところで、家族以上に家族的な一家、それぞれが思いやりの心で、お互いを支え合っているような一家が、その見かけとは全く違う家族であることに戸惑いを隠せないことでしょう。

ここで観客は家族を結びつけているもの、いわゆる絆とは何かを考えさせられることと思います。万引きを容認するような家族であれば、結びつきは単なる「お金」なのか?でも、そうとばかりは言っていられないようなことが、物語後半のある事件を通して明らかになっていきます。

家族以上に家族的と言えば、「ゆり」という少女は、両親から虐待を受けていて、その一家は、家族であるはずなのに、家族的でない家族と言え、この「万引き家族」とは、全く真逆の位置関係にあるのも興味深い点でした。

【全体評価】
万引き家族のそれぞれの役者たちの演技の素晴らしさ、そしてそれを引き出した是枝監督の力量に圧倒された傑作として、満足度の大変に高い作品だったと思います。

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悶

4.5斬新な視点で描く家族の在り方

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

正直、驚いた。今まで、こんな家族なんか観たことなかった。私の家族感は崩壊してしまった。本作は、極めて日本的な雰囲気で究極の家族を描いた是枝監督の渾身作である

訳あり5人家族は、祖母・初枝(樹木希林)の年金を当てにして、万引きを生活の糧にして昭和レトロ感溢れる一軒家で暮らしていた。ある日、浩(リリーフランキー)は、寒さに震えている子供・じゅり(佐々木みゆ)を見過ごせずに家に連れていく。妻の信代(安藤サクラ)はじゅりの腕の傷をみて引き取ることにする。その日を境に、家族の生活は徐々に変化していく・・・。

じゅりを加えた6人家族は貧乏だが、いつも明るい雰囲気で本音を言い合っている。演技巧者を揃えた家族の会話は、本当の家族の日常を切り取ったかのように自然で生々しい。明日はどうなるか分からない。だからこそ、彼らは、今日を悔いなく懸命に生きている。それが彼らの明るさの理由だろう。

大人4人は純粋な善人ではない。一癖も二癖もあり狡賢い面を持ち合わせている。そんな4人が紡ぎ出す家族の絆は生々しい。家族の絆は家族になれば自然にできるものではない。互いを強く想って築き上げるものだという作品メッセージに心揺さぶられる。また、本作は幼児虐待という今日的なテーマも取り入れている。幼児虐待に対する信代の台詞には説得力がある。粗野だが、全身全霊で子供を守るという強い母性が感じられて胸が熱くなる。安藤サクラの決意を滲ませた演技が秀逸。

終盤、ある事件が発覚し、そんな家族はバラバラになり独白という形で一人一人の過去と家族への想いが語られる。特に信代と翔太の台詞が、この家族の素晴らしさを端的に現わしていて心洗われる。安藤サクラの抑制の効いた凄味ある演技が出色。

本作は、打算による相互依存でできただろう家族が、毎日を共に懸命に生きることで、互いを思い遣る気持ちが芽生え、徐々に絆を深めていく物語である。斬新な視点で描いた家族の在り方が心に突き刺さる秀作である。

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みかずき

4.0どうするのが正しかったのかを視聴者に考えさせる作品

2022年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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olk kal

4.0家族とは

2022年3月12日
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家族について考えさせられた

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ほ の

3.5寄せ集まった人たち

2022年1月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

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しろくろぱんだ

4.5みにくいもの よわいもの

2022年1月29日
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仕事柄、こういう人たちによく遭遇するので、よくある「考えさせられた」みたいなテキトーなコメントを打てない。

こういう、下層とされ、貧困状態にある人たちに対して、ぶん殴りたいほど腹立つこともあれば、自分の力では考えもつかない発想を見せつけられて、自分の無知と無配慮を恥じることもある。まあ腹立つことが8割だけど。

池脇千鶴と高良健吾は損な役だが、あれが世間なので。
この映画を不快だとか日本の恥だとか言ってるレビューもたくさんあったけど、その通りで間違いない。この映画で描かれているような面が日本にはある。そういうことを知らないで生きられるという自分の幸福に気づかないまま、無意識に下層を見下し続ければいいと思う。

彼らのような人の存在をありえないと思う人がいる限り、虐待も貧困も増える一方なのよなぁと思った。

安藤サクラも松岡茉優もよかったけど、何より樹木希林よ。みかんの食べ方がやばい。貧困世帯のばあさんでしかない。怖いよ。

ずーっと、なんだかんだ言ってこの家族なりの絆はあるやんと思っていた。でも各々事情聴取を受ける中で、松岡茉優が家族から樹木希林への援助を知ったときの様子や、安藤サクラが池脇千鶴から「じゅりになんて呼ばれてたの?」と聞かれたときの反応などを見るに、「実は当の本人たちが一番自分たちの絆を疑っていた」感が出てるような気がした。
ほんとに絆があったら、警察の言うことなんか蹴散らすでしょ。

社会制度から爪弾きにされて、そこにうっすら反発して生きて、それでも社会制度に100%抗えていない様子が、なんともリアルではあった。

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まき

2.0Tier4 良作

2022年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

エンタメ性が殆どない社会派映画。
世界的に評価が高いのは知っていたが、苦手なジャンルなので案の定楽しめなかった。

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ひでよし

4.5家族の絆とは何?家族の原点とは何?結論は出ない

2022年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

児童の虐待が目につく昨今、ユリに一番感情移入した。
ユリ以外は一つの家族と思いながら見ていたが物語が進むにつれみんなバラバラというのがわかる。
そんなことは気づかせないような万引きを軸にした貧困でも暖かな家族。
虐待されていたユリをかわいそうに思いそのまま引き取って(誘拐ではない)育てるなんてそんな暖かい家族が今の日本にいるだろうか?
もし自分がそう思っても行動には移せない。
自然にそういう事ができる素晴らしい家族なのだ。

