ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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もう少し社主の女性をフューチャーしても良かったかも。
ベトナム戦争時代のアメリカ。極秘文書であるベトナム戦争の分析レポートの報道を巡る、記者と社主の物語。
実話を基にしたお話です。
デスクや記者が、ジャーナリズムの使命感に基づいて真実を報道する様を描きます。
ただ、鑑賞して心打たれたのは、メリル・ストリープ演じる女性社主の心情です。
主人の死から心ならずも受け継いだ社主の座。「主人の会社を任されている」という消極的な気持ちから、報道に対する責任、会社を守ることへの責任を自覚し、悩み、決断する様が描かれています。
まだ女性の社会進出が覚束ない時代の彼女の辛さが、エンディングの情景で表現されているように感じます。
映画としてみた場合、報道に係る政府側との攻防に弱さを感じました。そのこともあり、もう少し社主の心理描写を強く描いた方が、より深みが出たように思えます。
話は変わりますが、報道の自由は民主主義の根幹だと思います。時に行き過ぎがあることも理解していますが、それでも報道の自由を守るスタンスは大切ですね。
まさに今観るべき作品
過去の出来事ではあるが、新聞というメディアが衰え、ネットでフェイクニュースが飛び交い重要な公開すべきが隠蔽される今、新聞というメディアが果たしてきた政権批判という重要な役割について改めて考えさせられる。
情報を残した国務長官の意図、やはり現に行政に携わる当事者らも結局は自身の記録を残し検証することが大事であると考えた証だ。安倍晋三政権の隠蔽体質と比べたい。
【現代アメリカに対する警鐘として今作を世に出したスティーブン・スピルバーグの映画人としての気骨溢れる作品】
泥沼化するベトナム戦争の真相、行く末を見抜いていた男の文書「アメリカ合衆国のベトナムにおける政策決定の歴史」
ニューヨーク・タイムズに記載された文書の一部、そこにはトルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン大統領たちがベトナム戦争の行く末に関して国民に嘘をつき、当時の国防長官ロバート・マクナマラはその文書を読み、この戦争に勝利なしを知っていた・・、という事実が記載されていた。
只、ニューヨーク・タイムズは当時のニクソン大統領からの厳しい圧力に屈し、ワシントン・ポストがタイムズに負けじと動き出す。
ワシントン・ポストにも及ぶ政府の圧力。それに屈しない判断を下したのは、夫が自死し、社主になっていたキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)だった・・。
経験も浅く、取締役会長のフリッツ・ビーブ(トレイシー・レッツ)の庇護の元、社主職を何とかこなしていたキャサリンがワシントン・ポストの編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)のバックアップもあり、徐々に自分の意見をきちんと発し、政府の圧力に対しジャーナリズムの矜持を発する決断をしていく・・。
このような時代だからこそ、渾身の気概を込めてスティーブン・スピルバーグが世に出した、ポリティカルムービーの秀作。
アメリカ映画文化の気骨を深く感じた作品である。
<映画は娯楽であるが、時勢により世に警鐘を鳴らすスタンスを前面に出す総合芸術であり、社会的メッセージを発するジェントリー・カントルマンとしての役割をも持つという事を再認識した作品>
<2018年3月31日 劇場にて鑑賞>
権力分立制で良かったね。
ワシントンポスト誌がタイムズ紙にベトナム戦争への機密文書について先にすっぱ抜かれるが、タイムズ紙は政府の圧力にて後の掲載を取りやめる。ワシントンポスト誌は別に機密文書を入手し、続きを新聞に掲載しようとするのだが、、、。
スピルバーグ監督らしく、ネタの中身を重視せずに、それを取り巻く人間達を面白く描いているなというの印象の映画でした。(逆に中身が無いから面白くないとの他低評価のレビューもうなづける。)
髪型が変わり最初「お前誰や?」と思ったトム・ハンクスwやワシントンポスト誌女性社長にベテラン安定のメリル・ストリープと新聞社の中心に置くことにより、当初少し傾きかけたワシントンポスト誌でしたが、その後の展開はこの2人によって不安無く観れた様な気がします。
ラストは新聞社協力、権力分立によるハッピーエンドとニクソン・ウォーター事件への皮肉さ。アメリカらしい。
今の日本新聞業界はどうなんでしょうか?
