万引き家族のレビュー・感想・評価
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日本の貧困ドキュメントをエンタメ作品に昇華させた是枝監督屈指の名作
邦画界では知る人ぞ知る、是枝監督。監督の作品は数多く観賞しているが、是枝作品で何を観るべきか?と問われれば、間違いなく、本作を推す。
監督の作品の魅力は、一言で言えば、儚さの中に美しさということにあると思う。
ドキュメンタリー出身ということもあり、貧困問題などを扱うことも多いが、本作は単なる貧困ドキュメントにとどまらず、エンターテインメントとして昇華させた傑作である。
万引き家族は、実際にあった貧困のドキュメントをもとにしたもの。兵庫県在住の自分にとって、題材となった万引き家族というテーマは、もはや他人事ではない。実際に万引きを家族単位で行っているという事例は、決してフィクションではない。ショッピングモールで家族ぐるみで万引きを行い逮捕されたもの、ベビーカーを使って万引きを重ねた母親と、万引きによる事件の報道がある度に、本作が日本のリアルを描いていることを考える機会となる。
主人公となるのは、年金暮らしの祖母の元で暮らす息子夫婦たち。団地に行けば、そうした世帯は決して珍しくないが、ドラマや映画などで描かれることは少ないように思う。スポットライトを浴びない人たちに光を灯すことができるのは是枝監督の器量であると考える。
高齢の年金暮らしの母を頼るのは、息子役のリリー・フランキー。リリー・フランキー氏と言えば、イラストなどのイメージが強かったが、役者としても魅力がある。特に年齢を重ねるたびに深みが増している。ただ、彼の実年齢を考えれば、”息子”という言葉に無理があるように思えたが、そうではなかった。
県営や市営住宅で、高齢の母親と暮らす息子というのは、実際のところ、決して稀有なものではないし、蓋を開ければ、高齢の母のもとで、定職に就いていない中年の息子が暮らしているというのは、もはや、レアケースではない。格差社会は年々進行している。こうした家族像が周知されなければ、行政の見落としは加速するだろう。
そして、彼に付き添うのは妻役の安藤サクラ。年齢が離れている分、年齢差を埋めるような演技が求められる。子どもがいないことへのコンプレックス、コンプレックスが生んだ、ねじられた愛情。二人が、なぜ、関係を持ったのか、彼女たちの演技に集約されていたように思えた。
安藤サクラという役者は、セリフなどでは表現できない含みを持たせたものを演じることに長けている。熟練の演技に触発されたのか、松岡茉優の演技もよかった。ふわふわとした空虚で、満たされない女性像を好演したと思う。
子役の城桧吏、佐々木みゆも好演。親の影響で悪事をする城桧吏には、悪いことをする野蛮さだけではなく、そこに悪気だけではない子どもらしい好奇心もあった。もしも他に愉しいと思えることがあれば、万引きをしただろうか。児童の犯罪を考えるうえで、重要な描写である。
佐々木みゆの幼さゆえの危うさ、不幸な生い立ちからくる不安定な感情が見事。何かに巻き込まれそうな少女像という点が完ぺきだった。
偽物の家族が過ごす時間は、偽物であったはずなのに、時に楽しく、美しく、本当の家族よりも愛と絆に溢れているものだった。この辺りの表現が、貧困ドキュメントをエンタメ作品に昇華させた一因であると言えよう。
物語の終盤、少女の誘拐が世間にバレて、捕まるシーンは心臓が震えた。日本の貧困問題、格差社会の何が問題なのか考えるうえで、表層的な調査や数値では浮かび上がってこないものがある。
悪いことばかりの家族たちだったのに、ただの不幸の連鎖と思えたのに。なぜか、単なる悪者というレッテルで片付けるにはあまりにも乱暴な行為であると思えた。それだけでも本作は一見の価値があると言えるだろう。
呼吸の仕方を忘れさせる
観ている間、マ王は息をしていたのか🤔
そう感じさせるのが是枝裕和監督の「万引き家族」である😐
映像の全てが汚れており雑巾で拭いても汚れが伸びるだけで決して綺麗にはならない😶
ただ少しだけでも綺麗にしようと劇中の人間は行動するのだが、逆効果にしかならない💦
マ王はその空気を吸いたくなくて呼吸を止める😟
切ないくらいの人間の優しさを別の角度から見れば理不尽とかアンモラルとかで縛られてオシマイ😑
ルールから一番遠い本能がこの家族を支えている用な気がした🥲
生きる為、生き残る為に結果を考えず行動するのは人生への正当防衛ではなかろうか?