バラバラになってからの家族はどうなるのだろう?
元の家族の元へ戻る人、旅立つ人、刑務所で何年も服役する人。
それぞれだろうけれどやっぱりゆりが気になる
ゆりちゃん、幸せになってね。

それにしても警察や児童相談所は映画の中でも機能していないように見える。

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♪エルトン シン

4.0この家族の行く末

2022年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

幸せ

樹木希林や安藤サクラの存在感はもちろん、子供たちの何気ない行動や言動を演技の枠を超えた自然な振る舞いとして演出する是枝作品の十八番も相変わらず健在だ。
社会的な問題をテーマに取り込んだ作風にも見えるが、この疑似家族が解散した後の子供たちの様子をエンディングに持ってくるあたり、まあストレートに"本当の愛情とは何ぞや"と言うことなのではないかと思う。
個人的には松岡茉優演じる亜紀のその後が気になった。
凄い作品だ👍

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ヒックス伍長

4.0貧困の中で、これも家族か・・・

2021年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館
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ゆっくりランナー1号(名前を11/28変更しました)

4.0是枝裕和作品の集大成

2021年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ランニングマン

2.0序盤と中盤がかなり退屈だった。

2021年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

序盤と中盤がかなり退屈だった。

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くそさいと

4.0「家族」とは

2021年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

キャスティングが最高、身に迫る演技に引き込まれました。
治(リリー・フランキー)の事を最後まで「お父さん」と呼ばなかった祥太(城桧吏)の意味が伝わってきて,泣けてきた。
警察官の質問に対して信代(安藤サクラ)が最後の方まともに答えなかった気持ちも伝わってきて、、、。

「家族」というテーマに切り込み、問い続ける監督と、演者たちの絶妙な感情が画面越しに伝わってきた。
子供たちのキラキラとした飾らない姿が、この作品でも。愛おしくて素敵でした。

「誰も知らない」や、監督違うけどドラマ「幸色のワンルーム」でも思った事だけど、世間がいう正しい形ではないからと言って排除したり否定しないで欲しい。彼らの居場所に踏み込まないで、そっとしといて欲しい。
何が正しいのか、自分や世間の考えだけで勝手に判断し行動しないで欲しい。それが及ぼす影響をもっと考えて欲しい。

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spoon

4.0タイトルなし

2021年10月28日
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ハラオ

2.5樹木さんが素晴らしい。

2021年10月22日
iPhoneアプリから投稿

描いてる世界観と演者さんの清潔感がミスマッチで気持ち悪い。その中でも樹木さんの化かたは秀逸。

映像は流石です。が、その美しさが哀しさをより際立たせる技巧となってる様には見えない。

キッカケとなった児童保護施設の女の子に対する考え方も、監督の富裕層特有の目線で共感できない。し、深掘りできてるとは思えない。

問題提起するだけなら、ドキュメンタリーを撮れば良い。

世界の流行りに乗って賞を取ったから、観たという感じ。

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大粒 まろん

4.5法律とルールとモラルと

2021年10月15日
PCから投稿

2回見た。
1回目で答えが出せなくて、
もう1回見た。

答えがでた。
「これは結論を出してはいけない。」
という答えがでた。
3回目見ると別の答えが出るだろう。
5年後見たら別の答えが出るだろう。
そういうテーマ。

保険に入るおばあちゃん。
押し入れに住むショウタ。
風俗の客の涙に共感するアキ。
お風呂でも水着を着るリン。
見えない花火を楽しむ家族。

「自分で選んだ方が強いんじゃない?・・・絆よ。」
でも1度もお母さんと呼ばれたことはない。

海ではしゃぐ家族を見て独り言をつぶやくおばあちゃん。
何を言ったのだろうか。
逮捕後“家”に戻ったアキ。
あまりにも変わらない家に何を思ったのだろうか。
バス停でショウタの肩に手を乗せるのを、ほんの一瞬ためらう父ちゃん。
「わざと捕まったんだ」から父ちゃんの姿が見えなくなるまで
振り向かないショウタ。振り向くのをガマンしたのか。
ビールケースに乗り遠くを見るリン。
何を見つけたのか。

来年このレビューを見た時、
果たして私は同じ感想を持てるだろうか。
今から楽しみだ。

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にゃろめ

4.0是枝ワールド全開

2021年10月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

いい意味でも悪い意味でも、相変わらず淡々と進むストーリー。しかし、複雑に入り組んだ「家族」の形を通して、家族とは一体何なのかをじんわりと問う。

血の繋がりが家族なのか?互いの気持ち?SEX?お金…?

犯罪者であろうと警察であろうと、何にせよ一方向からの正義なんて存在しない。世の中は簡単に線引きなんかできないのだ。バス停で祥太が放ったひと言をあなたはどう捉えるか?パルムドール受賞の名に恥じない良作です。

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LADA

3.5どこにも愛はなかった

2021年9月13日
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悲しい

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雪

4.5家族、幸せって何だろう

2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

本当の家族、幸せって何だろうと考えさせられる。

血は繋がってないし、お金はないし、ゆっくり出来ず、好きなことが出来てた訳ではないけど
あのころが幸せだった、ということを俳優の表情と目で表現していたのが素晴らしい。

海辺でみんなを優しく見つめる樹木希林。
取調べを受けながら何かを思い出し、遠い目をする信代。
最後にもう1回”我が家”を見に来るアキ。
バスを追いかける治を目で追い続ける祥太。
そして、ラストシーンの何とも言えない・・・リンちゃん。

みんな家族だった。そして何か、悲しい。

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tigerdrver

5.0もどかしさが胸をかすめる作品

2021年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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ポップコーン男