劇場公開日 2018年5月26日

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「高級レストランで観るような映像美。だけど…」ファントム・スレッド takaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高級レストランで観るような映像美。だけど…

2018年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

50年代 英国王室、社交界のドレスを誂える
ドレスデザイナーのレイノルズ・ウッドコック。

仕事に情熱をかける彼は恋人は作るも独身のままだった、
ある日レストランでアルマと出会い人生が変わっていく…

衣装の美しさもさる事ながら、奏でる音楽も美しい。
この映画に漂う高級感はドレスコードを指定し
劇場に行かなくてはならないような気にすらなります。

なのにこの映画の根本は男女の束縛について。

題名のファントムスレッドは直訳するなら
「幽霊の縫い糸」「見えない糸」のような意味。

女性に愛を見出さずにいたレイノルズの
唯一、仕事を忘れ人に心を開く瞬間とは何だったのか…

ある種の天才の領域に辿り着いた職人は
片時も仕事を忘れられない。

レイノルズは富裕層で女性にもモテるのだが、
彼自身が女性に全く関心を示さない。
住居には常に誰か人がいて、姉が彼を管理。
食事も姉と共に食べ、マナーが悪いと両方から非難される…

そんな彼を愛してしまったアルマがとった行動とは…

男性には恐怖に感じる映画かもしれません。
「女性は仕事をする姿に惚れる」とあるのに
仕事人間過ぎて構ってくれないと嫌だ、という
ある種の矛盾の極致のような問題を提示した作品でした。

taka