「チャーチルという巨人の寓話」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
チャーチルという巨人の寓話
クライマックスの地下鉄のシーンが脚色されたフィクションであるように、これは史実をなぞった実録映画ではない。ある意味では独善的な宰相が、ヒトラーを警戒しながらも自らも独裁者的資質を持ち、しかし国民の目線を知ることで、国家における自分の役割に目覚めていくという、成長のドラマだと思う。それをどうやってビジュアルで見せるかにジョー・ライト監督は心を砕いていて、出来すぎなくらい明快な物語に仕上がった。映画だもの、核を掴み出して脚色し、映像のダイナミズムで表現する。とても映画らしい伝記映画だと思う。
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