「エンタメとして素晴らしい」シンプル・フェイバー R41さんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメとして素晴らしい
第二作を見て、そして第1作を見た。
タイトルの語源
続編には明確に登場した言葉だったが、この作品にはエミリーがステファニーに「息子を学校に迎えに行ってほしい」と頼む際に使われた言葉に使われていた。
この物語のすべての始まり。
ただ、
全体的に鑑みて、この物語性にこのタイトルの組み合わせは少々違和感を覚える。
まるで、「GAPにエルメスを合わせるな」と言ったエミリーのボスの言葉のようだ。
しかし、それらすべては計算ずくであり、ミステリーやサスペンスと同様にコメディ要素があることが総じてのこのタイトルなのだろう。
この「ちょっとしたお願い」というのが物語を紡いでいくあたりの奥深さはなかなかのものだ。
違和感を感じさせつつ考えさせるという点が素晴らしいともいえる。
冒頭からステファニーの動画サイトで始まる。
この内容はアバンタイトルまで行く。
しかも最後まで動画サイトで締めくくっている。
この時代
今現在の時代
そして面白いのが、ステファニーの性に対する二次体験というのか同じことを繰り返してしまうこと。
頭で認識することと現実との差異。
あたかもエミリーの罠に嵌ってしまっていくような展開。
このどうしようもない感覚こそ、この物語で表現されている自然な人間性なのかもしれないと感じた。
理屈ではないのだ。
誰もが今現在の社会構造において、必死になって立ち位置を探っている。
様々なな要因とか理由とか、問題とか、大切なものとかを抱え込んで生きている。
さて、
その性格なのだろうか?
ステファニーはエミリーが消息を絶った理由を探し始めた。
ほんのささやかなお願いを聞いたことによって、そうなってしまった。
言ったのはステファニー自身ではあったが。
このあたりのコメディ要素はアメリカン人にとっての鉄板なのだろう。
邦画でいうところの「Allways 三丁目の夕日」のようなものだろうか。
この作品ではエミリーの背景がいまいちピンとこないような作りだったが、続編では明確になっている。
その辺が少しだけミスっていたようにも感じた。
続編もそれなりに面白かったものの、どうしても初回の問題を解決した部分にウエイトが置かれ過ぎていた。
なるほど~ そうだったんですね~ これを最初に見るべきだった。
ただ、
ステファニー 彼女のキャラは良かったと思う。
エミリーのように長身ではないが美形ではある。
ハリウッドで良くあの位置まで辿り着いたと言っていい。(偉そうにすいません)
彼女のキャラがあってのこの作品なのだろう。
似たような作品が多数ある中で、その間を縫うようにして表現したこの作品はなかなか素晴らしいと思う。
人生の誤算
この物語の裏テーマのように感じる。
この不条理
カミュやカフカが題材にしたテーマ
この他人が溺れる不条理の面白さこそ、最も人間味を感じることなのかもしれない。
まさにTragedy is Divine Comedy(悲劇こそ神のコメディ-神曲)
そういう見方もできるのかもしれない。