ビューティフル・デイのレビュー・感想・評価
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演技は良いのに、いまひとつ伝わらない
いまひとつ乗り切れませんでした。
ホアキン・フェニックスの演技は良かったし、映像も悪くなかったんですけどね。
根底に流れている部分が、いまひとつ理解できず、いろんな表現がしてあっても、上辺のものに感じてしまいます。
それからグリーンウッドの音楽は、もう少し控えめにしてほしいなと思います。
映像より音が前に出ちゃうのは、飽きます。
デュエットするシーンは面白かったです。
間が長い
余白と余韻で観る者の感性と想像に委ねる作りとしては、あまりにも一つ一つのシーンの間が長く疲れる。
ところどころ出てくるカウントダウン、因果関係と繋がりを理解するのもしんどい。
好みが別れるかな😔
タイトな映像と音
キリキリとハートを削りにくるストーリー。それを巧みに盛り上げる細かいカットと効果的な音。状況も登場人物の過去もトラウマも、みな映像で分からせる演出で実に映画らしい映画。
エグいので誰彼に勧められないけれど傑作です
音楽と映像が素敵です
原作のハードボイルド感を残した、素晴らしい映像化!レオンとマチルダを彷彿とさせる流れまであり、小品ながら満足度は高いです。音楽も素晴らしく、少し前のヒットが切なさを駆り立てます。
タイトルは、原題の和訳を考えれば、これで正解なのだと思います。
大好き
素晴らしい。血と暴力とトラウマと幻想性。省略と抑制の効いた演出で紡がれるのは奇妙な殺し屋と少女の物語。
鋭利かつ硬質なショットとキレのある編集。説明台詞を排した演出が冴え渡っている。
ジャンル映画の枠組みを借りつつも、そこから逸脱/脱臼する奇妙で美しさを讃えた抒情性もある。映画の娯楽性・ジャンル感と芸術的側面もきちんと融合している。
パーカッションや打ち込みによる不規則性と規則性を往還するリズム主導の音楽が、主人公の内面的錯乱・苦悩状態を体感させてくれる。物語世界で鳴っている音と劇伴が明確に区別されず溶け合っているような箇所が何度もあり、それがまたよかった。ジョニー・グリーンウッドは毎回いい仕事をしていると思う。
髭ボーボーでずっしりした体躯、虚ろな目で虚無を抱えるホアキン・フェニックスも存在感があっていい。楔のように打ち込まれるフラッシュバックが常にタナトスの方へと彼を誘引するが、あのフィジカルな存在感で辛うじて現世へ繋ぎ止められているような説得力がある。
湖の中での美しい水葬シーンや、シャーリーン『愛はかげろうのように』を使った奇妙な演出など、幻想的な場面が符牒のようにあらわれる。
そして、出番はそれほどでもないが、無垢で残酷な存在感を強烈に残すエカテリーナ・サムソノフという発見も嬉しい。
ハンマー映画に新たなる傑作誕生か。ほんと好き。
銃器を使わない方がより暴力的に観える
『パンズ・ラビリンス』でも『プリズナーズ』でもそうだったが銃器を使わない方がよっぽどキツイ暴力描写になる。トンカチが流行りなのか?