悪人と断じてしまうには痩せ細ってしまったコミュニティが選択を誤り続ける先に待つのは······
と小難しく書いてはみたが純粋に面白く観れました😁
マ王は唯一、日本で樹木希林という女優の演技を見るのだけが楽しみだった😐
映画「半落ち」の彼女の演技だけでマ王は涙腺が決壊した経験がある😫
どんな映画でも樹木希林が出てるだけで邦画だろうとキリッと締まるのよ✨
今作でも彼女の存在は大きい😬
特に海水浴場でのシーンでの樹木希林は凄いね😳←観た人なら何の事か判ると思うけど
しかし「万引き家族」って内容の褒め方が掴めない💦
実は初観はU-NEXTだった気がする(アマプラではない気がする)
その時の衝撃が強すぎて(あまりにも物語が面白くて)評価の仕方が判らなくなったのを覚えてる🤔
ストーリーを支える俳優陣も個性派揃いだからケチでも付けようものなら石を投げられる😵💫
そもそもケチが見当たらないし🙃
アンチ邦画のマ王だが最近の邦画は期待に応えまくっているので逆の意味で気に入らない😑
映画館での鑑賞オススメ度★★★★☆
評価の仕方の難解度★★★★☆
マ王のアンチ邦画度★★☆☆☆
リアルな演技力
初見で観た後の感想は 「家族の定義」とは何か…。
キャスト全員の演技が良かった。
底辺と言われるような生活の中にも、子供達の笑顔だったり全員で海へ行くシーンなど、全てが暗い雰囲気じゃないのが良い。
最初は父(親代わり)と一緒に万引きをしていた祥太に
だんだんと倫理観が芽生え始め、わざと店員に見つかるよう 万引きをして家族を壊したのは成長の表れ。
元々は他人だった偽家族が、再びバラバラになって行く時の安藤サクラさんの演技は、やはり凄い。
虐待されていた女の子が 実親の元へ返されたが、ラストの少しだけ微笑んだように見える顔の先に希望があるといいなと思った。
またその希望の社会を作るのも、私達なのかなと。
海街ダイアリーをもう一度
海街ダイアリーが何度観ても良すぎて、あの雰囲気を求めて観てみたら大変な目に遭いましたよ。
絶望的な不幸な気分になりしばらく引きずりましたw
万引きは百歩譲っていいとして(よくない)なんであんな汚い散らかった臭そうな家でごちゃっと過ごす必要があるの?家の中綺麗にしようよ。松岡茉優は何で風俗?全然意味がわからない。
で、そうだ、これなんか既視感あるなと思ったら韓国映画のパラサイト。パラサイトで唯一すごいと思ったのが「色々あったのにワイドショーではとにかく異常な一家扱いされる」みたいな、あのすごくやるせないとこなんだけど、これ、万引き家族のパクリじゃんって嫌な気持ちになった。
パラサイトは、貧乏な一家がおこぼれをもらってちまちま暮らすんじゃなく我が物顔で贅沢するところや、最後流血乱闘になるのが韓国らしいなと思った。
今思い返すと少年がオレンジか何かをばら撒くシーンばかりが思い出され、なんだか爽やかでさえある。彼の中の善性が溢れ出したようだった。細かいところさすが監督!
でも頼むから海街みたいな美しい映画をまたお願いします!!!
彼らの生き方をリアルに再現
偽装家族の本当の繋がり
万引きというか窃盗。圧倒的に演技が上手い。ハートフルストーリーではないし、泣ける話でもない、家族とは何かを考えさせる話。
血の繋がりではなく、愛で繋がってるわけでもない。
底辺だけど
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いわくつきのリリーとサクラが婆さんと子供3人で家族として生きてた。
でも実際には親の虐待を受けてた子供を誘拐して来た偽装家族だった。
一応働いてはいたが貧しく、子供にも万引をさせて何とか生きてた。
やがて婆が病死するも色々ヤバいので死亡届を出さず勝手に埋めた。
しかしついに子供が万引で捕まり、警察に全てがバレる。
婆の死体遺棄に関しては前科あるリリーに代わりサクラが単独犯として服役。
子供は親のもとや施設に戻される。
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昔全然良さが分からず、大嫌いだった是枝監督の作品。
ただおれも歳をとり、自分や他人の心と向き合うようになった。
そんな今なら、面白いと感じるのかも知れない。そう思ってた。
そしたら、少なくともこの作品は良かった。悲しい話ではあるけど。
偽装の家族で、みんなろくな奴じゃないけど、何か温かみのある関係。
親から虐待されたり社会から冷たくされた人間ならではの仲間意識か?
