ファントム・スレッドのレビュー・感想・評価
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アーティストの強度は真の愛によって揺らぐ
強い女の話か、あるいは弱い男の話か。
アーティストの強度は、凡庸な愛への憧れによって瓦解する。
ニーチェの言うように、やはり創造者は常に孤独でなければならないのだろうか...そのストイックさに身も心も耐えきれなくなっても、世間へ逃げたくなる衝動を殺し、創作活動に勤しむ...そんな事が本当に可能なのか?
非人間性から普遍的な人間らしさを浮き彫りにした良作。
圧倒的濃密度の映画できのうきょうで7本近く映画館はしごして最後がこ...
強い男の弱さを握る
美しい
呪い
面白い
分かりたかったのに!
耽美主義
変人に解放されるマザコン
高級レストランで観るような映像美。だけど…
50年代 英国王室、社交界のドレスを誂える
ドレスデザイナーのレイノルズ・ウッドコック。
仕事に情熱をかける彼は恋人は作るも独身のままだった、
ある日レストランでアルマと出会い人生が変わっていく…
衣装の美しさもさる事ながら、奏でる音楽も美しい。
この映画に漂う高級感はドレスコードを指定し
劇場に行かなくてはならないような気にすらなります。
なのにこの映画の根本は男女の束縛について。
題名のファントムスレッドは直訳するなら
「幽霊の縫い糸」「見えない糸」のような意味。
女性に愛を見出さずにいたレイノルズの
唯一、仕事を忘れ人に心を開く瞬間とは何だったのか…
ある種の天才の領域に辿り着いた職人は
片時も仕事を忘れられない。
レイノルズは富裕層で女性にもモテるのだが、
彼自身が女性に全く関心を示さない。
住居には常に誰か人がいて、姉が彼を管理。
食事も姉と共に食べ、マナーが悪いと両方から非難される…
そんな彼を愛してしまったアルマがとった行動とは…
男性には恐怖に感じる映画かもしれません。
「女性は仕事をする姿に惚れる」とあるのに
仕事人間過ぎて構ってくれないと嫌だ、という
ある種の矛盾の極致のような問題を提示した作品でした。
結末部分が・・・。
男は単純・女はしたたか
1950年代の英国の景色・衣装・映像美・カメラアングル・音楽、言葉のひとつひとつも洗練されていて、全てが当時の雰囲気をかもしだして完璧で見事だった。アンケートでこの恋愛あるかないかっていう問いに私はないと記載したが、実はあるような気がした。しかも現代でもあちこちで。男って単純で真面目で素直で自分がつらい状況の時に優しく支えてもらったら大喜びで自分の貫いてきた信念まで変更してしまう。女ってしたたかで計算高くてそういう男を上手く操る。過去の自分になかった華やかな世界を手に入れたら手放さないたくましさ。彼女は本当に愛していたのか?愛だけの感情であそこまでしたのか?そこには彼に対する愛情だけでなく思いがけなく手に入れた素晴らしい世界を失いたくないという執着心もあったのではないだろうか?生まれ育った境遇・地位も身分も知識も経済も価値観もあまり違いすぎるとどんな恋愛も破滅的になるような怖さも感じた。そして全てを理解したとしても男は女を受け入れてしまう悲しいサガ(性・相)。優しすぎる純粋すぎるのは男で、女は自分の欲を手に入れ手放さない為にあらゆる手段をこうじる策略家。女って怖い生き物。でも女のしたたかな強さが子供を産み育てる強さにもなり家族を支える強さにもなっている気もする。女って計算高くて恐ろしい存在だってわかっていても女に騙されてもきっとその時々で楽しさを味わえば、男の誰もが幸せを感じて受け入れてしまうものなのかもしれない。世の男性の皆さん、女って怖い生き物ですよ!
2人の愛
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