未来のミライのレビュー・感想・評価
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アニメーションの手法を用いた発育ドキュメンタリー
細田守が大衆向けのエンタメ映画との訣別を高らかに宣言した作品。ポスト宮崎などというものではなく、自分の信じる作品を、アニメ監督としてのオナニーで生きていくという覚悟を雄弁に語っている。
少なくとも中途半端に大衆向けに振った結果、気持ちの悪さが否めない「おおかみこども」や、ヒロインの存在がただ不愉快な「バケモノの子」に比べて地味ながら非常に芯の通った作品になった。個人的にはこれまでの細田守の作品のなかで最も好感をおぼえた。
本作はアニメーションの手法を使ったドキュメンタリー作品だ。弟ないし妹ができたどこにでもいる普通のホモサピエンスの少年の心理と成長を、子供らしいファンタジックでサイケデリックで美しい妄想世界を織り交ぜながら真摯に描き切っている。地味なことこの上ない。
そこにケレン味のある非現実的で陳腐なイベントは存在しない。両親が不仲で家庭崩壊の危機があったり、妹が誘拐されたり失踪したり、いじめにあったり重い病気を患っていたり、ありがちな設定は一切存在しない。
くんちゃんの空想や夢、あるいは過去や未来の登場人物が入り乱れる不思議な時空の歪みのようなイマジネーションの世界を除くと、この作品で描かれる全てのストーリーと場面と空間は、この日本中のどこにでもいる4歳児の半年間の生活でしかない。彼の生活空間は(保育園除いて)家から殆ど一歩も出ることがなく、重大な問題が起きることも起こすこともない。NHK世界のドキュメンタリーあたりで「子供の心身の成長メカニズムと記録」みたいな題名の番組で取り上げられそうな、美しくわかりやすいところを映像編集で切り取ってはいるものの、ごくごく平凡な男児の日々である。
地味でリアルな生活を描いているからこそ、その人物の挙動やオブジェクトの描写の機微は素晴らしい芸術的な域に達している。新海誠みたいなてらてらの綺麗な背景にキャラクターを特に工夫なく動かしているだけの子供騙しな演出ではなく、例えばそれは横浜に降る淡いぼたん雪の人欠片の描写だったり、飛んだり跳ねたりするたびに揺れる厚手の子供服の質感だったり、出産直後の母子の赤ら顔だったり、枚挙に暇がない。
作品タイトルやメインビジュアル詐欺をかましており、未来のミライちゃんの存在感は大したものではない。前述の通り本作は4歳児の空想あるいは不思議な夢を介在させたリアルなドキュメンタリー作品なので、『とある4歳児の半年間』とかそんな地味で面白みのないタイトルこそが相応しいはずだ。
作中で描かれる主人公の曽祖父や両親たちの人生の生き方が、誤解を恐れずに言えば非常に“まっとう”な設定になっていて、そこに変に凝ったものがない。
「普通の人間だったらこれくらいの年齢で結婚して家庭を作るもんなんだぞ? 独身でチャラチャラしてる連中は人として恥じろ」
というメッセージも、もしかすると一定込められてるのかもしれない。
細野のケモショタ性癖はもなや公然のものだが、今回はいまいちそのフェティシズムの狂気が感じられなかった。ケツに尻尾ぶっ刺したり、くすぐられてイク程度の別段騒ぎ立てるほどのことでもない描写が無理やりねじ込まれているようで「期待されてるからやってみました」レベルの要素にしか感じられなかった。細田監督は家庭を持ってどんどん完成が凡人化しているのではないかね?