モラルとかそういう点では全く褒められたものではないが、何か許せる。
でもホンマに子供に万引きさせなアカンほど貧乏なの?とも思うんよな。
だってリリーは肉体労働で働き、サクラもパートか何かで働いてる。
茉優だって風俗関係で働いてて、いやどう考えても余裕で生活できるでしょ。
ってことは画面では描写されないところで贅沢や浪費してんじゃないの?
もしそうだとしたら、ただの怠惰。許せんなあ。もっとちゃんと生きろやw
コメンタリー込みなら★5
「万引き家族」について、どーしても言いたい事がある。というか、是枝監督にどーしても言いたい!というのが正しいか。
監督は作品の方向をあまり誘導したくない、というお考えだそうだが、それにしてもあまりにも優しくないと言うか、「そこは見せても良いでしょうよ!」というところまで秘密なのはいかがなものか。
と言うのもいくつかあって、まずは海水浴場で初枝が「ありがとうございました」と口の動きだけで告げるシーン。これ、海外では口の動きを読めないので字幕が出るんだそうです。ある意味、日本より優遇されてる!絶対見逃さないもんね!
「食い物にしてる」という亜紀のセリフに象徴されるように、柴田家の家計は初枝の年金でほぼ賄われている。年金目当て、と思われても仕方ない状況で、なお「ありがとうございました」という感謝の言葉が初枝の口から出ることで、この疑似家族の絆が伝わるシーンじゃなかろうか?
みんな離れた所ではしゃいでるんだし、そこは声付きでも良かったと思うんだよね。
祥太の乗るバスを見送り、いても立ってもいられず走って追いかける治のシーン。
散々「父ちゃん」と呼ばれる事を希望していた治に、祥太と決定的な別れが訪れた場面でもあるけど、バスの中で祥太は声にならない状態で「父ちゃん」と呟く。
そこも海外では字幕あるんですよ!出してよ、日本でも!
バスを追いかける治だけでも、じんわりと胸に迫るものがあるけど、「父ちゃん」って最後の最後に呼ぶんだ、と思ったらまず号泣でしょうよ!
で、極めつけ。エンディングのりんちゃんの視線の先に、走ってくる治がいるらしいのだ。信代に教わった数え歌を歌いながら、「本物の家族」という牢獄に囚われたりんちゃんを求め、走る治。姫を拐いに来た王子様じゃないか!冴えないオッサンだけどな!
「選んだのは、絆でした」というコピーに恥じない完璧なシーンだろうに、なんて勿体ない!多分ここで「あんまりよくわかんなかった」みたいなレビュー書いてる人にも伝わったよ!出し惜しみし過ぎ!観客に任せすぎ!
家族ってすごく曖昧で、普遍的な人間の最初の組織なのに個人の経験する家族の形はとても少なくて、自分が「普通」と思ってることが実際普通かどうかなんて怪しいもの。
こんな「家族」があっても良いんじゃないかと思うのも、こんな「家族」は認められないと思うのも、全ては自分の価値観次第。
だからせめて柴田家のそれぞれが「アリ」だったのか「ナシ」だったのか、どう思ってたのか教えてくれても良いと思うんだよね!
出来たら監督はどう思ってたのか、感じたいんだよね!本当に!
是枝監督らしい、と言えば確かにそう。わかってて観たからこそコメンタリーまで鑑賞して大満足。だけど、やっぱりもうちょい監督の思いを感じたかった!
もっとグイグイ来てくれても良いんですよ?
