「ようこそ、MONEY迷宮へ」億男 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ようこそ、MONEY迷宮へ
通常スクリーンで鑑賞(レイトショー)。
会社の同僚と観ました。
原作は未読。
一男(佐藤健)が失踪した九十九(高橋一生)の行方の手掛かりを得るために、フリマアプリの会社を共同経営していた人たちを訪ねますが、それぞれのキャラがめちゃくちゃ濃い。
特に北村一輝と藤原竜也の強烈キャラのインパクトがすご過ぎでした。それだけで観る価値があるなぁ、と…。これが序盤で一挙に詰め込まれているのでお腹いっぱいになりました。
沢尻エリカの考え方には納得させられましたし、身に摘まされるものが。後々の展開には登場しないので、なんとももったいない使い方だと思いました。豪華な面子ですし。
先々で見せつけられる、様々なお金の姿。それに一喜一憂する人々。一男はお金の持つ多様な側面に翻弄されました。
まさに迷宮です。とても身近なものなのに、深く考えていなかった部分がクローズアップされ、とても面白かったです。
お金の持つ魔力と魅力は底知れない。無いと困るし、あったらあったで享楽的になり、いろいろ歪みそう。
知らず知らずの内にがんじがらめにされているのかも。人類はとんでもないものを生み出したもんです。
ものの価値は人それぞれ。そんなものに大金注ぎ込むなよ、と思われても当人に取ってみれば無駄ではなく、有意義で意味のあるお金の使い方。お金は人間の想いが具現化したものなのかもしれません。マネー迷宮の果てしなさはえげつない。
とにかくお金を失うことよりも、目の前にあるものを失うことの方が辛いかもしれないと思いました。
離しちゃならない。夢になるといけねぇし。
[余談1]
中盤から後半、延々と一男と九十九のモロッコ旅行のシーンが続く。エンドロールまでモロッコ。砂漠の壮大な景色を堪能出来たので、観光映画の側面もあると云うことでしょうが、尺を取り過ぎている感が正直否めませんでした。
ロケ代の元を取りたかったのはなんとなく分かりますが…
お金の正体が知りたいと云う九十九の想いの原点であり、一男にとっても大切な友達との想い出の場所。重要なシーンであることは理解出来ますが長過ぎる。一気にダレました。でも、深い友情で結ばれたふたりの関係性にはウルッと来ました。
[余談2]
古典落語の「芝浜」、初めて知りました。奥が深い。フルで聴きたい。高橋一生の落語、上手過ぎる。砂漠で打つ「芝浜」の一席が、何故かとてもしっくり来るのがユニークでした。
[以降の鑑賞記録]
2019/10/25:金曜ロードSHOW!(地上波初放送)
※修正(2024/04/24)
asicaさん、コメントありがとうございます。
寝てしまう気持ち、分かりますよ(笑) テンポが悪いんですよねぇ…。モロッコがやたら長い…。地上波版はカットされていて非常に観易くなっていたように思いました。
私は1度目は飛行機の中で見ましたが、何回見直しても途中で寝てしまいました。先日の地上波放送でやっと全貌が明らかになり(笑)
あーこんなお話でしたか、と思った次第です。
芝浜は いい作品ですよね、私も好きです。