昔は購読してましたが、今は右派、左派寄りもあり何かつまらないし、印象操作も多い。田舎の地元紙の方がマシに記事にしている状態。
昔の威信に掛けて何か成し遂げて頂きたいものだ。
ジャーナリズムとは
ベトナム戦争に関する機密文書の報道を巡る、ジャーナリズムを描く実話(?)のストーリー。
ジャーナリズムを貫き、政府の欺瞞を報道する姿勢は素晴らしいと思った。
また、太平洋戦争を勝ったアメリカが戦争を続けていく中、いろいろな欺瞞もあったんだなと思った。
美術が素晴らしい
思ったより感動等なかった。メリルストリープとトムハンクスの演技は好みでないのかもと思い始めた。美術等にとてもお金かけていると思った。最後のメグの台詞、「The press was to serve the governed not the governors 報道が仕えるべきは国民、統治者ではない」これが言いたい映画だったのですね。この台詞は今の安倍政治にも響く言葉ではないだろうか。政治家がマスコミと一定の距離を置き癒着してはならないね。
集団人力がやるとこうなるのか!
これを観初めて最初に感じたのは『スノーデン』
警備員と他愛のない話をして最後に自分の決心を固めるところとか最初に出てくるのでそう思った。
でもね、トップシークレットを全部コピーするとか、
そりゃあ今よりセキュリティーは甘いのだろうけど、現在の時代にこの根性、しかも集団で持ってるって有るかしら?
そしてメリル・ストリープだから出来るのだろうけど、男性タチの常識を真っ向から否定するって事も本当に出来たの?
『スノーデン』も確かに凄かった!でもでもでも
人力で社会を動かす事は個人の問題ではなく近しい人達を巻き込み裏切り(それを詫びに行くとかどんだけ気遣いしてんの?)
この行為がその後のウォーターゲート事件からのニクソン辞任の序章だった。
偶然そのあとそちらの方の映画も続けてみたので、(蛇足だがこれがまた…)
アメリカの民間人が力を持つって事は支配者にとって脅威なのだ。
最近こういう映画よく見かけるには意味がある事。劇中にあったけど「奴らはしぶとい」まさしくです。
報道の自由ってこういうことなんだなとシビれた
機密文書の件が新聞になる、輪転機で紙に文字が「乗る」シーンにジャーナリズムを感じた。決して「世間を騒がせたい」という目立とう精神や売上主義ではない。
言葉で言い表せないジャーナリズムという精神には、「正義」という言葉が似合うのかもしれない。
記者は「正義の味方」ではなく、「正義」の味方なんだなーと。
報道の自由って、「正義の自由」なのかも。
最後までオシャレ。おもしろかった。
マスコミ批判映画ではない。合衆国の精神を表現した快作。
報道の自由を訴える者であれば、是非とも、この映画のメリル・ストリープのような勇気を見せていただきたい。
映画終盤の最高判事の宣言文が印象的。
「我々が仕えるのは統治者のためではなく、統治のためである」
統治という英語はgovernだったかな?