誰もが通る道を多彩な視点で
リアルな家族の物語と
ファンタジーが交錯する
時間も場所も飛び越えて。
主人公の男の子が
小さな冒険を重ねる度に
少しずつ世界を広げ
少しずつ世界を理解していく。
自分と他者の関係も変わっていく。
本当に少しずつなので、
これまでの細田守監督の作品からすると
物足りなく感じる人もいるかもしれない。
物足りなかった人も、
自分を取り巻く環境が変わった時、
もう一度観直すと、
何か変わるかもしれません。
僕は結婚もしてないし
子供もいないけれど、
楽しかったです。
思ってたほど悪くない
巷で言われるほど悪くなかったです。
正直なとこ、細田監督の価値観は自分の価値観とは合わない部分が多く、この映画も批判する気満々で観に行ったのですが(性格悪い)。
まず、このサイトでも散々批判されている声優の件ですが、主人公くんちゃんを演じる上白石萌歌さんは言われるほど悪くなかったです。
確かに4歳児に聞こえないと言われればそうですが、「そういうもんだ」と思えば然して気にならない。むしろよく頑張ったと思います。棒読みのタレント声優なんて、他に掃いて捨てるほどいますからね。
パパ・ママを演じる星野源さん、麻生久美子さんも違和感はありませんでした。個人的に声優に関しては何の問題もなかったです。
子供の仕草が丁寧に作画されていたり、子育てあるあるが満載なのも見ていて和みます。
ただ、他のレビューでも指摘があった通り、くんちゃんの一部の言動には違和感があります。
「4歳児が理解できる?」と思うような単語をくんちゃんがすんなり理解するシーンが幾つかあり、やはりちょっと詰めが甘いなと。
脚本に関してもいくつか気になる点がありました。
庭の木の不思議な力でくんちゃんが過去や未来の「家族」と出会い、少しずつ成長していくという物語の基軸は理解できます。
しかしそうなると、クライマックスの「未来の東京駅」はどうしても浮いて見える。
「映画だから」と、派手な映像や危機的状況を無理やり“くっ付けた”という印象が強いのです。
浮き沈みの少ない日常系の映画ということで腹を括ることはできなかったのかと思いました。
最後のミライちゃんの台詞も野暮ですね。あれは台詞で説明してはダメです。
もうひとつ、この映画には「現代の家族のあり方を問う」というコンセプトがあるようですが、それにしては最後にたどり着いた結論は底が浅すぎます。
他のレビューで細田監督の家族観は古いのではないかという指摘がありましたが、とんでもない。
これまでの細田作品の様々な描写を含めて考えると、現代日本人の大多数と同様に、細田監督は近代的な価値観にどっぷり浸かっているとしか思えません。もちろん、悪い意味で。
あと、他のレビューでも指摘があった通り、幼児に優しくない家の構造はやはり気になりました。
途中で何度かヒヤリとするシーンもあり、こんな構造にする必要があったのかと疑問に感じます。
斬新さや独創性ばかりに気をとられ、肝心の基本的な要素を疎かにするという点で、この家の構造は「細田映画」に通じるものがありますね。
他に細田節といえば細田節だけど、個人的に寒いと思ったシーンを箇条書き。
・くんちゃんが犬の尻尾を付けるシーン(またケモノか)
・ダルマさんが転んだのシーン(いや、一人で行けよ)
・幼少期のママと部屋を荒らすシーン(単純に嫌悪感)
…ここまで書いてきて、「悪くない」と言いながら結局批判が多くなってしまった気がしますが、想像していたより悪くないと思ったのは本当です。
少なくとも前作『バケモノの子』よりはずっとマシでした。
独身の20代大学生には。
描いてる内容はわかった
ただ若い自分からしたら面白くはなかった。
小学生とかだともっと面白くないんじゃないかな
少し大人な内容だったかと。
声優はみんなが言ってるとおりかと。
最初の犬とお雛様の展開いる?
ケーキおいしそうだった。
細田監督は子供も大人も楽しめる作品っていう
レッテルだけが貼られてそればかり求められて
それが嫌だったのかもしれない。
山下達郎の曲を聴きに来たつもりが良かった
山下達郎の曲を1800円で聴きに来たくらいで見てみたら、なかなか面白かった。
自分への愛情が、新しい娘が生まれたことで一変してしまうという一種の大事件を乗り越えようとするキッズのファンタジー映画。
なんで!?と理由を求めたら破綻してしまうことが多い
けれど、隣に座った親子は時折笑ったり、最後はすすり泣く音がしていました。
声が合ってる合ってないに関しては良くあることだし特に気にせず、また、
家族ってすごい!とか、
こうやって今の僕たちに繋がってるんだ!とか
そういう映画から何かを得ようとしてみるのは
あまりオススメできないかと。
なぜならこの映画は
知らないことだらけの幼い子供が新しい家族と対面し、自分の居場所がわからなくなりかけつつも、
自分のアイデンティティ 兄であること、家族であることを強く認識する
すごく小さな、ありふれた世界の瞬間を切り取った話
だからだと思います。
テーマ自体は新しくもなく、クライマックスも、あーアレがクライマックスか、、!?