最初の奪還時は防犯カメラ越しのカット割りで、2度目の奪還時は防犯カメラ風にカット割りしているのが面白い。
最初ホアキンが髭もじゃすぎて誰だかわからなかった。
救済
虐待の傷を受けたジョーがニーナをはじめとした少女を救う様子は、幼少期のジョーを自ら救済しているようにみえました。知事が殺された現場でジョーは「俺は弱い」と言っていましたが、ニーナではなく自分で手を下したかったのでしょうか。家の中で絶対権力を持っていたジョーの父親と知事がかぶりました。ラストシーンは、本質的に救済されたと受け止めました。
ラストシーン、タイトルに涙する。
見えている映像で、見えてない事実を雄弁に語っている。挿し込まれるフラッシュバックが、ジョーの過去を明らかにしてくれているのだが、それさえも断片的でありながら、その強烈さが伝わってくるところがすごい。おまけに、ホアキンのあの肉体。なるほど、元軍人かとわかるが、どこかいびつな筋肉で、それがまたこの人間の壮絶な過去を想像させるのに十分すぎるほど雄弁な、無言の裸体なのだ。
そして、ラスト。
なるほど、その選択をするのか。
それではなんだかわからないという人は、観るべし。「その選択」は観た人それぞれの予想であろうけど。ただ、”beautiful day”の意味を噛み締めるには十分なラストだ。
面白い
音楽と映像の無機質さが殺伐とした話にピタリ合っている。とにかく流血死体をやたらしつこく見せたがる演出だった。
ホアキンの一人称的視点から一歩も外に出ず、映画というよりは短編小説を読んだ様な感覚だった。少女役の子は出ている時間は短いが、かなりの存在感だった。
決別
豊かな音楽がスクリーンを彩っていたが、キャラクターのテンションが一定で鬱陶しい。
何故そこに至るか。
構成が虫食いの分、演出に意地悪なミスリードは無い為、画面と音響で明確に示されているが、単純な帰結の割には雑な過程。
予定調和の女神が微笑む。
実にカンヌ好みの現実の甘さだ。
ずっしり
レオンが好きだし、元軍人って設定も好き。でも想像と違った。ずっしり。ホアキンの傷だらけの裸がいろいろ物語っててカッコよかった。髭と長髪も。たまに決め顔になるけど、それがめちゃめちゃカッコよくて、さすがハリウッド俳優だなと我に帰る。
リン・ラムジー作は精神にクる
リン・ラムジーと言えば、「モーヴァン」「少年は残酷な弓を射る」など、救われない心を救済するかと思わせて突き放す作風が散見されるが、そういった浮遊する心への監督の鋭い眼光がピークに達したと言えるの今作だと思う。淡々としていながら、過激で残酷で、でも魂の救済を渇望する人々を見つめる視線には、微かな優しさも感じられる。少年期のトラウマを引きずりながら、満たされない現在を殺伐と生きているだけの男。人助けの様だが、実際には人殺しという家業に身を投じている彼は、大人にはツラく当たるが、少年少女にはどこか優しい。そんな彼が、大人の勝手な欲と汚さにより、あまりにも過酷な境遇に晒された少女と出会い、何かを共有する事によって、彼の精神は満たされたのだろうか...そのものズバリな邦題(原題は全然違う)に希望を見出したい。PTA作品の常連、すっかり映画音楽作家として成熟したジョニー・グリーンウッドの耳障りなまでに鋭角な音楽は、心に突き刺さるようで痛くて素晴らしい。ホアキン然り、ダイアン・クルーガー然り、昨年のカンヌの審査陣はちゃんとしてたんだなあ、と納得。
トラウマ塗れ
壮絶な過去を引き摺りながら死んでいるように生きる悲壮感が漂う男。
断片的な映像での描写に男の過去をはっきりと理解することは出来ない。
それを語ることもしない。
ただ哀しい男であるのは解る。
母親との何気ない場面にすら暗いモノを感じる。
ベタな曲を口ずさみながら死ぬ男と死ねない男の狂気じみた奇妙なシーン。
心が死んでいるような無感情で表情も変わらない少女が一度だけ感情を剥き出しに「ジョー!」と叫ぶ。
湖の底で少女の幻影を見て死を諦める男が救われたい気持ちを浮遊しながら向かい合う。
"まったくもって存在していなかった"男と少女のこれからは・・・・!?
