シンプル・フェイバーのレビュー・感想・評価
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ドメスティックノワールってなんだろ
ハイヒールにスーツ。チョッキに提鎖。シックなソフトをかぶって、全身が青い。スーツを脱ぐとYシャツは着ておらずダミー袖にダミー襟。さながら男装のストリッパー。すらりとした腕や胸元が露わになる。
ブレイクライブリーの登場場面がかっこよかった。
語尾のだらしない英語。芯が太く毒舌。駄々る子にI let you tear my labia as you exited my body.(あんたが出るときわたしのあそこを裂いたのよ)。
被服業界の広報で富者、ポルシェに豪邸、男相関図は百戦錬磨、昼間からマティーニ。
金満で奔放な母親キャラクターだが、ディティールが備わっている。まして現実にその風合いをもったブレイクライブリーが演じている。キャラクタライズってのはこうやるもんだ。みたいな度ハマり。
対するアナケンドリックも冒頭の僅かな描写でいけてない母親を体現する。
目立ちまくる参加意欲。スベりまくる発言。小柄と西松屋でついで買いしたような原色服。淡カーキのスバルCrosstrek。事故で旦那と身内を失っている。
自身のママ友向けブロードキャスト配信でエミリー(ブレイクライブリー)の失踪を概説する体で、映画は遡行スタートする。
ステファニー(アナケンドリック)の独自捜査が始まると映画は面白さが加速する。
そして謎めく。
どこにでも入り、誰にでも取り入る──ことができるステファニー。無害きわまりない聖人顔のアナケンドリックが真価を発揮し、一枚一枚謎が剥がれる。
と同時に、さかのぼって事の真相カットが挿入される。
どんな人だったのか、なにがしたいのか。
スリリング。
その語り口に、過去文学の遺産があらわれる。
おそらく英語圏の知的層には宝庫のようなラインになっているのだろうと想像できる。
あまりないことだが映画を見て、小説が読みたくなった。
小説は『英米ミステリ界を席捲するドメスティック・ノワールの真骨頂』と紹介されていた。
非読書家のわたしにはドメスティックノワールが何のことか解らないが、小説も映画もクライムストーリーでありながら、ずっとポップ。パトリシアハイスミスの孫娘が書いた──の肌感。欺し合いの応酬も、シリアスへ沈まずに諧謔的。楽しい話になっている。
映像化には、原作にないことの肉付けと、原作にあることの間引きがあった。
筋書きにも性格にも改変、加描、端折りがある。
そのドラスチックな翻案。
Darcey Bell作というより脚本のJessica Sharzer作とも言える。
映画の発展は原作者の融通にもある──がよく解る仕上がりだった。
ところで男装に見惚れるものの、ラスト、New Blackを着たエミリーがいちばん似合っていたかもしれない。ライブリーは案外器用なひとで品を作ってもグレてもいけることがよく分かった。
ゴーン・ガールの再来、ではないような
一言「女に友情は、ない。多分」
原作が「ゴーン・ガール」の再来か?という宣伝がありました。
むむ。あの映画はちょっとトラウマになってるしな・・・。
◎よかった点◎
・ママ友はどこへ消えた?→結果は前半でわかる→じゃあ誰が計画したの?。
この流れがスイスイ進むので、フムフム。割とわかりやすい。
主人公&ママ友&ママ友の夫。軸の登場人物がこれだけだし。
・主人公がブログ(動画付き。YOUTUBEみたいなの)をしていて。
徐々にママ友の捜索を、ブログで呼びかける。
この設定場面が、時々挿入されるアクセント。そういうことかと、ラストでわかるのが今風。
びっくりした!。
△イマイチな点△
・サスペンス調に仕上げようとしているのは、わかるんだけど。
息子が「ママを見た」とか、保険金等。
だけど、肝心のアナ・ケンドリック(大好きな役者さん)が。
可愛い表情がどうしてもそれを薄めちゃう。
・主人公の夫と義兄の自動車事故。このアイテム回収してない(思わせぶりではある)。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「謝らないのは、約束だから」。
女性って怖い
したたかさに目覚めた聖人
WOWOWにて前情報なく視聴。
ストーリー知らずに観たので楽しめた。
吹替で観たので、次は字幕で観たい。
映画冒頭の、典型的なお人好しで純真がゆえのおせっかい焼きで「聖人ぽい」ステファニーが、物語を通じてしたたかに、最初は躊躇しながらも人を欺くことを覚えていく。
「シン・ゴジラ」のセリフを借りれば、「危機というものは日本でさえも成長させる」。
プラスかマイナスの成長かは分からないが、とにかくステファニーの成長ヒストリーは観ていておもしろかった。
人は誰しも秘密があり、それを共有できる相手を親友と呼ぶのかもしれないが、そもそも秘密自体が虚構だったならば親友との関係も虚構なのだろうか?