是枝イズム
心の葛藤模様がリアル
生き方はそれぞれ
お金と幸せ
手放しで評価できない愛の形
犯罪や虐待とは無縁の環境で育った自分にとっては、この映画がどこまで現実に起こり得ているのかは分かりません。ただ、良い意味でも非道徳的な意味でも、正解の押し付けがない素晴らしい映画だったと思います。
まず、登場人物一人一人に心を置けませんでした。出てくる言葉は優しいのにいざとなったら見捨てられそうな不安感が常にあり、映画の終わりまで「この人は良い人なのか?」と考え続けました。でも結局答えは分からず、それこそがこの映画の魅力の一つである「人間らしい人物たち」だったのかなと思いました。
家族たちが警察に捕まってしまった時、映画にのめり込んでいた私はすっかりあの家族の形が好きになっていて、それが正しい愛であるかのような気持ちになっていたため、家族の詳細を知りもしない警察たちの尋問シーンで嫌な気持ちになりましたが、実際、警察の手によって家族が引き裂かれた時、勉強に興味のあった少年は学校に行けるようになり、夫婦の過去の犯罪やおばあちゃんのがめつい部分が暴かれたりと、一気に世間一般の「正しい」視点に戻されました。周りから見れば、あの夫婦は少年の学習する権利を奪いましたが、それは彼らに学がなく子供時代をどうあるべきか、どこに引き渡せば少年を救うことが出来るのか判断することが出来ず、万引きの技術を教えることが最善の賢い選択だと自他共に思い込ませていたのだと思います。
同時に、あの夫婦は間違いなく一人の少女を虐待から救いました。再び虐待家庭に戻された後、謝れと母親に言われて頑なに謝らなかったあの子は、もうすでに虐待の連鎖から断ち切られ本物の愛と、外の世界を知っています。彼女をあの母親が虐待することは本当の意味ではもう二度と出来ないでしょう。
また、私がこの映画で最も気に入っているシーンは、父の言った「何か役割がないとあの家に居ずらいだろ」です。学がない人が、本や学びからではなく経験からのみで出される鋭い人間性を垣間見せるその台詞がとても胸に残りました。
この映画はどんな受け止められ方をしても正解だと言えるほど、良い教育教材であると思うので、いずれ全国の教育機関で生徒たちに観てもらうようなものになればいいなと思いました。万引きは犯罪ですが、きちんと作中で良くないことだと案じるシーンもありますし、羅生門を高校生たちに読み聞かせるぐらいなら万引き家族を観せた方が何倍もタメになると思いますね。
すき
笑いのある楽しい家族像
誰も血が繋がってなかったなんて。
平屋のボロい家で暮らしているところに共通点を見出して、親近感を持ちながら鑑賞していた。
安藤サクラはリリーフランキーを守ろうとして自供した。家族は息子を見捨てようとして逃げるつもりだった。拾った捨てたの押収に見えたけど、あのときみんなで過ごした時間は美しく存在していた。
死んだ人のことは忘れろとか、いなかったことにしろとか、ないものにしようとする行為と対象になるようだった。
家族が解散して、それぞれの生活を送るわけだけどそれが幸せに前進するのかマイナスになるのか分からない。
長続きはしない、いつかはボロが出る関係性の危うさは幸せを感じるスパイスなのかもしれない。
わざと捕まった少年は、万引きが悪いことなのかの分別もついておらず正当化された環境にいることに、薄々罰の悪さを感じていた。捕まったらどうなるか試してみたかっただけなのかもしれない。ただ一瞬の好奇心で、家族だったものが離散したのは彼にとって、正々と清算した気分になったのだろうか。
松岡茉優が樹木希林に懐いていたのはなんだったんだ、あの子はどうなったんだろう。
生活の音
ほとんど音楽がない映画。
子どもに万引きをさせ、おばあちゃんの年金を頼りにして、そのおばあちゃんはかつての夫を奪った家族の長女を連れてきてその家から定期的にお金をもらっている。
とんでもなくひどい生活なのに、映し出される日常には暖かい絶え間ないなにかが溶けていて、ずっと見ていたくなる。
野生の動物の家族のように、守る。かばう。慕う。抱きしめる。
血の繋がりによって簡単に役割をもらって役割に期待しあう家族よりも、もっと家族。
本当の家族じゃなくても、大切に守ろうと生きようとする中で、誰かがお手本を作った家族の関係なんて軽々と超えていく。
理想や体裁をとっぱらうと、愛が残るのかな。
