ビューティフル・デイのレビュー・感想・評価
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ちょっと微妙
好みの作風だが、個人的にはまらなかった。
過去(トラウマ)を抽象的に描いてはっきりとは提示しない手法だが、これがあまりに頻繁に差し込まれるので展開がぼける。見せるなら見せる、見せないなら見せないでどっちかに絞ってほしかった。だからそれなんですか?となる村上春樹みたいな感じをこの尺の映画でやられても正直しんどい。
あと、クズにしたいのかヒロイックにしたいのか、そこもどっち付かずだし、なんかちょっとレオン設定が漂うしで、進むにつれどんどん気持ちが離れていった感じ。映像の質感といい期待値があがるぶん、まじめに観賞したので個人的にダメなところが気になってしまうという。(もとからハードル下げてると気にならない)
まじめに評価するにはちょっと微妙です。。
ビューティフルデイというタイトル
たたずまいだけで語る
ジョーはトラウマを負っています。
そのフラッシュバックが、いつの何であるか、明確に描写されませんが、子供のころ体験した親からの虐待だということは、なんとなく解ります。
そのカットシーンが効果的なので、ジョーの暗さと身を置く世界の闇が、すんなりと伝わってきました。
女性監督ですが、こけおどしでない冷徹さがあります。
なんて言うか、地獄を知っているような気配値があります。
挿入される心象風景や点景は相当にスタイリッシュですが、人間社会の病んだ側面をとらえています。登場人物も世界も箱庭的ですが、狭さを感じさせないペーソスがありました。
もっとも特徴的な演技指導が感じられたのはジョーの歩くスピードです。いつでもどこでも、ゆっくり歩きます。それがなぜか、恐ろしい威圧感をともなっているのです。
彼の牛歩には、リンラムジー監督の底知れない実力をうかがわせる、不思議な説得力がありました。
ジョーは雇われの殺し屋ですが、徐々にペドフィリアに対する復讐の様相になっていきます。
議員から、娘ニーナの奪還を頼まれ、いったんは助け出すものの、知事の手下に、また略奪されます。
その直裁の説明描写はありませんが、結局、実父である議員も知事と結託してニーナを弄んでいたという不条理が、ジョーの悲憤を煽るのです。
ただし、復讐とはいえ、ダイナミックな劇へは持っていきません。どこまでも悲しいままで処理します。
すなわちニーナがIt’s a beautiful dayと言ったのはハッピーなエンディングを飾るためではありません。多少の希望をはらんでいるものの、天涯孤独になったゆきずりの二人には、茫漠たる未来が待ち受けています。その余韻を持たせるためのIt’s a beautiful dayだと思います。
ゆえに邦題はやや感傷へ流し過ぎだと思いました。
原題の「ここじゃない」は、ジョーの胸中に繰り返し去来する、虐待の記憶における子供時代の自分に対しての「あれは俺じゃない」がひとつ、退役して人殺しに加担している「こんなの俺じゃない」がひとつ、囚われたニーナの「ここは君の居る場所じゃない」がひとつ、ニーナの犯した罪(知事は死んで当然とはいえ年端もいかない少女が喉を切り裂くのはジョーも望んでいませんから)に対する「これは君じゃない」がまたひとつ・・・。
というように、複層のYou Were Never Really Hereが重なっていると思います。
歯痛や肉体表現も迫真でした。
ホアキンフェニックス。暗い眼窩、たどたどしい口調、哀しげな表情、あまり上手じゃない兎唇の手術跡。カンヌで、壇上へあがることを予期していなかったスニーカーが素敵でした。
脚本がねぇ……モンスター級。
見よう見ようと思っていて、邦題がビューティフルデイだから、後回しに。w
ホントもう邦題つけるのは金輪際必要ない。見事な字幕翻訳はあるが、邦題に出会った事は一度もない。
本編は、見事な脚本に尽きる。トラウマの本質は、本人もどういう記憶で、どんな作用があるか、分からない事。こんなトラウマを抱えてますなんて、トラウマではない、単なる嫌な記憶。みたいな。
忘れた、忘れたいが、戻って来るのがフラッシュバック。あなたはここにいなかったという母親の、消去というかリセットを今度はジョーが少女にするのかもね。まぁお互いかな。
少女が知事を殺して今までの自分と決別してセルフ救助した事は、ジョーにはできなかった事で、なんだ、こうやればいいのかって笑い泣き。