でもこの2人はその後よい友だちになりそうな気もする。
また、ステファニーの亡き夫も、実は義兄のことを知られたので…という可能性もあるのか、いやそれはないか。
以下、印象的なセリフ。
「強く言わなきゃ分からない、特に強い相手にはね」
「私はパン屑を追うだけ、着くべきところに着く」
「嘘じゃないです掃除してます」
「これぞハイブリッド車、死ぬほど静か」
「車にはねられたばかりよ、あなたの膝が心配」
「ごめんね…いいえ謝らないわ、約束だもの」
女優2人の演技が光るサスペンス
アナ・ケンドリック全開…
20250507再鑑賞。内容をすっかり忘れていたがダサいが明るい普通の主婦アナ・ケンドリック、セレブで奔放な人妻ブレイク・ライブリーがイメージそのまま演じるブラックコメディ。サスペンス要素あり、二転三転どうなるか分からなかったが面白かった。
以降1度目の感想。早口でまくし立て、ダンスするアナ・ケンドリックはcuteでした。クールで上から目線のブレイク・ライブリーははまり役。しかし、妻が死んだのに妻の親友と、すぐにそうなるって、どっちもだけど…。展開は目まぐるしく変わって予測できなかった。結局旦那が一番情けない
タイトルなし
ママ友には気をつけろ
ブログで料理などを公開している明るいシングルマザーが主役(アナ・ケンドリック)、ママ友になってよ、と近付いてきたのがブランド物を身につけたセクシーなキャリアウーマン(ブレイク・ライヴリー)。
ところがこの女が殺されてしまい・・・。
主役二人ははまり役で観ていてとても楽しい。
ブレイク・ライブリーVSアナ・ケンドリック 勝者はどっちだ!
ミステリーなはずなのにコメディ色が顔を出す
「オシャレ」に潜む、虚飾と自己顕示欲
〈衣服〉は、身に纏う者の“虚勢”であり“虚栄”
〈楽曲〉は、その時々の“心情”と“感情”
それぞれを表現に全面に用いた
新しいようで、どこか懐かしい作風でした
本作『シンプル・フェイバー』
颯爽とポルシェから降り
雨の中から登場しイッキに心を鷲づかみ!
な「エミリー」もさることながら
先代のスバル・クロストレック(日本名:XV)
アプライドモデルE型、しかもデザートカーキ色の車で
疾走する「ステファニー」の姿と相まって
ポップで豪胆なほどの行動的な彼女が
とってもチャーミングで、わたしはステキに見えました♪
「女は秘密を着飾って美しくなる」
某探偵マンガの登場人物、
コードネーム “ベルモット” の言葉です。
カクテルの王様とされるマティーニは
そのベルモットとジンを合わせたものです。
花言葉ならぬ〈カクテル言葉〉は
《知的な愛》だそうです。
「シスターキラー」、「ブラザーファッカー」
…と罵り合ったエミリーとステファニー。
ふたりの違いは何だったのでしょう?
秘密を隠すため、偽りで塗り重ねたエミリー…
秘密を隠すため、誰にでも甲斐々しく振舞う姿を、
聖人ぶった偽善者だと揶揄されていても
好奇心の赴くまま、自分を貫いたステファニー…
ふたりの対決を仮に〈 傲慢 vs 欺瞞 〉という
構図に置き換えてみたらどうでしょう?
どっちもどっちでしょうか?
ネットが普及した現代において “評価経済社会”
という考え方があります。
お互いを評価し合い、監視と管理を
同時に行う社会の仕組みを言うそうです。
「もっともな偽善は、真善と区別がつかない」
「やらない善より、やる偽善」
という言葉があるように
《相手にどう見えるかではなく、どう見せるか》 が
勝敗のポイントだったのだろうかと思いました…
まあ、そんな理屈は抜きにして
久し振りに胸がスカッとする気持ちのいい
作品を観れてよかった!
無理して強行スケジュールで
劇場に行った甲斐があった!!
でも最後にこの作品の字幕にツッコミをいれます!
エミリーを車で突き飛ばした
ママ友仲間代表の父親!(この時点でわたし失笑!)
「さすが静かな国産車!!」というセリフ!
いや、トヨタ・プリウス日本車だからッ!
アメリカ人が国産車って言うの間違いだからッ!!
2019/03/31 劇場にて鑑賞
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