我が国では「統治のため」と言えばそれは「統治者のため」と自動変換されてしまう。
しかしアメリカは違う。
アメリカ合衆国において、「統治のため」と言えばそれは「国民のため」なのだ。
それがアメリカという国家の精神なのだ。
内容が内容なだけに、劇中、ほぼ会話劇のみで展開していきます。
それをダレずに魅せる。これぞ映画的手腕。さすがスピルバーグ。
全然飽きなかった。
とはいえ、会話シーンが多くて字幕の量が多かったり、固有名詞が大量に出てきたり、歴史的敬意を知らない人には全て理解することは厳しいかも。
まぁでも、そこは、庵野のシン・ゴジラやエヴァみたいに観れば良いと思う。
新聞社の中での「オペレーション」を観れればいいのだ。
何をやっているかはよくわからんが、なんかかっこいい。
ペンタゴンペーパーズですが、どうせトム・ハンクスが政府に対抗する映画だろう、と思っていたけれど・・・良い意味で期待を裏切られた。
アメリカ合衆国の精神を観た気がした。本作は政府批判映画ではあるが、国家批判映画ではない。むしろ国家賞賛映画だと思う。
こういった形での国家賞賛映画など観たことがない・・・という意味で、めちゃくちゃ新鮮でした。
改めて考えると、映画の構造がよくできている。この映画、「報道の自由」が「国民主権」のメタファーになっている。
本当に言いたいことは、「主権は国民にあるんだぞ!」ということ。
だから僕は、この映画のメッセージはマスコミに対してではなく、主権者である国民に向けたものであると思った。
特に、憲法についてなんやかんやウンチクを喚いてる人には是非とも観ていただきたい映画だ。
この映画を観て、「日本のマスコミも見習っていただきたい」以上の感想が出てこない人は、憲法を語る資格はない、とさえ思った。
レビュー
俳優陣の演技はさすがと言った感じですが、これをレディプレイヤー1の製作中に作っちゃうスピルバーグ監督には驚愕です🤣
報道の自由と会社や従業員への責任の葛藤を分かりやすく描きつつ、人間関係の葛藤との組み合わせも見事でした🦊
最高に感情が高まる映画
ワシントンポストがこんな決断を為したとは知らなかった。ジェフベゾスが買った理由の1つであって欲しいと思った。
犯罪行為である可能性が高いことを承知での記載の決断の重さ、そこからウォーターゲート事件に繋がりニクソン大統領辞任まで繋がる流れ。報道の自由が守られた貴重な事件がこうやって映画になるのは重要だと感じた。
記載決断のシーンで、記者と経営者の決断の重さの違いが出てくる流れ、最終的に世論や他紙の追随による最高裁の勝訴の流れ。どれもが強く心を動かされ、心が高まる映画だった
「大統領の陰謀」に続く...
大好きな重鎮の方々/他により短期間ながらも丁寧に創り上げられた、いぶし銀的な作品。特にヤヌスのカメラワーク、映像の質感、アンの衣装、ジョンの音楽が👍
ラストシーンでスピルバーグ版の「大統領の陰謀」を観たくなってしまった。
また、メイキングも良い。皆さんイイ顔してます😊
脚色?
政治絡みの映画をどこまで真に受けて何処からをエンタメとして楽しめるか?
そこら辺は事情に詳しくてある程度以上の見識がないと難しいと思う
局面局面での事実かどうかの検証はもうわからないし、前提となる知識をどれくらいの観客が共有しているか?
他のレビューをみるとそこら辺かなり慎重になる必要もあると分かった上で、映画としての印象を率直に言うと退屈でした
この映画の自省的な部分は現代の彼の国に活かされてるの?
次元が違う
最高権力により記録が捏造されている国に住む者としては、記録がある事が凄いと思いました。毎日あまりにも次元が低い話ばかりなので、私自身麻痺してしまっているのかもしれません。スピルバーグはトランプ大統領が就任したからこの作品を製作したとの事ですが、エンターテイメントでも日本と次元が違うのですね。
ちょっと端折った感が
序盤はやけにテンポが悪く、かったるくて眠くなったが、機密文書を入手した辺りから、ようやくエンジンがかかり、そこからは面白かった。
が、終盤があまりにも淡白というか、呆気ないというか、法廷でのやり取りがほとんどなく、いきなり判決っていうのは残念過ぎる。
実に勿体ない。
あと気になったのは、国防省の最高機密文書をあんなに簡単に盗み出せるとは、いくらなんでもねぇ。
実際そうだったのだろうか?
政府を敵に回してでも、長年ひた隠しにされてきた真実を公表しようと奮闘する姿には、エールを送りたくなる。
それにしてもメリル・ストリープは、何を演じても上手い。
新聞社の存続と正義の狭間で葛藤する、ワシントン・ポスト紙発行人のキャサリン・グラハムを見事に演じ切った。
映像的には活版印刷の組版が組まれ、輪転機が回るシーンが迫力もあり、逆に目新しかった。
そして、ウォーターゲート事件へと続くラストシーンも、次を予感させる終わり方でいい。
権力に屈せず正義と報道の自由を勝ち取る。
こんな社会派の硬派な作品を、日本のマスコミ関係者が観たらどう思うのか激しく気になりる。
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