道のりは長いけど、自分と決別して分からない未来に踏み出すのは、二人にとってもはやお散歩です。過去に死んで、新しく生きるという事はほとんどの人間が意味も知らないまま、死んで行くので、こういう映画の価値が評価できる場所がカンヌにあって良かった。w
最後のぶっ放しは、ジョーの涙と共に起こされた変化。本人にも自覚がないとも思わせるほど。決心にはあまり見えなかったけど、少女もトイレで自分をかき切ったかも。w
これで二人は過去「だけ」で生きる所から解放されて普通の会話を手に入れた。幸あれとしか言い様がない。
あなたは本当にここにいなかったというのは、あなたのせいじゃない、あなたの責任じゃないと同義。自己責任常識化と安直な思いやり運動の幼稚さに、強烈なハンマーを投じる。
ホアキンの名演は勿論、考える事でしか何も成長がない事を映画に託すスタンスが見事。訳の分からない作品もあるけれど、その中で考えれば分かる作品は、少ない。
一度死んで新しく生きるを脚本化、映画化して、「本当の救い」に挑戦した事に拍手。日本では、まず生まれないだろうな。傑作というより一つの到達点。映画もここまで来ました。
緊張しながら浮遊。鑑賞後はめまいに似た感覚
大向こう受けする作品ではないですね。
行方不明になった少女を探す探偵と売春をさせられていた少女の物語。
過去のトラウマに苦しみながら少女を探し救い出そうとする冴えない中年探偵。と捕われて心が壊れてしまった少女。
カンヌで高い評価を受けた作品のようですが、私のような似非映画好きには少々敷居が高いように感じられました。それでも、残酷で、切なく、でも美しい情景が描かれているように感じられました。
私自身に年老いた母親がいる為か、心が締め付けられるシーンもありました。
ただ、主人公の過去やストレスからくる妄想の映像が唐突に織り込まれる手法は、正直見難く私には負担でしかなく、その点も含めて評価は少し低めの・・・普通にしました。
あぁ、アート系だ
死の淵から蘇る
I‘ve never been to me…
ジョーは基本的に優しい人間だと思う。自分を殺しに来た(そして母親を殺した)男たちのうち、(一人は一発で仕留めた)もう一人の腹を撃った男が『一人で死んでいくのは寂しいので側にいて欲しい』とすがってくると、言われるままにその男が事切れるまで添い寝してたやる。その時に瀕死の男とデュエットする…Chareleenの「I‘ve never been to me」を。この歌をこのシーンに使うとは。しかし、殺しあった二人の男が、もう敵味方ではないように歌う『私は1度も“本当の私”を生きなかった』という歌詞が、二人の男の人生にオーバーラップするように思えてならなかった。また、映画オリジナルだが、ジョーが殺された母親の骸を湖に沈めるシーンも幻想的で美しい。非常に暴力的でありながら非常に美しいということを静かに然し有無を言わせず共存させているフィルム・ノワール。
映画は生きるためにある
たまに映画が好きでよかったと思える映画に出会えるが、これもその一つ。
サスペンスやスリラーでは括れない、
人間ドラマ。
ホアキンフェニックスの演技と肉体は
説得力とユーモアに満ちていて気持ちが良い。
1.殺し屋であり、実母と生活している
2.深い何かしらのトラウマを抱えている
3.少女を救い出して欲しいと、その議員の父親から依頼
4.救出するが、議員の父親が死に、娘を拉致される。
5.仕事仲間が立て続けに殺され、母親を失う。
6.母親を殺した奴と一緒に歌を歌う(美しい)
7.母親の埋葬(美しい)
8.知事を付けて家に行くと、死んでいる。
9.食卓にいる娘(女の子)
10.食事シーン(美しい)
4からは、面白くてしょうがなくなる。
90分という尺は、なんていいんだろう。
素晴らしい日に向かって…
死ぬにはいい日だ
WOWWOWPG12。まるで説明が無い、でも切ない
監督女性なの!?
グロ描写凄い
行為は見せず事後に飛ぶ演出
かと思えば過去のトラウマ映像
あの娘は第二のホアキンフェニックスになってしまうのか…
酷い目にあった女の子の前に上半身裸で現れるのもどうかと思うが。
ものすごいシュールなダイナーでのシーンに!!!
あれでリセット?
ハッピーエンドにみえちゃう
音楽の使い方といい、センス!
屋敷のセットとかも
何この感じ
分からないのに響く
【ハンマーを持ったホアキンの哀しい佇まいが忘れられない・・。】
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