「成長物語」未来のミライ CBさんの映画レビュー(感想・評価)
成長物語
妹ができた3歳?の男の子の成長物語。
ひいじいちゃんとのエピソードが秀逸。自転車に乗れるかどうかというだけの話を、こんなに心踊る流れにしたのは、流石としか言い様がない。きっと、俺同様に男性に受けていると思う。
この監督の今までの作品のように、しっかりした一本のストーリーが進んでいくスタイルではなく、エッセイ集のようにいくつかのエピソードを見ていくスタイルなので、ちょっと変わった感じがした。
また、前半の未来のミライちゃんと愛犬ゆっこと一緒にお雛様を片付けるシーンまでは、正直長くてかったるいなあと感じた。
けれど、イヤイヤ期の子どもの「愛しいけれど、あー、めんどくさい!」というベースとなる感情をまず観客に共有してもらうためには、必要な時間なのかもしれないな、と鑑賞後には考えている。
今回の映画は、子育て経験のある人には楽しめるが、若年層 青年層にはどうなのだろうか。感情移入する対象はおそらくいないし、明確な敵がいるわけでもない。この映画の面白さ自体が届かないかもしれないな。
映画って難しいんだろうな。日々挑戦なんだね。
とは言え、絵のキレイさ、特に光の描写、そして登場人物を描くスッキリした線、自分はこの監督の絵はとても好きだ。今回は、「息を吹かけて曇ったガラスを手でゴシゴシ擦ったら、こんな風だよね。こんなことまでアニメはできるようになったよ」というのが伝わってきた。
おまけ
山下達郎のエンディングソングは、俺には、「高気圧ガール」に聞こえてしょうがなかった。この人も、いい意味で、ぶれない人だなあ。
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