くらいの感じです。すごくオフビートですが、飽きも特に来なかったです。
唯一気になったのは映画館で見てるのになんで16:9画角やねん。。。
ターゲット層がわからない
子供も楽しめる幼い主人公と未来の妹の冒険譚と思いきや冒険というにはやや物足りないストーリー展開。
では大人向けの家族が主題のお話かと言えばそれも不足気味で、問題が起きたのち解決に至る術が毎度ファンタジー要素によるものなのがしっくり来ない。
ファンタジー描写の後、何となくで問題は解決しました、主人公は成長しました。と言い切られてる気がして毎度置いてけぼりを食らう。
色々要素を詰め込みすぎて消化不良な感覚だけが残ってしまった。相変わらず絵の描写は綺麗だが。
次回作に期待してます
内容や声優さんは期待外れではあったけれど、
細田さんの絵が何よりも好きなので
家の造りや時代を超えるシーンの美しさなど
細かいところに魅力を感じました。
細田さんの作品では
サマーウォーズやバケモノの子の印象がとても強く
僕の大好きな映画でもあるので
それらと比べるとあまり面白いとは思えませんでした。
次回作に期待したいと思います。
普通
特に深読みもすることなく、可も不可もなく、極普通に鑑賞しました
くんちゃんやミライちゃんより、若き頃のひいじいじが素敵で、一番印象深いです
また、意外とコワイ描写もあり、小さな子供には不向きかもしれませんね
(不気味な列車やエンジンの爆音)
なんだかんだ私は、バケモノの子や、雨と雪とおおかみこどもの方が断然好きですね
そんな人、もしかしたら結構いるんじゃないかなぁ…
共感や感動とは別のところで
4歳の主人公が成長する話を丁寧に描いた作品です。
夢とか幻とか白昼夢みたいなものと現実の境界が曖昧で、時間の連続性もほぼ意識していない幼少期の思い出を丁寧にアニメーションにした印象です。
私自身は主人公にもその家族にも、共感や感情移入をほとんどしなかったです。
たぶん、感動もほとんどしていないのだと思います。
でも、突き詰めた丁寧さと演出は「すごかったなぁ」と自宅に帰ってからも思い出します。
2018/09/03追記
その後数週間考えてみたのですが。
この映画は、すごく鈍感な大人のもとに生まれた子供の悲劇を描いている気がしてきました。
救いは、経済的に恵まれていることと、妹と仲が悪くないことなのかな。
がっかりでした!!!
細田守監督には、次の作品があります。
時をかける少女(2006)、おおかみこどもの雨と雪(2012)
バケモノの子(2015)
2001年のジブリ作品「ハウルの動く城」では、
ジブリとの衝突から、監督を降ろされています。
公開後、遅くなりましたが観てきました。
今回、細田監督は、原作・脚本・監督を務めていますが、
映像は2Dとは言え、丁寧に創られていました。
しかしながら、ストーリーが薄っぺらな上に、
「笑いを取りに行く」脚本で「姑息さ」を感じてしまいました。
がっかりでした。。。
Michi
子育て映画
細田守作品の中で、一番抽象的なファンタジーです。前作がファンタジーでもわかりやすい冒険ものだっただけに、分かりにくい!幼児の成長ものと分かるけど、不思議空間でトリップするだけ。庭の仕掛けのスケールはデカイが、話しのスケールは小さいので物足りなく感じます。そして主人公がガキすぎてイライラします。もっと未来ちゃんとの大冒険を期待してたのに。まあ、別にそれでもイイと言う人もいるかもしれないけど。パパが自転車を必死で応援する理由とか、ママが片付けで怒るワケとか、家族愛に満ちた映画ではあるのですが。あと、犬の人、鳴き声下手すぎ(笑)
面白くないと聞いていたけど
ケモナーだとかショタコンだとか散々なこと言われてるしつまらんだろうと何となく風の噂を聞いてる皆さん。細田守監督の自己満足だけの作品ではなかったそれは伝えておきたい。
アルバムを見せながらおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんの子供の頃、お父さんの子供のころっていうのを聞かされませんでしたか?子供はそれを聞きながらすごい妄想をしているのかもしれません。ストーリーの流れとしては主人公の4歳の男の子くんちゃんが家族の過去と未来のことを体験して成長する物語です。
俯瞰から始まる横浜の景色はとても綺麗だったし、4歳の男の子ってのはわがままでお母さんっ子っていうのがよく表現されていた。
そして作品の肝である家族愛。一つの家族が形成されている中には様々な物語が詰まっておりそう言う物語を子供に受け継いでいくのだとそして成長していくのだと。
是非、カップルとかでみて子供についてお互い語ってみる、そう言う作品なのかな。とても感動する作品でした。
噂通り。 伝えたい事は少し好感が持てた。自転車のエピソードはちょっ...
噂通り。
伝えたい事は少し好感が持てた。自転車のエピソードはちょっと良かった。
それ以外すべて酷い。不快指数高くて久々に早く終われと思って観てた。泣いたり喚いたりが多すぎるし喜怒哀楽全部可愛くない。演出もしつこい。画も綺麗じゃないし動きもなくて退屈。
とても嫌いです。
何これ、うーん😔
細田監督というので、とりあえず見てみたが。映画館というより、映画にするまでもない内容。子供が兄弟に嫉妬するなんてのは、わざわざ映画でなくてもわかることだし、それはきっかけとして、タイトルに負けない壮大なファンタジーを期待してたんだけど…
うーん、バケモノの子が良すぎたのかな、残念。インクレに完敗ですね。
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