ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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マスコミ批判映画ではない。合衆国の精神を表現した快作。
報道の自由を訴える者であれば、是非とも、この映画のメリル・ストリープのような勇気を見せていただきたい。
映画終盤の最高判事の宣言文が印象的。
「我々が仕えるのは統治者のためではなく、統治のためである」
統治という英語はgovernだったかな?
我が国では「統治のため」と言えばそれは「統治者のため」と自動変換されてしまう。
しかしアメリカは違う。
アメリカ合衆国において、「統治のため」と言えばそれは「国民のため」なのだ。
それがアメリカという国家の精神なのだ。
内容が内容なだけに、劇中、ほぼ会話劇のみで展開していきます。
それをダレずに魅せる。これぞ映画的手腕。さすがスピルバーグ。
全然飽きなかった。
とはいえ、会話シーンが多くて字幕の量が多かったり、固有名詞が大量に出てきたり、歴史的敬意を知らない人には全て理解することは厳しいかも。
まぁでも、そこは、庵野のシン・ゴジラやエヴァみたいに観れば良いと思う。
新聞社の中での「オペレーション」を観れればいいのだ。
何をやっているかはよくわからんが、なんかかっこいい。
ペンタゴンペーパーズですが、どうせトム・ハンクスが政府に対抗する映画だろう、と思っていたけれど・・・良い意味で期待を裏切られた。
アメリカ合衆国の精神を観た気がした。本作は政府批判映画ではあるが、国家批判映画ではない。むしろ国家賞賛映画だと思う。
こういった形での国家賞賛映画など観たことがない・・・という意味で、めちゃくちゃ新鮮でした。
改めて考えると、映画の構造がよくできている。この映画、「報道の自由」が「国民主権」のメタファーになっている。
本当に言いたいことは、「主権は国民にあるんだぞ!」ということ。
だから僕は、この映画のメッセージはマスコミに対してではなく、主権者である国民に向けたものであると思った。
特に、憲法についてなんやかんやウンチクを喚いてる人には是非とも観ていただきたい映画だ。
この映画を観て、「日本のマスコミも見習っていただきたい」以上の感想が出てこない人は、憲法を語る資格はない、とさえ思った。
レビュー
「大統領の陰謀」に続く...
脚色?
次元が違う
ちょっと端折った感が
序盤はやけにテンポが悪く、かったるくて眠くなったが、機密文書を入手した辺りから、ようやくエンジンがかかり、そこからは面白かった。
が、終盤があまりにも淡白というか、呆気ないというか、法廷でのやり取りがほとんどなく、いきなり判決っていうのは残念過ぎる。
実に勿体ない。
あと気になったのは、国防省の最高機密文書をあんなに簡単に盗み出せるとは、いくらなんでもねぇ。
実際そうだったのだろうか?
政府を敵に回してでも、長年ひた隠しにされてきた真実を公表しようと奮闘する姿には、エールを送りたくなる。
それにしてもメリル・ストリープは、何を演じても上手い。
新聞社の存続と正義の狭間で葛藤する、ワシントン・ポスト紙発行人のキャサリン・グラハムを見事に演じ切った。
映像的には活版印刷の組版が組まれ、輪転機が回るシーンが迫力もあり、逆に目新しかった。
そして、ウォーターゲート事件へと続くラストシーンも、次を予感させる終わり方でいい。
権力に屈せず正義と報道の自由を勝ち取る。
こんな社会派の硬派な作品を、日本のマスコミ関係者が観たらどう思うのか激しく気になりる。
報道の自由
感動作品!さすが巨匠!メディア関係者必見!
さすがスティーブン・スピルバーグと言うべきでしょう。トムハンクスの演技も素晴らしかったのですが、展開の仕方、演技においての演出は巨匠ならではだと思います。
演技1つに、奥深さがありますし、そこから生まれるストーリーがなんとも素晴らしい!
焦りを見せる時の表情、歩く歩幅、スピードの細部まで見どころがあるのではないでしょうか。そして、メリル・ストリープの演技力も圧巻です!緊張感のあるシーンでは、数秒の沈黙をおくことで、見てる側にも緊張感を与えてます!
何より、展開の仕方!これには感動でした。最後の最後まで、どんなシーンが見られるのか、どんな物語が待っているのか、そのワクワク感に浸されるのは演出の素晴らしさにあるでしょう。
実話として、新聞社、メディアの苦悩がしみじみ感じられます!メディア関係者なら必見です!
国家とは個人のものか、我々のものか。
ベトナム戦争の負けはすでに分かっていた。当時のアメリカにとっての衝撃的事実を伝えた新聞記者たちの戦いの物語。映画としてはそれだけといえばそれだけなんだけど。現代に生きる我々にも突きつけられてはいないだろうか。真実は覆い隠されてはいないか、国家に欺かれてはいないか。
日本において、新聞社やメディアは政府の不都合な真実を報道する気概はあるか。それを求める国民であるか。
政府を批判することは国家を批判することではない。政府はあくまで法律に則り統治を一時的に任されているに過ぎない。その政府の判断が間違っていた時、我々に求められるのは真実を知ろうとすることと、政府を批判する心だ。それを教えてくれるのが本作である。
今見るべき作品。
報道の責任とその重み
表現の自由か、社の存続か
新聞社の社主が記者ではなく、世襲制のような形で承継されていることがまず驚きだった。権力との結びつきがその性質上許されない新聞社の経済基盤を誰が支え、どのようにして経済基盤を守っていくのかは、今後のマスコミにとっても大きな課題であろう。
経済基盤の喪失の危険を前にすると、表現の自由もただの理念であるかのように思えてくるのは当然だ。しかし、マスコミに突っつかれたくない権力側は、そこにつけ込んでくる。これに対抗する戦いは、今後もずっと続くだろうし、マスコミが常に勝利できるわけでもないだろう。
マスコミが国民に仕えることを使命としている間は、国民がマスコミを守るよう心掛けるべきである。そうでないと、私たちは権力に対抗する重要な手段を失うことになるからだ。
これが噂の
日本のマスメディアよ奮起せよ
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