子どもの映し方が丁寧で、俳優陣が素晴らしくて、隅々まで優しくて、涙がとまらなかった。
法を超えた愛
法を超えた愛が充満してムンムンする。
例えば少年の万引きは愛なのか?それが少女に与えられるもの教えられるもの全てなのだから、彼の精一杯の愛情表現だろう。
愛の先には生きる力強さや、前を向いて生きる希望が描かれており、お互いが愛に影響を受けながら生きている。
僕はこの家族たちを何も持たない悲しい人達と言うことはできない。
許したい家族
現代の闇にスポットをあてた感動作
もともと高評価作品であったが、日本映画らし過ぎる雰囲気に腰が引け、今日まで後回し。
観終えて率直な感想、これは名作だ。面白いし泣ける。日本映画らしさが全て良い方向に映り、世界的高評価に納得だ。ナイスごちゃごちゃ&まったり具合と言ったところか。
出演者皆の好演技も本作のみどころ。とにかく皆演技派。中でも個人的には安藤サクラさんの演技が特に印象的。母性の洪水に涙。「拾ったんです。捨てた人は他にいるんじゃないんですか?」「なんだろうね…」落涙を禁じ得ない名台詞とドが付くほどの本当の意味での母親っぷり。
何が善で悪なのか。本当の幸せとは。本作はハッピーエンドか否か。最終的には皆どうなったのか。討論会は間違いなく徹夜になるだろう。
こんな事いつまでも 長くは続かない、いい加減明日の事 考えた方がいい。 社会問題に深く切り込んだ姿勢には賛同するが、いかんせんつまんねぇ…😅
万引きで生計を立てる「一家」の姿を通じ、貧困や家族の在り方についてを描き出すヒューマン・ドラマ。
監督/脚本/編集は『そして父になる』『海街diary』の、巨匠・是枝裕和。
万引きを繰り返す「家長」、柴田治を演じるのは『海街diary』『バケモノの子』のリリー・フランキー。
治の「妻」、信代を演じるのは『百円の恋』『DESTINY 鎌倉ものがたり』の安藤サクラ。
信代の「妹」、亜紀を演じるのは『悪の教典』『ちはやふる』シリーズの松岡茉優。
亜紀の勤務する風俗店の常連、4番さんを演じるのは『横道世之介』『セトウツミ』の池松壮亮。
柴田家が保護する少女・ゆりの父親、北条保を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『亜人』の山田裕貴。
駄菓子屋の店主、山戸頼次を演じるのは『ウォーターボーイズ』シリーズや『シン・ゴジラ』の、レジェンド俳優・柄本明。
警察官、前園巧を演じるのは『ソラニン』『シン・ゴジラ』の高良健吾。
同じく警察官、宮部希衣を演じるのは『猫の恩返し』『怒り』の池脇千鶴。
治の「母」、初枝を演じるのは『借りぐらしのアリエッティ』『海街diary』の、レジェンド女優・樹木希林。
👑受賞歴👑
第71回 カンヌ国際映画祭…パルム・ドール🌟
第44回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…外国語映画賞!
第44回 セザール賞…外国映画賞!
第13回 アジア・フィルム・アワード…作品賞!
第42回 日本アカデミー賞…最優秀作品賞/最優秀脚本賞/最優秀監督賞!✨✨
第10回 TAMA映画賞…最優秀作品賞!
カンヌで最高賞となるパルム・ドールを受賞するなど、国際的にも高く評価される一作。興行的にも成功しており、国内だけでも40億円を超える大ヒットを記録している。日本を代表する映画監督、是枝裕和の集大成とも言われており、氏の代表作の一つとして名高い名画であります。
そんな本作なんですが…。
自分としては……。うん…。
この映画を鑑賞して、私はこうなんと言うか、超一流の精進料理みたいな映画だなと感じました。
日本中から最高級の食材を取り寄せ、それを最高峰の料理人が調理する。
カボチャの煮付け、茄子の天ぷら、胡麻豆腐、生麩の柚子味噌田楽、五目おこわ、季節の野菜のお味噌汁。そしてデザートはお抹茶と和三盆のお干菓子。
食後は偉いお坊さんが出てきて説法なんかしてもらって。それで食べた人全員、徳が高くなったような気持ちになってお寺を後にする、みたいなね。
んでまぁ、グルメな人はそれで良いのかも知れないけど、自分みたいなバカ舌は「ハンバーガー食いてぇ…😮💨」と思う訳です。
肉!🍖魚!🐟卵!🥚にんにく!🧄
うがーー!もっとジャンクなもんを食わせてくれっっ!!
