ファントム・スレッドのレビュー・感想・評価
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面白い
分かりたかったのに!
耽美主義
変人に解放されるマザコン
高級レストランで観るような映像美。だけど…
50年代 英国王室、社交界のドレスを誂える
ドレスデザイナーのレイノルズ・ウッドコック。
仕事に情熱をかける彼は恋人は作るも独身のままだった、
ある日レストランでアルマと出会い人生が変わっていく…
衣装の美しさもさる事ながら、奏でる音楽も美しい。
この映画に漂う高級感はドレスコードを指定し
劇場に行かなくてはならないような気にすらなります。
なのにこの映画の根本は男女の束縛について。
題名のファントムスレッドは直訳するなら
「幽霊の縫い糸」「見えない糸」のような意味。
女性に愛を見出さずにいたレイノルズの
唯一、仕事を忘れ人に心を開く瞬間とは何だったのか…
ある種の天才の領域に辿り着いた職人は
片時も仕事を忘れられない。
レイノルズは富裕層で女性にもモテるのだが、
彼自身が女性に全く関心を示さない。
住居には常に誰か人がいて、姉が彼を管理。
食事も姉と共に食べ、マナーが悪いと両方から非難される…
そんな彼を愛してしまったアルマがとった行動とは…
男性には恐怖に感じる映画かもしれません。
「女性は仕事をする姿に惚れる」とあるのに
仕事人間過ぎて構ってくれないと嫌だ、という
ある種の矛盾の極致のような問題を提示した作品でした。
結末部分が・・・。
男は単純・女はしたたか
1950年代の英国の景色・衣装・映像美・カメラアングル・音楽、言葉のひとつひとつも洗練されていて、全てが当時の雰囲気をかもしだして完璧で見事だった。アンケートでこの恋愛あるかないかっていう問いに私はないと記載したが、実はあるような気がした。しかも現代でもあちこちで。男って単純で真面目で素直で自分がつらい状況の時に優しく支えてもらったら大喜びで自分の貫いてきた信念まで変更してしまう。女ってしたたかで計算高くてそういう男を上手く操る。過去の自分になかった華やかな世界を手に入れたら手放さないたくましさ。彼女は本当に愛していたのか?愛だけの感情であそこまでしたのか?そこには彼に対する愛情だけでなく思いがけなく手に入れた素晴らしい世界を失いたくないという執着心もあったのではないだろうか?生まれ育った境遇・地位も身分も知識も経済も価値観もあまり違いすぎるとどんな恋愛も破滅的になるような怖さも感じた。そして全てを理解したとしても男は女を受け入れてしまう悲しいサガ(性・相)。優しすぎる純粋すぎるのは男で、女は自分の欲を手に入れ手放さない為にあらゆる手段をこうじる策略家。女って怖い生き物。でも女のしたたかな強さが子供を産み育てる強さにもなり家族を支える強さにもなっている気もする。女って計算高くて恐ろしい存在だってわかっていても女に騙されてもきっとその時々で楽しさを味わえば、男の誰もが幸せを感じて受け入れてしまうものなのかもしれない。世の男性の皆さん、女って怖い生き物ですよ!
2人の愛
アルマに共感できる自分が怖い
サスペンスあり、ラブロマンスあり、いろんな意味で面白い映画だった
世界的なドレスデザイナーのウッドコックが、休暇のために訪れた田舎町で、デザイナーから見て完璧な体型のアルマと出会い、彼女に心を乱されていく姿を描く
この映画は、困ったことに、少しでも余計なことを言うとネタバレになってしまうので、内容についてはこれ以上は語らないことにする
ダニエル・デイ=ルイスは、寸分の狂いもなく神経過敏なデザイナーのウッドコックを演じていて
本当にこの人は凄いなと思った
しかし、私としては
そのウッドコックのお相手であるアルマの気持ちに共感できてしまって、
そんな自分がちょっと怖くなる映画だった
私もアルマのような「支配欲」が確実にあって
それを突き動かしているのは「私が世話しなきゃ」という母性本能。
見えない亡霊や小姑と彼を奪い合うのは、とても難しいけれど、アルマは最も有効な方法を探していたのだと思う
ということで、私は完全に女性目線で観たけれど、男性が観たら、全然違う作品に観えるだろうし、そこが、この映画の面白さなのだと思う
好みが大きく分かれそう
試写で拝見しました。
この作品は豪華絢爛な衣装と、1950年代のロンドンにお似合いの音楽が素晴らしい!
作品内の恋愛表現については、非常に男性目線的。
隷従させるのか、するのか…
心理戦より、精神的なマウンティング合戦とでもいったほうがいいのかも。
ここは観る人でかなり好みが分かれると思います。
男女の愛の形は人それぞれだから、どんなにアブノーマルかつ変態プレイでも「あり」だけど。
本作では精神的なアブノーマルさであって、エロくはないのでご安心を。
気持ちは、分かる?
意味深なタイトル通りの怖い映画でした
1950年代のロンドン、レイノルズは彼の秘書を務める姉シリルと共に大勢のアシスタントを従えて活躍する社交界で絶大な人気を誇るファッションデザイナー。レイノルズは朝食をとろうと立ち寄った帰省先のレストランでウェイトレスのアルマと出会う。運命的な出会いを感じたレイノルズはすぐに彼女をディナーに誘い、食事を終えたレイノルズはアルマに体の寸法を測らせてくれないかと提案する。アルマは当然戸惑うが、彼女の背後には静かにシリルが立っていた。
予告を観る限りでは古めかしいロマンスのような雰囲気でしたが、内容は全然違いました。レイノルズに訳分からず振り回されるアルマを見つめる物語が次第にあらぬ方向に転がり、淀川長治先生なら眉間に皺を寄せて「怖い怖い」を連発したであろうこの意味深なタイトルが醸す通りの怖い映画になっています。
フィルム撮影に拘った映像は途方もなく美しく、尋常ではないレベルで当時のロンドンの風景を再現しているのでスクリーンでの鑑賞がベスト、ずっしりと重い重厚な作品です。
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