掴みどころのない心の闇。幻想的なサスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:主人公が抱えたトラウマの深さや、それ故の葛藤が、不思議な少女の救出劇を通して描かれていく様に、思わず考えさせられるものがある。
否:物語自体はかなり淡々と進み、想像しないと分からない部分も多いので、好みは分かれそうなところ。
トラウマを抱え、時々自殺企図をしながらも、家出し傷ついた少女達を救出し続けるジョー。観ている方は、最初はその真意が分かりませんが、ニーナの救出事件を通して、少しずつその理由が明かされていくので、ジョーが抱える痛みの重さに、思わず考えさせられてしまいます。彼の、死ぬことを恐れていないが故の強さや、決してヒーローではないその心理描写も、見事なものがあります。
半面、ストーリーはかなり淡々と進んでいくほか、ハッキリとは語られずに、
「えっと・・・結局こういうことかな?」
と想像しなければいけない部分も多い印象を受けます。加えて、結構生々しい暴力描写もあったりするので、その辺りは好みが分かれそうなところです。
とはいうものの、なかなか異色な光を放つサスペンスでもありますので、是非チェックしてみて下さい。
脚本賞かー…。
深読みさせないでシンプルな話が好きだからよくわからなかったなー。エロ政治家を勧善懲悪にバッシバッシと成敗するような感じがはまるので自分には合わなかった。まあ、それでも見応えはありました。あと、音楽と効果音がアルジェントみたいで好き。
恐怖
不思議な後味の作品。
研ぎ澄まされた恐怖がハンマーから伝わってきました。
主人公のトラウトの表現がとても上手で、またその演技がとても素晴らしかったです。
ハンマーでぶちかますというシンプルなスタイルが、狂気を倍増します。
ほったらかし
精神的に病んでる男の抑揚のない殺人行脚。他人の依頼でヒト殺し。殺しても、殺さなくても何も変わらない。「お前は本当はそこに居ない」まあ、その通り。
この映画を観ても、観なくても何も変わらない。
おもしろかった
人生に絶望した中年男と居場所のない少女の邂逅と人生の再生なんてのは、まぁかなりありきたりな設定かもしれません。
しかし、えげつないことに満ち溢れたこの世の中においても微かな希望が訪れる瞬間があるということ。
それが孤独な独身女と捨て猫の出会いであっても、虐待された少年と変わり者と疎まれる老人の出会いであっても良いのです。
手垢の付いた設定だの説明を省きすぎだの思わなくもありませんが、伝わるものは確かにありました。
☆☆☆☆ 現代の『タクシードライバー』に偽りなし。 少女を助ける話...
☆☆☆☆
現代の『タクシードライバー』に偽りなし。
少女を助ける話といい、ラストシーンといい…。
やべえくらいにクソ面白い。
鏡に向かい、謎のアルファベットの歌を歌う場面等は。あのトラビスが乗り移ったかの様に思い、ついついニヤニヤしてしまう(^^;;
早い話が、チンケな殺し屋の話なのだが。この男は、過去に強いトラウトを抱えている。
だからこそ、トラウトを払拭させる為に、殺し屋稼業を続けているのだ…とも言える。
更に言うと。この男は、マザコンらしき兆候も見受けられるのだが。どうやら母親共々、過去に起こった事件が関係しているらしいのは。度々入るフラッシュバックで、※ 観客側に(『サイコ』ネタ等を使い)少しづつ提示されて行く。
母親の最期等は、ちょっとだけ『ゴッドファーザー』を想起させなくもない。
映画は半分程度進んだ時に「あれ?終わり!」…と思わせて。ここから一気に急転直下の展開を見せる。
案外と政治的な話が入る…と思わせながら、その真相は浅い。しかし、映画の面白さの前には、寧ろどうでもいい話でした。
どう考えても簡単には「セキュリティーは突破出来んだろ〜」…と思うのだが。そんな意見なんぞは、主人公が手にするハンマー1本だけで、観客を黙らせてしまう。
映画の前半部分で、そのハンマーの使用方法を観せているだけに。シンプルな演出ながらも、観客に有無を言わせないだけの説得力を持っている。
映画に深みの有るストーリー。数多くの伏線を最後に回収し、感動場面で観客を酔わせる…そんな作品を観たい人には全く用は無し。観ない方が良いでしょうね。
何しろチンケな殺し屋が、ハンマー1本を片手にし。人の頭をカチ割る話なんだから(^^;;
こうなったら、子供時代のトラウトを受けた事件を詳しく知りたい…と、つい思ってしまう。
※ 母親がビショビショにした床を丁寧に拭く場面等は、まさに『サイコ』そのものだ!
2018年6月6日 ヒューマントラウトシネマ有楽町/シアター1
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