ちょい意地悪な言い方になるけど、これは良くも悪くも「ザ・邦画」って映画。
・「…っぁなや……ゃはまぃった………れはそぅ…けど」ボソボソ。みたいな何言ってんのかよくわかんない上に辛気臭い会話。
・煮詰まった人たちによる「血は繋がってなくても俺たち家族!」な関係性。
・美しい景色のロングショットと、そこを駆け抜ける少年少女。
・貧困/障害/DVなど、社会に蔓延る問題への目配せ。
・汗だくの男と女による、雨の午後の情事。
・ここぞと言うタイミングで流れる、ピアノやストリングスによる陰気な劇伴。
これらの要素がいかにも邦画って感じ。海外作品にはない味わいです。海外の人たちは「YEAH!コノ辛気臭サが邦画ノイイトコロデース!サイコーデース!👨🏼🦱」ってなるんだろうか…。
国内でも大ヒットしているんだから、陰々鬱々としたものが観たいと言う観客が多いんだろうけど…。うーん。
この「暗くて深刻で賢そうなもの」のほうが「明るくてハッピーなバカっぽいもの」よりも価値がある、という風潮ってなんなんすかね?どうせ社会問題を扱うなら、コメディにして笑い飛ばした方が絶対良いじゃん。
貧困/格差/家族の問題を取り扱っていると言う点では、『パラサイト 半地下の家族』(2019)や『ジョーカー』(2019)と似ている。
日本、韓国、アメリカで、同じようなタイミングで同じようなことを題材にした映画が誕生しており、しかもそれらが国際的に高い評価と興行成績を叩き出しているというのはなかなかに興味深い事実。
こうした経済格差は日本国内のみならず、世界的な問題となっていると言うことなんだろう。
ただ、本作と『パラサイト』『ジョーカー』の違うところは、後者2作はどちらも社会問題を扱っていながら、エンタメとしても高いレベルの作品であると言う点。
陰鬱な気持ちにさせるだけではなく、娯楽的に楽しめるポイントもちゃんと用意されている。
対して、本作は社会問題を観客に叩きつけることを目的とするあまり、娯楽的な要素は皆無。頭からお尻まで、とにかくドヨ〜ンな気持ちにさせられる。
120分全てがスローテンポな上、スカッと出来る抜きどころは一箇所もない。なんでこんなツラい思いをしながら映画を観なくちゃならんのだ…と何度思ったことか。
映画とは結局のところ娯楽。仕事や勉強じゃないんだから、楽しさこそが至高。そこを忘れた作品を評価する気にはなれない。
第一、現代日本に蔓延る問題を鋭く切り取った問題作!みたいな顔をした映画だけど、あまりにも一つの家族に社会問題を集約させすぎていて、「こんな家族居るわけねーだろっ💦」という気がしてしまい、この映画が提起する問題点を素直に見つめることが出来なかった。
そりゃフィクションなんだからファンタジーでいいんだけど、リアリティラインの引き方は考えて欲しい。
とまぁ、賛否で言うと完全に否。
とはいえ、観終わったら何にも覚えていない無のような映画とは対極に位置する、いつまでも心にドシンと居座り続ける作品であることは確か。
地味で面白みのかけらもないが、観客の心に強い影響を及ぼすとてつもないパワーを持った映画であり、そういう評価軸で判断すれば、本作は日本映画史上に残る名画と言える…のかなぁ?
まぁ一言で言うと「良い映画だけど趣味じゃない」と言うことです😅
全然好きじゃない映画だけど、俳優の演技は素晴らしい!
安藤サクラや樹木希林も良いが、MVPだと思ったのは池松壮亮✨出演時間は1分くらいだと思うんだけど、あの表情の演技は凄いっすねぇ。彼が重宝される理由が初めてわかった気がする。
また、本作は役者の肉体の艶やかさをとてもよく引き出していたように思う。安藤サクラの背中!松岡茉優のお胸!!そしてリリー・フランキーのお尻!!!
監督のインタビューによると、この作品は「肉体」の映画であるとのこと。樹木希林が見せた「老い」と、役者陣の体当たり演技が見せた「性」。対照的な肉体の対比が、「生」と「死」という人間の根源的問題を明明と描き出していたように思う。
…にしても、松岡茉優っておっぱい大きいんすねぇ…。
ぐだぐだ書いてきたことを要約すると、観ていて気が滅入ること間違いなしの一本だっ!ということ。
好き嫌いは別れるだろうが、強烈な映画であることは間違いない。鑑賞にはそれなりの覚悟を持って臨むことをお勧めします!
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